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ザ・クラッカー Thief (1981)

型破りで凄腕の宝石泥棒がマフィアと組んで大仕事に挑み支配欲に屈せず自分の生きる道を探る姿を描く、製作ジェリー・ブラッカイマー、監督、脚本マイケル・マン、主演ジェームズ・カーンチューズデイ・ウェルドウィリー・ネルソンジェームズ・ベルーシデニス・ファリーナ共演による犯罪ドラマの佳作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・マン

製作
ロニー・カーン

ジェリー・ブラッカイマー
原作:フランク・ホヒマー”The Home Invaders”
脚本:マイケル・マン

撮影:ドナルド・ソーリン
編集:ドヴ・ホーニグ
音楽:タンジェリン・ドリーム

出演
フランク:ジェームズ・カーン

ジェシー:チューズデイ・ウェルド
オクラ/デヴィッド:ウィリー・ネルソン
バリー:ジェームズ・ベルーシ
レオ:ロバート・プロスキー
アッタリア:トム・シニョレッリ
カール:デニス・ファリーナ
バーテンダー:ウィリアム・ピーターセン

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1981年製作 123分
公開
北米:1981年3月27日
日本:1981年6月6日
北米興行収入 $11,492,920


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
シカゴ
雨の夜、凄腕の宝石泥棒のフランク(ジェームズ・カーン)は、ある会社の金庫から、大胆な処方で宝石を盗み出すことに成功する。

中古車ディーラーとバーを経営するフランクは、盗んだ宝石の取引後に、師匠でもある伝説の泥棒で、服役中の友人オクラ(ウィリー・ネルソン)から、是非会いたいという手紙を受け取る。

バーに向かったフランクは、取引した男が、ホテルの窓から落下して死んだという報告を、部下のバリー(ジェームズ・ベルーシ)から受ける。

バリーに会い事情を聞いたフランクは、取引相手が持っていた自分の取り分を奪い返すため、それと関係していた、メッキ会社の経営者アッタリア(トム・シニョレッリ)の元に向かう。
...全てを見る(結末あり)

