歴史好きの少年が小人達と共に繰り広げる時空を超えた冒険の旅を描く、製作、監督、脚本テリー・ギリアム、製作総指揮、主題歌ジョージ・ハリスン、出演ジョン・クリーズ、ショーン・コネリー、シェリー・デュヴァル、ラルフ・リチャードソン、デビッド・ワーナー、マイケル・ペイリン、デヴィッド・ラパポート、ケニー・ベイカー他共演のファンタジー・アドベンチャー。 |
・ショーン・コネリー / Sean Connery 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:テリー・ギリアム
製作:テリー・ギリアム
製作総指揮
ジョージ・ハリスン
デニス・オブライエン
脚本
テリー・ギリアム
マイケル・ペイリン
撮影:ピーター・ビジウ
編集:ジュリアン・ドイル
音楽:マイク・モラン
主題歌:ジョージ・ハリスン
出演
ロビン・フッド:ジョン・クリーズ
アガメムノン/消防士:ショーン・コネリー
パンジー:シェリー・デュヴァル
ナポレオン・ボナパルト:イアン・ホルム
ヴィンセント:マイケル・ペイリン
オーガの妻:キャサリン・ヘルモンド
創造主:ラルフ・リチャードソン
魔王:デビッド・ワーナー
ケヴィン:クレイグ・ワーノック
ロバート:デレク・デッドマン
ベンソン:ジェロルド・ウェルズ
司会者:ジム・ブロードベント
ウィンストン・ジ・オーガ:ピーター・ヴォーン
ランドール:デヴィッド・ラパポート
フィジット:ケニー・ベイカー
ウォーリー:ジャック・パーヴィス
オグ:マイク・エドモンズ
ストラッター:マルコム・ディクソン
ヴァーミン:ティニー・ロス
ケヴィンの父:デビッド・ダカー
ケヴィンの母:シーラ・ファーン
ルシアン:テレンス・ベイラー
ニーガイ:プレストン・ロックウッド
レッドグレイヴ:デリック・オコナー
舞台マネージャー:チャールズ・マッケオン
人形使い:デヴィッド・リーランド
テレビ・アナウンサー:クリス・グラント
イギリス 映画
配給 Avco Embassy Pictures
1981年製作 113分
公開
イギリス:1981年7月10日
北米:1981年11月6日
日本:1983年3月26日
製作費 $5,000,000
北米興行収入 $42,365,580
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
イギリス。
11歳のケヴィン(クレイグ・ワーノック)は、古代ギリシャの歴史などに興味を持つ少年で、両親(デビッド・ダカー/シーラ・ファーン)と共に平凡な日々を送っていた。
ある夜ケヴィンは、馬に乗った騎士が現れて森に走り去る夢を見る。
目覚めたケヴィンは、その夢と同じ写真が壁に貼ってあったことに気づき、現れた父に早く眠るようにと言われる。
翌日の夜、懐中電灯とポラロイドカメラを用意して、再び騎士が現れるのを待っていたケヴィンは眠ってしまう。
暫くすると、クローゼットの中から6人の小人、リーダーのランドール(デヴィッド・ラパポート)、フィジット(ケニー・ベイカー)、ウォーリー(ジャック・パーヴィス)、オグ(マイク・エドモンズ)、ストラッター(マルコム・ディクソン)、ヴァーミン(ティニー・ロス)が現れ、ケヴィンにライトを当てられて驚くものの、相手が”ボス”でないことが分かり襲いかかる。 小人達は、ケヴィンが子供だと気づき、出口を教えるようにと言って脅す。 部屋の壁が奥に移動することを知った小人達は、追手が現れたと言って逃げたため、ケヴィンもついて行く。 現れた創造主(ラルフ・リチャードソン)は、奪った物を返さなければ災いが訪れると言って追ってくる。 小人達とケヴィンは地下に落下してある農家の敷地に着く。 ケヴィンは、追ってきたのが創造主であり、自分達のボスだと小人のフィジットに言われる。 恐くなって逃げだしたケヴィンは、現れた兵士達に驚き、そこが、ナポレオン戦争時代の神聖ローマ帝国(現イタリア)であることに気づく。 