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13デイズ Thirteen Days (2000)

キューバ危機”に直面し第三次大戦勃発を回避したアメリカ政府とソ連側の駆け引きを描く、監督ロジャー・ドナルドソン、製作、主演ケヴィン・コスナーブルース・グリーンウッドスティーヴン・カルプ他共演の実録ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:ロジャー・ドナルドソン

製作
ピーター・アーモンド
アーミアン・バーンスタイン
ケヴィン・コスナー
製作総指揮
トーマス・A・ブリス
マイケル・デ・ルカ
イロナ・ハーツバーグ
原作
”The Kennedy Tapes: Inside the White House During the Cuban Missile Crisis”
アーネスト・R・メイ
フィリップ・D・ゼリコフ
脚本:デヴィッド・セルフ
撮影:アンジェイ・バートコウィアク
編集:コンラッド・バフ
音楽:トレヴァー・ジョーンズ

出演
ケネス・オドネル大統領特別補佐官:ケビン・コスナー
ジョン・F・ケネディ大統領:ブルース・グリーンウッド
ジャクリーン・ケネディステファニー・ロマノフ
ロバート・ケネディ司法長官:スティーヴン・カルプ
アドレー・スティーブンソン国連大使:マイケル・フェアマン
ホセ・アントニオ・モーラ:ダニエル・ヴェルガラ
ロバート・マクナマラ国防長官:ディラン・ベイカー
マクスウェル・D・テイラー統合参謀本部議長:ビル・スミトロヴィッチ
ジョン・A・スカリジャック・ブレッシング
マクジョージ・バンディ国家安全保障問題担当大統領特別補佐官:フランク・ウッド
マーシャル・カーター陸軍中将:エド・ローター
ジョージ・ウィーラン・アンダーソンJr.海軍作戦部長:マディソン・メイソン
カーチス・ルメイ空軍参謀総長:ケヴィン・コンウェイ
ウ・タント国連事務総長:プラモド・クマール
セオドア・C・ソレンセン大統領上級顧問:ティム・ケラハー
ディーン・アチソン元国務長官:レン・キャリオー
ルドルフ・アンダーソン空軍少佐:チャールズ・エステン
アンドレイ・グロムイコソ連外務大臣:オレク・クルパ
ヘレン・オドネル:ルシンダ・ジェニー
リチャード・J・デイリーシカゴ市長:ジャック・マッギー
エヴェリン・リンカーン大統領秘書:ジャネット・コールマン
ウォルター・シェリダントム・エヴェレット
ワレリアン・ゾリンソ連国連大使:オレグ・ヴィドフ
オービル・ドライフーズジョン・アイルワード
アナトリー・ドブルイニン駐米ソ連大使:エリヤ・バスキン
C・ダグラス・ディロン財務長官:ラリー・ストラウス
ラジオルーム・オペレーター:アレックス・ビアドフ
ディーン・ラスク国務長官:ヘンリー・ストロジャー
リンドン・ジョンソン副大統領:ウォルター・アドリアン
ウィリアム・エッカー海軍中佐:クリストファー・ローフォード
ピエール・サリンジャー大統領報道官:ケリー・コネル
ジョン・マコーンCIA長官:ピーター・ホワイト
アレクサンダー・フェクリソフ/アレクサンダー・フォミン:ボリス・リー・クルトノグ
アーサー・C・ランダールデイキン・マシューズ
ジョージ・ボールジェームズ・カレン
ウォルター”キャム”スウィーニー戦術航空軍団司令官:ダン・ジスキー
マーク・オドネル:ドレイク・クック
キャシー・オドネル:ケイトリン・ワックス
ケニー・オドネルJr.:ジョン・フォスター
ケビン・オドネル:マシュー・ダン
マーガレット通信士:カレン・ルドウィグ

アメリカ 映画
配給 ニュ ー・ライン・シネマ
2000年製作 145分
公開
北米:2000年12月25日
日本:2000年12月16日
製作費 $80,000,000
北米興行収入 $34,592,090
世界 $66,579,900


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1962年10月。
アメリカ空軍の偵察機”U-2”は、キューバ上空を飛行する。

