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ローマでアモーレ To Rome with Love (2012)

ローマで起きる4つの物語を同時進行で描く、監督、脚本、出演ウディ・アレンアレック・ボールドウィンロベルト・ベニーニペネロペ・クルスジェシー・アイゼンバーグエレン・ペイジ共演のロマンチック・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

ウディ・アレン / Woody Allen 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:ウディ・アレン

製作
レッティ・アロンソン

スティーブン・テネンバウム
ジャンパオロ・レッタ
ファルック・アラトン
脚本:ウディ・アレン
撮影:ダリウス・コンジ
編集:アリサ・レプセルター

出演
ジェリー:ウディ・アレン

フィリス:ジュディ・デイヴィス
ジョン・フォイ:アレック・ボールドウィン
キャロル・フォイ:キャロル・アルト
レオポルド・ピザネッロ:ロベルト・ベニーニ
ソフィア・ピザネッロ:モニカ・ナッポ
アンナ:ペネロペ・クルス
ジャック:ジェシー・アイゼンバーグ
モニカ:エレン・ペイジ
サリー:グレタ・ガーウィグ
アントニオ:アレッサンドロ・ティベリ
ミリー:アレッサンドラ・マストロナルディ
ルカ・サルタ:アントニオ・アルバネーゼ
ジャンカルロ:ファビオ・アルミリアート
ピア・フサーリ:オルネラ・ムーティ
ミケランジェロ:フラヴィオ・パレンティ
ヘイリー:アリソン・ピル
パオロ:ロベルト・デラ・カーサ
強盗:リッカルド・スカマルチョ

アメリカ/イタリア 映画
配給
ソニー・ピクチャーズ・クラシックス(北米)
メディアセット(イタリア)
2012年製作 112分
公開
イタリア:2012年4月20日
北米:2012年6月22日
日本:2013年6月8日
製作費 €17,000,000
北米興行収入 $16,685,870
世界 $73,244,880


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ローマ

● ヘイリーの物語

アメリカ人観光客のヘイリー(アリソン・ピル)は、通りがかりの青年ミケランジェロ(フラヴィオ・パレンティ)に道を尋ねる。

弁護士のミケランジェロは、仕事でニューヨーク滞在歴もあり英語が堪能で、向かう方向が同じだったために、ヘイリーが行きたい場所に案内することになる。

そして、二人は意気投合して共に時間を過ごし、恋に落ちてしまう。

ミケランジェロはヘイリーを両親に紹介して、二人は結婚を決意する。

ヘイリーの両親ジェリー(ウディ・アレン)とフィリス(ジュディ・デイヴィス)は急遽イタリアに向かうことになる。
...全てを見る(結末あり)

