新作を執筆する作家の心を巡る、パリ、ニューヨーク、ローマを舞台にした3組の男女の物語を描く、製作、監督、脚本ポール・ハギス、主演リーアム・ニーソン、ミラ・クニス、ジェームズ・フランコ、エイドリアン・ブロディ、オリヴィア・ワイルド、モラン・アティアス、マリア・ベロ、キム・ベイシンガー他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ポール・ハギス
製作
マイケル・ノジック
ポール・ブルールズ
ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス
撮影:ジャンフィリッポ・コルティチェッリ
編集:ジョー・フランシス
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演
マイケル・レアリー:リーアム・ニーソン
ジュリア・ワイス:ミラ・クニス
リチャード”リック”ワイス:ジェームズ・フランコ
スコット・ローリー:エイドリアン・ブロディ
アンナ・バー:オリヴィア・ワイルド
モニカ:モラン・アティアス
テレサ・ローリー:マリア・ベロ
エレイン・レアリー:キム・ベイシンガー
サム:ローン・シャバノル
マルコ:リッカルド・スカマルチョ
ガートナー医師:キャロライン・グッドール
ジェイク・ロング:デヴィッド・ヘアウッド
イギリス/アメリカ/ドイツ/ベルギー 映画
配給 ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
2013年製作 137分
公開
イギリス:2014年11月14日
北米:2014年6月20日
日本:2014年6月20日
製作費 $28,000,000
北米興行収入 $1,021,400
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
パリ。
作家のマイケル・レアリー(リーアム・ニーソン)は、妻エレイン(キム・ベイシンガー)とは別居し、ホテルの一室で新作を仕上げていた。
ローマ。
アメリカ人のスコット・ローリー(エイドリアン・ブロディ)は、ファッション・ブランドのデザインを盗む仕事をしていた。
ニューヨーク。
元ソープ・オペラの女優ジュリア・ワイス(ミラ・クニス)は、弁護士テレサ(マリア・ベロ)を雇い、息子の親権をめぐってアーティストである元夫のリチャード”リック”(ジェームズ・フランコ)と法廷で争っていた。
ジュリアは、息子ジェシーに危害を加えたとして、息子に会うことを許されていなかった。 失業中のジュリアは、弁護士費用どころか生活に困窮し、精神的に追い込まれていた。 リックは、恋人サム(ローン・シャバノル)と同棲していた。 ローマ。 スコットは、現れた女性モニカ(モラン・アティアス)が、荷物などからしてルーマニア人のロマであると思いつつ、彼女が気になる。 パリ。 ローマ。 ニューヨーク。 ローマ。 娘には2年会っていないと言うモニカを気の毒に思ったスコットは、翌日、会えると知り喜び彼女と乾杯する。 かかってきた電話に出たモニカは、バッグの中の紙幣に番号をメモしてスコットに礼を言い、マルコの態度を批判してその場を去る。 パリ。 ローマ。 マルコは、ロマのモニカが置いて行ったことで、それが爆弾だと言いながら店を出て警察を呼ぶ。 バッグの中を確認したスコットは爆弾だと言うバーの客に、子供の靴などが入っているだけだと伝える。 マルコに靴型の爆弾だと馬鹿げたことを言われたスコットは、モニカが戻ったら渡せと客に伝えてその場を去る。 パリ。 いつ自分の原稿を読んでくれるのか、また、新作の原稿を読ませてくれるのかと尋ねるアンナだったが、マイケルは言葉を濁しているだだった。 ローマ。 ニューヨーク。 ローマ。 バッグを触ったとマルコに言われたスコットは、直ぐ手放したと伝える。 警察に通報されるのが嫌なら現金を渡すようモニカに言われたマルコは、彼女を追い出してしまう。 