スティーブン・リズバーガーとボニー・マクバードの原案による、1982年のSF映画「トロン」の28年振りの続編。 失踪した天才プログラマーの父を追いコンピューター・プログラムに誘い込まれた青年の活躍を描く、主演ジェフ・ブリッジス、ギャレット・ヘドランド、オリヴィア・ワイルド、ブルース・ボックスライトナー、マイケル・シーン他共演、監督ジョセフ・コシンスキーによるSFアクション超大作。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョセフ・コシンスキー
製作総指揮:ドナルド・クシュナー
製作
ショーン・ベイリー
ジェフリー・シルヴァー
スティーブン・リズバーガー
原案
スティーブン・リズバーガー
ボニー・マクバード
原作
アダム・ホロウィッツ
エドワード・キッツィス
ブライアン・クラグマン
リー・スターンサル
脚本
アダム・ホロウィッツ
エドワード・キッツィス
撮影:クラウディオ・ミランダ
編集
ジェームズ・ヘイグッド
エリック・バーバ
音楽:ダフト・パンク
出演
ケヴィン・フリン/クルー:ジェフ・ブリッジス
サム・フリン:ギャレット・ヘドランド
クオラ:オリヴィア・ワイルド
アラン・ブラッドリー/トロン:ブルース・ボックスライトナー
ジェム:ボー・ギャレット
ジャービス:ジェームズ・フレイン
キャスター/ズース:マイケル・シーン
リチャード・マッキー:ジェフリー・ノードリング
エドワード・デリンジャーJr.:キリアン・マーフィー
サイレン:ヤヤ・ダコスタ/セリンダ・スワン/エリザベス・マシス
エンド・オブ・ラインのDJ:ダフト・パンク
アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2010年製作 125分
公開
北米:2010年12月17日
日本:2010年12月17日
製作費 $170,000,000
北米興行収入 $172,051,790
世界 $400,062,760
■ アカデミー賞 ■
第83回アカデミー賞
・ノミネート
音響編集賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1989年。
ソフトウェア・エンジニアで、世界的企業”ECOM”のCEOのケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジス)は、コンピューター・デジタルの世界”グリッド”に侵入した時のことを息子サムに語る。
その後、フリンは失踪してしまい、混乱したECOMの取締役会は、共同経営者アラン・ブラッドリー(ブルース・ボックスライトナー)を経営陣から外す。
そしてサムは、突然、姿を消した父ケヴィンが必ず戻ることを信じ、心を閉ざしてしまう。
20年後。
ECOMの会長リチャード・マッキー(ジェフリー・ノードリング)は、新システム”OS-12”の、世界同時発売を取締役会で発表し、フリンと因縁があった、かつての重役デリンジャーの息子で、開発部リーダーのエドワード・デリンジャーJr.(キリアン・マーフィー)の功績を称える。
27歳の青年に成長したサム(ギャレット・ヘドランド)は、社内に侵入しシステムを操作し、”OS-12”のウェブ公開を妨害するものの逮捕されてしまう。 釈放されたサムは、自宅に現れた、取締役として社に残っていたアランに、ポケベルにフリンが所有していたゲーム・センターからメッセージが届いたことを知らされる。 アランは、サムにゲーム・センター”フリンズ”の鍵を渡し、そこに向かうよう指示する。 その場に着いたサムは、地下に隠されていた研究室を見つける。 そして、制御パネルを操作しパスワードを解除した瞬間、サムは別世界の街へと移動してしまう。 サムは、不正なプログラムと判断されて連行され、そこが、父フリンが開発した、スーパー・コンピューター内のグリッドの中だということに気づく。 オペレーターのジェム(ボー・ギャレット)らに、衣服を脱がされボディ・スーツを着せられたサムは、背中に制御ディスクをセットされ、ゲームを始める準備を済ませる。 