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レスラー The Wrestler (2008)

リングでしか生きられなレスラーの苦悩を描く、監督ダーレン・アロノフスキーミッキー・ロークの渾身の演技が光る、 マリサ・トメイエヴァン・レイチェル・ウッド共演のヒューマン・ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督 :ダーレン・アロノフスキー

製作総指揮
ヴィンセント・マラヴァル

アグネス・メントル
ジェニファー・ロス
製作
ダーレン・アロノフスキー

スコット・フランクリン
脚本 :ロバート・シーゲル
撮影:マリス・アルペルチ
編集:アンドリュー・ワイスブラム
音楽:クリント・マンセル
主題歌 :ブルース・スプリングスティーン

出演
ミッキー・ローク:ランディ”ザ・ラム”ロビンソン/ロビン・ラムジンスキー
マリサ・トメイ:パム/キャシディ
エヴァン・レイチェル・ウッド:ステファニー・ラムジンスキー
マーク・マーゴリス:レニー
トッド・バリー:ウェイン
ウェス・スティーヴンス:ニック・ヴォルペ
アーネスト・ミラー:ボブ/”ジ・アヤトッラー”
ディラン・サマーズ/ネクロ・ブッチャー:本人

アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
2008年製作 109分
公開
北米:2008年12月17日
日本:2009年6月13日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $26,236,600
世界 $44,704,000


アカデミー賞 ■
第81回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優(ミッキー・ローク
助演女優(マリサ・トメイ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1980年代に一世を風靡した人気プロ・レスラー、ランディ”ザ・ラム”ロビンソンことロビン・ラムジンスキー(ミッキー・ローク)は、20年後の現在では、エリザベス(ニュージャージー)で週末だけ行われる、独立団体に参加するレスラーに成り下がっていた。

試合を終え、少ないギャラを手にして自宅のトレーラー・ハウスに帰ったランディだったが、家賃を払わないために追い出されてしまう。

車で寝ることになったランディは、スーパーでの仕事を増やそうと、上司ウェイン(トッド・バリー)に掛け合い残業を許可される。

衰えた体力と傷だらけの体に鞭打ち、平日はスーパーの下働きを続け、なんとか生活していたランディだったが、巡業レスラー仲間達にとって、彼は憧れの存在でヒーローだった。
...全てを見る(結末あり)

そして週末になり、その日のメインイベントを負かされたランディは、対戦相手と試合の段取りを決め、テーピングをして、腕に出血用の剃刀の刃を隠しリングに向かう。

大いに試合を盛り上げたランディに、客達は熱狂しプロモーターから祝福される。

さらにランディは、全盛期の最強の敵で、かつてマディソン・スクエア・ガーデンを満員にさせ、伝説の試合を共に戦った男、”ジ・アヤトッラー”(アーネスト・ミラー)との20周年記念試合の話を持ちかけられる。

ランディは、試合後に馴染みのストリッップ・バーに向かい、ダンサーのキャシディ(マリサ・トメイ)に会うことが唯一の楽しみだった。

その日も、ランディはバーに顔を出し、キャシディをからかっている若造達を追い払い彼女の慰めにチップを払う。

中古車ディーラーをしている、アヤトッラーとの再戦に合意したランディは、かつての栄光に少しでも近づこうとして、体力を甦らすために、ステロイド他の薬物を服用しトレーニングを積む。

また、若さを保つために髪の毛を染め、日焼けサロンに通い、リング上の小道具を手配して試合に挑む。

ネクロ・ブッチャー(ディラン・サマーズ)とのデスマッチを受けたランディは、傷を負い血まみれになりながら勝利する。

ランディは観客から大喝采を受けるが、試合後、控え室で心臓発作を起こし、倒れ病院に運ばれる。

手術をして回復したランディだったが、彼の心臓は試合には耐えられないことを医師から告げられる。

プロモーターから、体調が許すなら試合に復帰してくれという置手紙と現金を受け取ったランディは、家賃を払いトレーラー・ハウスに戻る。

トレーニングを始めようとするランディだったが、動かない体に体力の限界を感じる。

キャシディに会ったランディは、心臓発作で倒れレスリングが出来ない体になったことを話し、先のことを考える余裕もないことを伝える。

ランディは、キャシディに、別居中の一人娘に会うよう言われ、思い切って電話をしてみる。

娘ステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)が、電話には出なかったため、ランディは彼女に会いに行く。