モニカを気遣うスコットだったが、苛立つ彼女に話も聞いてもらえず、警察も信じないと言われる。 パリ。 ローマ。 ルーマニアなら車で来れるはずだと言うスコットに、詳しい話をしようとしないモニカは、現金を工面してもいいと言われる。 体で払う気はないと答えたモニカは、その気はないと言うスコットとホテルに向かう。 ロマであるため宿泊を断られたモニカは気分を害し、自分の部屋に泊まればいいとスコットに言われるものの、それを断り駅に向かう。 パリ。 ローマ。 ニューヨーク。 パリ。 ドアを閉められたアンナは、ポケットに入っていたカードキーを返してもらい、全裸のまま部屋に戻り、楽しい思いをしたと考える。 ローマ。 ニューヨーク。 その場でメモしたジュリアは、宿泊客が部屋に戻ったために慌てて、灰皿を床に落としてしまう。 掃除をしたジュリアは客に謝罪し、メモのことを忘れてその場を去る。 パリ。 そこに、妻エレインから電話があり、携帯電話をなくしたと言う彼女から新しい番号を聞き、その場にあったメモ用紙の裏に書く。 エレインから会いたいと言われたマイケルは、奥の部屋で話す。 その間に、アンナが机のメモを手に取りポケットにしまう。 恋人のことをエレインに聞かれたマイケルは、アンナを見つめながら、この場にはいないと答える。 電話を切ったマイケルは、アンナからエレインのことを聞かれ、愛する人がいると言って2週間前に別れたことを伝える。 妻を愛していると言っていた、マイケルの偽りの愛を責めるアンナは、苛立ちながらその場を去る。 部屋に戻り、メモの番号に電話をかけたアンナは思い止まり、それを丸めて机の引き出しに入れる。 ローマ。 スコットは、それを届けるかを見届けると言ってモニカに同行しようとする。 納得できないモニカだったが、仕方なくスコットを乗せて車を走らせる。 パリ。 そのメールを無視したアンナは、シャワーを浴びる。 ニューヨーク。 メモを忘れた部屋に向かったジュリアは、それがないために焦る。 新しいプリペイド携帯を手に入れたジュリアは、テレサに電話をする。 テレサはジュリアとの連絡が取れず、先にカウンセラーと会ったリックはサムと共にその場で待つ。 パリ。 原稿はまだ読まないでほしいと伝えたマイケルだったが、ジェイクは機内で読んだことを伝える。 出版はできないと言うジェイクは、それを書き直している最中のマイケルに、求めている内容とは違うこと伝えてその場を去ろうとする。 引き止められたジェイクは率直に話すよう言われ、処女作は素晴らしかったものの、その後は、人生の言い訳を書いているだけの駄作だとマイケルに伝える。 ニューヨーク。 迎えに行くので、直ぐにタクシーに乗るようにとテレサに言われたジュリアは指示に従う。 イタリア。 ニューヨーク。 待ちくたびれたサムは、トイレに行ってから帰ると言い出し、リックは彼女に謝罪する。 自分も帰ると言うリックは、入り口で待っていることをサムに伝える。 エレベーターに乗ろうとしたリックはジュリアと出くわすが、何も話さずに階下に向かう。 45分も遅刻したために、ガートナー医師(キャロライン・グッドール)からカウンセリングを拒否されたエリカは、恥をかかされたと言ってジュリアを非難する。 重要な約束も守れない無責任な行動しかできない状況では、息子には会わない方がいいとまで言われたジュリアは、クレアに見限られる。 トイレに入ったジュリアは嗚咽し、それに気づいたサムは、彼女を気遣って声をかける。 いくつか質問されたサムは、友達ならよかったとジュリアに言われてその場を去る。 パリ。 イタリア。 車で待つように言っていたにも拘らず、話をこじらせたスコットを批判するモニカはその場を去る。 カルロに、モニカと組んでからかっているのかと言い残して店を出たスコットは、彼女から現金を返すように言われる。 紙幣に書いたカルロから知らされた電話番号を見せて、バッグから盗んだことを証明したモニカは、スコットを罵倒する。 