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いつも心に太陽を To Sir, With Love (1967)

1959年に発表された、E・R・ブレイスウエイストの小説”To Sir, With Love”を基に製作された作品。
高校教師の苦悩と生徒達との親交を描く、製作、監督、脚本ジェームズ・クラヴェル、主演シドニー・ポワチエクリスチャン・ロバーツジュディ・ギーソンルル他共演の青春ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


・ドラマ(青春)


スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・クラヴェル
製作:ジェームズ・クラヴェル
原作:E・R・ブレイスウエイストTo Sir, With Love
脚本:ジェームズ・クラヴェル
撮影:ポール・ビーソン

編集:ピーター・ソーントン
音楽:ロン・グレイナー

出演
シドニー・ポワチエ:マーク・サッカリー
クリスチャン・ロバーツ:デナム
ジュディ・ギーソン:パメラ・デア
ルル:バーバラ・ペグ
スージー・ケンドール:ジリアン・ブランチャード
ファエイス・ブルック:エヴァンス教頭
ジェフリー・ベイルドン:ウェストン
エドワード・バーナム:フローリアン校長

アメリカ/イギリス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1967年製作 105分
公開
イギリス:1967年10月29日
北米:1967年6月14日
日本:1968年2月
製作費 $640,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ロンドン
イギリス領ギアナ出身で、エンジニアとしてアメリカに渡り、そしてイギリスにやって来たマーク・サッカリー(シドニー・ポワチエ)は、ある高校の教師に赴任する。

サッカリーは、教頭のエヴァンス(ファエイス・ブルック)から、ウェストン(ジェフリー・ベイルドン)ら教師を紹介され、校長のフローリアン(エドワード・バーナム)からは、落ちこぼれの生徒達を温かく見守るようにと指示される。

そしてサッカリーは、校内でも最悪の生徒が集まるクラスを受け持つことになる。

サッカリーは生徒達に全く受け入れてもらえず、早くも挫折しかけて職探しを始めてしまう。

そんな時、悩んでいたサッカリーは、ついに生徒達の前で爆発してしまう。

それがきっかけで、サッカリーは、生徒を子どもではなく、大人として扱うことが必要だと理解し、礼儀作法、身なりや服装の改善を徹底させることにする。
...全てを見る(結末あり)

生徒達は、それを受け入れる者と、反対派で反抗するデナム(クリスチャン・ロバーツ)とに二分するが、次第に、この方法が効果をあげていく。

サッカリーは見聞を広げるよう生徒達に促し、放課後に忙しい生徒のことを考え、授業内の社会見学を実施しようとする。

フローリアン校長には、教育委員会の許可が下りる望みは薄いと言われてしまう。

しかし、サッカリーの他に、教師ジリアン・ブランチャード(スージー・ケンドール)が同伴することを条件に、博物館見学は許可されることになる。

その結果、生徒達はサッカリーに心を開き、信頼関係が生まれる。

サッカリーを慕うようになったパメラ(ジュディ・ギーソン)の思いは、次第に、彼に対する愛情へと変わっていく。

デナムはそれに嫉妬し、エヴァンス教頭は、パメラと二人きりにな らないようサッカリーに忠告する。

その後、体育の授業で男子生徒が問題を起こし、それを制止して謝らせようとするサッカリーと、生徒達の間に再び溝ができてしまう。

そんな時、エンジニアの仕事が見つかり、喜ぶサッカリーだったが、パメラの母親に娘の夜遊びのことなどを相談される。

パメラに注意してもそれは聞き入れられず、生徒達は益々サッカリーから遠ざかっていく。

体育の授業を代わったサッカリーは、デナムの企みでボクシングを強要され、彼の挑戦を受ける。

自信のあったデナムは、サッカリーを叩きのめそうとするが、結局、彼の一発のパンチでうずくまってしまう。

デナムは、憎しみで殴った自分に対し、ボクシングの教官の仕事を世話するとまでサッカリー言われる。

ようやくサッカリーに心を開いたデナムや生徒達は、卒業のダンス・パーティーに彼を招待する。

そして、黒人との混血の生徒の、母親の葬儀参列をためらっていた生徒達は、全員で葬儀に出席しサッカリーを感激させる。

サッカリーが行った礼儀作法の教えは、生徒達だけでなく、教師や学校全体に浸透し、卒業パーティーの日を迎える。

サッカリーはパメラとダンスを踊り、生徒達は彼に感謝の言葉とプレゼントを渡し、バーバラ(ルル)が歌を捧げる。

”心からの感謝を、先生へ、愛を込めて”と。

感謝が言葉にならないサッカリーは、教室に戻りプレゼントを開けて、学校を去ることで思い悩む。

そこに来学期の生徒が現れ、サッカリーは自分が赴任してきた時の気持ちが甦り、学校に残る決心をする。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ロンドン
イギリス領ギアナ出身で、エンジニアだったマーク・サッカリーは高校の教師となる。
サッカリーは、校内でも最悪の生徒が集まるクラスを受け持つことになり、生徒達に全く受け入れてもらえず、挫折しかけて職探しを始めてしまう。
そんな時、悩んでいたサッカリーは、生徒達の前で爆発してしまう。
それがきっかけで、生徒を大人として扱うことが必要だと理解し、礼儀作や服装の改善を徹底させることにする。
それを受け入れる者と、反抗する生徒のデナムとに二分されるものの、サッカリーの考えは浸透し始めて、次第に効果をあげていく。
サッカリーは見聞を広げるため、課外授業の博物館見学を実現させ、その結果、生徒達は心を開き、信頼関係が生まれる。
そんな時、サッカリーを慕うようになった生徒パメラの思いは、彼に対する愛情へと変わっていく・・・。
__________

人種偏見問題を取り上げた作品ではあるが、家庭に恵まれない子供達を、大人と同じように扱うことで、心を開かせようとする一教師と、不良少年少女達の交流に主題を置き、感動的に描いた作品。

当時のイギリスの社会情勢に加えて、街並やその時代のファッションなどが、今見ても実に新鮮に描写され、中流階級以下の人々の生活などが興味深く、若者達のパワーが画面からよく伝わってくる。

心にしみる、ルルの歌う主題歌”To Sir, With Love”は、Billboard Hot 100にもランキングし大ヒットした。

この時代、数々の人種問題を扱った作品に出演したシドニー・ポワチエは、本作とほぼ同時期に、「夜の大捜査線」(1967)と「招かれざる客」(1967)が公開され、立て続けに傑作に出演していた時期で、紳士的で思慮深い教師を熱演している。

主人公に反抗するが、最後には親身になってくれる彼に心を開くクリスチャン・ロバーツ、主人公に思いを寄せ、不良少女から素直な女性に変わるジュディ・ギーソン、ルックス、態度、歌と印象に残るルル、主人公を支える同僚の女性教師スージー・ケンドールなどが共演している。


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