1994年に公開された、台湾、アメリカ合作映画”恋人たちの食卓”を基に製作された作品。 妻を亡くし適齢期の3人の娘と暮らす元シェフの日常を描く、監督マリア・リポル、主演ヘクター・エリゾンド、ジャクリーン・オブラドール、エリザベス・ペーニャ、タマラ・メロ、ラクエル・ウェルチ、ポール・ロドリゲス、コンスタンス・マリー、ニコライ・キンスキー他共演のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マリア・リポル
製作:ジョン・バード・マヌリス
製作総指揮:サミュエル・ゴールドウィンJr.
脚本
ラモン・メネンデス
トム・ムスカ
ヴェラ・ブラシ
オリジナル脚本
”恋人たちの食卓”
アン・リー
ジェームズ・シェイマス
ワン・フイリン
撮影:ハビエル・ペレス・グロベット
編集:アンディ・ブルーメンソ-ル
音楽:ビル・コンティ
出演
マルティン・ナランホ:ヘクター・エリゾンド
カルメン・ナランホ:ジャクリーン・オブラドール
レティシア・ナランホ:エリザベス・ペーニャ
マリベル・ナランホ:タマラ・メロ
ホルテンシア:ラクエル・ウェルチ
オルランド・カスティーヨ:ポール・ロドリゲス
ヨランダ:コンスタンス・マリー
エイプリル:マリサベル・ガルシア
アンディ:ニコライ・キンスキー
ゴメス:ジュリオ・オスカー・メチョソ
イーデン:ジュディ・ヘレラ
ジェフ:ケン・マリーノ
美容師:トロイ・ルプタッシュ
ケータリング・アシスタント:ルイス・クルグナーリ
アントニオ・ウルヘル:ジョエル・ジョアン
学生:ユリシーズ・クアドラ
エイプリルのクラスメイト:マーク・デ・ラ・クルス
エイプリルのクラスメイト:イーライ・ラッセル・リネッツ
野球の審判:ストーニー・ウェストモアランド
レイチェル:カレン・ダイアー
シェフ:アンソニー・C・シーナ
アメリカ 映画
配給 Samuel Goldwyn Films
2001年製作 103分
公開
北米:2001年8月31日
日本:未公開
北米興行収入 $4,467,620
世界 $4,634,080
ロサンゼルス郊外。
引退したメキシコ系アメリカ人シェフのマルティン・ナランホ(ヘクター・エリゾンド)は、3人の娘、レティシア(エリザベス・ペーニャ)、カルメン(ジャクリーン・オブラドール)、マリベル(タマラ・メロ)と暮らしていた。
妻の死のショックでマルティンは嗅覚と味覚を失うものの、家族や友人のために料理を作る日々を送っていた。
キャリアウーマンのカルメンは、元恋人ジェフ(ケン・マリーノ)からの電話を受ける。
マリベルは、同僚のイーデン(ジュディ・ヘレラ)から、迎えに来たアンディ(ニコライ・キンスキー)に病欠だと伝えてほしいと頼まれる。
カトリックをやめたものの信仰は続けるレティシアは、美容院で友人のヨランダ(コンスタンス・マリー)と話す。
ジェフと愛し合ったカルメンは、寄りを戻そうと言われるものの迷う。
アンディにイーデンのことを伝えたマリベルは、彼がブラジル出身だと知り誘われるものの、夕食に遅れると言って断る。 しかしマリベルは、諦めないアンディに付き合うことにする。 夕食の時間になり、マリベルが帰宅しないままマルティンは食事を始めようとして、カルメンと共に席に着いたレティシアに祈りを捧げるよう指示する。 レストラン経営が夢でもあるカルメンから、スープの味のことで意見されたマルティンは、気分を害して席を立つ。 遅れて帰って来たマリベルを叱ったマルティンは、夕食は大切な時間だと伝える。 カルメンは海辺の高級マンションを買ったことを家族に話し、決める前に話すべきだと言うマルティンは再び席を外す。 そこに、ヨランダと娘のエイプリル(マリサベル・ガルシア)が現れ、マルティンは二人を歓迎する。 友人であるシェフのゴメス(ジュリオ・オスカー・メチョソ)からの電話を受けたマルティンは、知事のパーティーのデザートが丸焦げになったことを知り応援を頼まれる。 離婚したばかりのヨランダは、到着したという連絡を寄こした母ホルテンシア(ラクエル・ウェルチ)を迎えに行く。 店に向かったマルティンは、見事なデザートを作りゴメスらに感謝される。 食事の片づけをするレティシアは、カルメンの考えを批判して口論になるが、マリベルが気分転換のために皿を割り、三人は歌い踊り始める。 