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3人のエンジェル To Wong Foo, Thanks for Everything, Julie Newmar (1995)

1994年公開のオーストラリア映画「プリシラ」を基にして製作された、”ドラァグクイーン”(女装)コンテストに懸ける3人組の奮闘を描く、主演パトリック・スウェイジウェズリー・スナイプスジョン・レグイザモストッカード・チャニングブライス・ダナーロビン・ウィリアムズジュリーニューマー共演、監督ビーバン・キドロンによる感動のコメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト ■
監督:ビーバン・キドロン

製作総指揮:ブルース・コーエン
製作:G・マック・ブラウン
脚本:ダグラス・カーター・ビーン
撮影:スティーブ・メイソン
編集:アンドリュー・モンズヒン
美術:ウィン・トーマス
衣装:マルレーネ・スチュワート
振付:ケニー・オルテガ
音楽:レイチェル・ポートマン

出演
パトリック・スウェイジ:ヴィーダ・ボエーム
ウェズリー・スナイプス:ノグジーマ・ジャクソン
ジョン・レグイザモ:チチ・ロドリゲス
ストッカード・チャニング:キャロル・アン
ブライス・ダナー:ベアトリス
クリス・ペン:ドラード保安官
アーリス・ハワード:ヴァージル
ジェイソン・ロンドン:ボビー・レイ
アリス・ドラモンド:クララ
メリンダ・ディロン:マーナ
ベス・グラント:ロレッタ
ジェニファー・ミルモア:ボビー・リー
マイケル・ヴァルダン:トミー
ロビン・ウィリアムズ:ジョン・ジェイコブ
ル・ポール:レイチェル・テンションズ
ナオミ・キャンベル:レストランの客
マイク・ホッジ:ジミー・ジョー
ジュリー・ニューマー:本人

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1995年製作 107分
公開
北米:1995年9月8日
日本:1996年5月
北米興行収入 $36,475,690
世界 $47,774,190


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ドラァグクイーン”コンテストの、ニューヨーク選考会で優勝した、ヴィーダ・ボエーム(パトリック・スウェイジ)とノグジーマ・ジャクソン(ウェズリー・スナイプス)は、ハリウッドで開催される全国大会への出場権を手にする。

選考に落ちたチチ・ロドリゲス(ジョン・レグイザモ)のショックは大きく、ノグジーマは、まだまだ修行の足りないチチをあざ笑う。

しかしヴィーダは、人助けのつもりで飛行機代を節約し、3人でハリウッドに行くことを考える。

ヴィーダとノグジーマは、チチを連れて友人であるレストラン・クラブのオーナー、ジョン・ジェイコブ(ロビン・ウィリアムズ)の元に向かう。

ジョンに、航空券を1000ドルで買ってもらったヴィーダらは、彼の口利きで中古のキャデラックを手に入れ、3人は意気揚々とハリウッドに旅立つことになる。

ヴィーダは、レストランから拝借してきた、憧れの”ジュリー・ニューマー”の写真を車に飾り、颯爽と車を走らせる。
...全てを見る(結末あり)

途中ヴィーダの実家に立ち寄るのだが、良家に生まれた彼は、家族に厄介者扱いされているため、そこには寄らずに旅を続ける。

その後チチは、ノグジーマにからかわれ車を降りるのだが、立派なクイーンになれる可能性を捨てるなと、ヴィーダに励まされ気を取り戻す。

ヴィーダとノグジーマは、保守的な町でも堂々とホテルに入っていくチチを見て彼を見直す。

その後、夜道でドラード保安官(クリス・ペン)に車を止められたヴィーダは、セクハラを受け彼を押し倒してしまう。

ドラードを殺してしまったと思い込んだ3人は動揺し、その場から逃げ去る。

暫くして、キャデラックがエンストしてしまtったため、チチがヒッチハイクをする。

チチは青年ボビー・レイ(ジェイソン・ロンドン)に拾われて、3人は彼の住む小さな町スナイダースヴィルに案内される。

3人は、修理工のヴァージル(アーリス・ハワード)とキャロル・アン(ストッカード・チャニング)夫妻の家に泊めてもらい、車の修理を待つことになる。

翌日、風変わりな自分達を奇異な目で見る町民達を気にしながら、ヴィーダはヴァージルに車のことを聞くが、部品がないために月曜まで修理が出来ないことを知らされる。

ヴィーダは、町の女性ベアトリス(ブライス・ダナー)らに声をかけるが、とても友好的なムードが保てるような雰囲気ではなかった。

仕方なく3人は部屋に戻り、野暮ったい部屋を都会人の感覚で飾り気を紛らす。

その頃、道路に倒れていたドラード保安官が、パトロール警官に発見され意識を取り戻すが、女装した男に襲われたことで冷やかされてしまう。

ベアトリスから、”個性的”な町の人々の話を聞いたヴィーダは、キャロル・アンが夫ヴァージルの暴力に耐えているのを知り励ます。

ノグジーマは、夫が映画館経営に失敗し、失語症になってしまった老女クララ(アリス・ドラモンド)と親交を深め、彼女は突然、話し始める。

町の若者達に襲われそうになったチチは、ボビー・レイに助けられ、二人は惹かれ合うようになる。

町では年に一度の”イチゴ祭り”の準備が始まり、ヴィーダとノグジーマは、女性のためのイヴェントにすることを提案する。

そしてヴィーダとノグジーマは、町の女性マーナ(メリンダ・ディロン)やロレッタ(ベス・グラント)、クララらのヘアースタイルやメイクを美容院で整え、颯爽と通りに現れる。

