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トータル・リコール Total Recall (2012)

SF作家フィリップ・K・ディックが1988年に発表した短編小説”We Can Remember It for You Wholesale”を基に1990年に公開された、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「トータル・リコール」のリメイク作品。
記憶を売買する“リコール”社を訪れた労働者が陰謀に巻き込まれる姿を描く、製作総指揮、監督レン・ワイズマン、主演コリン・ファレルケイト・ベッキンセイルジェシカ・ビールビル・ナイブライアン・クランストン他共演のSFアクション大作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト ■
監督:レン・ワイズマン

製作総指揮
リック・キドニー

レン・ワイズマン
製作
トビー・ジャッフェ

ニール・H・モリッツ
原作:フィリップ・K・ディックWe Can Remember It for You Wholesale
原案
ロナルド・シャセット

ダン・オバノン
ジョン・ポービル
カート・ウィマー
脚本
マーク・ボンバック

カート・ウィマー
撮影:ポール・キャメロン
編集:クリスチャン・ワグナー
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

出演
ダグラス・クエイド/カール・ハウザー:コリン・ファレル

ローリー・クエイド:ケイト・ベッキンセイル
メリーナ:ジェシカ・ビール
ヴァイロス・コーヘイゲン:ブライアン・クランストン
ハリー:ボキーム・ウッドバイン
マサイアス:ビル・ナイ
ボブ・マクレーン:ジョン・チョー
マレック:ウィル・ユン・リー

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

2012年製作 118分
公開
北米:2012年8月3日
日本:2012年8月10日
製作費 $125,000,000
北米興行収入 $58,877,970
世界 $198,467,170


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
2084年。
化学戦争の末に、地球の大分部は居住不可能となった。

裕福層が暮らす”UFB”(ブリテン連邦/イギリス)、労働者区域”コロニー”(オーストラリア)だけが居住地域となる。

UFBの労働力であるコロニーの市民は、地球の裏側に向かい、交通手段”フォール”で移動した。

コロニーの労働者ダグラス・クエイド(コリン・ファレル)は、毎日同じ悪夢を見ることを、妻のローリー(ケイト・ベッキンセイル)に話す。

労働者が平等に扱われるべきだと主張する、レジスタンスのリーダー、マサイアス(ビル・ナイ)が首謀したと思われるテロ事件が起きる。
...全てを見る(結末あり)

それに、マサイアスの右腕である元連邦警察の諜報員”カール・ハウザー”が関与しているかは不明だった。

同僚のハリー(ボキーム・ウッドバイン)と共に、フォールでUFBに向かったクエイドは、ロボット工場に到着して作業を始める。

クエイドは、記憶を売買する”リコール”社のことが気になっていたが、ハリーにはそれが危険だと忠告されていた。

そんなクエイドは、同僚のマレック(ウィル・ユン・リー)から、”リコール”で最高の体験ができたと言われる。

その後、昇進も見送られて苛立つクエイドは、コロニーに戻り、ローリーが眠っていることを知りバーに向かう。

ハリーに、人生の不満を語ったクエイドは、彼と別れた後”リコール”を訪れ、マレックに紹介されたボブ・マクレーン(ジョン・チョー)に記憶をセッティングされる。

しかし、マクレーンは、突然、クエイドをスパイだと言い出し、彼らは現れた警官隊に襲われる。

マクレーンらは射殺され、焦るクエイドは抵抗を止めるが、次の瞬間、彼は警官隊を倒して武器を奪ってしまう。

自分の行動に驚きながら、クエイドは、その場を脱出して帰宅し、事件になっている騒ぎを起こしたのは自分だということをローリーに伝える。

ローリーは、クエイドに襲いかかるものの銃を奪われ、自分が、妻を演じていただけの連邦警察の諜報員であることを伝える。

隙を見て再び襲いかかってきたローリーから逃れ、その場を脱出したクエイドは、手に埋め込まれた携帯電話を受けて、自分が諜報員だったことを知り、あるキーを探すよう言われる。

”ファースト・バンク”の貸金庫の番号も知らされたクエイドは、手のひらに埋め込まれた電話を摘出し、その場を離れる。

UFBの支配者である、ヴァイロス・コーヘイゲン(ブライアン・クランストン)からの連絡を受けたローリーは、”リコール”に行ったクエイドが、元の記憶を取り戻しつつあることを報告する。

