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タルサ Tulsa (1949)

復讐のために石油事業を始めた牧場主の娘が石油都市タルサを発展させるまでの苦悩を描く、製作ウォルター・ウェンジャー、監督スチュアート・ヘイスラー、主演スーザン・ヘイワードロバート・プレストンペドロ・アルメンダリスロイド・ガフチル・ウィルスエド・ベグリー他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:スチュアート・ヘイスラー
製作:ウォルター・ウェンジャー
原作:リチャード・ワームサー
脚本
フランク・ニュージェント
カーティス・ケニヨン
撮影:ウィントン・C・ホック
編集:テリー・O・モース
音楽:フランク・スキナー

出演
チェロキー・ランシング:スーザン・ヘイワード
ブラッド・ブレイディ:ロバート・プレストン
ジム・レッドバード:ペドロ・アルメンダリス
ブルース・タナー:ロイド・ガフ
ピンキー・ジンプソン:チル・ウィルス
ジョン・J”ジョニー”ブレイディ:エド・ベグリー
ホーマー・トリプレット:ジミー・コンリン
トゥーリー:ポール・E・バーンズ
ネルス・ランシング:ハリー・シャノン
作業員:ジョン・デナー
ライトフット:チーフ・ヨウラチ

アメリカ 映画
配給 Eagle-Lion Films
1949年製作 90分
公開
北米:1949年5月26日
日本:1951年7月13日
製作費 $1,158,040
北米興行収入 $1,600,000


アカデミー賞
第22回アカデミー賞

・ノミネート
特殊効果賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
オクラホマ州、タルサ
20世紀初頭に先住民の居留地だったこの地に油田が発見され、空前の石油ブームとなった。

1920年代。
牧場主のネルス・ランシング(ハリー・シャノン)は、快活な娘チェロキー(スーザン・ヘイワード)の成長を嬉しく思う。

牧場主である先住民のジム・レッドバード(ペドロ・アルメンダリス)とチェロキーと共に、川で牛が死んでいることを知らされたネルスは、その場に向かう。

ブルース・タナー(ロイド・ガフ)の油田の石油が川に流れ出ていることを知ったネルスは、油井に向かい抗議する。

その時、油井から石油が噴出してやぐらが倒れ、ネルスはその下敷きになり死亡する。

タナーの元に向かったチェロキーは、牛の損害額の2万ドルを請求する。

ネルスは不法侵入だったと言うタナーの法律顧問は、こちら側に責任はないので、訴訟を起こし手も無駄だとチェロキーに伝える。

簡単には引き下がらないと言い残してその場を去ったチェロキーは、いとこのピンキー・ジンプソン(チル・ウィルス)に相談しようとする。

タクシーを拾おうとしたチェロキーは、酔った油田主のジョン・J”ジョニー”ブラッドリー(エド・ベグリー)に声をかけられる。
...全てを見る(結末あり)

