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デンバーに死す時 Things to Do in Denver When You’re Dead (1995)

失敗が許されない組織の仕事をしくじった5人の運命を描く、監督ゲイリー・フレダー、主演アンディ・ガルシアガブリエル・アンウォークリストファー・ウォーケンクリストファー・ロイド他共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:ゲイリー・フレダー

製作:ケイリー・ウッズ
製作総指揮
ボブ・ワインスタイン

ハーヴェイ・ワインスタイン
マリー・カンティン
脚本:スコット・ローゼンバーグ

撮影:エリオット・デイヴィス
編集:リチャード・マークス

音楽:マイケル・コンヴァーティノ

出演
ジミー“ザ・セイント”トスニア:アンディ・ガルシア
ダグニー:ガブリエル・アンウォー
”計画を持つ男”ボス:クリストファー・ウォーケン
”ピーシーズ”オールデン:クリストファー・ロイド
フランシス”ビッグ・ベア・フランチャイズ”チーザー:ウィリアム・フォーサイス
”クリティカル”ビル・ドリトル:トリート・ウィリアムズ
アール”イージー・ウィンド”デントン:ビル・ナン
ルシンダ:フェアルザ・バルク
ジョー・ヘフ:ジャック・ウォーデン
ミスター・シー:スティーヴ・ブシェミ
カフィー:ウィリー・ガーソン
ブルース:ジョシュ・チャールズ
モルト:ビル・コッブス
バーナード:マイケル・ニコロッシ
アトウォーター:マーシャル・ベル

ベイビー・シニスター:グレン・プラマー
ルースター:ドン・チードル
メラニー:ジェニー・マッカーシー
クラブのバンド:バディ・ガイ

アメリカ 映画
配給 ミラマックス

1995年製作 115分
公開
北米:1995年12月1日
日本:1996年5月11日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $529,770


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
デンバー
ギャングのボス(クリストファー・ウォーケン)の息子バーナード(マイケル・ニコロッシ)が、少女に乱暴しようとして取り押さえられる。

モルト(ビル・コッブス)の店で話をしていたジョー・ヘフ(ジャック・ウォーデン)は、現れたボスの元部下ジミー“ザ・セイント”トスニア(アンディ・ガルシア)にバーナードの件を伝える。

遺言ビデオ製作会社の経営者であるジミーは、アシスタントのカフィー(ウィリー・ガーソン)とバーに向い、その場にいた女性ダグニー(ガブリエル・アンウォー)に惹かれて声をかける。

ダグニーと食事の約束をしたジミーは、店を出たところでボスに呼び出される。
...全てを見る(結末あり)

車椅子生活を送るボスは、恋人メグに振られた以後、情緒不安定となり素行がおかしくなったバーナードが、少女に乱暴しようとして逮捕されたことを話す。

メグと付き合っているブルース(ジョシュ・チャールズ)が、結婚の許しを得るためにこの地を訪れるため、彼を痛めつけることをボスはジミーに命ずる。

事業経営に行き詰まっているジミーは、融資を受けているのが結局はボスからであることなどを知らされ、断れるはずもなかった。

ジミーは、資金として5万ドルを受け取ることになり、4人の仲間を集めようとする。

トレーラーハウス・パークの管理人をしているフランシス”ビッグ・ベア・フランチャイズ”チーザー(ウィリアム・フォーサイス)に話をして、1万ドルの仕事を伝えたジミーだったが、フランチャイズは、家族のことを思い答えを渋る。

仕事を受けることにしたフランチャイズと共に、ポルノ映画館の映写技師”ピーシーズ”オールデン(クリストファー・ロイド)の元に向かったジミーは、仲間に加わることを彼に約束される。

ジミーは、葬儀社で働く荒っぽい男”クリティカル”ビル・ドリトル(トリート・ウィリアムズ)と、監視役のアール”イージー・ウィンド”デントン(ビル・ナン)も仲間に引き入れる。