ステファニーに心臓発作のことを話したランディは、自分が必要な時には放っておかれ、誕生日すら知らないと彼女に罵られてしまう。

サイン会のイベントで、ボロボロになった体で現れた元レスラー達の姿を見たランディは、自分の行く末を考えると絶望すら感じてしまう。

キャシディに会ったランディは、ステファニーとのことを彼女に話し、プレゼントをして娘の機嫌を窺おうとする。

寂しげなランディにキャシディは、ステファニーに贈る洋服選びに付き合う約束をする。

その後ランディは、スーパーの惣菜部で、フルタイムの仕事をすることになる。

翌日、キャシディに、ステファニーへの洋服を選んでもらい、ランディは彼女をバーに誘う。

息子がいることを告白したキャシディはそれを断るが、ランディは彼女を強引に誘う。

ランディは自分の命の危険も感じながら、心を寄せるキャシディに自分の気持ちを伝えようとする。

しかしキャシディは、客との親密な関係を避けると言って店を出て行ってしまう。

恥を忍んでスーパーの惣菜部の仕事を始めたランディは、それにも慣れてきた頃、各方面に引退することを伝える。

その後、ステファニーにプレゼントを渡しに行ったランディは、心のほぐれた彼女と散歩をすることになる。

そしてランディは、自分が父親として失格だったことを素直に認め、ステファニーに拒絶して欲しくないことを涙ながらに語る。

ステファニーもそれを受け入れ、二人は廃墟となったホールでダンスを踊り、土曜の夜に食事することを約束する。

ようやく幸せを実感したランディは、キャシディに心の拠り所を求めるが、彼女は息子がいることを理由に再び彼を拒んでしまう。

憤慨したランディは、金を払ってキャシディと無理矢理踊ろうとして、彼女の怒りを買い店から追い出されてしまう。

レスリングの試合を見に行ったランディは、レスラー仲間と意気投合する。

ランディは、飲みに行ったバーで、出会った女とコカインを吸い、一夜を過ごした後、自宅に帰り一日中寝過ごしてしまう。

その夜、ランディはステファニーとの約束を思い出し彼女の元に急行するが、我慢の限界に達した彼女の怒りは修まらず、ついに絶縁されてしまう。

翌日ランディは、スーパーの仕事場で、彼がレスラーだと知った男から声をかけられて動揺し、スライサーで手を切ってしまう。

混乱して興奮したランディは、スーパーを辞めてしまい、医者の警告を無視して、アヤトッラーとの記念マッチに出場することをプロモーターに伝える。

キャシディが、出発のために身支度をしていたランディの元に現れ、素っ気なく試合のチラシを渡し、別れを告げる彼の身を案ずる。

仕事に戻ったキャシディだったが、ランディのことが気になり、自分の仕事にも嫌気が差した彼女は試合会場へと向かう。

メインイベント直前に到着したキャシディは、自分の生きる場所はリングしかないというランディに対し、彼の愛を受け入れることを告げて、試合を止めさせようとする。

しかし、ランディは自分の名前がアナウンスされるのを聞くと、キャシディに微笑みかけながらファンが待つリングへと向かう。

最後の試合になることを悟っていたランディは、、マイクを手に取り、ファンに自分の全てを洗いざらい語る。

そして、試合が始まり激しい戦いが続くが、ランディの体は悲鳴をあげ、狭心症の症状が出始める。

アヤトッラーは、ランディを気遣い試合をストップさせようとするが、彼はそれに耳を貸さずに戦い続ける。

ランディは場内の興奮を感じ、姿の見えないキャシディを思いつつ、喘ぎながらコーナーポストの最上段に上る。

そしてランディは、アヤトッラーに襲い掛かろうとして大きくジャンプする・・・。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
かつて一時代を築いた、人気プロ・レスラーのランディ”ザ・ラム”ロビンソンは、今では、老体に鞭打つ、巡業レスラーに成り下がっていた。
ストリップ・バーのダンサー、キャシディに会うことが唯一の楽しみだったランディは、巡業レスラー仲間達からは慕われ、ヒーローとして尊敬もされていた。
そんなランディに、20年前の世紀のリマッチの企画が舞い込む。
しかし、ランディは流血マッチの直後、心臓発作で倒れ、手術の末レスラーとして再起不能になってしまう。
行き場を失ったランディは、キャシディの助言で、別居していた娘ステファニーに再会し、何とか親子関係を取り戻し、そして、引退を決意する。
心の拠り所を求め、キャシディに愛を告げたランディはそれを拒まれ、さらに、再び娘の信頼を失い絶縁されてしまう。
失意のランディは、自分の居場所がリングしかないことを悟り、全てを懸けた最後の試合に挑む・・・。
__________

各映画賞を受賞し、批評家からも絶賛され、主演のミッキー・ロークの復活劇と、彼の人生と重なり合うストーリーが、多いに話題を呼んだ作品。

第65回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞

第66回ゴールデングローブ賞
主演男優賞 (ドラマ部門)
歌曲賞受賞

第81回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優賞/ミッキー・ローク
助演女優賞/マリサ・トメイ

ボクシングを題材にした作品は数多く作られているが、プロレスの世界を描いた作品は殆どないに等しく、本格的なプロレス映画として新鮮味を感じる。

意外に簡単に修復した親子関係が、もろくも崩れてしまう展開なども、ただのお涙頂戴的な作品ではなく、ダーレン・アロノフスキーは、現実の厳しさも鋭く描いている。

淡々とした生活を続ける不器用な男を演じ、本物のレスラーが役者として演じているような雰囲気のミッキー・ロークの、素朴な演技が胸を打つ。

ミッキー・ロークの体は55歳にしてはかなり張りがあり、若々しいとは言えないが相当に鍛えたことが想像できる。

子持ちのストリップ・ダンサーとして、体を張った演技を見せ、アカデミー助演賞候補になったマリサ・トメイの”大人”の演技も注目で、母親として、一女性に戻ったシーンの自然な美しさも印象的。

700万ドルの低予算作品ということで、スタッフの苦労が窺える地味な作品なのだが、主人公ランディを追うカメラワークなど、ドキュメント映像に見えたりもするショットが、生々しいスポーツ映画の醍醐味を描写するのに効果を上げている。

また、厳つく異様な存在にも見えるレスラー達の私生活や試合の裏舞台、その友情なども興味深く描かれている。

友人ブルース・スプリングスティーンの好意で、ミッキー・ロークに提供されたテーマ曲も心に沁みる。

一度は和解するが、結局は父を見捨てる娘役エヴァン・レイチェル・ウッド他、プロ・レスラーも多数出演している。


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