フョードル・ドストエフスキーの短編小説”白夜”をにヒントにして製作された作品。 恋愛で傷つき鬱状態の青年が現れた2人の女性との交流で人生を見つめな直す姿を描く、製作、監督、脚本ジェームズ・グレイ、主演ホアキン・フェニックス、グウィネス・パルトロー、ヴィネッサ・ショウ、イザベラ・ロッセリーニ他共演のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・グレイ
製作総指揮
アニエス・メントレ
トッド・ワグナー
マーク・キューバン
マーク・バタン
製作
ドナ・ジグリオッティ
ジェームズ・グレイ
アンソニー・カタガス
脚本
ジェームズ・グレイ
リック・メネロ
撮影:ホアキン・バカ=アセイ
編集:ジョン・アクセルラッド
出演
レナード・クラディトー:ホアキン・フェニックス
ミシェル・ラウシュ:グウィネス・パルトロー
サンドラ・コーエン:ヴィネッサ・ショウ
ルース・クラディトー:イザベラ・ロッセリーニ
ルーベン・クラディトー:モニ・モシュノフ
ロナルド・ブラット:イライアス・コティーズ
アメリカ 映画
配給 マグノリア・ピクチャーズ
2008年製作 110分
公開
北米:2009年2月13日
日本:未公開
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $3,148,480
世界 $16,303,640
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、ブルックリン。
橋から水に飛び込んだレナード・クラディトー(ホアキン・フェニックス)は、付近にいた人々に助けられ帰宅する。
ずぶ濡れのレナードを見た母親ルース(イザベラ・ロッセリーニ)は、鬱病の彼がまた問題を起こしたことを、 夫のルーベン(モニ・モシュノフ)に伝えて心配する。
クリーニング店を営むクラディトー家は、同業者で合併を考える、同じユダヤ人のコーエン一家を招く。
一家の娘サンドラ(ヴィネッサ・ショウ)は、レナードの趣味である写真を見ながら、彼と会話を楽しむ。
一枚の女性の写真を見つけたサンドラは、それがレナードの元婚約者で、2年前に彼が捨てられたことを知らされる。 サンドラは、店で見かけたレナードに惹かれ、親に紹介して欲しいと頼んだことを彼に伝える。 ある日、レナードは、同じアパートに越して来たばかりの女性ミシェル・ラウシュ(グウィネス・パルトロー)に出会う。 翌日、ミシェルを見かけたレナードは、彼女の後を付けて電車のホームで声をかけられる。 レナードと簡単な会話を交わした法律事務所ミシェルは、その後、高級車に乗って去って行く。 帰宅したレナードは、昼食を共にする予定だったサンドラに謝罪の電話を入れながら、窓から見えるミシェルの様子を気にする。 その後、ミシェルに誘われたレナードは、彼女の友人らと共にクラブに向かい、久し振りに解放された気分を味わう。 しかし、ミシェルは、恋人の妻子ある既婚者から、来られないとの連絡を受け、外に出て落ち込んでしまう。 恋人の存在にショックを受けながらも、レナードはミシェルに優しく話しかける。 ミシャルは一旦クラブに戻るが、姿を現さないため、レナードは帰宅する。 サンドラからのメッセージを聞いたレナードは、翌日、彼女の父親の誕生日の夕食会に誘われる。 そこに、部屋に戻ったミシェルからレナードに電話があり、クラブのトイレで彼女が失神したことを知らされる。 さらにミシェルは、恋人が法律事務所の共同経営者で、アパートの家賃も彼が払っていることをレナードに話す。 そしてレナードは、翌日、ミシェルの恋人との食事に同席するよう誘われる。 翌日の夜、レナードは、ミシェルとの約束のレストランで、彼女の恋人ロナルド・ブラット(イライアス・コティーズ)と共に席に着く。 ミシェルが席を外した間に、ロナルドは、クスリを飲んでいる彼女から目を離さないように頼まれる。 三人は食事を済ませて、ロナルドとミシェルはオペラに向かい、レナードは帰宅する。 