人気TVシリーズ「X-ファイル」(1993-2002)の映画化作品「X-ファイル ザ・ムービー」(1998)に続く劇場版第2作。 FBIの”X-ファイル課”から手を引いていたモルダーとスカリーが同僚の捜索に協力を求められる姿を描く、製作、監督、脚本クリス・カーター、主演デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン、ミッチ・ピレッジ、アマンダ・ピート他共演のSFサスペンス・ミステリー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:クリス・カーター
製作総指揮:ブレント・オコナー
製作
クリス・カーター
フランク・スポニッツ
脚本
クリス・カーター
フランク・スポニッツ
撮影:ビル・ロー
編集:リチャード・A・ハリス
音楽:マーク・スノウ
出演
フォックス・モルダー:デイヴィッド・ドゥカヴニー
ダナ・スカリー:ジリアン・アンダーソン
ウォルター・スキナー:ミッチ・ピレッジ
ダコタ・ホイットニー:アマンダ・ピート
モズレイ・ドラミー:アルヴィン・ジョイナー(Xzibit)
ジョセフ・クリスマン神父:ビリー・コノリー
ジャンク・デシシン:カラム・キース・レニー
モニカ・バナン:ザンサ・ラドリー
イバラ神父:アダム・ゴドリー
シェリル・カニンガム:ニッキー・エイコックス
アメリカ/カナダ 映画
配給 20世紀FOX
2008年製作 104分
公開
北米:2008年7月25日
日本:2008年11月7日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $20,981,630
世界 $68,369,430
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ウェストヴァージニア州、サマセット。
FBIの女性捜査官モニカ・バナン(ザンサ・ラドリー)が失踪し、霊感能力者であるジョセフ・クリスマン神父(ビリー・コノリー)の協力で捜査が行われ、切断された片腕が発見される。
元FBI捜査官のダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン)は、現在は病院勤務の医師をしていた。
ある日、スカリーは、FBI捜査官モズレイ・ドラミー(アルヴィン・ジョイナー(Xzibit))から、元同僚のフォックス・モルダー(デイヴィッド・ドゥカヴニー)の居場所を聞かれ、女性捜査官を捜す協力を求められる。
濡れ衣を着せられ、殺人罪に問われていたモルダーの元に向かったスカリーは、バナン捜査官の捜索への協力で、その罪を帳消しにすると言われたことを彼に伝える。
隠匿生活を送り、失踪した妹を、未だに捜そうとしていたモルダーは協力を渋るが、スカリーと共にワシントンD.C.に向かう。
支局長ダコタ・ホイットニー(アマンダ・ピート)は、72時間を超えると不明のバナンの命が救えないことをモルダーとスカリーに伝え、切断され発見された男の腕の写真を二人に見せる。 モルダーは、透視能力のあるクリスマン神父のことを疑い、さらに、神父が小児性愛の前科があることも聞かされる。 ヴァージニア州、リッチモンド。 その後モルダーは、クリスマン神父に犯行現場へ案内されることになる。 ウェストヴァージニア州、サマセット。 病院に戻っていたスカリーは、担当する難病の少年の治療を諦めるよう、教会が運営する病院から圧力をかけられ、イバラ神父(アダム・ゴドリー)に監視されていた。 スカリーは、モルダーに切断された腕から動物用の鎮静剤が検出されたことを話す。 尚もクリスマン神父を疑っているスカリーだったが、失踪したバナンが犬を飼っていたはずだと言った神父が、血の涙まで流したのを目撃したモルダーは彼を信じ始めていた。 そんな時、別の女性失踪事件が発生して、再びクリスマン神父が動き出す。 ホイットニーに呼ばれたモルダーとスカリーは現場に向かう。 そして、クリスマン神父は、氷の中の女性の頭部を見つける。 ヴァージニア州、クアンティコ。 ウェストヴァージニア州、サマセット。 その頃、スカリーは病院側の反対を無視して、難病の少年に”幹細胞治療”を試みる。 少年の手術を終えたスカリーに、失踪したバナンとシェリルが同じプールを利用してのを、犯人が尾行していたのだろうということをモルダーは伝える。 さらに、二人ともメディカル・ブレスレットをしていて、臓器移植のために狙われた可能性が判明していた。 臓器売買に医療関係者が関与しているかを、モルダーはスカリーに調査させようとするが、彼女ははそれを断る。 少年の両親に治療を諦めると言われたスカリーだったが、彼女は回復する見込みに賭けることを彼らに告げる。 リッチモンド地方検事局は、臓器密売の疑いのあるロシア人ヤンケ・デシシン(カラム・キース・レニー)を事情聴取する。 