19世紀後半、西部にその名を馳せた実在のガンマン、トム・ホーンの晩年を描く、製作総指揮、主演スティーヴ・マックィーン、リンダ・エヴァンス、リチャード・ファーンズワース、スリム・ピケンズ、ジェフリー・ルイス他共演西部劇。 |
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・スティーヴ・マックイーン / Steve McQueen 作品一覧
監督:ウィリアム・ウィヤード
製作総指揮:スティーヴ・マックィーン
製作:フレッド・ワイントローブ
脚本
トーマス・マクゲイン
バド・シュレイク
撮影:ジョン・A・アロンゾ
編集:ジョージ・グレンヴィル
音楽:アーネスト・ゴールド
出演
トム・ホーン:スティーヴ・マックィーン
グレンドレーネ・キンメル:リンダ・エヴァンス
ジョン・C・コーブル:リチャード・ファーンズワース
サム・クリードモア保安官:スリム・ピケンズ
ジョー・ベル連邦保安官:ビリー・グリーン・ブッシュ
ウォルター・ストール:ジェフリー・ルイス
トーマス・バーク:ハリー・ノーサンプ
厩の男:エリシャ・クックJr.
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1980年製作 98分
公開
北米:1980年3月28日
日本:1980年4月
製作費 $3,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1901年、ワイオミング。
アパッチの戦士ジェロニモを捕らえた事で有名なトム・ホーン(スティーヴ・マックィーン)は、立ち寄った町で厩の男(エリシャ・クックJr.)に馬を預ける。
酒場に向かったホーンは、ボクシングの次期ヘビー級王者になると思われるジェームス・J・コーベットに乾杯する男達に、ジェロニモに勝る男はいないと語る。
納得できない男達に叩きのめされたホーンは、厩に戻り休んでいた。
ホーンのことを知る牧場主のジョン・C・コーブル(リチャード・ファーンズワース)は、彼に声をかけて挨拶し牧場に案内する。
途中、牛を狙う者達に出くわしコーブルはからかわれるが、ホーンが相手を威嚇する。 牛泥棒達を撃退しようと考えていたコーブルはホーンを雇い、組合の集会で、周辺の牧場主に伝説の男である彼を紹介する。 その場にいた、連邦保安官のジョー・ベル(ビリー・グリーン・ブッシュ)は、組合員が牛泥棒をむやみに殺そうとしていることを気にして、それをコーブルに伝える。 ホーンは、ハワイ出身の教師グレンドレーネ・キンメル(リンダ・エヴァンス)とも知り合い話をする。 ベルは、ホーンを雇う必要はなく、自分でも対処できたことをコーブルに伝える。 ホーンは名前だけで相手が警戒する存在であることを話すコーブルは、地域の治安を考えるよりも、ベルには政界進出を希望する彼に期待することを伝える。 コーブルはホーンを信頼し、十分に報酬を払うことを伝え、思い通りに牛泥棒を倒すよう指示する。 牛の競売所に向かったホーンは、その場にいた牛泥棒達に、何かあれば銃で片を付けると言って警告する。 早速、警備を始めたホーンは、4人組みの牛泥棒の内の3人を難なく倒し、殺さなかった1人を仲間達の元に帰す。 牛泥棒のアジトを襲ったホーンは男達を倒し、その場にいた野生馬を奪う。 野生馬を調教したホーンは学校に向い、それをグレンドレーネにプレゼントする。 グレンドレーネと遠乗りに出かけたホーンは、彼女と親交を深め、そして惹かれ合うようになる。 ある日、ホーンは牛泥棒に愛馬を撃たれてしまい、相手に何発もの銃弾を浴びせて、男の家を焼き払ってしまう。 その後も、ホーンに足を撃たれて恨みを持つ男が、彼に発砲する。 ホーンはその男を銃撃し、息のある相手に容赦なく止めを刺す。 役目は果たすホーンだったが、その手法が過激だとの意見が出始め、コーブル以外の牧場主は、彼を厄介払いしようとする。 そんな中、ある牧場主の息子が、ホーンと同じ銃で射殺される事件が起き、ホーンが犯人として疑われる。 グレンドレーネからもその件で意見されたホーンだったが、気にすることはなかった。 