ギリシア神話上の”トロイア戦争”を基にしたギリシア連合軍とトロイの壮絶な戦いを描く、製作、監督ウォルフガング・ペーターゼン、主演ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、ショーン・ビーン、ピーター・オトゥール、ダイアン・クルーガー他共演のアクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
製作
ウォルフガング・ペーターゼン
ダイアナ・ラスバン
コリン・ウィルソン
脚本:デヴィッド・ベニオフ
撮影:ロジャー・プラット
衣装デザイン:ボブ・リングウッド
編集:ピーター・ホーネス
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演
アキレス:ブラッド・ピット
ヘクトール:エリック・バナ
パリス:オーランド・ブルーム
オデュッセウス:ショーン・ビーン
プリアモス:ピーター・オトゥール
ヘレン:ダイアン・クルーガー
テティス:ジュリー・クリスティ
アガメムノン:ブライアン・コックス
メネラオス:ブレンダン・グリーソン
ブリセイス:ローズ・バーン
アンドロマケ:サフロン・バロウズ
アイアス:タイラー・メイン
エウドロス:ヴィンセント・リーガン
パトロクロス:ギャレット・ヘドランド
ネストール:ジョン・シュラプネル
トリオパス:ジュリアン・グローヴァー
グラウコス:ジェームズ・コスモ
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2004年製作 162分
公開
北米:2004年5月14日
日本:2004年5月22日
製作費 $175,000,000
北米興行収入 $133,378,260
世界 $497,409,850
■ アカデミー賞 ■
第77回アカデミー賞
・ノミネート
衣装デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
3200年前。
数十年続いた戦争の後、ミケーネ王アガメムノンはギリシアを統一し、テッサリアだけが独立を守っていた。
アガメムノンの弟、スパルタ王メネラオスは、戦いに疲弊し、ギリシアの最大の敵トロイとの和平を探っていた。
そしてギリシアでは、最強の戦士アキレスとアガメムノンが対立して、連合軍に分裂の危機が迫っていた。
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テッサリア。
ミケーネ王アガメムノン(ブライアン・コックス)は、テッサリア王トリオパス(ジュリアン・グローヴァー)と、大群を率いて対面する。
アガメムノンは、最強の戦士同士の戦いで決着をつけようとするが、自軍のアキレス(ブラッド・ピット)の姿がないことを知らされ苛立つ。
そして、戦いの場に呼び出されたアキレスは、相手を一撃で倒す。
ギリシア、スパルタ湾。
スパルタ王メネラオス(ブレンダン・グリーソン)は、トロイとの和平を成立させ、王子ヘクトール(エリック・バナ)と酒を酌み交わす。
ヘクトールの弟パリス(オーランド・ブルーム)は、メネラオスの妻ヘレン(ダイアン・クルーガー)に心を奪われてしまい、二人は愛し合ってしまう。 許されぬ愛と知りながら、パリスはヘレンを連れて旅立とうとする。 それを知ったヘクトールは激怒し、船をスパルタに戻そうとするが、既に手遅れだと判断した彼はトロイに向かう。 ギリシア、ミケーネ。 メネラオスは、これでトロイを倒せるかと思うと、ヘレンが役にたってくれたと内心は喜び、ギリシアの全軍を召集する。 戦闘にアキレスが必要だと、側近ネストール(ジョン・シュラプネル)に提言されたメネラオスは、仕方なくそれを受け入れる。 ギリシア、プティア。 そして、母テティス(ジュリー・クリスティ)に、歴史に名の残る戦いは、死を意味することを告げられたアキレスだったが、思案の末、大船団と共にトロイに向かう。 トロイ。 