フランクは、アッタリアに銃を向けて脅し、金を用意するよう伝えてその場を去る。

その後フランクは、刑務所に向かいオクラに面会して、他愛もない会話を交わす。

オクラは、10か月の刑期を残していたが、医師の診察で狭心症と診断されていた。

出所するまで命が持たない可能性があり、オクラはこの場から出してほしいことをフランクに伝え、彼はそれを約束する。

アッタリアは、昼間の件を”シカゴ・アウトフィット”のボス、レオ(ロバート・プロスキー)に知らせる。

密売の元締めでもあったレオは、フランクの仕事ぶりを知り一目置いていたため、金を渡して、自分のために仕事をしないかと言って彼を誘う。

フランクは、レオに好条件を提示され、考えると言ってその場を立ち去る。

その後フランクは、待ち合わせをしていた、レストランのレジ係ジェシー(チューズデイ・ウェルド)を迎えに行くが、彼女は2時間も待たされたために憤慨する。

ジェシーを強引に車に乗せたフランクは、自分がただの中古車ディーラーではなく泥棒だと伝え、11年の刑務所暮らしやオクラについてなど、隠さずに語る。

そして、フランクはジェシーにプロポーズするが、彼女は子供ができないことや不安を伝え、それを受け入れられない。

しかしフランクは、自分の考える人生のビジョンを加えて語り、彼女を納得させる。

レオに、仕事を受けるという連絡を入れたフランクは、バリーと共にその準備を始め、ジェシーのために郊外の家に引っ越す。

頑強な金庫を開けるために、フランクは特注の溶接機を手配する。

オクラが1週間で出所できることになり、フランクは、今回の仕事で足を洗う決心をしたことをバリーに伝える。

子供を欲しがるジェシーのために、養子をとろうとしたフランクだったが、適合者と認められずに憤慨する。

そんな時フランクは、汚職警官に賄賂を求められ、それを拒むものの、自宅の電話機に盗聴器が仕掛けられていたために警戒する。

レオが子供を世話してくれることになり、フランクは喜びジェシーに連絡する。

しかし、出所したオクラが移送中に階段から落ちて病院に運ばれ、フランクは駆けつけるものの、オクラは息を引き取る。

病院からの帰りに、ジェシーは男の子を受取り、彼女とフランクは、子供の名前をオクラの本名であるデヴィッドに決める。

その後、溶接機は完成して、バリーは難関の警報装置対策を考える。

フランクは、警官に逮捕されて痛めつけられ、再び汚職警官に脅されるものの、怯まずに立ち向かい、その場は釈放される。

警察に尾行されるフランクは、アイオワデモイン行きを装い、ロサンゼルスに向かい銀行を襲う。

バリーと共にビル内部に侵入したフランクは、警報を解除し、強力な溶接機で金庫の扉を破壊して宝石を奪う。

シカゴに戻ったフランクは、レオから報酬の一部を渡され、残りは投資するように言われる。

しかし、足を洗う気だったフランクはそれを断り、レオを侮辱し、残りの金を要求してその場を去る。

ディーラーに戻ったフランクだったが、バリーは痛めつけられ、抵抗したために殺される。

捕えられたフランクは、レオの元に連れて行かれて脅され、服従するよう強要される。

フランクは、仕方なくジェシーと子供と別れ、二人を避難させて、自宅やバーを爆破しディーラーの車に火を放つ。

自分の思い描いていたビジョンを捨てたフランクは、レオの家に侵入し、その場にいたアッタリアを叩きのめす。

フランクはレオを射殺し、彼の手下のカール(デニス・ファリーナ)に銃撃されながらも、その場から逃げたアッタリアを殺す。

カールも射殺したフランクは、防弾チョッキを着ていたために致命傷には至らず、夜の闇に中に消えていく。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
シカゴ
長い刑務所生活を終えた後、中古車ディーラーやバーのオーナーとなったフランクは、凄腕の宝石泥棒の顔も持つ男だった。
そんなフランクは、盗んだ宝石の売買がきっかけで、”シカゴ・アウトフィット”のボス、レオと知り合い、仕事ぶりを買われて仕事を依頼される。
他人に支配されることを嫌う一匹狼のフランクだったが、自分の人生のビジョンに必要だと判断した女性ジェシーに出会い結婚し、彼女の幸せのためにレオの仕事を受ける。
フランクは、レオの支援で車や家、そして子供ができない自分達に養子まで与えられる。
仕事の準備を始めたフランクは、汚職警官に目を付けられ、賄賂を要求されるが、それを拒み脅しに屈しない。
そして、大仕事を無事に終えたフランクは、足を洗うことを考えるのだが、レオはそれを許さなかった・・・。
__________

実際に宝石泥棒だったフランク・ホヒマーの著書”The Home Invaders”を基に製作された作品。

主人公の個性を強烈に印象付ける演出も光るマイケル・マンの劇場映画デビュー作であり、

デビュー作にして脚本も兼ねた、単純な犯罪アクションではない、マイケル・マンの軽快な演出、キャリアを積んだジェームズ・カーンの見せる奥深い人間性など、接する機会の少なかった良作に巡り合えたといえる、満足感を味わえる作品。

特に、主人公が結婚を考える女性に拒絶されながらも、自分をさらけ出して、熱心に人生のヴィジョンを語るシーンの、マイケル・マンの演出とジェームズ・カーンの味わいある演技は秀逸だ。

手際よく仕事を済ませる、強盗シーンの無駄のない描写もなかなかいい。

ジェリー・ブラッカイマーも、初期の作品として製作に参加している。

裏社会で生きる身でありながら、自分の描く夢に対する考えや信念を貫き通す、キャリアの中でも指折りの演技を見せる主人公を熱演すジェームズ・カーン、その妻となる女性を地味に演ずるチューズデイ・ウェルド、主人公の師匠で伝説の泥棒ウィリー・ネルソン、主人公の部下兼相棒の若きジェームズ・ベルーシ、マフィアの大ボス、ロバート・プロスキー、その手下トム・シニョレッリ、現役のシカゴ市警の警察官であり、本作のアドバイザーも兼ねて映画デビューし、その後、名バイプレイヤーとなる、マフィアの手下役のデニス・ファリーナ、主人公が所有するバーのバーテンダーでウィリアム・ピーターセンも出演している。


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