クリスマン神父が、自分のかかわっていることを透視しているのではないかと考えたスカリーは、気が進まないまま彼の元に向かう。 神父は発作を起こしてしまい、駆けつけたホイットニーはモルダーとスカリーに、バナンとシェリルと同じプールの利用者デシシンが、臓器密売の容疑者にになったことを伝える。 クリスマン神父が関る少年被害者の一人が、デシシンの働く会社の社長だとわかり、モルダーらはその会社に向かう。 モルダーは、現場でデシシンを見かけホイットニーと彼を追う。 現場を調べていたドラミー捜査官は、バナンの頭部を見つけるが、ホイットニーは建物から落下し命を落す。 末期の肺がんを患っていたクリスマン神父は、容疑者達の写真を見せられ、自分とのかかわりを知る。 第2の被害者シェリルの捜索に向かったモルダーは、デシシンを見つけて尾行するが、彼に気づかれて車ごと道路脇に突き落とされる。 スカリーは、ロシアで犬を使った”幹細胞治療”の実験が行われていた事を知り、バナンが生きている可能性があることを、モルダーに電話で伝える。 モルダーの行方がわからず、ドラミーの協力を得られないスカリーは、元直属の上司ウォルター・スキナー(ミッチ・ピレッジ)に連絡して、モルダーの車の事故現場に到着する。 車から脱出したモルダーは、臓器密売組織のアジトを見つけ、シェリルが頭部を切断されかけている、手術室に侵入しそれを阻止しようとする。 モルダーは、鎮静剤を打たれて殺されそうになるのだが、スカリーとスキナーがその場所を突き止め、彼とシェリルを救出する。 スカリーは、クリスマン神父が死亡したことをモルダーに伝える。 モルダーは、首を切断された患者が死亡した時に、神父も息を引き取ったことで、二人の運命は結ばれていたことが裏付けらることをスカリーに話す。 そして、クリスマン神父に”あきらめるな”と言われたからこそモルダーを助けられたことを、スカリーは彼に伝える。 小児性愛者のクリスマン神父の言葉に支えられ、重病の少年を救おうとする矛盾を感じながら、スカリーは、少年の手術に向かう。 モルダーに励まされてはいたものの、苦しむ少年を前に迷うスカリーは、神父の言葉に従い手術を始める。
...全てを見る(結末あり)
性犯罪者達が運営し居住する施設に、クリスマン神父を訪ねたモルダーとスカリーだったが、今度は彼女が神父は犯人の共犯だと言い張り、捜査への協力を拒否する。
バナンが連れ去られた現場にたたずむクリスマン神父は、それ以上の透視は出来ず、彼は血の涙を流す。
見つかった女性の頭部はバナンではなく、氷の中からは11人の四肢が見つかり、動物用の鎮静剤が検出される。
失踪した女性シェリル・カニンガム(ニッキー・エイコックス)の車が見つかり、彼女がプールに行っていたことがわかり、モルダーらはその場に急行する。
*(簡略ストー リー)
FBIの女性捜査官が失踪し、霊感能力者のクリスマン神父が捜査に協力することになる。
その後FBIは、元捜査官で医師のダナ・スカリーと接触し、隠匿生活を送り、失踪した妹を、未だに捜そうとしていた彼女の同僚フォックス・モルダーにも捜査への協力を要請する。
モルダーとスカリーは、現場に復帰して神父と会うが、彼には小児性愛の前科があること分かる。
スカリーは神父を疑い、捜査への協力を拒否してしまう。
モルダーは、神父を事件現場に連れて行くが、それ以上の透視は出来なかった。
スカリーは、尚も神父を疑っていたのだが、モルダーは彼を信じて、次々見つかる、女性の頭部や11人の四肢を手がかりに捜査を続けるのだが・・・。
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シリーズの特徴である、異星人との関りや超常現象などは控えた、ホラー・サスペンスに終始している内容の作品。
監督は、テレビ・シリーズを担当したクリス・カーターで、何となく展開が都合よ過ぎる感じもするが、主人公二人の、心の動きなども絡めながら、事件、容疑者、霊感者がつながるという結論で、全てが収まるストーリーになっている。
興行収入は、残念ながら前作をかなり下回り、全世界で約1/3に減少してしまった。
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北米興行収入 $20,981,630
世界 $68,369,430
モルダー役のデイヴィッド・ドゥカヴニーは、年齢を重ねてやや落ち着いた雰囲気がするが、相変わらず、冷静沈着で優秀な医師スカリー役のジリアン・アンダーソンの、小柄ながら凛々しい姿が印象的だ。
クライマックスだけに登場する、主人公達の元上司ミッチ・ピレッジ、容疑者追跡で命を落す支局長アマンダ・ピート、捜査官のアルヴィン・ジョイナー(Xzibit)、事件の鍵を握る霊感者のビリー・コノリー、容疑者のカラム・キース・レニー、失踪する捜査官ザンサ・ラドリー、病院の神父役のアダム・ゴドリー、失踪女性のニッキー・エイコックスなどが共演している。