ホワイトハウス
大統領特別補佐官ケネス・オドネルケビン・コスナー)は、いつものようにジョン・F・ケネディ大統領(ブルース・グリーンウッド)と話し仕事を始める。

国家安全保障問題担当大統領特別補佐官マクジョージ・バンディフランク・ウッド)からキューバ上空の写真を見せられた大統領は、それをオドネルに知らせようとする。

ソ連が中距離弾道ミサイルをキューバに配備したことを知ったオドネルは驚く。

オドネル司法長官ロバートスティーヴン・カルプ)と話した大統領は、ソ連側はミサイル配備を否定していると言われる。
...全てを見る(結末あり)

国防長官ロバート・マクナマラディラン・ベイカー)他最高顧問を招集した大統領は、ミサイル配備の件とワシントンD.C.までに至る射程距離についてなどの説明を受ける。

統合参謀本部議長マクスウェル・D・テイラービル・スミトロヴィッチ)将軍は、5分で8000万人の国民の命が奪われ爆撃機基地のほとんどが破壊され、反撃能力は激減することを伝える。

ソ連が先制攻撃戦略に変更し、軍事力の均衡を破る動きを指摘したテイラーは、10~14日以内に発射可能になることを伝えて、他のミサイル捜索のためにU-2による更なる偵察を提案する。

フルシチョフが第三次大戦を望んでいるかを考える大統領は、国務長官ディーン・ラスク(ヘンリー・ストロジャー)から、西半球のソ連衛星国に核ミサイル所有を許せば大変な事態になると言われる。

ソ連の力が巨大化し、融和策を選べば攻勢を強めるだけだと言うラスクは、国際世論と何らかの行動を起こしミサイルを撤去させ、拒否したら空爆するべきだと意見する。

軍事行動の基本ルールを説明するマクナマラから、攻撃するなら発射準備ができる前だと言われた大統領は、排除する決断をする。

大規模な戦争につながりかねない決断の具体策を考える大統領は、ロバートから、各省のブレーンを集めた”EXCOMM”(国家安全保障会議執行委員会)の設置を提案される。

それを許可した大統領はオドネルにそれを任せ、ロバートは、ディーン・アチソン国務長官レン・キャリオー)を呼ぶことを指示する。

その後、テイラーは、空爆に続く侵攻でミサイルとカストロを排除するべきだと大統領に主張する。

大統領から意見を求められたアチソンは、テイラーの提案を指示する。

アチソンは、12~24時間以内のミサイル撤去を要求し、当然それを拒むソ連側に対し空爆と侵攻を仕掛けるという具体案を伝える。

ベルリンでの報復に対しては、条約に基づきソ連に対し核攻撃を仕掛け、冷静になった結果、双方が危機を回避するというのがアチソンの考えだった。

オドネルロバートと話し合った大統領は、自分の判断を譲る気はない言って、我々が決断するべきだと二人に伝える。

10月17日 水曜日
予定を変更することなく、大統領はコネチカットに向かう。

その後も軍部は強硬策を変えず、別案を考えるロバートは、マクナマラからキューバを海上封鎖することを提案される。

10月18日 木曜日
偵察の結果、”IRBM”を含む40基のミサイルが確認され、シアトル以外の全都市が射程圏内に入ったことをテイラーから知らされた大統領は、空軍参謀総長カーチス・ルメイケヴィン・コンウェイ)から、出撃許可を求められる。

空爆してもソ連は何もしてこないと考えるルメイに大統領は、ミサイルを破壊するだけではなく、自国兵士が死ねば反撃してくると伝える。

同じ立場に立てば自分たちも報復すると言われたルメイは、執務室を出た後、ケネディ兄弟が国を亡ぼすと、テイラーCIA副長官マーシャル・カーター陸軍中将(エド・ローター)、戦術航空軍団司令官ウォルター”キャム”スウィーニー大将(ダン・ジスキー)に伝える。