刑務所でひと悶着遭ったビルとイージー・ウィンドはいがみ合い、ジミーがそれを鎮める。

ダグニーと食事をしたジミーは、彼女をアパートまで送り、最初のデートでは何もしないと言って立ち去る。

直ぐに戻って来たジミーは、翌日になったことを伝えて、二度目のデートだと言ってダグニーの部屋に招き入れられる。

計画実行の日、街道で待機していたジミーらは、雨の中、警官に扮したオールデンとビルが、現れたブルースの車を止める。

オールデンは、免許証と車検証の提示を求めるが、ブルースは偽警官であることを見破り相手にしない。

憤慨したビルがブルースを車から引きずり出し、馬鹿にされたためにナイフを突きつける。

オールデンがビルに銃を向けたのに気づいた監視していたデントンが、ジミーの指示を受けて近づく。

ビルはナイフを捨てるが、ブルースの言葉に激怒して隠し持っていたナイフで彼の首を刺す。

その場に現れたメグが、現場を見て驚き叫び声を上げたため、オールデンが彼女を射殺してしまう。

最悪の結果となり、葬儀社に向かったジミーは、死体を他の葬儀の棺に隠すことを考える。

ジミーを呼び出したボスは今回の件を非難するが、かつての仕事ぶりに免じて見逃すことを伝え、48時間以内に姿を消すよう命ずる。

仲間達は”血の報い”を受けることになり、ジミーは、自分もその対象だと4人に伝え、逃げるよう指示する。

ボスは、テキサスから最強の殺し屋ミスター・シー(スティーヴ・ブシェミ)を呼び寄せる。

ジミーは、別のギャングのボス、ベイビー・シニスター(グレン・プラマー)と話をつけイージー・ウィンドを任せる。

ジミーは、身を隠し生き延びるようイージー・ウィンドに伝えて別れを告げる。

ダグニーに会い彼女の部屋に行ったジミーは、楽しむ気になれずにその場を去る。

オールデンに会ったジミーは、航空券を見せてギリシャ行きを勧めるが、思い残すことはないと言って断られ彼と別れる。

その後ジミーは、娼婦のルシンダ(フェアルザ・バルク)を殴った男の会社に押入り痛めつけるが、警備員に取り押さえられる。

相手が告訴しなかったために解放されたジミーは、現れたバーナードから、行方不明になったメグのことを考え、辛い思いをしていることで助言を求められる。

フランチャイズにカナダに逃げるよう助言したジミーだったが、人の世話にはなりたくないと言われ、渡そうとした現金も受け取ってもらえなかった。

映写室にいたオールデンは、現れたミスター・シーに気づき覚悟を決め、そして射殺される。

自然史博物館にダグニーを呼んだジミーは、彼女がプロポーズされたことを知る。

現れたミスター・シーからイージー・ウィンドの居場所を聞かれたシニスターは、それを拒み銃を向けられる。

銃を手にした者達を射殺したミスター・シーは、シニスターの部下ルースター(ドン・チードル)を脅し、イージー・ウィンドの居場所を聞き出そうとする。

モルトの店でルシンダと過ごしていたジミーは、まだ街を離れていなかったフランチャイズから、オールデンが殺されたことを知らされる。

ジミーとフランチャイズは、お互いの無事を祈りながら別れる。

ボスの元に向かったジミーは、家族がいるフランチャイズを見逃してほしいと頼み、裏切られたイージー・ウィンドが殺されたことを知る。

姿を消すならフランチャイズを許すとボスに言われたジミーは、自分も早く街を去るようにと警告される。

ビルの居場所を知ったジミーは、翌日に街を去る決心をして、ダグニーに呼び寄せることを約束して愛し合う。

夜が明けてビルの元に向かったジミーは、事件の夜のことで謝罪される。

ジミーからメキシコに向かうよう指示されたビルだったが、ボスを始末すると言って息巻く。

その後ジミーは、ボスと通じているアトウォーター警部補(マーシャル・ベル)が、ダグニーと接触しているのを目撃する。

ジミーは、ダグニーに近づくなと言ってアトウォーターを脅すが、フランチャイズが殺されたことを知る。

憤慨したジミーは、アトウォーターを痛めつける。

ボスに会ったジミーはフランチャイズを殺したことを非難し、ダグニーに近づくなと警告するが聞き入れられない。

ジミーは痛めつけられ、命乞いをするよう言われるもののそれを拒む。

ボスは、世界のどこに逃げても処刑することをジミーに伝え、ダグニーが一緒にいれば先に殺すと言って脅す。

