ワイアット・アープの引退直後から有名な”OK牧場の決闘”とその後を描く、監督ジョージ・P・コスマトス、主演カート・ラッセル、ヴァル・キルマー、サム・エリオット、ビル・パクストン、パワーズ・ブース、マイケル・ビーン、チャールトン・ヘストン他共演の西部劇。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・P・コスマトス
製作総指揮
アンドリュー・G・ヴァイナ
バズ・フェイトシャンズ
製作
ショーン・ダニエル
ジェームズ・ジャックス
ボブ・ミシオロウスキー
脚本:ケヴィン・ジャール
撮影:ウィリアム・A・フレイカー
編集
フランク・J・ユリオステ
ロバート・シルヴィ
ハーヴェイ・ローゼンストック
音楽:ブルース・ブロートン
出演
ワイアット・アープ:カート・ラッセル
ドク・ホリデイ:ヴァル・キルマー
ヴァージル・アープ:サム・エリオット
モーガン・アープ:ビル・パクストン
カーリー・ビル:パワーズ・ブース
リンゴ・キッド:マイケル・ビーン
ヘンリー・フッカー:チャールトン・ヘストン
ビリー・ブレキンリッジ:ジェイソン・プリーストリー
ジョン・クラム:テリー・オクィン
ジョニー・ビーハン:ジョン・テニー
アイク・クラントン:スティーヴン・ラング
ビリー・クラントン:トーマス・ヘイデン・チャーチ
バーンズ:ジョン・コーベット
フランク・マクローリー:ロバート・ジョン・バーク
ジョセフィーン・マーカス・アープ:ダナ・デラニー
フェイビアン:ビリー・ゼイン
アリー・アープ:ポーラ・マルコムソン
ルイーザ・アープ:リサ・コリンズ
マティ・ブレイロック:ダナ・ウィーラー=ニコルソン
ビッグ・ノーズ・ケイト:ジョアンナ・パクラ
シャーマン・マクマスターズ:マイケル・ルーカー
フレッド・ホワイト:ハリー・ケリーJr.
ジョニー・タイラー:ビリー・ボブ・ソーントン
フランク・スティルウェル:トーマス・アラナ
エド・ベイリー:フランク・スタローン
ナレーター:ロバート・ミッチャム
アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
1993年製作 130分
公開
北米:1993年12月24日
日本:1994年5月28日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $56,505,070
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
メキシコの寒村。
無法者カーリー・ビル(パワーズ・ブース)やリンゴ・キッド
(マイケル・ビーン)は、組織の者を殺した若者を、結婚式の最中に容赦なく殺す。
連邦保安官を引退したワイアット・アープ(カート・ラッセル)は、トゥームストーンに向かおうとしていた。
兄ヴァージル・アープ(サム・エリオット)と弟モーガン(ビル・パクストン)と合流したワイアットは、それぞれの妻アリー(ポーラ・マルコムソン)とルイーザ(リサ・コリンズ)にも声をかける。
ワイアットは、妻のマティ・ブレイロック(ダナ・ウィーラー=ニコルソン)を皆に紹介して旅立つ。
酒場でポーカーをしていたドク・ホリデイ(ヴァル・キルマー)は、勝負に負けたため言いがかりをつけるエド・ベイリー(フランク・スタローン)を痛めつけて、愛人ビッグ・ノーズ・ケイト(ジョアンナ・パクラ)と共にその場を引き上げる。 トゥームストーン。 その後、連邦保安官・フレッド・ホワイト(ハリー・ケリーJr.)に会ったワイアットは、ビーハンには力がないことを知らされ町の様子を知らされる。 ワイアットは酒場に向かい、迷惑な客ジョニー・タイラー(ビリー・ボブ・ソーントン)を追い払い用心棒となる。 それを弟達に伝えたワイアットだったが、銃を持ったタイラーが彼を狙う。 そこに現れたドクはタイラーを制止し、友人ワイアットと言葉を交わす。 タイラーは、その名を知られるワイアットの名前を聞いて驚き立ち去る。 そこに、旅芸人一座の女優ジョセフィーン・マーカス(ダナ・デラニー)やファビアン(ビリー・ゼイン)が到着し、ワイアットらは、彼女の美しさに魅了される。 それに気づいたジョセフィーンも、ワイアットの存在が気になる。 その夜、ジョセフィーンの劇を兄弟、妻らと楽しんだワイアットは、仕事のために酒場に向かう。 その場に現れたジョセフィーンに気づいたワイアットは驚くものの、二人は目が合っただけだった。 