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チャット Trust (2010)

ネット社会の恐ろしさを描く、製作、監督デヴィッド・シュワイマー、主演クライヴ・オーウェンキャサリン・キーナーリアナ・リベラトヴァイオラ・デイヴィス他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・シュワイマー

製作総指揮
アヴィ・ラーナー

ボアズ・デヴィッドソン
製作
デヴィッド・シュワイマー

エド・カゼル3世他
脚本
アンディ・ベリン

ロバート・フェスティンガー
撮影:アンジェイ・セクラ
編集:ダグラス・クライズ
音楽:ネイサン・ラーソン

出演
ウィル・キャメロン:クライヴ・オーウェン

リン・キャメロン:キャサリン・キーナー
アニー・キャメロン:リアナ・リベラト
ゲイル・フリードマン:ヴァイオラ・デイヴィス
ダグ・テイト:ジェイソン・クラーク
チャーリー・ハイタワー/グラハム・ウェストン:クリス・ヘンリー・コフィ
アル・ハート:ノア・エメリッヒ
ブリタニー:ゾーイ・レヴィン

アメリカ 映画
配給 ミレニアム・フィルムズ

2010年製作 105分
公開
北米:2011年4月1日
日本:未公開
製作費 $4,000,000
北米興行収入 $120,020


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
シカゴ郊外。
14歳のアニー・キャメロン(リアナ・リベラト)は、誕生日に、両親ウィル(クライヴ・オーウェン)とリン(キャサリン・キーナー)からパソコンをプレゼントされる。

既に携帯電話でチャットを楽しんでいたアニーは、パソコンでもそれを始める。

カリフォルニアの”チャーリー”という16歳の少年が相手だったのだが、アニーは何も疑うこともなく、互いの写真などを送り合う。

親しくなるに従い、チャーリーは自分が20歳、そして25歳だとアニーに告白する。

アニーはそれを気にするが、彼を信じて電話連絡などもを続ける。

その後、アニーはチャーリーに会う決心をしてモールで彼を待つ。

しかし、現れたチャーリー・ハイタワー(クリス・ヘンリー・コフィ)は30代半ばの男性で、アニーはショックを受ける。

チャーリーは、年齢を偽ったことを素直に謝罪し、時間を過ごそうと言ってアニーを説得する。
...全てを見る(結末あり)