呼んだタクシーに乗ろうとしたジョニーは男に突き飛ばされ、チェロキーがその男を殴って追い払う。

チェロキーが気に入ったジョニーは、お礼をすると言って、右腕である公証人のホーマー・トリプレット(ジミー・コンリン)と彼女と共にピンキーがいる店に向かう。

タナーに復讐することをピンキーに伝えたチェロキーは、大物で手強い相手であり、タルサを繁栄させた功労者でもあると言われるものの、考えを変える気はなかった。

ある書類にサインしたジョニーは、お礼はいらないと言うチェロキーにそれを渡し、タクシーを乗る際に突き飛ばされた男がいることに気づき彼を殴り倒す。

受け取れないと言うチェロキーに、書類はジョニーに返しておくと伝えたピンキーは、明日の朝ホテルで会う約束をする。

翌朝、訪ねてきたピンキーを部屋に招き入れたチェロキーは、タナーが来たという電話を受ける。

ジョニーから譲り受けた石油の採掘権を見せられたチェロキーは、その土地には石油はないので返してほしいとピンキーに伝える。

昨夜、盛り上がり過ぎて、ジョニーは亡くなったことを知らされたチェロキーは動揺する。

現れたタナーから名前のことを訊かれたチェロキーは、”チェロキー族”の血を受け継いでいると伝える。

法律顧問の無礼を謝罪したタナーは、2万ドルを支払うことを伝えるが、採掘権が目的だと知ったチェロキーは、それを拒む。

そこに現れたジムは、金目当てで土地のことを語るタナーに、先祖民の話をして石油は害だと伝える。

タナーはその場を去り、石油の知識もないチェロキーに、無謀だと言って牛を育てていくことを提案したジムだったが、復讐する方法はこれしかないと彼女は考える。

資金がいるチェロキーは、自分のためなら提供しようと言うジムに感謝する。

その後、石油会社を立ち上げて採掘を始めたチェロキーだったが、状況は思わしくなかった。

そんな時、現れたジョニーの息子で地質学者のブラッド(ロバート・プレストン)は、採掘権には興味はなかったがチェロキーに追い払われそうになる。

作業員のチャーリーにからかわれたブラッドは、彼に襲い掛かり叩きのめすものの、チェロキーに殴られる。

その時、油井から噴出したものを見て喜ぶチェロキーだったが、ブラッドから塩水だと知らされる。

作業員のトゥーリー(ポール・E・バーンズ)から塩水が出たら終わりだと言われたチェロキーは、1万5000ドルの損失を出したことをブラッドに伝える。

チェロキーから謝罪されたジムは、彼女がこれで牧場のことを考え直してくれると思う。

その後、タナーから権利を買い取ると言われたチェロキーは、現れたブラッドからセメントと鋼管の費用を請求される。

水を止めて管を通しセメントを流し込めば掘り進められると言われたチェロキーは、無一文だとブラッドに伝える。

権利を売る気がないチェロキーがブラッドの話に興味を示していることを知ったタナーは、5000ドル貸すので、3週間で石油が出ない場合は権利を渡してもらうという条件の賭けを提案する。

それに乗ったチェロキーは、ジムの許可を得て、ブラッドに作業を任せる。

セメンの流し込み作業を終えて掘り始めたブラッドだったが、期限の3週間が近づき、チェロキーと共に諦めることにする。

チェロキーと最後の食事をしてカジノに向かったブラッドは、タナーの前で”クラップス”で勝負をするが、二度続けて負けてしまう。

代わったチェロキーが勝ち続けたため、ブラッドは2500ドルでタナーと勝負をしようとする。

タナーはそれを受けて、チェロキーはサイコロを振るものの負けてしまう。

その時、押し入ってきたトゥーリーから石油が出たことを知らされたチェロキーとブラッドは、車で油井に向かう。

噴出する石油を止めなければ、1時間に1000ドル失うとチェロキーに伝えたブラッドは、協力者を雇い作業を始める。

チェロキーもそれを手伝い、タナーも作業を見守る。

様子を見に来たジムは、心を寄せるチェロキーが、噴出を止めたブラッドとキスする姿を目撃する。

ジムに気づいたチェロキーは彼に寄り添い、1日で2万4000ドルを稼ぎ出す油井を見つめる。

富豪となったチェロキーは、地質調査をしたブラッドから、牧場の地下にも石油があると言われ、それをジムに伝える。

それを喜ぶ様子ではないジムに、ブラッドは、石油と牧場が共存できることを説明して納得させる。

1年後。
ジムの希望を叶えながら石油の採掘は勧められ、野心を燃やすチェロキーは、金の価値に気づき始める。

約束を守ってくれたブラッドに感謝するジムは、チェロキーから金の使い道を訊かれ、最高級の牛を買うと答える。

そんな時、油田を持つ先住民のライトフット(チーフ・ヨウラチ)が土地の使用料に不満を訴え、石油の採掘量を増やすことをチェロキーに要求し、断ればタナーと契約すると彼女に伝える。

