3人目を出産して子育てに奮闘する母親と雇った子守との関係を描く、製作、監督ジェイソン・ライトマン、製作、主演シャーリーズ・セロン、マッケンジー・デイヴィス、マーク・デュプラス、ロン・リビングストン、エレイン・タン他共演のドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェイソン・ライトマン
製作
メイソン・ノヴィック
ディアブロ・コーディ
シャーリーズ・セロン
ベス・コノ
A・J・ディックス
ヘレン・エスタブルック
ジェイソン・ライトマン
アーロン・L・ギルバート
製作総指揮
ジェイソン・クロース
アンドリュー・ポラック
ポール・テニソン
デイル・ウェルズ
スタン・トーマス
ロン・マクレオド
ジェイソン・ブラメンフェルド
脚本:ディアブロ・コーディ
撮影:エリック・スティールバーグ
編集:ステファン・グルーブ
音楽:ロブ・シモンセン
出演
マーロ・モロー:シャーリーズ・セロン
タリー:マッケンジー・デイヴィス
クレイグ:マーク・デュプラス
ドリュー・モロー:ロン・リビングストン
エリス:エレイン・タン
アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ
2018年製作 96分
公開
北米:2018年5月4日
日本:2018年8月17日
製作費 $13,000,000
北米興行収入 $9,369,760
世界 $15,636,460
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
3人目の出産を控えるマーロ・モロー(シャーリーズ・セロン)は、夫ドリュー(ロン・リビングストン)と発達障害の息子ジョナと娘のサラと共に暮らしていた。
ジョナが度々、精神状態が乱れるためにマーロは、”ウィルバーガー・プロトコル/感覚統合療法”を参考にして、彼の肌をブラッシングする。
寝室に向かったマーロはドリューと話し、裕福な兄クレイグ(マーク・デュプラス)一家との明日の夕食の件を話し、購入したベンツの”Gクラス”を見せたいのだろうと伝える。
クレイグに嫌われていると思っているドリューは、気が進まない。
翌日、子供たちを学校に送ったマーロは、いつもの場所に駐車しないことで納得しないジョナが興奮し始めたために、仕方なくスペースが空くのを待つ。 教師のローリーとの面接があったマーロは、彼女から、ジョナがクラスについていけていないことを知らされる。 マーロは、情緒不安定のジョナに、日中の世話をする専属のヘルプを雇うことを勧められる。 その後、カフェに向かったマーロは、旧友のヴァイオレットに声をかけられる。 子供が二人いると言うマーロに、電話番号も住所も同じなので連絡してほしいと伝えたヴァイオレットは、その場を去る。 その夜、クレイグの家に着いたマーロらは、妻のエリス(エレイン・タン)と子供たちに迎えられる。 子供たちは、ナニーのシャスタと共に子供用の食事をすることになる。 クレイグに歓迎されたマーロとドリューは、食事を始めてジョナの話題になり、学校からヘルプを雇うように言われていることを話す。 食事の後で、クレイグからタヒチ風のバーを見せられたマーロは、赤ん坊の世話をしてくれる夜の子守/ナイト・ナニーを、”ベビーシャワー”の贈り物にすると言われて驚く。 知らない者に子供を任せたくないと言うマーロは不安だったが、クレイグは自分も雇ったと伝える。 既に雇ったと言うクレイグは、評判のナニーなので電話をするようにとマーロに伝えて、電話番号のメモを渡す。 帰宅途中のガソリンスタンドでドリューにその件を話したマーロは、賛成されるものの気が進まなかった。 その後、マーロは無事に女の子を出産し、ミアと名付ける。 病院に向かいミアを抱いたクレイグは、帰り際にエリスからナニーのことを訊かれ、マーロが他人に子供を任せたくないと言っていると伝える。 ドリューに説得してもらえばいいと言われたクレイグは、彼には嫌われているとエリスに伝える。 家に戻ったマーロは、ミアと子供たちの世話で疲れ果ててしまう。 学校でローリーと話したマーロはジョナの件を話し、入学できたのが、多額の寄付をしているクレイグのおかげだったのではないかと考える。 