その紙幣を土産だと言ってスコットに渡したモニカは、車で走り去る。 パリ。 その場で踊り楽しんだマイケルとアンナは、ホテルに戻り別れる。 イタリア。 パリ。 腕時計を洗面所で水に沈めたアンナは、会いたいというダニエルのメールを確認する。 イタリア。 パリ。 マイケルは相手にされず、既婚者を選んだのは傷つけられないからとだとアンナから言われて侮辱される。 イタリア。 モニカの娘のことを聞いたスコットは、なぜ自分を信じて金を渡すのかとカルロに問われる。 尚も娘のことを聞くスコットに5万ユーロ用意するよう伝えたカルロは、襲いかかって来たモニカを投げ倒す。 スコットに殴られたカルロは、銃を手にして脅し現金を返し、10万ユーロ用意しなければ娘は売春宿行きだと伝える。 娘はまだ8歳だとカルロに伝えても聞き入れられないモニカは、スコットと共に別の車で走り去る。 パリ。 街に出たマイケルは、妻に贈ると言って白いバラを買う。 イタリア。 現金を盗んだことを責められたスコットは、会う理由が欲しかったことをモニカに伝える。 大金を置いてバーを出た理由を聞くスコットは、自分を利用したのかと言ってモニカを問い詰める。 5000ユーロでは足りないことを知っていたと言うモニカは、バーで見かけたスコットの服装で金持ちだと思ったと答える。 スーツのラベルは偽物で、デザインを盗みブティックに売っていることを伝えたスコットは、カルロを殴ったことで不利な立場になったとモニカに言われる。 銃を返すように言われたスコットは、カルロに銃を向ければ殺されるとモニカに伝える。 ニューヨーク。 イタリア。 椅子で寝ようとしたスコットは、ベッドで寝るようにとモニカに言われる。 洋服の泥棒かとモニカに聞かれたスコットは、デザインを盗んでいるだけだと答え、スパイだと言われる。 初めて妻と言われたと語るモニカと触れ合ったスコットは、彼女と愛し合う。 アメリカの友人に電話をしたスコットは、口座の残金を確認して送金してもらう。 パリ。 イタリア。 パリ。 イタリア。 パリ。 バラに驚いたと言うアンナに、マイケルはマイレージ・ポイントで買ったと冗談で答え、酷い女の自分をなぜ愛せるのかを彼女から問われる。 笑顔の価値を知っているからだと答えたマイケルは、アンナが誰と会っていても関係ないと言いながら彼女を抱き寄せる。 ダニエルから電話でマイケルは席を外し、それに出たアンナは戻るようにと言われる。 別れを告げたアンナは、再びかかってきたダニエルの電話に出ようとしない。 イタリア。 カルロが夫か恋人、または単なる知人なのかとスコットに聞かれたニカは、その場にいた警官に自分を逮捕させる気かと言って開き直る。 英語では通じないと言われたモニカは席を立つが、スコットは現金を渡そうとする。 受け取れば刑務所行きだと言うモニカに、現金はあげると伝えたスコットは、それとも自分と逃げるきがあるかと尋ねる。 娘の存在を疑っているのかと聞くモニカは、信じるとスコットに言われて、彼から現金を受け取りカルロの元に向かう。 パリ。 それを覗いたアンナは、マイケルから書き終わってから読ませるとに言われ、彼は原稿を書き続ける。 イタリア。 パリ。 引き出しの電話番号のメモのことを思い出したアンナは、それを捨ててしまう。 ニューヨーク。 イタリア。 ニューヨーク。 イタリア。 ニューヨーク。 リックを訪ねたジュリアは、留守だったジェシーにぬいぐるみを渡そうとする。 ジェシーに危害を加えていないと断言するジュリアは、息子に会せてほしいとリックに伝える。 それを許そうとしないリックだったが、泣きながら頼むジュリアに、自分がやったと認めるなら会せると伝える。 仕方なく認めたジュリアに、会いたくて入っているだけだと言うリックは、現実を見据えて真実を話すようにと伝える。 クリーニング袋で遊んでいたジェシーが、袋を破らないように注意しても聞かないため、それがいけないことだと分からせるために危害を加えたと話すジュリアは、リックに謝罪する。 