小人達に捕まったケヴィンは、ここが1796年のカスティリオーネ・デッレ・スティヴィエーレだと知らされ、ランドールは、街に向かうことを仲間達に伝える。 川からボートで街に侵入し、国際強盗団の自分達が、強奪のために行動していることをランドールはケヴィンに伝える。 戦闘の合間に出し物を楽しんでいたナポレオン・ボナパルト(イアン・ホルム)は、人形劇の殺し合いを見たいと言い出す。 舞台に上がったランドールらは、ナポレオンにその芸を気に入ってもらい、食事に招待される。 金銀財宝を目の前にした小人達は、ナポレオンが酔って眠ったため、12時に消えてしまう時空を超えるタイムホールを探そうとする。 ホールは見つかり、小人達は財宝を奪うものの、兵士達に気づかれる。 小人達とケヴィンは、ホールに逃げ込む。 貴族のパンジー(シェリー・デュヴァル)とヴィンセント(マイケル・ペイリン)の乗る、森の中を走る馬車の上に落下した小人達は、時代が中世だとケヴィンに言われる。 ランドールらが初めて強盗をしたことを知ったケヴィンは、仲間に加わるかを聞かれ、旅行ができるなら同行したいと伝える。 虐げられていたことで創造主に反感を持ったランドールらは、奪った地図を参考にしてどこにでも行けるため、それで金持ちになるとケヴィンに話す。 ヴィンセントとパンジーが、盗賊に身ぐるみはがされたことを知った小人達は、罠にはまり捕えられてしまう。 同業とういうことで手を組む提案したランドールらは、盗賊のアジトに向い、リーダーのロビン・フッド(ジョン・クリーズ)に会う。 ロビンは小人達を歓迎し、彼らが奪った財宝の提供に感謝し、それを貧者に配ってしまう。 その場を去ったランドールらの様子を見守る魔王(デビッド・ワーナー)は、彼らの地図を手に入れて科学的な世界改造を考え、自ら創造主になろうとする。 小人達が地図を持っていることを知った魔王は、オグに魔法をかけて、ある場所に宝があると仲間に言わせて誘き寄せる。 創造主に襲われそうになったランドールは、ホールが二つ現れたために、迷うケヴィンに逃げるよう指示する。 片方のホールに逃げ込んだケヴィンは姿を消して、ある場所に落下し、ミノタウロスに殺されそうだった仮面の戦士(ショーン・コネリー)を助ける。 戦士に都に誘われたケヴィンはそれを断り、友達を待つと言って水を渡されるものの、気が変わって同行する。 ミケーネの王だったアガメムノンと共に人々に歓迎されたケヴィンは、自分がミケーネ文明の世界に来たことに気づく。 帰りたくない気持ちと友達のことも気にしないという話をケヴィンから聞いていたアガメムノンは、翌日、彼を息子としてミケーネの世継ぎに指名する。 祝宴が始り、余興の芸人に扮したランドールらが現れ、小道具に使うと言ってその場の金品などを集めてケヴィンと共に姿を消し、その様子にアガメムノンは驚く。 1912年。 有り余る財宝で優雅な船旅をしようとするランドールは、自分の幸せを奪ったとケヴィンに言われ、落ち込む彼に非難される。 ケヴィンが存在を否定する、伝説時代の暗黒城に世界一の宝があると考えるランドールだったが、タイタニックが傾き始めて沈没してしまう。 漂流するランドールらは、今こそ世界一の宝を探す時だとオグに言われて、それに従おうとする。 小人達を監視していた魔王は、彼らを伝説時代に向かわせようとする。 現れた帆船から逃れようとした小人達だったが、怪物ウィンストン・ジ・オーガ(ピーター・ヴォーン)が放った網にかかり引き上げられてしまう。 オーガの妻(キャサリン・ヘルモンド)は、小人達を料理すると言って大漁を喜ぶ。 背中が痛むというオーガに治療法があると伝えたケヴィンは、小人達と共に彼の体を伸ばす。 効果があると言うオーガだったが、小人達は彼を海に放り投げる。 小人達は妻も船から突き落とし、オーガの巨大な咳で帆が風を受け、帆船が動き始める。 