長年ハリウッドを支えた大スターのジョン・ウェインが念願のアカデミー主演賞を賞した作品。 父親を殺された少女から犯人追跡依頼を受けた剛腕連邦保安官の勇気ある行動を描く、製作ハル・B・ウォリス、監督ヘンリー・ハサウェイ、主演ジョン・ウェイン、グレン・キャンベル、キム・ダービー、ロバート・デュバル、デニス・ホッパー共演の西部劇の秀作。 |
・西部劇
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ヘンリー・ハサウェイ
製作:ハル・B・ウォリス
原作:チャールズ・ポーティス”True Grit”
脚本:マルグレリット・ロバーツ
撮影:ルシアン・バラード
編集:ウォーレン・ロウ
音楽
エルマー・バーンスタイン
グレン・キャンベル(主題歌)”True Grit”
出演
ジョン・ウェイン:ルーベン・J”ルースター”コグバーン
グレン・キャンベル:ラ・ブーフ
キム・ダービー:マティー・ロス
ロバート・デュバル:ラッキー・ネッド・ペッパー
デニス・ホッパー:ムーン
ジェレミー・スティール:エメット・クインシー
ストローザー・マーティン:G・ストーンヒル大佐
ジェフ・コーリー:トム・チェイニー
ハンク・ウォーデン:R・ライアン(葬儀屋)
ジョン・ドーセット:保安官
ジョン・フィードラー:ダゲット弁護士
H・W・ジム:チェン・リー
ジョン・ピッカード:フランク・ロス
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1969年製作 128分
公開
北米:1969年6月11日
日本:1969年6月
北米興行収入 $14,250,000
■ アカデミー賞 ■
第42回アカデミー賞
・受賞
主演男優賞(ジョン・ウェイン)
・ノミネート
歌曲賞”True Grit”
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
14歳のマティ・ロス(キム・ダービー)は、気が強く計算高い賢い少女だった。
マティの父フランク(ジョン・ピッカード)は、馬の買い付けに行くのだが、付き添わせた雇人のトム・チェイニー(ジェフ・コーリー)に殺されてしまう。
アーカンソー州、フォート・スミス。
マティは父親の遺体を引き取りに向い、町で絞首刑を見物する。
R・ライアン(ハンク・ウォーデン)の葬儀社で、父の遺体と対面したマティは、 その足での チェイニーを捕らえるために腕の立つ者を探そうとする。
保安官(ジョン・ドーセット)に相談に行ったマティは、荒っぽくて命知らずだという連邦保安官ルーベン・J”ルースター”コグバーン(ジョン・ウェイン)を紹介される。 マティは、同行していた使用人に父の遺体を託して、早速コグバーンの元に向かう。 しかしマティは、犯人を連行してきたコグバーンには会えずに宿に帰る。 同じ宿で、テキサス・レンジャーのラ・ブーフ(グレン・キャンベル)に声をかけられたマティだったが、彼を無視し部屋に戻り、父の遺品である”コルト・ドラグーン”等を前に涙する。 翌日、コグバーンに会ったマティだったが、彼はその話に関心を示さず追い払われそうになる。 しかし、50ドルの報酬と、チェイニーが悪党ラッキー・ネッド・ペッパー(ロバート・デュバル)と行動をしていることに興味を持ったコグバーンは、マティを家に招き交渉を始める。 使用人の中国人チェン・リー(H・W・ジム)と飼い猫をマティに紹介し、食事を終えたコグバーンは、ネッド・ ペッパー相手ということで倍額の報酬を要求する。 しかし、粗暴で大酒のみのコグバーンと、計算高いマティの交渉は物別れに終わる。 宿に帰ったマティは、ラ・ブーフからチェイニーを別件で追っているということを聞かされる。 ラ・ブーフが、チェイニーを逮捕してテキサスで縛り首にすると聞いたマティはそれを承知せず、彼の意見を聞かずにそそくさと部屋に戻る。 翌日マティは、父親に馬を売ったG・ストーンヒル大佐(ストローザー・マーティン)に、強引に馬を買い取らせる。 そして、マティは二日酔いのコグバーンを叩き起こして、チェイニー追跡に自分が同行するという条件で、前金を払って彼を雇うことにする。 ストーンヒル大佐から、今度は売った馬を安く買ったマティは、コグバーンがラ・ブーフと手を組もうとしていることを知り、前金の返金を要求する。 しかし、コグバーンは既にその金を使い込んでしまい、憤慨したマティは、訴えると言い残しその場を立ち去る。 コグバーンはラ・ブーフ側の取引の大金につられ、早速チェイニーの捜索に出発する。 マティも二人に同行しようとするが、コグバーンらに追い返されてしまう。 それでもマティは諦めず、二人りより先に川を渡り、その強引さにコグバーンは同行を認める。 その後、ネッド・ペッパー一味の情報をつかんだコグバーンらは、一味のアジトを突き止める。 一味のムーン(デニス・ホッパー)らを捕らえたコグバーンは、彼らを尋問して情報を得ようとするが、彼らは仲間割れをして死んでしまう。 ムーンは、死に際にペッパーが夜現れることをコグバーンに話し、彼らは丘の上で待ち伏せする。 ペッパー一味は現れるが、ラ・ブーフがしくじり、彼らを取り逃がしてしまう。 その後コグバーンは、マティが捜索の邪魔だと考え、知人に預け出発しようとする。 しかし、マティは雇い主の権利を主張し、コグバーンを納得させてしまう。 追跡は続くが、飲んだくれてばかりいるコグバーンに、マティとラ・ブーフは呆れるばかりだった。 