ブラッドから、要求をのめば牧草地が油井だらけになると言われたチェロキーは、牧場主やタナーも含めた会合を開くことを提案される。

会合は始まり、油井の乱立による枯渇で荒れ果てた油田の映像を見せたブラッドは、採掘量の規制をして長期的な視点で考えることを訴える。

石油が枯れても功績は残ると言うタナーは、タルサの発展を例にとり、今後も採掘し続けると意見する。

それにライトフットが賛同したために、チェロキーは、自分も油井を増やすことを彼に伝える。

ジムは反対するものの他の地主は賛成し、油井を増やすことをチェロキーから指示されたブラッドは、気が進まないと伝える。

町を去ろうとするブラッドを引き留めたチェロキーは、彼を説得する。

その後、油井は立ち並び、オイル・クイーンとなったチェロキーは、タナーと同等になっても野望に向かい突き進んだ。

豪邸を購入したチェロキーはパーティーを開く準備を始め、愛し合うようになっていたブラッドから、タナーも招待したことを非難される。

ブラッドは、結婚して落ち着いた人生を送る気がないチェロキーの考えを不満に思う。

パーティーは始まり、接客に忙しいチェロキーの態度にブラッドは苛立ち、ジムが彼をなだめる。

オペラ歌手の歌に満足できないチェロキーは、オクラホマ流の歌を披露してその場を盛り上げる。

知事から声をかけられたブラッドは、土地の保護法に関する提案を評価される。

会場を離れてタナーと共に二階に向かったチェロキーは、合併証書にサインする。

ジムの土地の件でタナーと話をしたチェロキーは、約束なので手は付けないと伝えるものの、彼に説得される。

二人の親しげな様子を見たブラッドは、憤慨してその場を去ろうとする。

来客の前でチェロキーは、思い付きで彼との結婚を宣言してしまう。

ブラッドを引き留めるにはその方法しかなく、ジムはショックを受ける。

知事との件をチェロキーに話したブラッドは、タナーのやり方との違いを示せば必ず法案は通ると伝える。

タナーと提携したことを知らされたブラッドは驚き、パートナーの自分に相談もしなかったチェロキーを責める。

ジムの土地の油井も増やす考えのチェロキーの言いなりになる気はないブラッドは、野心だけで突き進む彼女を見限る。

チェロキーとタナーの合併と共に、ブラッドの辞職が報道される。

油田を去ろうとするブラッドから、自分の土地に油井が建てられ裏切られてことを知らされたジムは現場に向かう。

チェロキーの婚約が破談したことを知ったタナーは、プレゼントと共に牧場の権利書を渡される。

知事選立候補を薦められたと言うタナーから、知事夫人になる気はないかと訊かれたチェロキーは、ジムが作業の妨害をしていることを知らされる。

チェロキーから強引な方法は避けたいと言われたタナーは、マッケイ判事に連絡する。

ジムを呼んだマッケイ判事は、契約書に問題がないことを確認して、油井を増やしたくないと言う彼の意見を聞く。

自分の利益になる油井の増設に反対するジムの考えが理解できない判事は、先住民である彼の公民権を確認する。

ジムの意見を却下した判事は、これ以上問題を起こしたら精神異常者と判断して、公民権を制限すると伝える。

席を立ったジムは、理解を求めるチェロキーの話も聞かずにその場を去る。

ピンキーからも見離されたチェロキーは、これ以上は油井を掘らないとジムに伝えてほしいとタナーに言い残して、油田に向かおうとする。

後悔すると言われたチェロキーは、やっと目が覚めたとタナーに伝えてその場を去る。

ピンキーは現れたブラッドに、昔のチェロキーが戻ったと伝える。

油田に向かったジムは混乱し、石油が流れる川の水を飲んだ牛の死体を見つける。

ジムは川に火を放ち、それが油井に向かう様子を見て正気を失う。

火に気づいたチェロキーらは油井に向かう。

ポンプを閉めて機械を止めるようにと作業員に指示したブラッドは、爆薬の用意をさせる。

やぐらに上り、炎が貯蔵タンクに迫ることを確認したブラッドは、この場で止めようとする。

到着したタナーはチェロキーから状況を訊き、応援も駆け付ける。

やぐらが倒れてタンクに引火したため、ブラッドは爆破して延焼を食い止めようとする。

タナーやピンキー、そしてチェロキーもそれを手伝う。

意識を失ったジムを助けようとしたチェロキーは、やぐらが倒れたために逃げ場を失う。

ブルドーザーに乗ったブラッドは、自分に水をかけるようにと指示して、炎上しているやぐらに突っ込む。

チェロキーとジムを乗せたブラッドは無事に戻り、爆薬は次々と爆破される。

謝罪するジムに、誰よりも勇敢だったと伝えたチェロキーは、彼の土地が守れることをブラッドに確認する。

鎮火した油井を見つけるチェロキーらは、規制に従った採掘をタルサで成功させ、各地の見本になることが将来のためだと考える。

チェロキーとブラッドは、互いを理解し合いキスする。

その後は油田開発の近代化が進み、牧場主と油田業者は共存することに成功し、タルサは世界有数の石油都市となった。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1920年代、オクラホマ州、タルサ
先住民の血を引く牧場主の娘チェロキー・ランシングは、石油業者タナーの油井の事故で父が死亡したことで、彼を恨み復讐することを誓う。
知り合った石油業者のジョニーに気に入られ、採掘権を譲り受けたチェロキーは、牧場を任せているジムといとこのピンキーの協力を得て石油の採掘を始める。
何の知識もないチェロキーの苦難の日々は続いていたが、ジョニーの息子で地質学者のブラッドの協力を得ることになる。
その後、資金が底をつき諦めかけたチェロキーだったが、油井から石油が出たことを知り喜ぶ。
一夜にしてオイル・クイーンとなったチェロキーは、野望に向かって突き進み事業を拡大していくのだが・・・。
__________

製作ウォルター・ウェンジャー、監督スチュアート・ヘイスラー、脚本フランク・ニュージェント、撮影のウィントン・C・ホックなど、そうそうたる顔ぶれのスタッフで製作された作品。

石油都市として知られるオクラホマ州のタルサを舞台に、町の発展に貢献した者達の生き様を描くドラマ。

父の死の原因となった石油業者への復讐を誓った牧場主の娘が、ゼロから手にしたチャンスをきっかけに、野望のために突き進む姿がドラマのテーマとなっている。

快活な牧場主の娘が、オイルマネーの虜になるものの、その結果が悲劇を生むことを悟り人間性を取り戻すまでが痛快に描かれている。

クライマックスで発生する油井火災のシーンの迫力映像は見もので、第22回アカデミー賞では特殊効果賞にノミネートされた。

じゃじゃ馬娘として登場する主演のスーザン・ヘイワードの美しさは際立ち、オイル・クイーンとなるものの、町の発展を願い、友情や愛の大切さを悟る女性を熱演している。

主人公を支える地質学者で愛も芽生えるロバート・プレストン、主人公に心を寄せる先住民の地主ペドロ・アルメンダリス、町を支配する石油業者で主人公のライバルではあるが、紳士的な振る舞いが好感が持てるロイド・ガフ、主人公のいとこチル・ウィルス、主人公を気に入り採掘権を譲る石油業者のエド・ベグリー、その右腕である公証人のジミー・コンリン、作業員のポール・E・バーンズジョン・デナー、主人公の父親ハリー・シャノン、先住民の地主チーフ・ヨウラチなどが共演している。


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