適した学校へのジョナの転校を勧められたマーロは、息子が知的障害だと言いたげなローリーを非難し、彼女を罵倒してその場を去る。 興奮しながら車に戻ったマーロは精神的に限界に達し、ナニーに電話をする。 その夜マーロは、帰宅したドリューにナニーに連絡したことを話す。 その後、ジゴロのリアリティ番組を見ながらくつろいでいたマーロは、現れたナニーのタリー(マッケンジー・デイヴィス)に挨拶する。 想像とは違い、若くて奔放なタリーに驚いたマーロだったが、彼女にミアを任せて寝室に向かう。 動揺しながらドリューにナニーのことを話したマーロは、変わった子だと伝える。 熟睡してジョナに梃子摺る夢を見ていたマーロは、タリーに起こされてミアにお乳を与えてほしいと言われ授乳する。 翌朝、目覚めたマーロは、部屋が片付いていることに気づき驚く。 ドリューにその件を話したマーロは、タリーの行動はすべて完璧だったと伝える。 その夜、現れたタリーに掃除のお礼を言ったマーロは、暫くして彼女が授乳に来た際、子供のことを話す。 8歳のサラは難しい年頃で、情緒不安定なジョナには、ネットで調べたウィルバーガー・プロトコルのブラッシングをしていることを、マーロはタリーに話す。 タリーから、休んでいる仕事を訊かれたマーロは、プロテイン・メーカーの人事部だと答える。 授乳を終えたマーロは、タリーから、ミア以外のことでも頼ってほしいと言われ気分が楽になる。 翌日、タリーがカップケーキをたくさん作ってくれてあることに気づいたマーロは、それを持って学校に向かい、ジョナのクラスの生徒たちに配る。 先日のことをローリーに謝罪してカップケーキを渡したマーロは、ジョナを転校させるつもりであることを伝える。 その夜マーロは、久しぶりに手料理を作りドリューを驚かせる。 現れたタリーにカップケーキのお礼を言ったマーロは、寝室に向かい、フェニックスに出張するドリューと話す。 翌朝、ドリューが出かけたことに気づいたマーロは、ジョナを連れて新しい学校に向かう。 トイレの流した音に怯えて泣き出したジョナは、教師に笑わせてもらい落ちつく。 タリーのおかげで気持ちに余裕が出たマーロは、子供たちとの時間も楽しめるようになる。 ジョギングも始めたマーロは、若い女性と張り合ってしまう。 ある夜、ドリューに会ったことがないタリーは、自分がどう思われているのか気になる。 タリーは、ドリューを愛しているのにセックスする気にはならないと言うマーロの考えが理解できず、彼に刺激を与えることを提案する。 高校時代にダイナーでバイトしていたドリューが、ウエイトレスに憧れていたと話すマーロは、かつてドリューのためにコスプレ用に買ったウエイトレスの制服の話をする。 それを借りて着たタリーは、マーロと共に寝室に向かい、ドリューを驚かせて迫る。 クレイグの家の子供パーティーにサラとジョナを連れて行ったマーロは、ドリューたちの前でカラオケを楽しむ。 サラと歌うマーロの姿を見て満足するドリューは、ナニーのおかげで生活が一変したとクレイグに伝える。 ナニーに電話したことを始めて知ったクレイグは喜ぶ。 ある夜、様子がおかしいタリーからルームメイトと喧嘩をしたと言われたマーロは、ミアをドリューに任せて飲みに行くことを提案される。 車でブルックリンに向かうマーロとタリーは、自分たちの信頼関係について話す。 かつて暮らしていたブッシュウィックに着いたマーロとタリーは、バーに向かう。 二人は飲んで踊り楽しい時間を過ごし、タリーはナニーを辞めることをマーロに伝える。 納得できないマーロは、もう少し助けが必要だとタリーに伝える。 無理だと言われたマーロは、ショックを受けて店を出る。 マーロを追ったタリーは、一時的なバイトだと言って、前に進むべきだと伝える。 年を取ることを悲観するマーロに、単調な日々こそが子供たちのためになり、普通の生活が最高だと話しても、タリーは理解してもらえない。 その場にあった自転車に乗りかつて住んでいたアパートに向かったマーロは、追ってきたタリーをヴァイオレットに会せようとする。 胸が張って痛み動けなくなったマーロを連れてバーに入ったタリーは、トイレに向かいお乳を出そうとする。 お乳が出て楽になったマーロは、その場で吐いてしまう。 運転して帰るマーロは、眠らずに話し続けてほしいとタリーに伝える。 