ニコラス・レイの監督デビュー作品「夜の人々」(1949)を基に製作された作品。 監督、脚本ロバート・アルトマン、主演キース・キャラダイン、シェリー・デュヴァル、トム・スケリット、ルイーズ・フレッチャー共演の犯罪ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・アルトマン
製作
ジェリー・ビック
ジョージ・リット
原作:エドワード・アンダーソン
脚本
ジョーン・テュークスベリー
カルダー・ウィリンガム
ロバート・アルトマン
撮影:ジャン・ボフェティ
編集:ルー・ロンバルド
出演
ボウイ・A・バワーズ:キース・キャラダイン
キーチ・モブリー:シェリー・デュヴァル
チカモー/エルモ・トミー・モブリー:ジョン・シャック
T・ダブ/T・W・メイフィールド:バート・レムゼン
ディー・モブリー:トム・スケリット
マティー・メイフィールド:ルイーズ・フレッチャー
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1974年製作 123分
公開
北米:1974年2月11日
日本:1974年9月
製作費 $1,125,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1930年代、大恐慌時代、ミシシッピ州。
刑務所から脱獄した三人、ボウイ・A・バワーズ(キース・キャラダイン)、チカモー/エルモ・トミー・モブリー(ジョン・シャック)、T・ダブ/T・W・メイフィールド(バート・レムゼン)は、一旦、別行動をとる。
ボウイは、チカモーの親戚ディー・モブリー(トム・スケリット)のガソリン・スタンドで二人と合流する。
その後ボウイは、自分達の世話をするディーの娘キーチ(シェリー・デュヴァル)に心を寄せるようになる。
そして、三人は銀行強盗の計画を練り、計画を実行して難なく現金を手に入れる。
奪った現金を山分けした三人は、T・ダブの指示で、ボウイが犯行に使った車を処分して、チカモーは別の車を調達に行く。
T・ダブは、義妹のマティー・メイフィールド(ルイーズ・フレッチャー)の元に向かい、後日、三人はそこで落ち合うことになる。 その頃になると、素っ気無い態度だったキーチもボウイに惹かれるようになる。 その後、合流した三人は再び銀行を襲い、マティーの家に滞在し、自分達に、生死に拘らず懸賞金がかけられたことを知る。 再び別行動で移動した三人だったが、ボウイが車で事故を起こし、後についていたチカモーが、怪我をした彼を連れて逃げようとする。 それを止めようとした警官をチカモーが射殺し、ボウイをディーに預け立ち去る。 ボウイはキーチに介抱されて回復し、やがて二人は愛し合うようになる。 二人は一緒に旅立つことになり、その後ボウイは、姪と結婚したT・ダブや酒びたりのチカモーと合流し、キーチも新聞記事になっていたことを知らされる。 そして、三人はヤズー・シティの銀行を襲い、行員を射殺して逃亡する。 犯行後、ボウイはキーチの元に向かう途中、T・ダブが警官に射殺され、チカモーは負傷して逮捕され自分が指名手配されていることを知る。 キーチの元に戻ったボウイは、T・ダブが義妹マティーのために買ったモーテルに向かう。 ボウイは、妊娠していることがわかったキーチをモーテルに残し、チカモーを救い出すために、保安官に扮して刑務所に入る。 ボウイは、担当警部に話をつけ、彼と共にチカモーを車に乗せ、そのまま刑務所を出る。 チカモーは林の中で警部を射殺し、ボウイと車で逃走するが、新聞や報道で、彼やキーチばかりもてはやされることに怒りをぶつける。 憤慨したボウイは、チカモーを車から降ろし、置き去りにしてしまう。 ボウイを恋しく思い、彼を待ちわびていたキーチだったが、マティーの通報で警官隊が待機する。 そこに、ボウイが戻りキーチがいるはずの部屋に入り、彼はマティーの元にいたキーチの前で、警官の一斉射撃を受ける。 目の前でその光景を見ていたキーチは泣き叫ぶが、ボウイは無残な姿で外に運び出される。 そして、キーチは、身重の体で独り旅立つ。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
大恐慌の時代。
刑務所を脱獄したボウイ・A・バワーズ、チカモー、T・ダブの三人は、その日暮らしの生活に飽きたらず、手っ取り早く稼げる銀行強盗を繰り返して、逃亡を始める。ボウイは、チカモーの親戚の家でキーチと知り合い、やがて二人は愛し合うようになる。
キーチを巻き込みたくないボウイは、度々仲間達の元に向かい犯行を重ねる。
しかし、酒浸りのチカモーが殺人を犯し、ついに、三人は懸賞金付きのお尋ね者として終われる身になる・・・。
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1937年に発表されたエドワード・アンダーソンの小説”Thieves Like Us”を原作にした、ニコラス・レイの監督デビュー作品「夜の人々」(1949)を基に製作された作品。
コーラばかり飲んでいるヒロインや、犯罪者がヒーロー扱いされる時代に無視される、惨めな凶悪犯、犯行を練る楽天家やスマートな雰囲気で通す主人公など、個性豊かなキャラクターを魅力的に描写した、ロバート・アルトマンの味わい深い演出は光る。
その他、人気ラジオ番組を映像のバックに挿入したことで、その時代の雰囲気を効果的に映し出しているところなども凝っている。
三人の脱獄強盗犯よりも、ラストも閉めるシェリー・デュヴァルの存在が目を引き、美人には程遠い彼女の、素朴で純真なヒロイン役は出色だ。
犯罪人には見えない品の良さを漂わせる主人公キース・キャラダイン、酒浸りになる仲間、横暴な男ジョン・シャック、策略家ではあるが、姪に手を出したりする茶目っ気もある犯人バート・レムゼン、帽子を被っているので、言われなければ分からないかもしれない、ガソリン・スタンド主人役のトム・スケリット、T・ダブ(B・レムゼン)の義妹で最後に裏切るルイーズ・フレッチャーなどが共演している。