赤狩りの猛威の中、ハリウッド・ブラックリストに名を連ね業界から排除された脚本家ダルトン・トランボと友人らの苦難の日々を描く、監督ジェイ・ローチ、主演ブライアン・クランストン、ダイアン・レイン、ヘレン・ミレン、ルイ・C・K、エル・ファニング、ジョン・グッドマン、マイケル・スタールバーグ、アラン・テュディック他共演の伝記ドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェイ・ローチ
製作
マイケル・ロンドン
ジャニス・ウィリアムズ
シヴァニ・ラワット
モニカ・レヴィンソン
ニミット・マンカド
ジョン・マクナマラ
製作総指揮:ケリー・マレン
原作:ブルース・クック”Dalton Trumbo”
脚本:ジョン・マクナマラ
撮影:ジム・デノールト
編集:アラン・ボームガーテン
音楽:セオドア・シャピロ
出演
ダルトン・トランボ:ブライアン・クランストン
クレオ・フィンチャー・トランボ:ダイアン・レイン
ヘッダ・ホッパー:ヘレン・ミレン
アーレン・ハード:ルイ・C・K
ニコラ・トランボ:エル・ファニング
ニコラ・トランボ(幼少期):マディソン・ウルフ
クリス・トランボ:マッティ・リプタク
フランク・キング:ジョン・グッドマン
エドワード・G・ロビンソン:マイケル・スタールバーグ
イアン・マクレラン・ハンター:アラン・テュディック
ヴァージル・ブルックス:アドウェール・アキノエ=アグバエ
カーク・ダグラス:ディーン・オゴーマン
ハイミー・キング:スティーヴン・ルート
レポーター:リオ・ハックフォード
バディ・ロス:ロジャー・バート
ジョン・ウェイン:デヴィッド・ジェームズ・エリオット
ロバート・ケニー:ピーター・マッケンジー
サム・ウッド:ジョン・ゲッツ
オットー・プレミンジャー:クリスチャン・ベルケル
DCレポーター:ビリー・スローター
ルイス・B・メイヤー:リチャード・ポートナウ
ジェフ・クランドール:ショーン・ブリジャーズ
J・パーネル・トーマス:ジェームズ・デュモント
ロイ・ブリューワー:ダン・バッケダール
アメリカ 映画
配給
ブリーカー・ストリート(北米)
エンターテインメント・ワン(世界)
2015年製作 124分
公開
北米:2015年11月6日
日本:2016年7月22日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $7,857,740
世界 $11,430,030
■ アカデミー賞 ■
第88回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優賞(ブライアン・クランストン)
■ ストーリー ■
1947年、米ソ冷戦下、ロサンゼルス北部。
ダルトン・トランボ(ブライアン・クランストン)は、その才能を高く評価される脚本家だった。
しかし、トランボや友人である俳優のエドワード・G・ロビンソン(マイケル・スタールバーグ)、彼らが属する共産党と党員は、コラムニストのヘッダ・ホッパー(ヘレン・ミレン)や俳優のジョン・ウェイン(デヴィッド・ジェームズ・エリオット)ら、反ソ連、反共産主義者から軽蔑されていた。
1947年9月。
業界の脚本家としては最高の報酬を受け取っていたトランボだったが、共産主義プロパガンダに関する下院非米活動委員会(HUAC)に、10人の脚本家のうちの1人として召喚される。
トランボは、質問に直接答えることを拒否したため、議会侮辱罪で起訴される。
しかしトランボは、最高裁ではリベラルな多数派が有罪判決を覆すと信じていた。
ヘッダは、トランボと契約をするMGMのルイス・B・メイヤー(リチャード・ポートナウ)に対し、過去を暴露するなどと言って脅し、トランボら”ハリウッド・テン”を解雇させる。
その頃エドワード・G・ロビンソンは、仕事がなくなったトランボらの弁護費用援助のために、所有するフィンセント・ファン・ゴッホの絵画”タンギー爺さん”(1887)を売却した。
1949年6月。
議会侮辱罪で起訴されていたトランボは有罪となり、ついに資金が底をつき、上訴のための仕事として新しい原案(ローマの休日)を書き始める。