ソ連外務大臣アンドレイ・グロムイコオレク・クルパ)との会談に備える大統領は、機密情報漏洩を相手が知らないことを確認する。

大統領報道官のピエール・サリンジャー(ケリー・コネル)から、軍の動きを察知したマスコミが騒ぎ始めていることを知らされたオドネルは、バンディと話せと伝える。

グロムイコは、アナトリー・ドブルイニン駐米ソ連大使(エリヤ・バスキン)と共にホワイトハウスに到着する。

軍事訓練のことと、作戦名”ORTSAC”が”CASTRO/カストロ”と同じであることを記者のレストンから指摘されたオドネルは情報を与えない。

会談は始まり、キューバの攻撃設備が防衛であることをグロムイコに確認した大統領は、その後、侵攻派が封鎖派を上回っていることを知る。

政府内での争いが国民に知られることを恐れるオドネルだったが、大統領は予定通りシカゴに向かう。

10月19日 金曜日
シカゴに到着した大統領は、リチャード・J・デイリー市長(ジャック・マッギー)に迎えられる。

レストンからフロリダでの軍の動きについて訊かれたオドネルは、”キューバ侵攻”ではないかと訊かれて激怒し、これ以上口にしたら出入り禁止にすると言って彼を脅す。

10月20日 土曜日
翌日、オドネルから指示を受けていたサリンジャーは、大統領が”風邪”のためにワシントンD.C.に戻ることを記者達に伝える。

封鎖案が話し合われ、ジョン・マコーンCIA長官(ピーター・ホワイト)は、戦略的インパクトに欠けるために、ソ連に先制攻撃のチャンスを与えてしまうと意見する。

国連大使アドレー・スティーブンソンマイケル・フェアマン)は、グアンタナモトルコのミサイルを撤収する件を秘密裏に国連事務総長ウ・タントプラモド・クマール)に話し、議案を提出させるという考えを提案をする。

それはできないと言う大統領は、自分が決断を下して月曜にテレビで発表することを伝え、大統領上級顧問セオドア・C・ソレンセンティム・ケラハー)に、封鎖と空爆の両方にスピーチ草案作成を指示する。

会議後、スティーブンソンの提案を受け入れる気のないロバートは、国連大使交代を大統領に求めるものの、今は決断が先決だと言われる。

パーティーでスティーブンソンと話したオドネルは、今日の発言で政治生命を絶たれたことを自覚する彼から、レストンらが今回の件に気づいたことを知らされ、明日の記事で”ニューヨーク・タイムズ”に載ると言われる。

それをオドネルから知らされた大統領は、”ニューヨーク・タイムズ”社主のオービル・ドライフーズジョン・アイルワード)に電話をして、月曜のテレビ報道まで記事を待ってほしいと伝えて納得させる。

10月21日 日曜日
空爆の考えもある大統領はテイラーら軍部を呼び、ミサイルすべてを破壊できるかを確認する。

戦術航空軍団司令官スウィーニーは、90%以上は破壊できると断言する。

翌日の夕方5時に下院代表に状況を説明すると言う大統領は、7時に”DEFCON3”(高度防衛準備状態)への突入を世界のアメリカ軍に指令する考えを伝える。

10月22日 月曜日
記者達を前にサリンジャーは、今夜、大統領が、テレビとラジオで国家緊急事態に関する発表をすることを伝える。

軍の行動は開始され、ホワイトハウスの発表により国内に緊張が高まる。

考えを下院に支持してもらえず苛立つ大統領を落ち着かせたオドネルは、信念を持ち正しい判断を下し、人々の批判なども受け入れるしかないと伝える。

テレビカメラの前で演説を始めた大統領は、ソ連の軍事拡張を監視してきた結果、攻撃用ミサイルが配備されつつある事実を確認し、目的は西半球を核攻撃圏内に置くことだと伝える。

国土の安全を守るため、大統領権限により、第一に、ミサイル設置を阻むため、キューバに搬入される軍備資材の査察を行い、全船籍を対象に、兵器搭載が確認された船舶は引き返すことを命じられる。