その後、順調に進んでいた船が傾いたため、ランドールは帆を降ろすよう指示する。 ところが、船は海面から浮かび上がり、巨人の頭に乗ったまま移動して陸に向かう。 小人達は船底を壊し、ケヴィンのアイデアで眠り薬を巨人の頭に注射する。 巨人は座り込み、船を頭から降ろして眠ってしまう。 その隙に小人達とケヴィンはその場を離れて、暗黒城を探す。 やがて、小人達は透明な壁に前進を阻まれ、ランドールは、そこが境界線で向こう側が暗黒城だと地図で確認する。 正気ではないと言ってそれを信じないウォーリーは、ランドールを着き倒して地図を奪い戻ろうとする。 ランドールが投げた頭蓋骨で壁が壊れ、その向こうには暗黒城が現れる。 魔王は、小人達を誘き寄せることに成功したことを確認する。 迷路の向こうに現れたテレビ司会者(ジム・ブロードベント)は、全自動キッチン・システムを進呈すると言って小人達を呼び寄せる。 それが罠だと言うケヴィンは、両親も現れたために驚く。 司会者はどうやって来たかを小人達に尋ね、地図を受け取り魔王に姿を変える。 小人達と共に捕えられ、吊るされた檻に拘束されたケヴィンは、森で撮った写真の地図を見て、この場にタイム・ホールがあることに気づく。 檻の扉を開けて上部に登ったウォーリーは、ロープを裂いて仲間達に渡す。 それを繫いでロープを作り吊るされたストラッターは隣の檻に飛び移り、ウォーリーが続いて次の檻に向かう。 ストラッターが再び飛んで安全な場所まで到達し、ロープを張った小人達は、それを伝って檻から脱出する。 ケヴィンも小人達の元に向うが、檻を吊るすロープが切れたためにウォーリーが落下する。 しかし、ロープにしがみついていたウォーリーは助かり、ランドールらはその場から脱出しようとする。 ケヴィンは、世界を破壊しようとする魔王から地図を取り戻すようランドールを説得する。 魔王は、部下のロバート(デレク・デッドマン)とベンソン(ジェロルド・ウェルズ)に、創造主を屈服させて、世界を自分の思い通りに創り変えることを伝える。 それが理解できないベンソンを犬に変えた魔王は、地図を守るよう命ずる。 その場に侵入したケヴィンらは、地図を奪おうとしてベンソンの気を散らす。 オグが地図を奪い仲間達に渡すものの、魔王に気づかれてしまい、上半身を豚に変えられてしまう。 魔王は小人達を追うよう命じ、ケヴィンがおとりになると言ってオグとその場に残る。 ケヴィンとオグは魔王に見つかってしまい、罰を与えると言われる。 松明を奪ったケヴィンは地図を燃やすと言うが、魔王はロバートやベンソンら部下を殺してしまう。 地図を渡せば危害は加えないと言う魔王は、逃げたオグを完全な豚に変えてしまう。 ケヴィンは驚いた隙に魔王に地図を奪われてしまうが、そこに、戦車に乗ったランドール、騎士や各時代の戦士を伴った仲間達、最新兵器に乗ったウォーリー、更には西部開拓時代のアウトローが現れる。 全く動じない魔王は、攻撃を受けるものの相手を撃退する。 魔王は、ランドールとウォーリーの砲撃も難なくかわす。 フィジットが、倒れた石柱の下敷きになり死亡する。 小人達とケヴィンを殺そうとした魔王だったが、現れた創造主の攻撃を受ける。 ひれ伏す小人達の前で創造主は、オグを元の姿に戻してフィジットを生き返らせる。 ランドールは地図を盗んだことを謝罪するが、創造主は自分が盗ませたと言って、魔王を葬り去るための計画だったことを伝える。 ケヴィンは、自分の名前を確認した神だという創造主に対し、今回の計画で大勢が死んだと言って彼を非難する。 復職できるかと言うランドールの問に、格下げで給料も2割カットだと創造主は答える。 仕事に戻ると言う創造主は、残して戦いを続けさせる考えをケヴィンに伝え、小人達と共に姿を消す。 魔王の残骸が煙を放ち慌てるケヴィンは、家の部屋のベッドの上にいることに気づく。 煙に包まれたケヴィンは、駆けつけた消防士に救助され、家が火事だということに気づく。 両親が助かったことを確認したケヴィンは、消防士(ショーン・コネリー)がアガメムノンに似ていることに気づく。 バックの中に旅の写真が入っていたことに驚くケヴィンは、家から持ち出されたトースターの中の魔王の破片に気づく。 それに触らないようにと両親に伝えたケヴィンだったが、二人はそれに触れてしまい爆死する。 消防士にウインクされたケヴィンは、両親のことを思いながら焼けた家に向う。 その様子を地図上で見守っていた創造主は、それを巻き上げる。