納得したリックはジュリアを許すものの、ジェシーには会せないと伝える。 リックは、取り乱すジュリアを無理矢理に追い出そうとする。 それを知ったサムと奥の部屋にいたジェシーも現れる。 ジェシーはジュリアに駆け寄りエレベーターに乗り、彼女はドアを閉めてしまう。 リックは階段で入り口に向い、ジュリアはその場から逃げ去り、エレベーターにいたジェシーと部屋に戻る。 スコットからの電話に出たテレサは、娘の水泳よりも商談の電話を優先したため、娘を事故死させた彼を決して許さないことを伝えて受話器を置く。 パリ。 ニューヨーク。 ジュリアが、ジェシーに他の話はせず、謝罪もしなかったとも言われたリックは考えを巡らせ、サムは彼に寄り添う。 イタリア。 自分は全てを失ったと伝えたスコットは、何も聞かずに連れて行ってくれるかとモニカに聞かれ、それを約束する。 スコットに娘のことを聞かれたモニカは、自分を信じるのは馬鹿げていると伝える。 ニューヨーク。 ジュリアに電話して謝罪し、ジェシーに会せるというメッセージを残したリックは、彼女は部屋を引き払ったことも知らずに姿を消す・・・。 イタリア。 ローマ。 送った原稿を評価されたマイケルは、読むのが辛かっただろうとエレインを気遣う。 マイケルの言い訳を聞き入れる気がないエレインは、この会話も書く気だろうと伝える。 電話をしながら、その言葉を原稿に書き加えたマイケルは、恋人がその場にいるのかをエレインに聞かれて、それを否定する。 また嘘をつくのかと言われたマイケルは、数か月前に捨てられたと答えながら、向いの古書店にいるアンナを見つめる。 エレインから、父親とのことを書いとアンナに伝えたのかを聞かれたマイケルは、それも否定する。 アンナが日記を読んでいたと伝えたマイケルは、泳いだので体が冷えるため電話を切るとエレインに言われる。 プールに入れたのかを聞かれたエレインは、息子の名前を使ったことを確認し、変えるつもりだとマイケルに言われる。 変えないでほしいと言うエレインは、責任はないとマイケルに伝えて、息子が泳げる姿を見せて喜ばせたいだけだったと語る。 事故の際にかかってきた電話が仕事に関係なかったと言うマイケルは、嘘をついていたとエレインに伝える。 誰からの電話だったかを聞かれたマイケルは答えず、それを察したエレインは、アンナがそれを知っているのかを尋ねる。 日記を読んでいたアンナは動揺する。 帰ってきてほしいと伝えるエレインだったが、帰る方法をマイケルは尋ねる。 ショックを受けたアンナはその場を去り、電話を切ったマイケルは彼女を追う。 マイケルは、アンナ、モニカ、ジュリアを追い、噴水の前で息子を目撃する。 パリ。
...全てを見る(結末あり)
あるバーに寄ったスコットは、愛想の悪いバーテンダーのマルコ(リッカルド・スカマルチョ)から、ぬるいビールを出される。
マイケルは、原稿を持参した作家志望の愛人アンナ・バー(オリヴィア・ワイルド)と愛し合う。
モニカを見つめていたスコットは、彼女に不審に思われ、悪気はなかったことを伝える。
リックからの援助もなく生活費にも困るジュリアは、人目につかないようにホテルの客室係の仕事をする。
ぎこちない会話だったスコットとモニカだったが、互いの娘の話で打ち解ける。
恋人”ダニエル”からのメールを無視するアンナは、勝手に日記を読んでいたためマイケルに取り上げられるが、彼からプレゼントを渡される。
モニカがバッグを忘れて行ったことに気づいたスコットは、それをマルコに伝える。
アンナと外出したマイケルは、リックの画廊の前で足を止める。
ホテルに戻ったスコットは、モニカが気になり再び街に出る。
ジュリアは、ベッド・メイキングなどを教わりながら仕事を始める。
スコットはバーに向かうが、その場に戻って来たモニカが、バッグの中に5000ユーロがあったと言って、マルコと揉めていた。