第二に、キューバ基地の監視の続行を指示し、兵器配備が中止されない場合はアメリカ軍が行動に出る。

第三に、キューバから西半球の国に対しミサイルが発射された場合はアメリカへの攻撃とみなし、ソ連に全面報復を行うことを大統領は伝える。

10月23日 火曜日
休息しながら、いいスピーチだったとソレンセンに伝えたオドネルは、想像できない空爆とは書けなかったと言われる。

ソ連側の回答がテレタイプで届くことをロバートから知らされたオドネルは、海上の自由は基本的な自由であるという内容を見て、相手が対応を決めかねていることを大統領に伝える。

大統領から、自分がフルシチョフならどうするか訊かれたオドネルは、封鎖を破ると答える。

その件は話し合われ、ソ連側が停船しない場合の対応を訊かれた海軍作戦部長ジョージ・ウィーラン・アンダーソンJr.提督(マディソン・メイソン)は、警告して船舶に乗り込み兵器が見つかれば引き返させ、拒否したら最寄りの港へ曳航すると答える。

すべてを拒否したら船首に警告射撃し、それ以上の処置も説明された大統領は、自分の命令がない攻撃は許さないと伝えて、今後は海軍に任せる。

低空撮影による偵察や攻撃準備予定などを知らされた大統領は、事態の悪化を懸念するオドネルから、”ピッグス湾事件”の汚名返上を考える、交戦目的の軍部の罠だと言われる。

軍部の考えを詳細にチェックするよう指示されたオドネルは、通信士マーガレット(カレン・ルドウィグ)の元に向かい、海軍中佐ウィリアム・エッカークリストファー・ローフォード)に電話をさせる。

電話を代わったオドネルは、大統領の命令だと言って、決して撃墜されるな、攻撃を受ければ反撃しなければならないとエッカー伝える。

援護は核攻撃になると言うオドネルは、それを大統領に命じさせないために、攻撃を受けないようにとエッカーに伝える。

ウィルヘミー中尉と共に”RF-8 Crusader”二機で飛び立ったエッカーは、キューバ上空を低空飛行して、攻撃を受けながら地上の撮影に成功して帰還する。

被弾はスズメに当たったことにしたエッカーは、その件をオドネルに伝えてある指示を受ける。

ワシントンD.C.に向かいルメイらに呼ばれたエッカーは、攻撃のことを訊かれるものの、何もなかったとオドネルの指示通りに答える。

その後、”OAS”(米州機構)の満場一致の賛成を受けて、大統領は海上臨検が効力を発することを発表する。

ジョンストン島でのアメリカによる核実験は続き、ソ連側は戦争を煽る行為だと非難する。

危機が迫る中、妻ヘレン(ルシンダ・ジェニー)に電話をしたオドネルは、テレビを消さずに万一の場合に備えるよう指示する。

自分は大統領と避難すると言うオドネルは、最悪の事態にならないようにするとヘレンに約束するしかなかった。

その後、動きがない中、街に出たオドネルは、アメリカ国民が危機に備える様子を確認する。

10月24日 水曜日 午前10時
船籍の停止の気配はなく、大統領は、海上臨検が発効したことを伝える。

ソ連の潜水艦を確認した駆逐艦”ピアース”の艦長と直接話した大統領は、浮上させるよう命ずる。

しかし、ソ連船が停止したために、大統領は攻撃命令を取り消す。

現場の状況を確認したマクナマラは、引き返す船もあることを大統領に伝える。

6隻が進路を変えずに航行中だと知った大統領は、命令がないまま攻撃することを禁ずる。

その後、軍部が実践訓練を始めたことを知った大統領は激怒する。

核部隊が”DEFCON2”に入っていることをテイラーに確認した大統領は、ルメイにはその権限があると言う彼に、開戦は最高司令官の自分が宣言すると伝える。

ソ連側に戦闘態勢拡大を示してしまったと言う大統領は、テイラーを下がらせる。

軍部の暴走に頭を抱える大統領は、オドネルに外してもらいロバートと二人だけで話し、トルコからミサイルを撤収するという情報を”ウォルター・リップマン”を通じてマスコミに流す考えを伝える。