その後、カーリーとリンゴに声をかけられたワイアットとドクだったが、彼らを相手にしようとしない。 ビーハンに誘われ飲んでいたジョセフィーンは、ワイアットについてを尋ね、既婚者だとも知らされる。 翌日、乗馬中に出くわしたワイアットとジョセフィーンは、意気投合して遠乗りに出かける。 ワイアットは、単なる淑女かと思っていたジョセフィーンが、他の女性にはない考えの持ち主であることを知り魅了される。 町に戻ったワイアットは、頭痛の薬だというアヘンチンキを飲み続ける情緒不安定気味のマティに、稼いだ金で世界を旅しようと、ジョセフィーンに感化された考えを伝える。 しかし、それに現実味がないことを悟ったワイアットは思い悩む。 その夜、酔ったカーリーが通りで発砲したため、それを止めようとした連邦保安官のホワイトが、射殺されてしまう。 ワイアットはカーリーを取り押さえ、彼の仲間のアイク・クラントン(スティーヴン・ラング)と弟のビリー(トーマス・ヘイデン・チャーチ)を追い払う。 それを見ていたジョセフィーンは、ワイアットらの命懸けの稼業の厳しさを知る。 町で大金を稼いだワイアットは、他の土地に移り、自分達の店を持つことを兄弟に提案をする。 町長ジョン・クラム(テリー・オクィン)からの保安官要請にも耳を貸さないワイアットらだった。 しかしヴァージルは、危険にさらされながら生活する住民達のことを見過ごすことができなくなる。 ヴァージルは、モーガンを助手にして連邦保安官を引き受けてしまい、町での銃の携帯を禁止する。 それを知ったワイアットは、平穏な生活を捨てた二人を非難する。 ドクとのポーカーで負け続けたアイクは、イカサマだと言って言いがかりをつける。 肺病を患うドクは倒れてしまうが、尚も納得いかないアイクはヴァージルらにも絡み逮捕されてしまう。 翌朝、釈放されたアイクだったが、ワイアットら兄弟に決闘することを伝える。 その後ワイアットは、アイクらが到着したことを確認して、自分を保安官に任命するようヴァージルに伝える。 ビーハンは、アイクらが”OK牧場”近くに集結すていることをヴァージルに伝える。 医師の診察を受けたばかりの、静養が必要なドクも加わり、ワイアット、ヴァージル、モーガンは決闘の場に向かう。 ドクも仲間だと知ったアイクらは焦り、至近距離での銃撃戦が始まる。 アイクは命乞いをしてその場を離れてしまい、ヴァージルとモーガンは銃弾を受けるものの、ワイアットらは相手を倒す。 ビーハンに、全員を逮捕すると言われたワイアットだったが、それに応じようとしない。 その場に現れたジョセフィーンは、ワイアットが無事だったことを知り安堵するが、それをマティが目撃してしまう。 アイクらは、弟ビリー達の葬儀で、今回の決闘が、法の執行官による殺戮だと言って抗議し、彼らと親交を持つ連邦保安官助手のビリー・ブレキンリッジ(ジェイソン・プリーストリー)もワイアットらを非難する。 酔ってワイアットらを威嚇するリンゴに、ドクが勝負を挑もうとするが、カーリーが中に入り、時が来るのを待つようリンゴを説得する。 その後、嵐の夜、ヴァージルが襲われて傷を負い、町を出ようとするワイアットに対し、戦うべきだと言うモーガンが怒りを露わにする。 女子供まで脅すカーリーのやり方に、不満を抱く仲間のシャーマン・マクマスターズ(マイケル・ルーカー)は、彼らに加担しないことをワイアットに伝えて彼らの味方になる。 そんな時、ヴァージルが闇討ちに遭い、銃弾を受けた彼は、ワイアットに見守られながら息を引き取る。 ワイアットはジョセフィーンに見限られながら、ヴァージルや妻達と共に町を去ることを決める。 カーリーは、旅立つワイアットからこれで終わりだと言われるが、けりをつけるようアイクに指示する。 しかし、ヴァージルらだけを旅立させたワイアットは、駅に現れたアイクを待ち構えて、連邦保安官になったことを伝える。 ワイアットは、ドクやシャーマンらを従えて、無法者集団”カウボーイズ”の絶滅を誓い、アイクを脅して仲間達の元に帰るよう命ずる。 ”カウボーイズ”を追い、次々と倒したワイアットらは、遂にカーリーも殺害する。 その後、リンゴはビーハンらと手を組みワイアットらを追うが、ドクが体調不良で倒れてしまう。 牧場主ヘンリー・フッカー(チャールトン・ヘストン)に世話になったワイアットは、フェイビアンが殺されながら旅を続けるジョセフィーンと再会する。 