それを嘲り笑う若者トミー(マイケル・ヴァルダン)をノグジーマが痛めつけ、レディに対する礼儀を教える。

雑貨屋で、1960年代の古着を見つけたノグジーマは興奮し、伝説のファッション・エディター”ダイアナ・ヴリーランド”の著書を見つけたヴィーダは感激して、女性達を変身させる。

キャロル・アンの娘ボビー・リー(ジェニファー・ミルモア)が、ボビー・レイに恋していると知ったチチだったが、ヴィーダとノグジーマの忠告も聞かず彼を諦めようとしない。

その後、ヴァージルのキャロル・アンへの暴力を見かねたヴィーダは、彼を叩きのめす。

キャロル・アンが、自立する決意をしたことで盛り上がっていたヴィーダは、チチが寛大な気持ちでボビー・レイをボビー・リーに譲ることにしたことを知り喜ぶ。

そしてボビー・レイは、ヴィーダらに美しい女性に変身させられたボビー・リーを誘い、それにつられて町の人々もダンスを踊る。

一方、誰にも相手にされないドラード保安官は、単独で3人の捜索を始め手掛かりが掴めないでいたが、バーでヴィーダに痛めつけられたヴァージルに出会う。

翌朝、ヴィーダはキャロル・アンにキャデラックを直してもらい、最初から自分が男だと気づいていたという彼女から、友人としての言葉をかけられる。

町は祭の準備が整っていたが、そこにドラード保安官が現れ、ヴィーダらを引き渡すよう要求する。

しかし、キャロル・アンを先頭に、町民達が立ちはだかり保安官を追い払ってしまう。

キャロル・アンも、現れたヴァージルに何も言わせず彼は町を出て行く。

3人は、町民達の温かい心に触れて感激し、一体感を深めゲイの道を究めることを誓い、人々と”イチゴ祭り”を楽しむ。

人々は3人との別れを惜しみ、ヴィーダは、友情の証としてキャロル・アンに”ジュリー・ニューマー”の写真を贈る。

そしてキャロル・アンは、3人が男でも女でもなく”天使”だと言って別れを告げる。

ハリウッド
ドラァグクイーン・コンテストは、旅をしながら多くの教訓を学び、”女”としての美しさを極めたチチが優勝する。

そしてチチは、”伝説の美”ジュリー・ニューマーから優勝の冠を贈られる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ドラァグクイーン(女装)コンテストのニューヨーク選考会で優勝した二人ヴィーダとノグジーマは、落選して大きなショックを受けるチチのために、航空券を売り、陸路ハリウッドの全国大会に向かうことになる。
途中、ドラード保安官から、セクハラを受けたヴィーダは、彼を突き飛ばしてしまう。
保安官が死んだと思った3人は、その場から逃走するものの、車が故障してしまう。
その後3人は、ヒッチハイクで小さな田舎町に案内される。
何もない町で数日を過ごすことになった3人は、町民から奇異な目で見られる。
その後ヴィーダは、世話になっていたキャロル・アンが、夫ヴァージルから暴力を受けていることを知り彼女を励ます。
そして、3人は次第に町民達との親交を深め人々は彼らに感化されていく・・・。
__________

ひなびた町の人々が、ド派手な3人組との交流を通し、活力や活気を取り戻し、悪を排除し幸せを手に入れるという、ハート・ウォーミングなストーリーが実に微笑ましい。

翌年の「バードケージ」(1966)同様、その女装の華やかさは迫力満点!!

主演の3人の演技は素晴しく、共に見事な役者魂を見せてくれる。
パトリック・スウェイジ(主演)とジョン・レグイザモ(助演)は、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。

特に、彼のためのドラマとも言える、ジョン・レグイザモの熱演は秀逸。
最初はやや外れている感じのする彼が、連れの2人と旅をしながら成長していく姿は、見ていて清々しく、ラストで遂に頂点を極めた時の内面からにじみでる洗練された美しさは度肝を抜かれるほどだ。

主演のパトリック・スウェイジウェズリー・スナイプスの、優しさも漂う迫力の女装姿も圧巻だ。

パトリック・スウェイジは、キャリアのベストといえるほどの、好感度の高い役どころだ。

夫の暴力に苦しむストッカード・チャニングや、3人を温かく迎える町の女性ブライス・ダナー、「ゴーストバスターズ」(1984)の図書館職員役アリス・ドラモンドが失語症の老女で、間抜けな保安官クリス・ペンも印象に残る。
ブライス・ダナーは、グウィネス・パルトローの母親。

そして、ドラマのキーポイントとなる存在、セリフにもあるように、伝説的とも言える、正に彫刻のような抜群のプロポーションを誇ったジュリー・ニューマー本人の登場で、本作は最高に盛り上がって終わる。

ロビン・ウィリアムズも、短い出演だが、翌年の「バードケージ」(1966)を思い起こさせる怪演をサラリと見せてくれる。

妻(S・チャニング)に暴力を振るう夫のアーリス・ハワード、その娘ジェニファー・ミルモア、彼女と恋仲になる青年ジェイソン・ロンドン、変身する町の女性達メリンダ・ディロンベス・グラント、若者マイケル・ヴァルダン、その他ル・ポールナオミ・キャンベルなどがカメオ出演している。


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