その頃、大学に入学する息子を送って行ったウィルとリンは、ロンドンで知り合った自分達の学生時代を思い出す。

カフェで話をしたアニーは落ち着くものの、チャーリーから下着をプレゼントされて動揺してしまう。

モーテルに向かったアニーは、チャーリーの要望で下着を着け、その様子を録画されているとも知らずに体を許してしまう。

その後、チャーリーからの連絡が途絶えて悩むアニーは、自分達を目撃していた親友のブリタニー(ゾーイ・レヴィン)が心配して声をかけても、それを迷惑に思う。

心配したブリタニーは、その件を学校側に話し、授業中に校長に呼ばれたアニーは、恋人に暴行された疑いがあるということで警官に保護される。

病院に呼び出されたウィルとリンは、検査を受けているアニーの無事を知り、警官から事情を聞く。

アニーは検査を終え、カウンセラーのゲイル・フリードマン(ヴァイオラ・デイヴィス)に付き添われ両親の元に向かう。

州外の者が関わるネット犯罪ということで、FBI捜査官のダグ・テイト(ジェイソン・クラーク)の捜査も始まる。

自宅に戻り、洋服やパソコンを調べられたアニーは、チャーリーとチャットを試みて、連絡のあった彼から電話を受ける。

一人だと伝えたアニーだったが、チャーリーは、リンの電話も呼び出し、それが嘘だと知り電話を切る。

捜査を手伝おうとするウィルだったが、それをテイトに断られる。

ウィルは、アニーに新しい携帯電話を与えて、チャーリーには連絡を取らないよう警告する。

アニーは、チャーリーが、周囲が考えているような悪人ではないと考えていた。

それを、カウンセラーのゲイルに話したアニーは、チャーリーの無事を祈るとまで言い切る。

独自の調査を始めたウィルだったが、チャーリーが偽名であり、世界中のサーバーにIPを持つ、常習犯だということがテイトの調べで分かる。

ウィルは、近隣地域にも性犯罪者が多くいることを調べ、アニーにその協力を求めるが、彼女はそれを好意的に受け入れることができない。

ゲイルのカウンセリングで、モーテルでのことを聞かれたアニーは、多くを語らず席を外してしまう。

テイトは、チャーリーと思われる男を捕えるが、それが人違いだとウィルに報告する。

アニーとチャーリーのチャットの交信記録を、テイトのバッグから持ち去ったウィルは、それをリンに見せる。

二人はその内容に驚き、ウィルは、自分でチャーリーを捜しだして殺すとまで言い出す。

ウィルは、自分が少女に成りすまして、チャットで犯人を捜そうともする。

アニーは、ウィルの気持ちを理解できずに嫌い始め、学校に復帰して、ブリタニーに不満を訴える。

会社の同僚アル・ハート(ノア・エメリッヒ)から、仕事に集中していないことで注意されたウィルは、アニーが性的暴行を受けたことを伝える。

アニーと話し合おうとしたウィルだったが、それを受け入れられるはずのない彼女は、父を罵倒して部屋から追い出してしまう。

ゲイルの元を訪れたウィルは、何をしていても、アニーを犯した男のことが頭に浮かんでしまうことを伝える。

娘と男の関係に、気づいてやれなかったことなどを悔やむウィルだったが、ゲイルは、人間は傷つくもので、その時に、お互いが助け合うしかないことを伝える。

拳銃を手に入れることも考えたウィルだったが、彼はそれを諦める。

ハロウィンで、大学から戻った息子や家族が集まり楽しい食事をしていたキャメロン一家だったが、アニーは、兄から恋人の話を去れて、ウィルが自分の秘密を話したと言い憤慨して席を立つ。

テイトは、身元不明の犯人のDNAが、他のレイプ事件のものと一致したことをウィルら伝えるが、アニーは、常習犯だというチャーリーを尚も信じようとする。

それを否定するテイトは、被害者の写真を見せるが、アニーは、チャーリーが他に3人もの少女と関係を持とうとしたことにショックを受ける。

ゲイルの元に向かったアニーは、初めて自分がレイプされたことに気づき泣き崩れ、ようやく大人達の助けを求める気持ちになる。

ウィルと、アニーを迎えに行ったリンは、娘のことよりも犯人を捕まえることを考える夫を非難する。

数日後、アニーがバレーボール部の試合に出ることになり、ウィルらも応援に行く。

ところがウィルは、アニーの写真を撮っていると思われる男に襲いかかってしまう。

男性は相手チームの選手の父親で、ウィルはアニーに対して、親としての信頼を完全に失ってしまう。

その後アニーは、侮辱される写真をネット上に公開されてしまい、ショックを受けて自殺を図る。

それに気づいたウィルがアニーを助け、彼女は病院に搬送させる。

自宅に戻ったアニーは、翌朝、庭で考え込むウィルに気づく。

娘を守ることもできない自分が、父親失格だというウィルは、涙しながらアニーに謝罪する。

アニーは、ウィルの気持ちを理解して寄り添い、父娘は固く抱き合う。

教師グラハム・ウェストン”チャーリー”(クリス・ヘンリー・コフィ)は、何事もなかったかのように、家族との楽しい時を過ごす。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
14歳のアニー・キャメロンは、誕生日に両親ウィルとリンからパソコンをプレゼントされる。
既に携帯電話で、”チャーリー”という16歳の少年とチャットを楽しんでいたアニーは、それがエスカレートしていく。
電話もし合う仲になったアニーは、チャーリーが25歳だったことを気にするが、二人は会う約束をする。
ところが、アニーの前に現れたチャーリーは、ネット上の写真とは別人の中年男性だった。
アニーは戸惑うものの、優しくされたためにモーテルに向かい、録画されていることも知らずに、彼女は体を許してしまう。
それを知った学校側は事件と判断し、アニーは警官に保護され病院で検査を受ける。
ウィルとリンは驚き、FBIも捜査を始めるが、アニーはチャーリーを性犯罪者だとは考えない。
ウィルは、独自の調査を始めて犯人を捜そうとするものの、アニーは、それを理解しようとしない・・・。
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俳優のデヴィッド・シュワイマーが製作、監督した意欲作で、主演のクライヴ・オーウェン他、豪華キャスティングも注目の作品。

事件は解決しないまま、亀裂の入ってしまった父娘が、かろうじて関係を回復して終わる。
教師でもある、信頼の厚い犯人が、家族と共に過ごす幸せを象徴する姿が付け加えられ、崩壊しかける被害者一家とは対照的な様子が、社会問題化する事件の重要性を見事に訴えている。

被害者の少女が、まだ社会を知らない子供ということもあり、事件を”犯罪”と捉えていないことも恐ろしい。

トップスターの出演はあるものの、小作で拡大公開されなかった作品で、日本では劇場未公開に終わった。

娘を危険にさらした犯人を捜し、殺意まで抱く親心を、理解してもらえない辛い立場の父親役を、クライヴ・オーウェンは好演している。

その妻を演ずるキャサリン・キーナー、主役級の熱演を見せる、被害に遭う二人の娘リアナ・リベラト、彼女を冷静に見守るカウンセラーのヴァイオラ・デイヴィス、事件捜査に携わるFBI捜査官ジェイソン・クラーク、性犯罪者のクリス・ヘンリー・コフィ、主人公の同僚ノア・エメリッヒ、アニー(L・リベラト)の親友ゾーイ・レヴィンなどが共演している。


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