ローマに到着したジェリーは、オペラ演出家を引退したくなかったことなど愚痴ばかりこぼす。

そこにヘイリーが現れ、彼女は両親にミケランジェロを紹介する。

ミケランジェロの父親が経営する、葬儀社を訪ねたジェリーとフィリスは、父親ジャンカルロ(ファビオ・アルミリアート)と妻に歓迎される。

ヘイリーとミケランジェロも到着し、一人、家族の輪に入れない雰囲気のジェリーだったが、ジャンカルロのシャワーを浴びながらの歌声に驚いてしまう。

家族は食事をすることになり、ジェリーはジャンカルロの歌声を絶賛するが、彼は単なる趣味だと言って謙遜する。

ジェリーは、レコード業界の知人がこの街にいると言って、ぜひ歌ってほしいとジャンカルロに頼むが彼はそれを断る。

諦めきれないジェリーが、その才能を世に知らせるべきだと言ってくどいために、フィリスは呆れてしまう。

ジェリーは諦めずにジャンカルロを説得し、音楽関係者の前で彼の歌を披露する。

しかし、ジャンカルロの声は認められず、ケランジェロは傷ついた父親の気持ちを察してジェリーを非難する。

ところが、帰宅したジャンカルロは、シャワーを浴びながら歌うと別人となる。

ジェリーは、自分もシャワー中だと見事な歌声になることに気づく。

その後ジェリーは、ステージにシャワーを用意してジャンカルロの歌声を披露するという企画を考え、それが大成功する。

世界各地で公演をすることを考えたジェリーだが、ミケランジェロと母親はそれに反対してトラブルになる。

ジェリーの企画オペラ”道化師”で、ジャンカルロはシャワーのパフォーマンスで観客を魅了する。

それにはミケランジェロも納得し、ジャンカルロはそれで満足して、家族と暮らす葬儀屋で幸せであることを語る。

しかし、ジェリーの企画は酷評され、イタリア語が分からない彼は、その意味を知ることはなかった。

● アントニオの物語

ローマ・テルミニ駅
結婚したばかりのアントニオ(アレッサンドロ・ティベリ)とミリー(アレッサンドラ・マストロナルディ)は、この地に移り住むことになる。

アントニオは叔父の会社で働く予定だったが、上流階級の人々と付き合うことへの不安と、将来は自分もそうなりたいという希望とが重なり合い、彼は落ち着かない。

ミリーは美容院に行こうとするが、人に道を尋ねても、その場所がなかなか見つからない。

暫くして、ミリーの帰りが遅いために電話をかけたアントニオだったが、彼女は携帯電話を排水溝に落としてしまう。

心配するアントニオだったが、そこに何かの手違いで、美しいコールガールのアンナ(ペネロペ・クルス)が現れる。

そこに運悪く叔父のパオロ(ロベルト・デラ・カーサ)らが訪ねて来て、アントニオは焦ってしまう。

仕方なく、アントニオはアンナがミリーだと言ってしまい、パオロらはロビーで待っていると伝えて部屋を出る。

動揺するアントニオは、一応、妻の役割をしてミリーが帰る前に消えてほしいとアンナに頼む。

その頃、道に迷いどこにも行くことができなくなったミリーは途方に暮れる。

支度をしたアントニオとアンナはロビーに向かい、パオロらとヴァチカン観光に向かう。

その後ミリーは、有名女優ピア・フェザーリ(オルネラ・ムーティ)に出会い、映画撮影現場に招待され、他のスターが現れたことで感激する。

ピアに有名な男優ルカ・サルタ(アントニオ・アルバネーゼ)を紹介されたピアは、彼に誘われて食事に向かう。

その場でアンナやパオロらと食事をしていたアントニオは、ミリーがスターと現れたために驚いてしまう。

ルカはミリーを口説き始め、アントニオはその様子を知り気になる。

その後、アントニオらは上流のパーティーに向かい、彼は緊張しながらミリーのことを心配する。

その場で何人もの客に会ったアンナは、初心なアントニオに女性との付き合い方のレッスンをしてあげようとする。

アントニオと愛し合ったアンナは、初体験で戸惑うアントニオに優しく接する。

ルカとホテルに向かったミリーは彼に迫られ、アントニオのことを考えるものの、スターとの情事に興味も示す。

ミリーはルカと愛し合うことを決めるが、そこに強盗(リッカルド・スカマルチョ)が押し入り、二人に銃を向ける。

ルカは財布などを渡すが、ホテルの捜査員が現れたため、彼は妻が浮気に気づいたことを察して焦る。

強盗はルカにバスルームに隠れるよう指示し、ミリーとベッドに入り、押し入ってきたルカの妻らを追い払う。

ルカは強盗に感謝して、時計と指輪を渡して部屋を出ていく。

その後、ミリーと強盗はいい雰囲気になり愛し合ってしまう。

ホテルに戻ったアントニオは、戻っていたミリーに田舎に戻ることを提案し、その前に思い出づくりとして愛し合う。

● ジョンの物語

アメリカ人である著名な建築家のジョン・フォイ(アレック・ボールドウィン)は、妻キャロル(キャロル・アルト)との休暇旅行中の最後の数日をローマで過ごす。

30年前に住んでいたアパートを探し始めたジョンは、ジャック(ジェシー・アイゼンバーグ)という青年に声をかけられる。

建築家の卵だというジャックが、昔の場所に住んでいることを知ったジョンは、誘われてその場に向かう。

アパートに着いたジャックは、ジョンに恋人のサリー(グレタ・ガーウィグ)を紹介する。

ジャックは、サリーの親友で女優のモニカ(エレン・ペイジ)が滞在することになると知らされる。

空港にモニカを迎えに行ったジャックらだったが、ジョンは、小悪魔的なモニカに惹かれないようにと言ってジャックに助言する。

アパートに戻ったジャックは、モニカを好きにならないようにととサリーに言われるまでもなく、彼女に興味を示さなかった。

モニカは食事の後、男女を問はない豊富な性体験などをジャックに話し、彼は興味深くそれを聞く。