10月25日 木曜日
リップマンの記事は政治的自殺行為だとバンディに指摘されたオドネルは、大統領とロバートを弱腰だと批判する彼の意見に耳を貸さない。

記事の件で大統領に意見したオドネルは、スティーブンソンを使いソ連をぶちのめせという指示を受ける。

オドネルからの連絡を受けたスティーブンソンは、国連総会でソ連国連大使ワレリアン・ゾリンオレグ・ヴィドフ)からアメリカの行動を厳しく非難される。

証拠は入手していると言うスティーブンソンは、キューバからの兵器撤収を求める。

数日前は兵器の存在を否定せず、突然その証拠を求める発言をしたゾリンに質問したスティーブンソンは、兵器をキューバに配備したことを確認する。

それに答えようとしないゾリンを徹底的に問い詰めるスティーブンソンの姿を見て、彼を交代させようとしていたロバートは思い留まる。

チリ大使から発言権を譲られたスティーブンソンから、ミサイル配備の証拠となる写真パネルを公表されたゾリンは戸惑う。

ホワイトハウス側はスティーブンソンの働きに満足するが、マクナマラから、ソ連船がラインを越えたという報告を受ける。

10月26日 金曜日
ソ連船に接近したピアースは、交信を無視する相手に対し攻撃態勢に入る。

それを知ったマクナマラは焦るが、大統領が署名した行動を行うと言うアンダーソンは攻撃命令を出す。

攻撃を中止させたマクナマラは、ただの曳光弾だと言うアンダーソンに非難される。

海上封鎖は海軍に任せるようと言うアンダーソンは、大統領の許可なく発砲するなという命令をマクナマラに指摘されるが、目標は船でなくその頭上だと反論する。

ソ連が今の自分と同じ誤解をした場合のことを話すマクナマラは、許可なく周囲に発砲することを禁じ、アンダーソンを納得させる。

マクナマラは、これは単なる封鎖ではなく、大統領がフルシチョフと対話をしているのだと言って声を荒げる。

ヴァンデンバーグ空軍基地
アトラス”ミサイル発射テストが実施され、オドネルロバートは、ソ連側がどう捉えるかを考え軍部の行動を懸念するが、大統領は姿勢は崩さないことを強調する。

駆逐艦”ジョセフ・P・ケネディJr.”によるソ連船の検臨が始まる様子を見守っていたオドネルは、KGBのスパイ、アレクサンダー・フォミン(ボリス・リー・クルトノグ)からの接触を、ラスクABCの特派員ジョン・A・スカリジャック・ブレッシング)から知らされる。

話し合いが行われ、裏交渉であるために慎重な対応が迫られる中、大統領は、信用できるなら無視できないと考え、オドネルにフォミンのFBI資料を徹底的に調べさせる。

アレクサンダー・フェクリソフ”別名フォミンとフルシチョフの関係を調べたオドネルは、二人が戦友だったことを知り、それを大統領に伝える。

フォミンと会ったスカリは、政府は申し出を受け入れることを伝え、ゾリンが打開案を提案すればスティーブンソンは受諾することを伝える。

キューバのミサイルを解体して二度と配備しないことをソ連政府が保証すれば、アメリカが侵攻しない”という大統領の考えを、フォミンは確認する。

スカリから、ミサイルの撤収を国連が確認し、48時間以内の返答を条件として提示されたフォミンは、努力すると伝えてその場を去る。

10月27日 土曜日
フルシチョフ本人が書いたものと思われる書簡が届き、それを信用した大統領は、申し出を検討しようとする。

久しぶりに帰宅したオドネルは、ヘレンとの夜を過ごそうとするものの、フルシチョフから二回目の書簡が届いたという連絡が入りホワイトハウスに戻る。

オドネルは、フォミンが時間稼ぎの罠だったようだとロバートから知らされる。

今回の書簡は別人であり、フルシチョフはクーデターで失脚し、タカ派に操られ打開策はなくなり、ミサイル設置のための時間稼ぎだったと考えるマクナマラは、侵攻作戦準備の指令を大統領に求める。