ホテルに戻ったマイケルは、人目を気にするアンナが別に部屋があるのことを知り、彼女が一緒に過ごそうとしないため不満に思う。
現金が何のため必要だったのかをモニカに聞いたスコットは、5000ユーロで船に乗せた娘を降ろすのに5000必要だと言われる。
マイケルの電話に出ないアンナは、ホテルに来てほしいというダニエルからのメールも無視する。
ホテルをチェックアウトしたスコットは、駅のホームのベンチで寝ていたモニカの元に向かう。
ジュリアは息子ジェシーのことを思い、リックは眠っているジェシーの様子を見に行き、”見ていてね”と言われたため何をと尋ねる。
バスローブを着てマイケルに返しに行ったアンナは、それを彼に渡して全裸になる。
モニカは眠ってしまい、スコットは妻に電話をするものの、メッセージを消した彼女はベッドに入る。
(テレサがスコットの妻)
仕事をしていたジュリアは、テレサからの電話を受けて、カウンセラーとの面談場所の住所のメモを取るようにと言われる。
翌日、部屋に来たアンナに、原稿を読んだ率直な感想を述べたマイケルは、ファッション誌の記事程度だと伝える。
(メモには、ジュリアが書いた住所と同じ数字がメモされている)
車を手に入れたモニカは、スコットから現金を受け取りる。
アンナの部屋に向かったマイケルは、入室禁止であったためにメールを送る。
メモがないことに気づいたジュリアは、テレサに電話をするものの、プリペイド携帯の時間が切れてしまう。
カフェで編集者のジェイク・ロング(デヴィッド・ヘアウッド)に会ったマイケルは、エレインやアンナのことを聞かれる。
ようやくテレサと連絡がとれたジュリアは、向かってはいるものの、タクシー代がないことを伝える。
目的地も言わずに車を走らせるモニカを、スコットは不審に思う。
タクシー代を払ったクレアは、ジュリアを連れてカウンセラーの元に向かう。
パソコンの前で考え込むマイケルは、何も言葉が浮かばずにうなだれる。
ある場所に着いたモニカはバーに向い、後から現れたスコットは、その場にいたカルロに現金を渡すものの、彼から2万5000ユーロを要求される。
外出しようとしたマイケルは、フロントでアンナからのメッセージを受け取りクラブに向かう。
ホテルに宿泊したスコットは、4か月前の携帯電話の娘のメッセージを聴き、それが期限切れで消去されてしまうことを知る。
ベッドに横たわり、マイケルへのプレゼントの腕時計をはめたアンナは、彼を想うものの、ダニエルからのメールに気づく。
紙幣の番号に電話をしたスコットは、電話に出たカルロに金を渡すことを伝える。
アンナに電話をしても、出かけると言って素っ気ない態度をとったため、マイケルは彼女を追う。
銀行で金を工面したスコットはあるバーに向い、その場にいたモニカの前で、現れたカルロに現金を渡す。
ダニエルに電話をしたアンナは、彼の部屋に向い抱き合う。
ロマの集落に向かったモニカは銃を持ち出そうとするものの、スコットにそれを奪われる。
息子ジェシーにぬいぐるみを買おうとしたジュリアは、カードが使えないことを知り、商品を持って店を出てしまう。
ホテルに戻ったスコットは、モニカを連れていたため宿泊を断られそうになるが、妻を侮辱されたアメリカ人が何をするか分からないと言ってフロント係を脅す。
ダニエルと愛し合い、翌朝ホテルに戻ったアンナは、部屋中に飾られた白いバラを見て驚く。
目覚めたスコットは拳銃の弾丸を確認し、銀行に向い送金された現金を受け取る。
マイケルの部屋に向い、プライドはないのかと言って、なぜ自分のような女を愛せるのかを問うアンナは取り乱しそうになるが、マイケルは彼女を落ち着かせる。
港に向かったスコットは、バイクで現れたカルロを確認する。
落ち着いたアンナから腕時計を渡されたマイケルは、それが湿っていることに気づく。
違った車で現れたモニカに、カルロのバイクのことを伝えたスコットは、バーでもホテルでもそれを見かけたと言って、彼が現金を見張っていたのかを問う。