ヘクトールは妻アンドロマケ(サフロン・バロウズ)に迎えられ、彼とパリスは、いとこのブリセイス(ローズ・バーン)に再会する。 混乱を招いたことをヘクトールはプリアモスに謝罪するが、彼は、全ては神の思し召しであることを息子に伝える。 戦いを避けるために、パリスはヘレンを連れて旅立とうとするものの、アガメムノンとメネラオスは、どこまでも追ってくるだろうと彼女は語る。 そして、ギリシアの大船団は姿を現し、アキレスはいとこのパトロクロス(ギャレット・ヘドランド)を戦闘から外し、船団から離れた船を単独で浜に向かわせる。 数十人を引き連れて先陣を切って浜に降り、果敢に戦いを挑んだアキレスは、次々と敵を倒していく。 軍団はそれに続き上陸してアキレスを援護するが、そこにヘクトールが部隊を引き連れて現れる。 アポロの神殿を占拠し、像の首を撥ね神を冒涜したアキレスは、ヘクトールとは剣を交えることを避け、牽制しただけで彼を帰し、上陸した自軍に向かい剣をかざす。 神殿にいたブリセイスは捕虜となるが、アキレスは彼女の安全を保証する。 浜を占領したアガメムノンはアキレスを呼び寄せ、王の勝利のために戦うことを強要しようとする。 それに反発するアキレスは、ブリセイスをアガメムノンに奪われたため、彼に剣を向けて、いずれは殺すことを誓う。 トロイのヘクトールは、神を冒涜したギリシア軍に災いが起きないため、神の力は望めないことを父王プリアモスに伝える。 パリスは自分のための犠牲が出ることを嫌い、メネラオスに戦いを挑むことを父プリアモスに告げ、彼はトロイの魂が宿る剣を息子に渡す。 ヘレンも犠牲の大きさを知り、メネラオスの元に戻ろうとするが、ヘクトールは、妻の奪還がトロイを奪うための口実だということを伝え、パリスの元に戻るよう彼女を説得する。 翌日、トロイとギリシア双方は大軍を率い、ヘクトールとパリス、そしてアガメムノンとメネラオスが相対する。 パリスはメネラオスとの一騎打ちを望み、二人は剣を交えることになる。 痛めつけられたパリスは尻込みしてしまい、メネラオスは止めを刺そうとするが、弟を守ろうとしたヘクトールが彼を刺し殺してしまう。 そして、戦いは始まり、激しい攻防戦の末に、劣勢のギリシア軍は退却する。 その後、パリスは恥をさらしたことを悔いるが、ヘレンは勇者メネラオスに挑んだ彼を励ます。 オデュッセウスは、アキレスとの和解こそが勝利の鍵だとアガメムノンに助言する。 アキレスは、兵達に痛めつけられたブリセイスを助けて介抱する。 その夜、ブリセイスはアキレスを殺そうとするが、死を恐れない彼に心を奪われ愛し合ってしまう。 翌朝、アキレスは部隊を撤収させようとして、オデュッセウスの説得にも耳を貸さない。 トロイ側では、攻撃により、ギリシア内部の不和が団結に変わる恐れがあることを指摘するヘクトールの意見は却下されて、プリアモスは神のお告げを信じ出陣命令を出す。 翌未明からのトロイ軍の攻撃で、ついにアキレスは剣を手にヘクトールに襲い掛かる。 ヘクトールはアキレスを倒すが、それは彼の鎧をまとったいとこのパトロクロスだった。 それを知ったアキレスは激怒し、もはや彼が撤収しないことを悟ったヘクトールは、トロイ陥落後の避難方法などを妻のアンドロマケに教える。 パトロクロスを葬ったアキレスは、その後、ミュルミドーンの戦士エウドロス(ヴィンセント・リーガン)に鎧を用意させて、同じ頃、ヘクトールも戦いの準備を始める。 単独でトロイの城壁の前に現れたアキレスは、ヘクトールの名を呼び、彼は父王プリアモスやパリスと言葉を交わして死を覚悟する。 そして、城壁の外に出たヘクトールは、アキレスの圧倒的な強さの前に屈して命を落とす。 アキレスは非情にも、ヘクトールの遺体を一族の前で引きずり回し、さらし者にして自軍陣地に戻る。 その夜、アキレスの元にプリアモスが現れ、息子ヘクトールの遺体の引渡しを要求する。 アキレスは、プリアモスの勇気に敬意を払い、遺体を渡すことを承諾し、ヘクトールを偉大な戦士と称え涙する。 ヘクトールの遺体に敬意を表し、12日間は攻撃しないことをプリアモスに約束したアキレスは、ブリセイスも解放する。 