新たな偵察写真を渡された大統領は、一部のミサイルが発射可能になり、他も36時間以内に準備が整い、戦闘用核兵器も持ち込まれることを、航空写真のエキスパート、アーサー・C・ランダールデイキン・マシューズ)から知らされる。

短距離弾道ミサイル”FROG”だと言うルメイは、攻撃可能であることを大統領に伝えて行動を迫る。

月曜の朝に空爆を開始できるよう指令を出し、計画通り侵攻作戦を行う正式指令書には明日署名すると言う大統領は、偵察飛行を増やし、空爆のターゲットを正確に把握することを考えるテイラーに許可を与える。

オドネルからの連絡を受けた空軍少佐ルドルフ・アンダーソンチャールズ・エステン)は、偵察飛行では決して攻撃を受けるなと言われる。

U-2で飛び立ったアンダーソンは撮影に成功するものの、地対空ミサイル”S-75”により撃墜される。

それを知ったオドネルは愕然とする。

バンディから、U-2シベリア上空で領空侵犯したことを知らされた大統領は、ソ連側はこちらの攻撃だと思うだろうと考える。

テイラーから、アンダーソンを撃墜した基地に報復するべきだと言われた大統領は、それを許可せず、誤射かどうかの確認をさせる。

それに賛成するルメイは、1日半待って月曜日に攻撃するのが最善だと考える。

長男ケニーのフットボールの試合を見に行き声をかけたオドネルは、ホワイトハウスに戻る。

トルコのミサイル撤去の取引”というメモを受け取ったオドネルは、決定を下そうとするロバートを批判する。

自分だけでなくEXCOMMの全員も反対していると言うオドネルは、取引する意志を見せたために第二の書簡が来たとロバートに伝える。

有効な対策が思い浮かばないまま会議は続き、大統領は、ソ連大使ドブルイニンに会い、返答を明日ほしいと伝えるようロバートに指示する。

ソ連大使館に向かうロバートに同行ししたオドネルは、ドブルイニンと会談する彼を控室で待つ。

ミサイル配備中止をドブルイニンに迫るロバートは、最初の書簡を受け入れ、キューバ侵攻はしないことを誓う。

トルコのミサイルを撤収すれば同じ結果になると言われたロバートは、そんな脅しには応じないことを伝え、非公式な見解を述べる。

旧式のトルコのミサイルは撤収の予定があり、6か月以内にそれを実行するというのが大統領の考えであることを確認したドブルイニンは、明日までの返答をロバートから要求される。

軍部が戦争を望んでいるという噂を聞いたと言うドブルイニンは、あなたと大統領は善人であり、そんな人々の考えが恐ろしい事態を食い止めてくれるとロバートに伝える。

帰宅したオドネルは眠る気になれず、寄り添うヘレンからどうなるのか訊かれ、明日、陽が昇れば良い心の持ち主のおかげであり、それが人間と悪魔を区別していると答えて考え込む。

翌朝、目覚めたオドネルは、事態の悪化阻止と平和の維持の必要性を強調し、キューバの基地設置の中止命令と共にミサイルはすべて解体されソ連に搬送されるという内容の親書が、フルシチョフからケネディ大統領に送られたことを知る。

家族と共に朝食をとるオドネルは、窓の外を見ながら、陽が昇り我々に何かを語りかけるとつぶやく。

動揺するヘレンはキッチンで涙し、子供達は父の様子が気になる。

ホワイトハウスからの直通電話が鳴るものの、オドネルは出る気になれずうなだれ、ヘレンが彼を気遣う。

側近たちを労う大統領は、ソ連にとっても勝利なので、浮かれ過ぎてはいけないと伝えて執務室に向かう。

大統領は、撃墜されたアンダーソンの両親へのメッセージを録音する。

オドネルは、大統領と執務室の外にいたロバートに呼ばれる。
アメリカン大学でのケネディ大統領の演説が流れる。)


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1962年10月。
キューバソ連のミサイルが配備されたことを知ったアメリカ大統領ジョン・F・ケネディは、司法長官の弟ロバートと大統領特別補佐官ケネス・オドネルらと共に、緊急事態に対しての対策を考える。
空爆とキューバ侵攻の命令を求める軍部と対立しながら、大統領は、第三次大戦を回避する方法として海上封鎖を考えるのだが・・・。
__________