そんな時、マティは山中でチェイニーに偶然出会い、彼女はペッパー一味に捕まってしまう。 一旦その場を退散したコグバーン達に、ショックを受けたマティは彼らを卑怯者呼ばわりする。 しかし、実はそれはコグバーンの作戦で、ラ・ブーフがマティを助け出す。 そして、コグバーンは、単独でペッパーら4人を待ち伏せて勇敢に立ち向かう。 そのコグバーンの勇気を見て、マティは驚きと共に感激する。 しかし、コグバーンは、ペッパーに馬を撃たれ下敷きになり、身動きが取れなくなってしまう。 その時、ラ・ブーフが自慢のカービン銃でペッパーを銃撃してコグバーンを助けるが、チェイニーがラ・ブーフの頭を石で強打する。 マティがチェイニーを銃撃するものの、彼女はその拍子で岩穴に落ちてしまう。 その場に現れたコグバーンは、チェイニーを射殺しマティを助けようとするが、彼女は毒蛇に腕を噛まれてしまう。 瀕死のラ・ブーフの助けで、マティを助け出したコグバーンだったが、ラ・ブーフは息絶えてしまう。 そして、毒が回り始めたマティを連れて、コグバーンは馬や徒歩、そして奪った馬車を走らせる。 マティは一命を取り留めて、ダゲット弁護士(ジョン・フィードラー)をコグバーンの元に向かわせる。 ダゲットは、マティの命を助けたことを感謝し、謝礼金を上積してコグバーンに支払う。 その後、コグバーンを故郷に呼び寄せたマティは、彼に自分の墓の横に入ってほしいと語る。 しかしコグバーンは、自分の家族を眠らせる為の墓だと答え、マティから父の形見の拳銃”コルト・ドラグーン”を受け取る。 そして、新しく手に入れた馬にまたがり、コグバーンは颯爽と旅立っていく。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
父親を使用人に殺された少女マティー・ロスは、復讐を誓い、地域で最も恐れられている連邦保安官ルースター・コグバーンを雇う。
マティと同じ犯人を追うテキサス・レンジャーのラ・ブーフも加わり、ネッド・ペッパー一味に加わった犯人を追うコグバーンだったが、同行するマティを厄介払いしようとする。
しかし、一筋縄では行かない14歳の少女マティはコグバーンに食い下がり、三人は協力し合い一味を追うことになる。
しかし、マティは山中で一味に捕らえられてしまい、退却すると見せかけたコグバーンは、彼女の救出にラ・ブーフを向かわせる。
そしてコグバーンは、たった一人で、4人の悪党に勇敢に立ち向かう・・・。
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1968年に発表された、チャールズ・ポーティス”の”True Grit”を基に製作された作品。
1975年に続編「オレゴン魂」が、2010年にはコーエン兄弟により、リメイク(兄弟は否定)「トゥルー・グリット」が公開された。
第42回アカデミー賞でジョン・ウェインが主演賞を受賞し、グレン・キャンベルが歌う主題歌”True Grit”が曲賞にノミネートされた。
*ジョン・ウェインが授賞式で流した涙が印象的だった。
ウェインにとっては、「赤い河」(1948)や「静かなる男」(1952)、そして「捜索者」(1956)などの方が、演技者として高く評価されたとも言えるが、長年の彼に対する功労賞だと分かっていても、その偉大な功績を誰もが認め世界中が祝福した。
これより20年前、「硫黄島の砂」(1949)で受賞を逃した際に、ウェインは憤慨して中座してしまったというエピソードもある。
62歳のジョン・ウェインが受賞スピーチで涙を流した、この年のアカデミー賞授賞式のテレビ視聴率は、彼の受賞の期待が高まり史上最高を記録した。
*その後、「タイタニック」(1997)ブームが社会現象にまでなった1998年の授賞式でこの記録は破られる。
本作では、初老で太めのウェインの巨体がいつもよりさらに大柄に見える。
キム・ダービーが持つと巨大に見える大型拳銃”コルト・ドラグーン”が、彼には丁度よいサイズだというところも注目だ。
大酒飲みで頑固者という、どうにも手の付けられない役柄に、共演者の陰がかなり薄い感じで、良くも悪くもウェインのワンマン作品とも言える。
(毎度のことと言えばそれまでだが・・・)
主人公のトレードマークでもあるアイパッチは、もちろん恩師ジョン・フォードへのオマージュだ。
ウェインが唯一頭の上がらない、依頼人の勝気な少女キム・ダービーと、口ばかり達者でやや頼りない、テキサス・レンジャーのグレン・キャンベルとの、道中記的な展開がユーモラスに描かれていて実に面白い。
歌手のグレン・キャンベルは、勿論、挿入歌で見事な歌声を披露してくれる。
撮影中、敵役のロバート・デュバルが、監督のヘンリー・ハサウェイに敬意を払わない態度をとったため、ウェインはそれを厳しく批判したらしい。
ジョン・フォード、ウェイン作品の常連、ストローザー・マーティンやハンク・ウォーデンの出演もファンには嬉しいばかりだ。
悪党一味の若者役でデニス・ホッパー、こちらもウェイン作品の常連、保安官のジョン・ドーセット、弁護士ジョン・フィードラー等も共演している。
エルマー・バーンスタインの、彼らしい豪快且つテンポの良い音楽も心地よい。
また、西部劇でお馴染みの荒廃した原野とは違い、森林や山並みの美しいショットも印象に残る。
私は、本作までが正統派西部劇で、同じ年の「明日に向かって撃て」(1969)を含め、この後に作られた作品には、もうその雰囲気を感じることはできない。
続編「オレゴン魂」(1975)、「許されざる者」(1992)は、まずまず西部劇らしさを感じる。