その後、散歩をしたいと言うモニカに付き合うよう、サリーはジャックに頼むが、ジョンは一緒についていかなければだめだと彼女に付き合わせる。

翌日、ジャックはモニカの観光に付き合うことになり、彼女に魅力を感じ始める。

ジョンは、そんなジャックに、甘い罠に向かって突き進むがいいと皮肉る。

ジャックとモニカの関係が少々不安になったサリーは、彼女に恋人ができればいいと考える。

その後ジャックは、モニカに友人を紹介するものの、それを後悔して、彼女の虜になっている自分に気づく。

モニカが、夜のローマ風呂に忍び込みたいという提案に付き合ったジャックは、彼女と二人きりになり愛を感じ始める。

モニカと食事の支度をしていたジャックは、気持ちを抑えきれなくなり彼女にキスする。

戸惑うモニカだったが、彼女はサリーに遠慮しながらもそれを受け入れ、二人は車の中で愛し合う。

サリーとは冷めた関係だったと言うジャックは、モニカとの今後を考える。

ジャックとモニカはサリーと食事をしていたが、そこに役が付いたという連絡がモニカに入り、彼女はスターとの共演に胸を膨らませる。

ジョンは、気落ちするジャックに、これが幸いだと考えた方がよいと言って彼を慰め、二人は会った場所で別れる。

● レオポルドの物語

レオポルド・ピザネッロ(ロベルト・ベニーニ)は、妻のソフィア(モニカ・ナッポ)と二人の子供と暮らす平凡な男性だった。

出社しようと家を出たレオポルドは、突然パパラッチに囲まれてしまい驚く。

そこに高級車が現れて、レオポルドはテレビ局に案内されてメイクを始める。

スタジオに案内されたレオポルドは、生放送の番組に出演してインタビューを受ける。

放送を終えたレオポルドはスタッフに絶賛され、帰宅したところで再びパパラッチに囲まれてしまう。

家に逃げ込んだレオポルドは、喜ぶソフィアから有名人になったことを伝えられて戸惑う。

時の人となったレオポルドは、会社では新しいオフィスと美しい秘書が与えられる。

その後も取材攻めに遭うレオポルドの一言一句は、人々の注目を集める。

レオポルドはソフィアと共に映画のプレミアに向かい、有名スターと同様に扱われ、彼は女優から連絡先を渡されてしまう。

レオポルドの行動は何をしても話題になり、彼は女性の心も捉え美女が常に付き添う。

そんなレオポルドだったが、相変わらず群がるパパラッチの過激な行動に我慢の限界を感じ、自分がなぜ有名人なのか理解できずに混乱してしまう。

家を出たレオポルドはパパラッチに囲まれるが、彼らは突然、通りを歩く男性に群がる。

解放されたレオポルドは、家族の元に戻り喜びを伝える。

ソフィアと街を歩いていたレオポルドは、有名人だった自分の存在をアピールし始めるが、誰も見向きもしない。

その時、通りがかった女性から声をかけられたレオポルドはサインをする。

その場で運転手にも会ったレオポルドは、人生の矛盾などを語られるが、それが理解できたか自分でもわからないまま、ソフィアと家路につく。
__________

そしてローマは、様々な物語が起きることを待っている・・・。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ローマ
観光中のアメリカ人ヘイリーは、ハンサムな青年弁護士ミケランジェロと知り合う。
恋に落ちた二人は結婚することになり、ヘイリーは両親ジェリーとフィリスを呼び寄せる・・・。
田舎から出てきた新婚夫婦アントニオとミリーは、上流階級の叔父と会うことになっていたため落ちつかない。
ミリーは美容院に向かうものの、場所がわからないまま道に迷ってしまう・・・。
著名なアメリカ人建築家ジョンは、30年前に自分が住んでいたアパートの住居人である、建築家の卵のジャックと知り合う。
ジャックが恋人のサリーと暮らすアパートに向かったジョンは、そこに小悪魔的な売れない女優モニカが現れたため、今後の展開に不安を感じる・・・。
平凡な会社員レオポルドは、ある朝、突然パパラッチに囲まれてしまう。
有名人になったレオポルドは、人々の注目を集めて生活が激変してしまうのだが・・・。
__________

様々な人々、男女が織り成す騒動やロマンスを、美しいローマの街並みや陽気な雰囲気で描くストーリーはどなたでも楽しめる。

関わりを持たない人々の、全く別の物語が同時に進行するのだが、その盛り上がり方や騒動の度合いが絶妙であり、皮肉を込めたウディ・アレンの脚本、ユーモアのセンスも見事だ。

観光名所をさり気なく映し出すところや、押しつけがましくない人生観の描写など、ウディ・アレンらしさを堪能できる作品としてファンには嬉しい内容となっている。

ウディ・アレンは、自分が登場する物語で音楽関係者役を演じ、人気テノール歌手ファビオ・アルミリアートが演ずる葬儀屋の歌の才能に気づき、彼をスターにしようとするアイデアが実に面白い。

娘の結婚よりも婿の父親の歌の才能に興味をしめす元オペラ演出家役のウディ・アレン、その妻ジュディ・デイヴィス、娘アリソン・ピル、フィアンセのフラヴィオ・パレンティ、その父親ファビオ・アルミリアート、叔父のロベルト・デラ・カーサに誘われて、田舎から出てきた新婚夫婦のアレッサンドロ・ティベリアレッサンドラ・マストロナルディ、彼女に迫る有名男優のアントニオ・アルバネーゼ、女優オルネラ・ムーティ、コールガールペネロペ・クルス、アメリカ人の著名な建築家アレック・ボールドウィン、彼と出会う建築家の卵のジェシー・アイゼンバーグ、彼の恋人役グレタ・ガーウィグ、その友人エレン・ペイジ、突然、有名人になる平凡な男性ロベルト・ベニーニ、その妻モニカ・ナッポ、建築家の妻キャロル・アルト、強盗リッカルド・スカマルチョ等が共演している。


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