...全てを見る(結末あり)
*カスティリオーネの戦い
超豪華客船”タイタニック”のデッキでパンジーにプロポーズしようとしていたヴィンセントだったが、そこにランドールらが落下してくる。
*(簡略ストー リー)
イギリス。
歴史が好きな11歳の少年ケヴィンは、両親と共平凡な日々を送っていた。
ある夜ケヴィンは、馬に乗った騎士が現れて走り去る夢を見る。
それが夢とは思えないケヴィンは、翌日もそれを待ち、現れたランドールら6人の小人に襲われる。
そこに現れた創造主から逃げた小人達とケヴィンは、時空を超えてナポレオン戦争時代にたどり着く。
強盗団だと言うランドールらは、ナポレオン・ボナパルトに気に入られて財宝を奪い、時空を超えるタイムホールで中世に向かう。
創造主から奪った地図で、どこにでも行けることをケヴィンに伝えたランドールは、それで金持ちになる考えを話す。
盗賊に捕えられた小人達は、リーダーのロビン・フッドに歓迎されるものの、財宝は貧民に配られてしまう。
現れた創造主から逃げようとしたケヴィンは、一人でホールに入りミケーネ文明の世界に着き、ミケーネの王アガメムノンを助けて気に入られる。
その頃、小人達を監視していた魔王は、彼らの地図を奪い、自分の思い通りの世界を創造しようと考えていた・・・。
__________
古代から現代までの人類の歴史をベースにした冒険旅行は、奇想天外な展開や個性的なキャラクターの登場で、非常に楽しい作品に仕上がっている。
テリー・ギリアムの独得の映像センスと世界観が生かされた作品で、”モンティ・パイソン”の同僚である、盟友のジョン・クリーズや共同脚本も担当するマイケル・ペイリンの出演も嬉しい。
歴史に興味を持つ少年の視点で描く物語だというところがポイントで、そんな彼の”想像の世界”の旅の体験による成長を見守りながら、歴史の勉強ができる構成もいい。
問題は日本公開版で、十数分カットされてしまった理由が、日本人には分かり難い部分があったという意味不明な考えなのだが、どこがそうなのかが理解できない。
*ロビン・フッドと怪物オーガのエピソードがカットされた。
また、日本版では少年が家に戻ったところで本編が終了してしまい、その後の、全てが創造主”神”の仕業であったという、時空を超える地図を巻き上げて終わるラストのオチを見せないとは信じ難い。
製作者側がこれを許可したのか・・・、知らないのかもしれないが、とにかく疑問だ。
豪華スター競演は注目で、主演が誰かは特定できない作品であり、最も活躍するのが個性的な小人達であり、リーダーのデヴィッド・ラパポート、ケニー・ベイカー、ジャック・パーヴィス、マイク・エドモンズ、マルコム・ディクソン、ティニー・ロスの6人で、彼らと旅する少年を演ずるクレイグ・ワーノック、ロビン・フッドのジョン・クリーズ、アガメムノン王と消防士役のショーン・コネリー、貴族と”タイタニック”の乗客シェリー・デュヴァル、その相手役のマイケル・ペイリン、ナポレオン・ボナパルトのイアン・ホルム、創造主ラルフ・リチャードソン、魔王デビッド・ワーナー、その部下デレク・デッドマンとジェロルド・ウェルズ、テレビ番組司会者ジム・ブロードベント、怪物オーガのピーター・ヴォーン、その妻キャサリン・ヘルモンド、少年の両親デビッド・ダカーとシーラ・ファーンなどが共演している。