ゴメスと娘達のことを話すマルティンは、カルメンの件は相談して欲しかっただけだが、適齢期を過ぎたレティシアのことを心配する。 妻のことが忘れられないマルティンは、ゴメスに励まされる。 翌日マルティンは、訪ねて来たホルテンシアを歓迎し、娘たちを紹介する。 企業分析の結果を実業家アントニオ・ウルヘル(ジョエル・ジョアン)に報告したカルメンは、厳しい世界の現実を知る。 化学の教師レティシアは、野球のコーチ、オルランド・カスティーヨ(ポール・ロドリゲス)が気になる存在になる。 その日も待っていたアンディに付き合ったマリベルは、信号待ちの間にキスされる。 放課後、帰ろうとしたレティシアはオルランドに声をかけられ、自己紹介して彼に惹かれてしまう。 料理の心得があるカルメンは、ジェフに手料理をご馳走する。 マルティンは、ホルテンシアと親交を深める。 アンディと付き合い始めたマリベルは、彼と楽しい時間を過ごす。 レティシアは、生徒のイタズラとも知らずに、置かれていた手紙がオルランドの詩だと思い込む。 カルメンは、会いに来たアントニオから、分析は正しく完璧だったと言わて満足する。 その夜の夕食の際、カルメンは、バルセロナへの転職のオファーがあったことを家族に話す。 マルティンは、ハイテクい企業の運営で破格の報酬だと言うカルメンの話を聞く。 その後マルティンは、訪ねて来たホルテンシアと楽しい時間を過ごしながら、互いのこれまでの結婚生活について話す。 夕食後、カルメンに詩のことを知られたレティシアは、からかわれてしまう。 翌朝ランニング中のマルティンは、は、スクールバスを待つエイプリルに出くわし、時々ランチを作ることを約束する。 アンディのアパートで過ごすマリベルは、ロサンゼルスに来た理由やブラジルの話を聞き、彼との愛を確かめる。 次に届けられた詩を読んだレティシアは、オルランドのことが頭から離れなくなる。 エイプリルにランチを届けたマルティンは気に入ってもらう。 そんな時、ゴメスが厨房で意識を失い、マルティンから連絡を受けたカルメンは病院に向かい、子供時代から慕っていた彼のことを気遣う。 夕食に招待されてアンディは、マルティンの料理に感激して話が弾む。 マリベルは、大学進学を延期することを家族に発表し、マルティンに反対されるものの考えを変える気はなく、アンディと暮らすことを父に伝える。 マルティンは憤慨してその場は騒動になるが、レティシアが皿を割って驚かせ、皆を落ち着かせる。 荷物をまとめたマリベルは、アンディと共にその場を去る。 エイプリルにランチを届けようとしたマルティンは、ヨランダから、気分が悪いためにで休んでいると言われ、彼女にランチを渡す。 カルメンは、マルティンが心臓の専門医の診察を受けたことを知り心配になる。 レティシアとその話をしていたカルメンは、オルランドのことを知り、彼に気に入られるためのアドバイスをする。 イメージチェンジをして学校に向かったレティシアは注目を集め、再び置かれていた詩の内容でオルランドの愛を確信する。 野球の試合中のグラウンドに向かったレティシアは、皆の前でオルランドにキスしてしまう。 詩のことを話し愛を伝えたレティシアは、オルランドの詩ではなかったことを知りショックを受け、その場から走り去る。 イタズラをした生徒を叱ったオルランドは、悲しむレティシアを慰め、愛を確かめた二人はキスして抱き合う。 アパートの散らかっていた部屋を片付けたマリベルだったが、アンディはそれを不満に思う。 ヨランダの離婚問題も解決したホルテンシアはマルティンと話をしながら、ここに来た目的は他にもあると彼に伝える。 夕食の際にレティシアは、マルティンとカルメンにオルランドを紹介し、ラスベガスで結婚したことを伝えて二人を驚かせる。 席に着きトルティーヤ・スープを勧められたオルランドは、その美味しさに驚く。 マイナーリーグに在籍したことがあるオルランドは、バレンズエラと同じチームで捕手をしていたとマルティンに話し、ホットドッグとソーダ付きの”ドジャー・スタジアム”のボックス席が確保できると伝える。 マルティンは、オルランドのレティシアへの愛を確認し、ボックス席の食べ物は自分が用意すると言って、カルメンと共に二人の結婚を祝福する。 