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愛の泉 Three Coins in the Fountain (1954)

1952年に発表された、ジョン・H・セカンダリ同名小説の映画化。
ローマに滞在する3人のアメリカ人女性の恋の行方を描く、監督ジーン・ネグレスコ、主演クリフトン・ウェッブドロシー・マクガイアジーン・ピータースマギー・マクナマラロッサノ・ブラッツィルイ・ジュールダン他共演によるロマンス映画の秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト ■
監督:ジーン・ネグレスコ

製作:ソル・C・シーゲル
原作:ジョン・H・セカンダリ
脚本:ジョン・パトリック
撮影:ミルトン・クラスナー
編集:ウィリアム・H・レイノルズ
音楽:ヴィクター・ヤング
作詞:サミー・カーン
作曲:ジュール・スタイン
主題歌:フランク・シナトラ

出演
ジョン・フレデリック・シャドウェル:クリフトン・ウェッブ

フランセス:ドロシー・マクガイア
アニタ・ハッチンス:ジーン・ピータース
マリア・ウィリアムズ:マギー・マクナマラ
ジョルジョ・ビアンキ:ロッサノ・ブラッツィ
ディノ・ディ・カッシ公爵:ルイ・ジュールダン
バーゴイン:ハワード・セント・ジョン
カッシ夫人:キャサリン・ネスビット
パーティーの女性:ノーマ・ヴァルデン
アンジェラ・ビアンキ:ルチアナ・パルッツィ

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1954年製作 102分
公開
北米:1954年5月20日
日本:1954年11月


アカデミー賞 ■
第27回アカデミー賞

・受賞
撮影・歌曲賞
・ノミネート
作品賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
アメリカ人女性マリア・ウィリアムズ(マギー・マクナマラ)が、ローマに到着する。

”アメリカ流通局”に勤めることになっているマリアは、同僚となるアニタ・ハッチンス(ジーン・ピータース)に迎えられて、早速、豪華なアパートに案内される。

著名な作家であるジョン・フレデリック・シャドウェル(クリフトン・ウェッブ)の秘書をしているフランセス(ドロシー・マクガイア)を紹介されたマリアは、アニタと三人で暮すことになる。

三人は朝食を済ませ”トレヴィの泉”に向かい、願いが叶い再びローマを訪れることができるということを聞いたマリアは、フランセスと共にコインを投げ込む。
...全てを見る(結末あり)