ディスク・バトルを強要されたサムは、ファイナルラウンドまで勝ち進む。 戦士リンズラーとの戦いで、傷を負い出血したサムが、プログラムでなく”ユーザー”だと分かる。 そしてサムは、その世界を支配する若さを保ったままの父フリン(クルー)と再会するが、彼は親子ではないと語る。 その後サムは、”ライト・サイクル・マッチ”でクルーと戦うことになるが、侵入してきた女性クオラ(オリヴィア・ワイルド)のマシーンに乗せられその場から逃走する。 クオラは、サムを年齢を重ねた父フリンの元に案内し、親子は20年ぶりに再会を果たす。 フリンは、夜になるとこの世界に来ていた、失踪した当時のことをサムに語り始める。 その当時、フリンはクルー、アランはトロンをプログラミングして、二人はこの世界にユートピアを創ろうとしていた。 完成したプログラムは奇跡を起こし、同型アルゴリズム”IOS”が生み出される。 しかし、クルーがクーデターを起こし、奇蹟とも言える”IOS”を、彼は不完全なものと判断し破壊して粛清した。 そして、フリンはポータル(出口)を失い閉じ込められ、戻れなくなってしまったのだった。 フリンは、クルーがマスター・キーである自分のディスクを利用して脱出し、外の世界を破壊することを恐れていた。 何か手を打つべきだと言うサムに、フリンは、彼がクルーに誘き寄せられたことを伝え、ポータルに向かえば相手の思うツボだと告げる。 納得できないサムは、単独でその場を脱出し、外の世界からクルーを倒すことを考え、クオラにそれを伝える。 サムは、”ISO”の味方だったというズースをクオラに紹介され街に向かう。 フリンは、サムが街に向かったことを知り、息子を見捨てることができず、危険を承知で彼の後を追う。 街でジェムに出くわしたサムは、ズースのいるエンド・オブ・ライン・クラブに案内される。 サムは、クラブのオーナー、キャスター(マイケル・シーン)に、この世界の創造者フリンの息子だということで歓迎を受ける。 キャスターは、自分がズースだということをサムに伝えて用件を聞き、ポータルに向かう準備を始める。 フリンの家に向かったクルーは、彼が不在だったために街に向かう。 クラブは、実は寝返っていたズースの手引きでクルーの部下に襲われる。 サムは現れたクオラと共に戦うが、彼女は負傷し、後を追ってきたフリンと共にその場を脱出するものの、ディスクを奪われてしまう。 ”IOS”の生き残りだというクオラを、死の危険にさらしたことをサムは悔やむ。 フリンは、シャットダウンしたクオラのプログラムを再生し、ポータルに向かおうとする。 クルーと通じていたズースは、街を支配できることを条件に、グリッドの全てが解り、ポータルを通るためのマスター・キー(ディスク)を彼に渡すが、ジェムと共に抹殺されてしまう。 再起動したクオラは、ディスクがクルーの手に渡ったことを心配しながら、粛清の最中、覚悟を決めていた時にフリンに救われたことをサムに語る。 瞑想していたフリンは、自分達がポータルではなくクルーの基地に誘導されていたのに気づき、兵士に修正されたプログラムの軍隊の存在を知る。 フリンとサムを助けようとしたクオラは、二人にディスクを渡し、リンズラーと戦うものの捕らえられてしまう。 それを見ていたフリンは、リンズラーがトロンだということに気づく。 クルーはマスターキー(ディスク)をセットし、外の世界を支配するために出撃準備を始める。 フリンは、サムを外の世界に向かわせ、ポータルを閉めさせようとする。 しかし、サムは、あくまで二人で脱出することを伝え、マスター・キーを解除しクオラを救い出す。 待ち構えていたフリンは、二人と共にライト・ファイターで飛び立ちポータルへと向かい、クルーやリンズラーはライト・ジェットでそれを追う。 激しい空中戦が繰り広げられる中、リンズラーはユーザーの味方であるトロンの記憶を取り戻しフリンらを助ける。 ポータルに着いたフリンを、クルーが先回りして迎え、指示通りに行動した自分を裏切ったと彼を非難する。 