それを知ったアガメムノンは、勝利のチャンスを逃すまいと、難攻不落のトロイの城壁を破る方法を考える。 12日後。 パリスはそれを燃やすよう父プリアモスに提言するが、木馬は城壁内に運び込まれてしまう。 しかし、ギリシアの船団は身を潜め、その夜、木馬からはアキレスやオデュッセウスら戦士が現れ城壁の扉を開ける。 ギリシア軍は城壁内になだれ込み、アキレスはプリアモスを捜す。 トロイに火が放たれ、パリスはヘレンをアンドロマケらと避難させる。 プリアモスは兵士に殺され、ブリセイスはアガメムノンに捕らえられる。 しかし、ブリセイスは、隠し持っていた剣でアガメムノンを刺し殺す。 アキレスが襲われかけたブリセイスを助けるが、パリスの放った矢が彼の足に命中する。
...全てを見る(結末あり)
怒りに震えるメネラオスは、兄アガメムノンと共にトロイに攻め入る覚悟を決める。
アキレスは、アガメムノンの使者オデュッセウス(ショーン・ビーン)の、戦いへの誘いを渋る。
凱旋したヘクトールとヘレンを伴ったパリスは、父王プリアモス(ピーター・オトゥール)に歓迎される。
疫病が発生したギリシア軍は姿を消し、ポセイドンへの供物と思われる、巨大な木製の木馬が浜に残されていた。
*(簡略ストー リー)
スパルタ王メネラオスはギリシアの最大の敵トロイとの和平を成立させるが、彼の妻ヘレンとトロイの王子パリスに、許されぬ愛が芽生えてしまう。
パリスの兄ヘクトールは、和平が無駄に終わったことでギリシア側との全面戦争を覚悟する。
メネラオスはギリシアの統一を果たし、トロイを奪おうとする兄アガメムノンの協力を得て連合軍の大軍を送り込もうとする。
しかし、その戦いを制するには英雄である戦士で、アガメムノンと対立しているアキレスの力が必要だった。
アキレスは当然、協力を拒むが、歴史に名を残す過酷な戦闘に参加する決意を胸に、大船団の先頭を切りトロイに進軍する・・・。
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世界最大にして最古の歴史叙事詩”ホメロス”の”イリアス”をベースにはしているが、神話的ではなく、歴史劇としてのドラマ仕立てで作製されているスペクタクル超大作。
とてつもないスケール感と重厚なストーリーは、歴史に存在した史実のように描かれ、見るものを圧倒する物語に仕上がっている。
奪われた王妃奪還にこじつけた国家間の政治ドラマとしても楽しめる、迫力だけでない明快且つシャープな、ウォルフガング・ペーターゼンの演出が光る。
第77回アカデミー賞では、衣装デザイン賞にノミネートされた。
製作費は1億7500万ドル、北米興行収入は約1億3300万ドル、全世界では5億ドルに迫る大ヒットとなった。
マルタ島で行われたロケは圧巻で、多くの特撮映像はあるもが、本物の肉弾戦は見応え十分。
全編を貫き悲劇的なムードを表現するジェームズ・ホーナーの音楽も印象に残る。
鍛え上げた肉体、男の目から見ても惚れ惚れする、その勇ましさや潔さを見せ付けるアキレスのブラッド・ピット、その敵役に相応しい存在感を見せるヘクトール役のエリック・バナ、戦いの原因を作る、その弟パリス役のオーランド・ブルーム、二人の父であるトロイ王プリアモスのピーター・オトゥール、ギリシア軍の戦士オデュッセウスのショーン・ビーン、スパルタ王妃ヘレンのダイアン・クルーガー、アキレスの母テティスのジュリー・クリスティ、ミケーネ王アガメムノンのブライアン・コックス、その弟でスパルタ王メネラオス役のブレンダン・グリーソン、ヘクトールのいとこであるブリセイスのローズ・バーン、妻アンドロマケ役のサフロン・バロウズ、身長206cmの戦士アイアス役のタイラー・メイン、アキレスの右腕エウドロス役のヴィンセント・リーガン、いとこのパトロクロスのギャレット・ヘドランド、テッサリア王のトリオパス役のジュリアン・グローヴァー、トロイの司令官グラウコスのジェームズ・コスモ、アガメムノン(B・コックス)の側近ネストール役のジョン・シュラプネル、などが共演している。