アメリカに帰り結婚するつもりだったアニタは、コインは投げずに、その後、彼女とマリアは流通局に向かう。

マリアは局長のバーゴイン(ハワード・セント・ジョン)に紹介され、彼女は午後のパーティーに招待される。

シャドウェル邸に向かったフランセスは、シャドウェルが徹夜して書き上げた原稿の清書を始め、彼にバーゴインのパーティーへの出席を促す。

その頃マリアは、イタリア人局員で通訳のジョルジョ・ビアンキ(ロッサノ・ブラッツィ)を紹介される。

ジョルジョはアニタの帰国を残念に思い、その後マリアは、イタリア人局員との交際が禁じられていることを知らされる。

しかしマリアは、一目でアニタとジョルジュが惹かれ合っていることに気づく。

その日の午後、自分が故人と言われ忘れ去られていることを気にしたシャドウェル、フランセス、アニタ、マリアらは、局長主宰のパーティーに出席する。

会場でマリアは、プレイボーイで知られるディノ・ディ・カッシ公爵(ルイ・ジュールダン)をフランセスに紹介され、警戒するよう助言される。

その後、歩いてアパートに戻ることにしたアニタとマリアは、偶然ジョルジュに出くわし、彼に街の案内をしてもらうことになる。

ジョルジュは、妹の婚約祝いにアニタを誘い、規則のことを気にしながらも、彼女はその誘いを受ける。

翌日、ジョルジュは親戚一同でトラックに乗りアニタを迎えに行くが、街角でバーゴイン局長が二人を目撃してしまう。

一方、マリアはディノにベニス行きを誘われるが、それが女性を口説く手だと知っているフランセスの助言で、二人で彼のお供をしようとする。

農場に着いたアニタは、ジョルジョの両親や妹アンジェラ(ルチアナ・パルッツィ)を紹介され、楽しい一時を過ごす。

その後、ジョルジョと丘のふもとに向かおうとした、アニタを乗せたトラックが暴走してしまう。

それを追ったジョルジョはアニタを助け、混乱した彼女を抱きしめ愛を告白する。

ディノの自家用機で、ベニスに向かったフランセスとマリアは、彼の案内で名所を回り休日を楽しむ。

週が明け、夢見心地のアニタだったが、マリアはバーゴイン局長にアニタとジョルジョのことを聞かれる。

マリアは、そのことをアニタには黙ってはいたが、彼女は二人の関係を心配し始める。

その後、それを局長に詮索されたアニタは、マリアが余計なこ話をしたことで彼女を恨む。

そのせいで、ジョルジョがクビになったことをマリアに伝えたアニタは、アパートを出て行ってしまう。

アニタはジョルジョのアパートに向かい、結婚すると言ったのは、仕事を辞めるための口実だったことを彼に伝えて愛を受け入れようとする。

アニタとクビになったジョルジョの件で、責任を感じたマリアは、シャドウェルに助けを求めようとする。

フランセスに、シャドウェルがいる美術館に案内されたマリアは、彼と共に美術鑑賞をしていたディノの気を引こうとする。

マリアは、ディノの趣味嗜好を調べて、彼とオペラ観賞に行き、趣味が合うことなどを気に入られ、思惑通りに母親(キャサリン・ネスビット)に会えることになる。

母親にマリアを紹介したディノは、車で”フォロ・ロマーノ”に向かい愛を告白しようとする。

しかし、良心の呵責を感じたマリアは、ディノに計算づくで近づいたことを正直に伝え、彼はショックを受けてしまう。

その後、アニタはアパートに戻り、職もないジョルジョに将来がないことで悩み、そんな彼女を見たフランセスは手を貸そうとする。

ディノを傷つけたことに責任を感じるマリアも、アニタと帰国する決心をする。

それを聞いたフランセスも帰国を決めるが、シャドウェルはそれを引き止め、彼女にプロポーズして受け入れられる。

フランセスの結婚の報せを聞いて、アニタとマリアは彼女を祝福するが、二人はそのまま帰国してしまっていいのか思い悩む。

幸せを噛みしめるフランセスだったが、シャドウェルは医師に脳腫瘍と診断され、余命短いことが分かる。

領事館に向かったシャドウェルは、遺体の搬送手続きを調べた後、屋敷に戻り、フランセスにプロポーズが冗談だったことを伝える。

フランセスのことを考えたシャドウェルは、プロポーズが彼女を引き止めるための口実だと言って、彼女に帰国を勧める。

その後、フランセスは病院からの電話でシャドウェルの病気を知り、そのことを彼に伝え後を託され、悲しみを堪えきれずに涙する。

フランセスは、シャドウェルの隣のテーブルに移り自棄酒を飲み、酔って街をふらつき突拍子もない行動をとってしまう。

後を追ったシャドウェルは、フランセスを屋敷に連れ帰り介抱して、彼女の心配するアニタやマリア、そしてジョルジョの件の解決に手を貸そうとする。

シャドウェルはディノの屋敷に向かい、マリアの件で憤慨する彼に、彼女を意識させるように仕向けて、その場を立ち去り、バーゴイン局長の元に向かう。

翌日、帰国の準備をしていたタニアとマリアは、フランセスに”トレヴィの泉”に呼び出される。

トレヴィの泉に着いた二人だったが、マリアは願いが叶わなかったことに不満を抱く。

そこにフランセスが現れ、清掃中だった泉から水が湧き出てくる様子を見て三人は驚く。

そして、シャドウェルと、彼の働きで気を取り戻したディノ、復職したジョルジョが現れ、三組の男女は愛を確かめ合う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ローマ
アメリカ人女性マリアは、流通局の同僚となるアニタと著名なアメリカ人作家ジョン・フレデリック・シャドウェルの秘書のフランセスとで共同生活を始める。
フランセスとマリアは、”トレヴィの泉”にコインを投げ込み願い事をするが、帰国して結婚する予定のアニタは、ローマに未練を残そうとしない。
その後、アニタはイタリア人局員ジョルジョと恋に落ち、マリアは紹介された公爵ディノに近づこうとする。
しかし、二人の恋は思うように実らず、彼女らは失意のうちに帰国を考える。
そんな二人の、恋の指南役であったフランセスも帰国しようとするのだが、シャドウェルは彼女を引き止めてプロポーズする。
思わぬ幸せが訪れたフランセスだったが、シャドウェルは病を抱え死を覚悟する・・・。
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願いを叶えるという”トレヴィの泉”を、物語の中で効果的に使い一躍有名にしたラブ・ロマンス映画で、観光名所をふんだんに登場させて、ローマベニス他の美しさを堪能できる。

前年の「ローマの休日」(1953)に続くローマの観光映画ではあるが、シネマスコープを活かしたカラー映像の素晴らしさは秀逸だ。

その映像的な美しさに加え、女優陣の衣装なども注目で、見所の多い作品でもある。

第27回アカデミー賞では、撮影、作詞サミー・カーン、作曲ジュール・スタインフランク・シナトラの歌う主題歌が歌曲賞を受賞した。
・ノミネート
作品賞

中盤までは出演が控えめなクリフトン・ウェッブは、終盤に存在感を示し、思慮深い秘書を落ち着いた雰囲気で演ずるドロシー・マクガイアとの恋を実らせる著名な作家役を、いかにも彼らしい雰囲気で好演している。

美しい流通局員のジーン・ピータース、彼女と恋に落ちる誠実なイタリア人青年のロッサノ・ブラッツィ、同じ局員で、紆余曲折を経て公爵ルイ・ジュールダンと結ばれるマギー・マクナマラ、局長役のハワード・セント・ジョン、公爵(L・ジュールダン)の母親役キャサリン・ネスビット、パーティーの女性でノーマ・ヴァルデン、ジョルジョ(R・ブラッツィ)の妹ルチアナ・パルッツィなどが共演している。


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