ジョセフィーンは多くを語らずにその場を去り、ワイアットは彼女を見送る。 数日後シャーマンが殺害されて、ワイアットは、リンゴと一対一の決闘をすることになる。 ドクにバッジを渡して、フッカーに任せたワイアットは、リンゴの元に向かおうとする。 合法だと言って、ワイアットから渡されたバッジを見せたドクは、銃を抜いたリンゴを一撃で倒す。 現れたワイアットはそれを確認し、”カウボーイズ”を絶滅させるために出発し、敵を次々と倒す。 追い詰められたアイクは観念して、一団のトレードマークの赤いスカーフを捨てて逃亡する。 コロラド州、グレンウッド・スプリングス。 ワイアットに旅立つよう伝えたドクは、渡された、自分を友と呼んでくれた彼の著書を見て涙し息を引き取る。 デンバー。 ジョセフィーンはそれを受入れて劇場を出て、雪の中でワイアットとダンスを踊る。 その後、2人は47年間生活を共にし、ワイアットは、1929年にロサンゼルスで亡くなり、西部劇スター”トム・ミックス”が彼の棺を担ぎ涙した。
...全てを見る(結末あり)
町に着いたワイアットは、郡保安官ジョニー・ビーハン(ジョン・テニー)に話しかけられる。
療養所に入り静養していたドクを見舞ったワイアットは、ジョセフィーンを捜し新しい人生を歩めと助言される。
公演を終えたジョセフィーンの楽屋を訪ねたワイアットは、彼女にカリフォルニアへ行くこと伝え、全てを失った自分
と共に、生涯を過ごしてほしいと告げる。
*(簡略ストー リー)
トゥームストーン。
連邦保安官を引退したワイアット・アープは、兄ヴァージルと弟モーガンらと共に、平穏な生活を求めていた。
酒場の用心棒として大金を稼いだワイアットだったが、無法者カーリーらに怯える住民を見捨てられずにヴァージルは、殺された連邦保安官の後任になる。
ワイアットは、モーガンもその助手になったことを知り考えに賛同できない。
ところが、カーリーの仲間アイクの怒りを買ったことから、アープ兄弟は彼らと決闘をすることになる。
ワイアットは、仕方なく再び法の執行官となり、肺病を患う友人ドク・ホリデイと共に、アイクら6人の待つ”OK牧場”近くの決闘の場所に向かう・・・。
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この時代の西部劇としてはまずまずの出来栄えで、批評家観客からも概ね指示された作品。
正統派西部劇とは雰囲気が違うのは致し方ないところだが、史実に近い描写などは興味深い。
(当然、脚色箇所も多々ある)
しかし、それほど深みのない内容と共に、監督ジョージ・P・コスマトスの演出も平凡、個人的には、西部劇には違いないが、史実を追った歴史劇にしか思えない作品。
男臭い豪華キャストは注目であり、主人公のワイアット・アープを演ずるカート・ラッセル他、各個性が生かされた役柄作りは、それぞれが鮮明でなかなかいい。
少々、西部劇には似合わないような面構えが気になるが、主人公ワイアット・アープ役自体は大いに評価できる熱演のカート・ラッセル、印象的に演ずるものの、思わせ振り過ぎる感じのするドク・ホリデイ役のヴァル・キルマー、ヴァージル・アープのサム・エリオット、モーガン・アープ役のビル・パクストン、無法者カーリー・ビル役のパワーズ・ブース、リンゴ・キッドのマイケル・ビーン、牧場主ヘンリー・フッカーのチャールトン・ヘストン、連邦保安官補ビリー・ブレキンリッジ役のジェイソン・プリーストリー、町長ジョン・クラムのテリー・オクィン、郡保安官ジョニー・ビーハンのジョン・テニー、なかなかの怪演を見せるアイク・クラントンのスティーヴン・ラング、その弟ビリー・クラントン役のトーマス・ヘイデン・チャーチ、無法者のジョン・コーベット、フランク・マクローリーのロバート・ジョン・バーク、後に主人公の妻となるジョセフィーン・マーカスのダナ・デラニー、彼女の一座の座長役ビリー・ゼイン、アープ兄弟の妻ポーラ・マルコムソンとリサ・コリンズ、主人公の妻マティ・ブレイロックのダナ・ウィーラー=ニコルソン、ドク・ホリデイの愛人でビッグ・ノーズ・ケイト役のジョアンナ・パクラ、無法者から改心するシャーマン・マクマスターズ役のマイケル・ルーカー、連邦保安官・フレッド・ホワイトで、ファンには嬉しいハリー・ケリーJr.、ギャンブラー、ビリー・ボブ・ソーントンとフランク・スタローン、無法者のフランク・スティルウェルのトーマス・アラナ、そしてナレーターはロバート・ミッチャムが担当している。