連邦保安官のベルはホーンを事務所に呼び、隠れていた検事補に話を聞かせて、ホーンが少年殺しについて語るか探りを入れる。 ホーンの容疑を確信したベルは、町の保安官サム・クリードモア(スリム・ピケンズ)に彼の逮捕を命ずる。 クリードモアは、酒場にいたホーンを連行して牢屋に入れる。 弁護士トーマス・バーク(ハリー・ノーサンプ)を雇ったコーブルは、ホーンの無罪を勝ち取ろうとする。 ホーンは、グレンドレーネと過ごしている際に、襲ってきた者を、彼女の目の前で殺害したことなどを想い起す。 通りにいる男達を気にしたホーンは、それが、州兵だと知らされる。 面会に来たコーブルは、長く引き止めたために起きたことだと言ってホーンに謝罪し、無実を信じていると話す。 ホーンは、自分の置かれた立場を冷静に受け止め、コーブルに感謝して信頼していることを伝える。 そして裁判は始まり、辣腕検事ウォルター・ストール(ジェフリー・ルイス)は、ベルの事務所でホーンの話を聞いていた検事補に証言させる。 ホーンが少年を殺したかのような発言をしたことを確認したストールは、ホーンを証言台に座らせて、話したことを認めるかを問い追求する。 ストールやベルが、自分を利用して名を上げたいことを悟っているホーンは、抵抗は無駄だと判断し、好きにすればいいと言い放つ。 ホーンが証言を拒み被告人席に戻ってしまったため、判事は、彼の過ごした人生をや法律に疎いことは考慮すべきであり、生死に関わる問題を彼に教えてやるべきだと語る。 町では、一方的に非難する声に対し、ホーンに同情する者も少なくなかった。 翌朝、ホーンは牢屋番を騙して逃走するものの、それが知られて捕らえられてしまう。 その後、ホーンは有罪となり絞首刑を宣告される。 ホーンは、生きる世界が違うと言うグレンドレーネと別れた時のことなどを想う。 1903年11月20日。 クリードモア保安官他、ホーンに好意的な多くの者達に見守られながら、彼は処刑される。
...全てを見る(結末あり)
刑執行の日、ホーンは牢屋番に謝罪して処刑台に向かう。
*(簡略ストー リー)
ジェロニモを捕らえたことでも有名なトム・ホーンは、牧場主コーブルに雇われる。
コーブルは牛泥棒に悩まされていたため、周辺の牧場主と共に、ホーンに警備を任せる。
銃の名手のホーンは、牛泥棒達を容赦なく始末してゆくが、やがて彼の仕事ぶりばかりが目立つことが、名を上げようとしている連邦保安官らの反感を買い始める。
そして、ホーンを厄介払いしようとした者達の罠にはまり逮捕された彼は、絞首刑を宣告されてしまう・・・。
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4ヶ月後に公開される、遺作となった「ハンター」(1980)、そして同年11月に惜しまれながら50歳の若さで亡くなることになる、スティーヴ・マックィーン最後の西部劇。
画面でも分かるように、かなりやつれているように見えるマックィーンが、自分の死を予告して作製したようにも思える作品で、彼自身が製作総指揮を担当している。
撮影の時点(1979)で、余命数ヶ月と宣告されていたと言われているマックィーンだが、さすがに彼独特の軽やかな身のこなしは衰えていたものの、銃を構える姿や落ち着き払った物腰に、彼らしさと役者魂を感じる。
当時は、本作が遺作になるものと思っていたので、ファンとして感慨深く観た思い出がある。
ラストで、死刑執行直前に保安官のスリム・ピケンズが涙ぐむ場面、「ゲッタウェイ」(1972)でもマックィーンと共演している彼は、それが演技でないように思えて仕方ない。
主人公と親交を深める教師のリンダ・エヴァンス、彼の出演は、西部劇を愛したマックィーンが敬意を表したのだろう、1930年代からスタントマンとして活躍した名優、主人公を雇う牧場主のリチャード・ファーンズワース、保安官役のスリム・ピケンズ、自分の名声にこだわる連邦保安官、ビリー・グリーン・ブッシュ、検事のジェフリー・ルイス、弁護士役のハリー・ノーサンプ、厩の男エリシャ・クックJr.などが共演している。