そこに、サンドラが訪ねて来るが、彼女は、レナードにその気がないことを察して遠慮してしまう。 しかし、サンドラを気遣ったレナードは、彼女を抱きしめてキスし、そして二人は愛し合う。 翌朝、屋上にいたミシェルに呼ばれたレナードは、ロナルドから出張の同行に誘われたと言われる。 それを聞いたレナードは苛立ち、ミシャルの相談に乗るのを止めて突き放してしまう。 その後、レナードはサンドラと付き合い始めるが、ある日、具合の悪いミシェルから連絡を受け、彼女を病院に連れて行く。 ミシェルが流産したことを知ったレナードは、彼女に辛く当たったことを後悔する。 レナードはミシェルを部屋に送り、彼女は現れたロナルドを拒絶してしまう。 そんなレナードは、サンドラから同棲を提案されるが、ミシェルからは、ロナルドと別れると言われる。 二人の相談の結果を知らされたレナードは、頭を整理するために、サンフランシスコに行くと言うミシェルを引き止めて愛を告げる。 ミシェルは戸惑うが、レナードは、病気を知り両親に反対され、自分を捨てた婚約者とのことで傷ついたことを正直に彼女に伝える。 二度と人を愛することがないと思っていたレナードは、心から愛していることをミシェルに告げる。 レナードの愛を受け入れたミシェルは、彼の提案により、二人でサンフランシスコに向かうことにする。 翌日、ミシェルに贈る指輪を買ったレナードは、サンドラの父親から娘との結婚を勧められ、それが家族や自分のためになると言われる。 新年のパーティーを祝う場から抜け出したレナードは、それに気づいた母ルースに別れを告げる。 その後、現れたミシェルは、ロナルドが、家族を捨てて自分との結婚を約束したため、レナードに旅立てないことを伝える。 失意のレナードは水辺に向かうが、サンドラから贈られた手袋を見て家に帰る。 パーティーに戻ったレナードは、サンドラに微笑みかけて、ミシェルのために買った指輪を渡す。 そしてレナードは、幸せだと言ってサンドラを固く抱きしめる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
青年レナード・クラディトーは、婚約者に捨てられ、心に傷を負い鬱病を患っていた。
そんなレナードは、両親の経営するクリーニング店と合併話がある一家の娘サンドラと出会う。
実はサンドラがレナードに惹かれ、彼との交際を望んだのだった。
ある日レナードは、同じアパートに越して来たミシェルに出会い、彼女が気になる存在になる。
その後、レナードはミシェルに既婚者の恋人がいることを知り、ショックを受けながらも彼女への思いは募る。
ミシェルも、優しいレナードを頼るのだが、恋人との中途半端な関係を相談された彼は、ミシェルを突き放してしまう。
その後レナードは、サンドラと交際を始めて、ミシェルは流産をきっかけに、恋人と別れることを決める。
それを知ったレナードは、自分の過去を伝え、ミシェルに愛を告げ、彼女もそれを受け入れるのだが・・・。
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インデペンデント映画の監督として、高い評価を受けているジェームズ・グレイの、繊細にして、優美な映像感覚が生かされたロマンス作品。
北米では拡大公開もされず、日本では劇場未公開に終ったが、カンヌ映画祭のパルム・ドールにノミメートされた作品でもある。
鬱病の男性にとっては、ややきつい体験を描いたドラマではあるが、その主人公が、二人の女性の板挟みになりながらも、苦悩の末に自分を見つめ直す姿が心を打つ。
そんな主人公を演じたホアキン・フェニックスは、喜怒哀楽を自由な表現で演じ切り、その深みのある演技は涙を誘う場面もある。
主人公を受け入れるものの、結局は恋人を選ぶ女性グウィネス・パルトロー、親達の事業のためとは言え、本心で主人公に惹かれるヴィネッサ・ショウ、主人公の母親イザベラ・ロッセリーニ、父親モニ・モシュノフ、ミシェル(G・パルトロー)の恋人イライアス・コティーズなどが共演している。