クエイドが何者かを知らされたローリーは驚き、彼を即射殺するよう部下に命ずる。

貸金庫の中身を確認したクエイドは、映像データの自分から、UFBのあるアパートに行くよう指示される。

UFBに向かったクエイドは、変装していたものの正体を見破られて、夢に出て来る女性メリーナ(ジェシカ・ビール)に救われ、彼女の車で逃走する。

ローリーはクエイドを追跡するが、彼は空中を走行する磁気ドライブを解除し、地上に落下して逃げ延びる。

怪我をしたメリーナを連れて、アパートに向かったクエイドは内部を調べる。

ピアノを弾き鍵盤をいじったクエイドは、現れた自分のホログラフ画像を確認する。

クエイドは、自分が、マサイアスの命令で、コーヘイゲンを殺害するために送り込まれた”カール・ハウザー”だということを知らされる。

テロを仕組んでいるのはコーヘイゲンで、彼は、居住区域を増やすために、コロニー侵攻を考えていたのだった。

ロボット軍団”シンセティック”を労働力にして、人々を殺すのが目的であり、それを止められるコードが、クエイドの記憶のどこかにあるということだった。

クエイドは、それを取り出すために、マサイアスに会うよう指示される。

意識を取り戻したメリーナは、クエイドの記憶を知ることを伝え、自分達が一緒に行動していたことも知らせる。

その場を離れようとした二人は警官隊に包囲されてしまい、クエイドは、現れたハリーに、”リコール”の記憶の中だと言われる。

外にはローリーもいて、自分を見守っていると言われたクエイドは動揺する。

妄想の原因がメリーナにあるというハリーは、クエイドに彼女を撃つよう指示する。

メリーナが、現実ではないと言われたクエイドだったが、彼女の涙を確認してハリーを射殺する。

その場を逃れたクエイドとメリーナをローリーが追い、二人の乗ったエレベーターで格闘を始める。

ローリーはその場に爆弾を仕掛けて脱出し、クエイドとメリーナは何んとか爆破から逃れる。

街に向かった二人は、マサイアスに対するコロニー政府の資金提供を確認したUFBが、戦闘準備に入ったことを知る。

危険地帯”ノーゾーン”に向かった二人はマサイアスに会い、クエイドは情報を提供するために、記憶を探る装置にかけられる。

それが罠だと気づいたメリーナは、クエイドの装置を外し、直後にローリーの襲撃を受ける。

そこに、コーヘイゲンも現れ、”シンセティック”の停止コードがないことを伝えた彼は、マサイアスを射殺する。

コーヘイゲンは、計画を実行するためにクエイドを利用したことを語り、彼を殺そうとしたローリーの責任も追及する。

クエイドは、再び装置にかけられて”ハウザー”に戻されることになり、メリーナは拘束され、コーヘイゲンとローリーはその場を去る。

隙を見てクエイドはその場を逃れ、”フォール”でコロニーに向けて出撃するロボット部隊”シンセティック”を阻止しようとする。

爆弾を仕掛けたクエイドは、メリーナを助け出すものの捕えられる。

その連絡を受けたコーヘイゲンは、ローリーにその対処を任せる。

”フォール”で無重力状態になったクエイドは、武器を奪い相手を倒す。

外に出たクエイドとメリーナは、コーヘイゲンに捕えられ、混乱するコロニーに到着した”シンセティック”をローリーが起動させる。

コーヘイゲンは、記憶と共にクエイドを殺そうとするが、攻撃ヘリコプターで現れたメリーナが襲い掛かる。

クエイドとコーヘイゲンは一騎打ちとなるが爆破が起きる。

”フォール”の崩壊が始り、コーヘイゲンを倒したクエイドは、メリーナと共にその場から退避する。

コーヘイゲンは”フォール”と共に爆死し、意識が戻らないクエイドの前で、メリーナは泣き崩れる。

目覚めたクエイドは、寄り添うメリーナに手の傷がないことに気づき、変装していたローリーと格闘になる。

クエイドはローリーを倒し、メリーナの無事を知り、彼女と抱き合う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
2084年。
化学戦争の結果、大部分が居住不可能となった地球は、裕福層が暮らす”UFB”(ブリテン連邦)と、その支配下にある労働者区域“コロニー”に分かれていた。
コロニーに住む労働者ダグラス・クエイドは、妻のローリーと平凡な日々を送っていたが、毎日見る悪夢に悩まされていた。
そんな時クエイドは、”リコール”社が記憶を売買することを知り、興味を持ちそれを試そうとする。
しかし、装置にかけられたクエイドは、然の襲撃を受ける。
クエイドはその場を脱出するものの、彼を監視していたという、妻役を演じていたローリーにも襲われる。
それを何んとかかわしたクエイドは、自分に、隠された秘密の記憶があることや、UFBの支配者コーヘイゲンの陰謀も知る。
変装してUFBに向かったクエイドは、正体がばれて逃走し、夢に出て来る女性メリーナに助けられるのだが・・・。
__________

旧作とは大筋では似ているストーリーなのだが、今回は地球上の出来事という設定が大きな違いだ。

最新のVFXなどを駆使した、近未来の映像は手抜きのない仕上がりなのだが、人類が、火星への移住計画を進めているところがポイントの、前作の神秘的且つ異様な雰囲気を上回る出来ではなかった。

また、苦悩する主人公を演ずるコリン・ファレルは好演するものの、とてつもない存在感で画面を支配する、アーノルド・シュワルツェネッガーの圧倒的個性をイメージせずには観られないため、比較ばかりされて気の毒な気もする。

アンダーワールド」(2003)シリーズなどのレン・ワイズマンは、その主人公で妻でもあるケイト・ベッキンセイルに、主役級の演技をさせているようなところが気になる。
(彼女自身はかなりの熱演!)

また、注目は興行収入で、制作費に1億2500万ドルかけたものの、北米では約5900万ドルに終わり、全世界で約1億9800万ドルのヒットとなるが、22年前の旧作を遥かに下回った。
*前作
製作費 $65,000,000
北米興行収入 $119,394,840
世界 $261,299,840

前作で、検問所シーンで顔が変形する女性役を演じたプリシラ・アレンが再び出演し、今回も同様のシーン(一般人)で同じセリフで登場する。

レジスタンスの戦士として、主人公に協力するジェシカ・ビール、裕福層区域”UFB”の支配者ブライアン・クランストン、主人公の同僚ボキーム・ウッドバイン、少ない出演なのが残念であったレジスタンスのリーダー、ビル・ナイ、”リコール”社の担当者ジョン・チョー、主人公の同僚ウィル・ユン・リーなどが共演している。


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