タリーは眠ってしまい、睡魔に襲われたマーロは、対向車を避けてハンドルを誤り、川に転落してしまう。 車に閉じ込められたマーロは、いつも夢に見る人魚が近づくことに気づく。 人魚だったタリーはシートベルトを外し、マーロは車内から出て水面に向かう。 病院に駆けつけたドリューは、無事だったマーロに付き添う。 精神科医のスマイスと話をしたドリューは、マーロの精神状態を訊かれ、息子が生まれた時に鬱になったと答える。 今回はナニーを雇っていたために、非常に元気だったと話すドリューは、マーロが極度の疲労と睡眠不足状態だと言われて戸惑う。 ナニーのことを訊かれたドリューは、居場所は分からず彼女自体をよく知らないと答える。 受付で書類に記入するドリューは、駆け付けたクレイグに声をかけられる。 事務員からマーロの生年月日などを訊かれたドリューは、彼女の旧姓は”タリー”だと答える。 ナニーの”タリー”は存在せず、ストレスに対処する手段として、マーロは26歳の自分を想いだしながら、”彼女”を想像したのだった。 病室でもう一度”タリー”に会ったマーロは、去ってほしくないと伝え、やれることをこなし繰り返すべきだと助言される。 年下なのに賢いと言われた”タリー”は、26歳だから考える時間はたくさんあるとマーロ伝える。 3回出産したらすべて忘れるのは残念だと伝えたマーロは、命拾いしたと言う”タリー”と別れる。 戻って来たドリューから、仕事と子供のことで精一杯で、気を遣ってやれなかったと言って謝罪されたマーロは、もう逃げはしない家族を愛していると話す彼と抱き合う。 回復して帰宅したマーロは、ブラッシングより自分が好きと言うジョナを抱きしめる。 好きな音楽を聴きながら料理をするマーロに寄り添うドリューは、彼女の片方のイヤホンを外す。 マーロと同じ音楽を聴きながら、ドリューは彼女を手伝う。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
3人目の出産を控えたマーロ・モローは、裕福な兄のクレイグから、出産祝いとして夜の子守/ナイト・ナニーを雇ったことを知らされる。
他人に生まれたばかりの子供を任せる気になれないマーロは、気が進まない。
無事に女の子を出産したマーロは、喜ぶ夫ドリューと共に娘をミアと名付ける。
その後、発達障害で情緒不安定の息子ジョナとサラ、ミアの世話で疲労と睡眠不足状態となり、限界に達したマーロはナニーに電話をする。
現れたナニーのタリーが、奔放な若者だったために驚いたマーロは、ミアの世話や部屋の片付けまで完璧にこなす彼女のおかげで生活が一変するのだが・・・。
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「ヤング≒アダルト」(2011)とほぼ同じスタッフで、ジェイソン・ライトマンとシャーリーズ・セロンが再び組んだ作品として話題となった。
同作で大人になり切れない主人公を演じたシャーリーズ・セロンが、そのキャラクターが母親になったような女性を演じているのは注目だ。
ベビーシッター文化のアメリカ社会でも、生まれたばかりの子供を、初対面の者に任せるというのはどう考えても不自然なのだが、兄からそれを勧められた主人公は序盤では、雇う気になれないところがポイントだ。
結局、雇ったナニーが夜遅くにしか現れず、主人公の過去とダブる雰囲気がある展開で進み、そのながれのまま、終盤ではファンタジックな内容となる。
平凡な生活に喜びを感じる家族の姿で終わるラストの心地よさなど、ジェイソン・ライトマンらしい演出が光る作品に仕上がっている。
本作は、上記の「ヤング≒アダルト」(2011)同様、批評家から高い評価を得た。
主演のシャーリーズ・セロンは、メイクで肥満体を作ったと思いきや、役作りのために50ポンド(約22.7キロ)も体重を増やしたというのだから驚きだ。
形振り構わない姿で子育てに奮闘する母親を熱演した彼女は、ゴールデングローブ賞の主演賞にノミネートされた。
奔放な夜の子守/ナイト・ナニーを謎めいた雰囲気で好演するマッケンジー・デイヴィス、主人公の夫ロン・リビングストン、主人公の裕福な兄マーク・デュプラス、その妻エレイン・タンなどが共演している。