同じ頃トランボは、仕事もなく肺がんを患い妻にも見捨てられた友人アーレン・ハード(ルイ・C・K)を気の毒に思う。
原案を描き上げたトランボは、友人である脚本家イアン・マクレラン・ハンター(アラン・テュディック)にそれを渡し、公開時には偽名(ハンターの名前)使わせようとする。
1950年6月。
リベラルなワイリー・ラトリッジ判事とフランク・マーフィー判事が死去したため、上訴が棄却となったトランボは、ケンタッキー州アッシュランドの連邦矯正施設で11か月服役することになる。
その後”ハリウッド・ブラックリスト”は広まり、共産主義者および関係者は業界から排除される。
そんな中、仕事がなくなったエドワード・G・ロビンソンやプロデューサーのバディ・ロス(ロジャー・バート)は、保身のためにトランボらを見捨てる。
1951年4月。
出所したトランボは、低予算映画を製作する”キング・ブラザーズ・プロダクション”のフランク・キング(ジョン・グッドマン)と弟ハイミー(スティーヴン・ルート)を訪ね、少額で仕事を請け負うようになる。
1953年。
ローマの休日はハンターの脚本ということで公開され、トランボは大ヒットすることを確信する。
その後、トランボは湖畔の家を売却して引っ越し、妻クレオ(ダイアン・レイン)や長女ニコラ(エル・ファニング)ら子供たちの協力を得ながら、仲間たちの生活を維持するために、偽名を使い脚本を書き続けるのだが・・・。
1977年に発表された、ブルース・クックの伝記”Dalton Trumbo”を基に製作された作品。
コメディなどを得意とするジェイ・ローチが監督し、主演はブライアン・クランストン、ダイアン・レイン、ヘレン・ミレン、ルイ・C・K、エル・ファニング、ジョン・グッドマン、マイケル・スタールバーグ、アラン・テュディックなどが共演している。
赤狩りの猛威の中、ハリウッド・ブラックリストに名を連ね業界から排除された脚本家ダルトン・トランボと友人らの苦難の日々を描く伝記ドラマ。
第88回アカデミー賞では、ブライアン・クランストンが主演男優賞にノミネートされた。
本作は概ね高評価だったが、歴史観の違いによるイデオロギーの操作的な内容を否定する意見もあった。
冷戦下の激動の時代を背景に、1人の天才脚本家の人間性をドラマチックに描いたジェイ・ローチの演出と、主人公ダルトン・トランボの人間味あふれる人物像を深く演ずるブライアン・クランストンの見事な演技が見どころの作品。
共産主義を激しく攻撃する側と、思想とは別な考えで、友人としてそれを支える実在の俳優など有名人が多く登場し、映画ファン必見の作品でもある。
主人公を支える妻を好演するダイアン・レイン、主人公を攻撃するコラムニストのヘッダ・ホッパー役ヘレン・ミレン、ハリウッド・ブラックリストに載った主人公の友人ルイ・C・K、主人公の娘ニコラ役エル・ファニング、その幼少期マディソン・ウルフ、主人公の息子クリス・トランボ役マッティ・リプタク、キング・ブラザーズ・プロダクションの創設者フランク・キング役ジョン・グッドマン、その弟ハイミー・キングのスティーヴン・ルート、主人公の友人である俳優エドワード・G・ロビンソンを印象的に演ずるマイケル・スタールバーグ、主人公の友人である脚本家イアン・マクレラン・ハンター役アラン・テュディック、主人公と親交を深める囚人アドウェール・アキノエ=アグバエ、カーク・ダグラスのディーン・オゴーマン、レポーターのリオ・ハックフォード、プロデューサーのロジャー・バート、ジョン・ウェインのデヴィッド・ジェームズ・エリオット、検事総長ロバート・ケニーのピーター・マッケンジー、監督サム・ウッドのジョン・ゲッツ、同じくオットー・プレミンジャーのクリスチャン・ベルケル、DCレポーターのビリー・スローター、プロデューサー、ルイス・B・メイヤーのリチャード・ポートナウ、建築業者ショーン・ブリジャーズ、主人公らを攻撃する政治家J・パーネル・トーマスのジェームズ・デュモント、反共産主義者である労働組合のリーダー、ロイ・ブリューワー役ダン・バッケダールなどが共演している。