クルーは、謝罪するフリンを叩きのめしディスクを奪い、クオラはサムの元に向かう。 しかし、クルーはディスクを摩り替えたことに気づき、サムとクオラが脱出しようとするのを阻止しようとする。 フリンは犠牲となる覚悟を決め、自分を残したまま二人を外の世界に向かわせ、クルーと融合し消滅する。 無事に元の世界に戻ったサムは、アランをポケベルで呼び寄せ、全て彼が正しかったことを伝える。 そしてサムは、クオラにとっての新世界を彼女に見せる。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「トロン」(1982)
・「トロン: レガシー」(2010)
*(簡略ストー リー)
世界的なゲーム・ソフトウェア企業”ECOM”のCEOケヴィン・フリンは、7歳の息子サムを残し突然、失踪してしまう。
20年後、かつてフリンとECOMを共同で経営していたアランが、あるメッセージを受け取り、サムにそれを知らせる。
サムは、アランの指示に従い、父フリンが経営していたゲームセンターに向かい、秘密の研究室を見つける。
その場にあった、制御パネルを操作したサムは、次の瞬間、別世界へと移送されてしまう。
そこは、フリンが開発したスーパー・コンピューター内のグリッドだった。
サムはプログラムと間違われバトル・ゲームを強要され、傷つき出血したためにユーザーだと知られてしまう。
その世界を支配する、若さを保ったままの父フリン(クルー)の元に連れて行かれたサムは、彼と戦うことになるのだが、そこに乱入してきたクオラに救われる。
サムは、クオラに、年齢を重ねた父フリンの元に案内され、彼から、失踪の理由とクルーの反乱などを聞かされる。
フリンは、クルーが、この世界を脱出するためのマスター・キー(ディスク)を利用し、外の世界に向かい破壊することを恐れていた。
何も手を打とうとしない、フリンの態度に納得がいかないサムは、単独でこの場から脱出し、外の世界からクルーを制御(倒す)ことを考えるのだが・・・。
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世界初と言っていい、映画にCGを導入した画期的な作品として、当時、大変な話題になった旧作の主演者、ジェフ・ブリッジスとブルース・ボックスライトナーが、全く同じ役で登場するのがたまらなく嬉しい。
製作費に1億7000万ドルをかけた脅威の映像も、これだけコンピューター技術が進歩した現在では、それほどの驚きがないのが正直なところだ。
クルーを演ずるのはジェフ・ブリッジスではなく、代役に彼の若返った顔をCG合成しているのだが、これがまた素晴らしい仕上がりだ。
1970年代初頭からリアルタイムで彼を見ている者にとっては、デジタルの世界を映し出す映像よりも、”クルー”の表情についつい意識が傾いてしまう。
北米では、約1億7200万ドルの興行収入を記録し、全世界では約4億ドルのヒットとなった。
第83回アカデミー賞では、音響編集賞にノミネートされた。
主演のジェフ・ブリッジスは、現在でも活躍を続けているが、上記のように、とにかく”懐かしい”が先に立ち、その熱演も郷愁の思いばかり頭を過ぎってしまう。
押し付けがましくない、爽やかな親子愛を見せるナイスガイ、主人公の息子役ギャレット・ヘドランド、彼の協力者でもある、奇蹟の産物”IOS”の生き残りオリヴィア・ワイルド、渋さが増した前作にも出演する主人公のパートナー、アランそして”トロン”役のブルース・ボックスライトナー、サム(G・ヘドランド)を裏切るグリッド・オペレーターのボー・ギャレット、同じくクラブのオーナー役のマイケル・シーン、クルー(J・ブリッジス)の右腕ジェームズ・フレイン、現在のECOM会長役のジェフリー・ノードリング、開発部のリーダー、キリアン・マーフィー、グリッド・オペレーター役のヤヤ・ダコスタ、セリンダ・スワン、エリザベス・マシス、そして、音楽担当のダフト・パンクが、クラブDJで登場する。