眠っていたアンナは、マイケルが原稿を書いていることに気づく。
ホテルの部屋で携帯電話のメッセージを聴いたスコットは、全て消去されていることを知り、帰国するために荷物をまとめる。
部屋を移ることにしたアンナは、電話をそちらにつなぐことをフロントに伝え、花も運ぶよう指示する。
仕事で部屋に入ったジュリアは、部屋がバラで埋め尽くされていたために驚く。
スコットは、娘のメッセージが消去されていたことで電話会社に問い合わせる。
床に落ちていたメモを拾ったジュリアは、記されてある番号が裏に、自分が書いたカウンセラーの住所が書いてあることに気づく。
電話会社に話を聞き入れられないスコットは苛立ち、電話を机に叩きつけて壊してしまう。
花瓶を床に落してしまい、何もかも嫌になったジュリアは、他の花瓶も故意に壊してしまう。
ジェイクに会ったマイケルは、三か月で仕上げられると言って原稿を渡し、スキャンダラスな内容に対処する覚悟を伝え、出版を約束してもらう。
リックは、ジュリアがエレベーターの中で、自分のことをジェシーに任せたことをサムから知らされる。
ホテルの滞在を延期したスコットは、訪ねて来たモニカを歓迎し、現金を渡したことを知らされ、まだ一緒に逃げたいかを問われる。
娘を想いながら、テレサはプールに飛び込み姿を消す・・・。
スコットは、モニカと車で旅立ち姿を消す・・・。
カフェで原稿を書き上げていたマイケルは、エレインからの電話を受ける。
主人公が、自身についた嘘についてを原稿に書いたマイケルは、息子の”見ていてね”という声を聞く。
*(簡略ストー リー)
パリ。
処女作で成功した作家マイケル・レアリーは、ホテルの一室で新作を執筆しながら、作家志望の愛人アンナと過ごす日々を送る・・・。
ニューヨーク。
息子に危害を加えたことで、元夫でアーティストのリックと親権を争う元ソープ・オペラの女優ジュリアは、弁護士テレサを雇うものの生活に困窮し、ホテルの客室係の仕事を始める・・・。
ローマ。
デザインを盗み、それを売るビジネスをするアメリカ人のスコットは、バーで出会ったロマの女性モニカが気になり、彼女が娘に会うための手助けをしようとする・・・。
__________
「ミリオンダラー・ベイビー」(2004)、「クラッシュ」(2004)で二年連続アカデミー賞を獲得したポール・ハギスが製作、監督、脚本を担当し、豪華スター競演による作品ということで注目された作品。
*
「クラッシュ」は公開が2005年。
パリ、ニューヨーク、ローマで繰り広げられる、微妙に関係する3組の男女の物語が淡々と描かれる内容は、新作の執筆を続ける作家の心の乱れを描写しながら進行する。
そして、パリとニューヨークで起きている出来事が交差するあたりから混沌とする内容となり、様々なヒントもあり、それらが作家の物語の構想であることが分かる。
更にはクライマックスでも現実と物語が入り乱れて描かれているため、観客は混乱し、やや疲れてしまうというのが正直なところだ。
ミステリアスな内容を理解するには、見直しが必要だとも言えるが、2時間を超す長編でもあるしその気にはならない。
ポール・ハギスの作品にしては評価は低く、全米拡大公開もされず、商業的にも成功しなかった作品。
*
製作費 $28,000,000
北米興行収入 $1,021,398
ホテルの一室で新作の執筆を続ける作家リーアム・ニーソン、作家志望のその愛人オリヴィア・ワイルド、息子に危害を加えたために親権を奪われ生活に困窮するミラ・クニス、その夫でアーティストのジェームズ・フランコ、その恋人ローン・シャバノル、デザインを盗むビジネスをするアメリカ人エイドリアン・ブロディ、その妻である弁護士マリア・ベロ、彼が気遣うロマの女性モラン・アティアス、主人公の妻キム・ベイシンガー、ローマのバーのバーテンダー、リッカルド・スカマルチョ、精神科医のキャロライン・グッドール、編集者のデヴィッド・ヘアウッドなどが共演している。