1997年に発表された、アーネスト・R・メイフィリップ・D・ゼリコフの著書”The Kennedy Tapes: Inside the White House During the Cuban Missile Crisis”を基に製作された作品。

ソ連キューバにミサイルを配備した”キューバ危機”に直面し、第三次大戦勃発を回避したアメリカ政府とソ連側の駆け引きを描く実録ドラマ。

ケネディ大統領の側近、弟で司法長官ロバートと大統領特別補佐官ケネス・オドネルの三人を中心に、交戦目的の軍部との対立の中で危機を回避しようとする展開がスリリングに描かれている。

事実を詳細に描いた作品であり、登場人物も本人に似ている役者が多く起用され、リアリズムを追及したドキュメンタリー・タッチの内容も見応えがある。

8000万ドルをかけた大作で、北米興行収入は約3500万ドル、全世界では約6700万ドルの結果に終わり、商業的に成功した作品とは言えないが、批評家からは好評価を得た。

世界崩壊の危機を回避した大統領の側近である友人のケネス・オドネル大統領特別補佐官を演ずるケビン・コスナージョン・F・ケネディ大統領のブルース・グリーンウッド、その弟で司法長官ロバート・ケネディスティーヴン・カルプの好演が光る。

出演
ジャクリーン・ケネディステファニー・ロマノフ
アドレー・スティーブンソン国連大使:マイケル・フェアマン
OAS”(米州機構)議長ホセ・アントニオ・モーラ:ダニエル・ヴェルガラ
ロバート・マクナマラ国防長官:ディラン・ベイカー

マクスウェル・D・テイラー統合参謀本部議長:ビル・スミトロヴィッチ
ABCの特派員ジョン・A・スカリジャック・ブレッシング
マクジョージ・バンディ国家安全保障問題担当大統領特別補佐官:フランク・ウッド
マーシャル・カーター陸軍中将:エド・ローター
ジョージ・ウィーラン・アンダーソンJr.海軍作戦部長:マディソン・メイソン
カーチス・ルメイ空軍参謀総長:ケヴィン・コンウェイ

ウ・タント国連事務総長:プラモド・クマール
セオドア・C・ソレンセン大統領上級顧問:ティム・ケラハー
ディーン・アチソン元国務長官:レン・キャリオー
ルドルフ・アンダーソン空軍少佐:チャールズ・エステン
アンドレイ・グロムイコソ連外務大臣:オレク・クルパ
ヘレン・オドネル:ルシンダ・ジェニー
リチャード・J・デイリーシカゴ市長:ジャック・マッギー
エヴェリン・リンカーン大統領秘書:ジャネット・コールマン
ウォルター・シェリダントム・エヴェレット

ワレリアン・ゾリンソ連国連大使:オレグ・ヴィドフ
オービル・ドライフーズジョン・アイルワード
アナトリー・ドブルイニン駐米ソ連大使:エリヤ・バスキン
C・ダグラス・ディロン財務長官:ラリー・ストラウス
ラジオルーム・オペレーター:アレックス・ビアドフ

ディーン・ラスク国務長官:ヘンリー・ストロジャー
リンドン・ジョンソン副大統領:ウォルター・アドリアン
ウィリアム・エッカー海軍中佐:クリストファー・ローフォード

ピエール・サリンジャー大統領報道官:ケリー・コネル
ジョン・マコーンCIA長官:ピーター・ホワイト

アレクサンダー・フェクリソフ/アレクサンダー・フォミン:ボリス・リー・クルトノグ
アーサー・C・ランダールデイキン・マシューズ

ジョージ・ボールジェームズ・カレン
ウォルター”キャム”スウィーニー戦術航空軍団司令官:ダン・ジスキー
マーク・オドネル:ドレイク・クック
キャシー・オドネル:ケイトリン・ワックス
ケニー・オドネルJr.:ジョン・フォスター
ケビン・オドネル:マシュー・ダン
マーガレット通信士:カレン・ルドウィグ


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