その後、モルトの店でいつものドリンクを飲み干したジミーは、モルトとジョーに別れを告げる。

ミスター・シーは、その場でジョーの話を聞いていた。

警戒していたビルは、現れたミスター・シーに銃弾を浴びせるものの、隠し持っていた銃で胸を撃たれてしまう。

ジミーは、カフィーとルシンダに現金を残そうと考える。

その頃、ミスター・シーの代わりにある殺し屋の三兄弟が雇われていた。

バーに向かったジミーは、ダグニーに求婚したアレックスに指輪を渡して、彼女に贈るよう伝える。

アレックスにそれを拒まれたジミーは、ダグニーにも制止され、行動を非難される。

ジミーは、共に人生を過ごしたいものの、それができないと言って、理由を聞かれ、自分は病気で死ぬと答える。

ダグニーに愛を告げたジミーは、指輪を渡してその場を去る。

ボウリング場から出て来たバーナードをドライブに誘ったジミーは、路地裏で彼を刺殺する。

死体をその場に放置したジミーは、ルシンダに声をかけ車に乗せて愛し合う。

その後、ボスの手下にバーナードの帽子を渡したジミーは、モルトの店の近くで三兄弟に銃撃される。

ジョーとモルトは、銃声を聞き全てを悟る。

妊娠したルシンダは街を離れ、ダグニーも旅立つ。

ボスには直接手を下せなかったが、ジミーはやり遂げた。

息子バーナードを殺し、それ以来ボスは廃人のようになってしまった。

死後の世界で、ジミーと仲間達はボートに乗り、楽しい時間を過ごす。

ジミー達は握手ではなく手のひらを合わせる挨拶をすると言って、ジョーは彼の話を始めようとする。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
デンバー
遺言ビデオ製作会社の経営者ジミー・トスニアは、かつて“ザ・セイント”と呼ばれたギャングだった。
組織のボスに呼ばれジミーは、恋人メグに振られ情緒不安定になった息子バーナードを救うため、彼女の恋人ブルースを痛めつけることを命ぜられる。
事業がうまくいかず、借金が組織から流れていることを知ったジミーはそれを受けるしかなかった。
気の知れた仲間フランチャイズ、オールデン、ビル、イージー・ウィンドを呼んだジミーは、各1万ドルの報酬で計画を実行する。
ところが、警官に扮したオールデンとビルは、ブルースに偽者だと見破られてしまい、彼とその場に現れたメグを殺害してしまう。
それを知ったボスはジミーらの失敗を許さず、かつての仕事振りに免じて彼だけを見逃し、他の四人を抹殺することを伝える。
責任を感じたジミーは、仲間達を救うために奔走するのだが・・・。
__________

悲しい運命と実らない恋を描く、哀愁漂う犯罪ドラマであり、新旧の実力派人気スター競演が注目の作品。

歯科大生の青年一人を脅すために、プロの悪党が5人も集まり計画を進めるという内容はやや不自然だが、アウトロー風の5人の個性が興味深く描かれ、人情味も感じさせる、若きゲイリー・フレダーの演出手腕が見所の作品でもある。

残忍な組織犯罪を描く内容だが、爽やかなエンディングが印象的だ。

魅力的なキャスティングにも拘らず、商業的には全く振るわなかった作品で、北米では公開直後に打ち切りになってしまった。

組織の一員として悪党ではあったが、”ザ・セイント”と言われ、仕事に”品格”を与えただけあり、紳士的で人間味溢れる主人公を好演するアンディ・ガルシア、彼との愛が実らないガブリエル・アンウォー、ギャングのボス、クリストファー・ウォーケン、主人公と友情で結ばれる仲間達クリストファー・ロイドウィリアム・フォーサイストリート・ウィリアムズビル・ナン、主人公と親交を深める娼婦フェアルザ・バルク、主人公のことあを語る老人ジャック・ウォーデン、非情な殺し屋スティーヴ・ブシェミ、主人公のアシスタント、ウィリー・ガーソン、主人公達のターゲットの青年ジョシュ・チャールズ、ドリンク・ショップの主人ビル・コッブス、ボスの息子マイケル・ニコロッシ、刑事マーシャル・ベル、ギャングのボス、グレン・プラマー、その部下ドン・チードル、ボス専属の看護師ジェニー・マッカーシー、クラブのバンドマン、バディ・ガイなどが共演している。


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