アンディは、奔放な性格ではあるものの、保守的なマルティンに育てられたマリベルの几帳面過ぎるところが気になり口論になる。 納得できないマリベルは憤慨し、その場を去る。 店に戻りマルティンとスタッフに歓迎されたゴメスだったが、その場で息を引き取る。 ゴメスの葬儀の後、悲しむカルメンは、彼に好意を抱いていたことに気づいていたはずだとマルティンに伝える。 ジェフのアパートに向かい慰めてもらおうとしたカルメンは、その場にレイチェル(カレン・ダイアー)がいたためにショックを受ける。 カルメンは、転職でバルセロナに向かうことをジェフに伝えて立ち去る。 バーでアントニオに会ったカルメンは、バルセロナへの出発について話をする。 訪ねて来たアンディと話したマリベルは、同じ大学に合格したと言われて喜び、寄りを戻す。 ナランホ家では特別な夕食会が開かれ、重大発表をするマルティンは、娘たちがそれぞれの人生を選んだので、自分も再出発することを皆に伝える。 ホルテンシアは、家を売り別の家を買ったと言うマルティンが、自分にプロポーズすると思い込む。 医師の診断書をホルテンシアに見せて健康を証明したマルティンは、ヨランダとの結婚の許可を求める。 驚くホルテンシアの前で、マルティンはヨランダにプロポーズする。 それを阻止しようとするホルテンシアの話を聞かずに、ヨランダは結婚を承諾する。 家族は喜び二人を祝福するが、ホルテンシアは気絶してしまう。 ホルテンシアは意識を取り戻すものの、納得できずに苛立つ。 マルティンとヨランダは、愛を確かめる。 1週間後。 家に戻り、家族のことを考えながら引っ越しの準備をするマルティンは、カルメンが戻って来たために驚く。 転職を見送ったカルメンは、マルティンのために料理を作り、父の味覚と臭覚が戻ったことを知り喜ぶ。 その後カルメンは、夢だったレストランのオーナーとなる。 カルメンの店でパーティーを開いたマルティンら家族は、ヨランダのお腹の子が女の子だと知り喜ぶ。
...全てを見る(結末あり)
出発するカルメンを空港に送ったマルティンは、多くを語らずに別れる。
*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス郊外。
引退したメキシコ系アメリカ人シェフのマルティン・ナランホは、妻を亡くしたショックで味覚と臭覚を失うものの、娘レティシア、カルメン、マリベルたちのために料理を作る日々を送っていた。
マルティンは、適齢期のレティシアらの将来のことを心配し、娘たちも、未だに母を想う父を気遣うのだが・・・。
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スペインの映画監督マリア・リポルが、妻を亡くし適齢期の三人の娘と暮らすメキシコ系アメリカ人の元シェフの日常を描いたコメディ・ドラマ。
シェフが主人公の物語であるために、毎日食卓に並ぶ創作料理が、芸術品のように登場する美しい映像が印象に残る。
愛する妻の死から立ち直れない主人公が、適齢期の娘たちの新たな人生感を理解しつつ苦悩する姿や親心を、マリア・リポルが女性らしい視点で描くドラマに仕上がっている。
主演のヘクター・エリゾンドは、一流シェフの雰囲気が伝わる見事な演技で好演している。
キャリアウーマンとして活躍しながら、結局はレストランのオーナーになる夢を叶える主人公の次女ジャクリーン・オブラドール、恋に積極的になれない長女で、化学の教師を印象的に演ずるエリザベス・ペーニャ、奔放な性格の三女タマラ・メロ、主人公と親交を深め結婚も考える女性を魅力的に演ずるラクエル・ウェルチ、その娘で主人公と結婚するコンスタンス・マリー、その娘マリサベル・ガルシア、長女と結婚する野球のコーチ、ポール・ロドリゲス、三女と愛し合う仲になるニコライ・キンスキー(クラウス・キンスキーの息子、ナスターシャ・キンスキーの異母弟)、主人公の友人であるシェフのジュリオ・オスカー・メチョソ、三女の同僚ジュディ・ヘレラ、次女の恋人ケン・マリーノ、その恋人カレン・ダイアー、美容師のトロイ・ルプタッシュ、次女の才能を認める実業家ジョエル・ジョアン、学生のユリシーズ・クアドラ、野球の審判ストーニー・ウェストモアランドなどが共演している。