1900年に発表された、ライマン・フランク・ボームの児童文学”オズの魔法使い”を基にしたウィリアム・F・ブラウンのミュージカル”ザ・ウィズ”の映画化。 内気な教師が体験する不思議な旅を描く、監督シドニー・ルメット、主演ダイアナ・ロス、マイケル・ジャクソン、ニプシー・ラッセル、テッド・ロス、リチャード・プライヤー、レナ・ホーン他共演のファンタジー・ミュージカル。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:シドニー・ルメット
製作:ロブ・コーエン
製作総指揮:ケン・ハーパー
原作:ライマン・フランク・ボーム”オズの魔法使い”
原作:ウィリアム・F・ブラウン”ザ・ウィズ”(ミュージカル)
脚本:ジョエル・シュマッカー
撮影:オズワルド・モリス
編集:デデ・アレン
音楽
チャーリー・スモールズ
クインシー・ジョーンズ
出演
ドロシー・ゲイル:ダイアナ・ロス
カカシ:マイケル・ジャクソン
ブリキ男:ニプシー・ラッセル
臆病ライオン/フリートウッド・クープ・デビル:テッド・ロス
ハーマン・スミス/ウィズ:リチャード・プライヤー
グリンダ/南の良い魔女:レナ・ホーン
イヴリーン/西の悪い魔女:メイベル・キング
ミス・ワン/北の良い魔女:テルマ・カーペンター
シェルビー・ゲイル/エムおばさん:テレサ・メリット
ヘンリーおじさん:スタンリー・グリーン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1978年製作 133分
公開
北米:1978年10月24日
日本:1979年10月6日
製作費 $24,000,000
北米興行収入 $21,049,050
■ アカデミー賞 ■
第51回アカデミー賞
・ノミネート
衣裳デザイン・作曲・撮影賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1978年11月、ニューヨーク、ハーレム。
24歳の内気な小学校教師ドロシー・ゲイル(ダイアナ・ロス)は、おじのヘンリー(スタンリー・グリーン)とおばエム(テレサ・メリット)と共に暮らしていた。
アパートでは家族が集まり、感謝祭のパーティーが開かれる。
パーティーが終り、片づけをしていたエムは、125丁目より南に行ったことがないドロシーをからかう。
ドロシーのことを思うエムは、新しい仕事につき部屋を見つけて独立することを勧める。
ゴミ出しをしようとしたドロシーは、愛犬トトが外に出てしまい、吹雪の中、追いかける。
ドロシーはトトを捕まえるものの、雪の竜巻に閉じ込められてしまう。
南の良い魔女グリンダ(レナ・ホーン)は、ドロシーをオズの国に向かわせる。
降下する際にドロシーは、オズの電光掲示板を突き破る。
看板の破片が、マンチキンランドを支配する東の悪い魔女エヴァミーンの上に落ちて、彼女は死んでしまう。
エヴァミーンの呪文で遊び場の壁の落書きにされていたマンチキンたちは、ドロシーが魔女である彼女を殺してくれたために解放される。 マンチキンに感謝されたドロシーは、死んだエヴァミーンのことを知り、北の良い魔女ミス・ワン(テルマ・カーペンター)を紹介される。 ミス・ワンにも感謝されたドロシーは、エヴァミーンの銀の靴が自分の足に移動したために驚く。 靴などいらないと言うドロシーは、家に帰りたいとミス・ワンに伝える。 家に帰るまで靴を脱いではダメだと言われたドロシーは、数字遊びが仕事のミス・ワンから、ここはオズの魔法の国のマンチキンランドだと知らされる。 家に帰りたいだけのドロシーは、3人の魔女がいて、その1人が自分だと言うミス・ワンから、良い魔女のグリンダとエヴァミーンの姉で西の悪い魔女イヴリーン(メイベル・キング)の話を聞く。 ドロシーは、自分を帰せるのは、オズの魔法使いウィズだけだと言われ、黄色いレンガの道を通ってメラルド・シティに向かうよう指示される。 ミス・ワンとマンチキンたちは姿を消し、ドロシーはトトと共にエメラルド・シティに向かう。 翌朝ドロシーは、人間の姿のカラスたちにイジメられていた、ゴミでできたカカシ(マイケル・ジャクソン)を助ける。 カラスたちを追い払ったドロシーは、知恵がないことを気にするカカシに、ウィズから知恵をもらうことを提案する。 それはいい案だと考えたカカシは、黄色いレンガの道を見つけて、ドロシーとトトと共に目的地を目指す。 暫くしてドロシーとカカシは、廃墟となった遊園地でブリキ男(ニプシー・ラッセル)に出会い、心がほしいと言う彼もエメラルド・シティに誘う。 ブリキ男も加わりエメラルド・シティを目指すドロシーらは、”ニューヨーク公共図書館”前の石の彫刻ライオンに隠れていた、見かけだけ強そうな臆病ライオン(テッド・ロス)に出会う。 勇気がほしいと言うフリートウッド・クープ・デビルという名のライオンは、ドロシーらの提案でウィズを探す旅に加わる。 地下鉄のホームに向かったドロシーらは、邪悪な人形を操る異様な行商人(ホームレス)に襲われる。 カカシはゴミ箱に腕をもがれそうになり、ブリキ男はヒューズボックスに感電させられ、ドロシーは柱に押しつぶされそうになるが、ライオンが勇敢に立ち向かい敵を撃退する。 その場から逃れたドロシーらは、”ポピー “ガールズと呼ばれる娼婦たちに出会う。 魔法のケシの香水を吸わされたドロシー、ライオン、トトは眠ってしまい、カカシとブリキ男は彼女らを目覚めさせる。 ようやくエメラルド・シティにたどり着いたドロシーは、銀の靴を履いていたことで、門番に中に入れてもらう。 ドロシーらは、街の様子や洗練されたファッションのダンサーたちを見て驚く。 ウィズに会うことを許されたドロシーらは、エレベーターで塔の最上階に向かう。 火を噴く巨大な金属の頭部として現れたウィズは、ドロシーらに目的を訊く。 ドロシーは家に帰ることを望み、カカシは知恵、ブリキ男は心、ライオンは勇気がほしいとウィズに伝える。 ウィズは、西の悪い魔女イヴリーンを殺すことを条件に、願いを叶えることをドロシーらに伝える。 頭部に隠れていた男(リチャード・プライヤー)は、その場を去るドロシーらを見つめる。 エメラルド・シティ・ホテル。 カカシらもそれに賛成し、ドロシーは、地下で労働搾取工場を経営するイヴリーンの元に向かう。 ドロシーが来ることを知ったイヴリーンは、フライング・モンキーズ(ライダー・ギャング)を呼ぶ。 イヴリーンは、ドロシーを捕まえて銀の靴を奪うようフライング・モンキーズに命ずる。 追われたドロシーらは捕らえられ、イヴリーンの元に連れて行かれる。 銀の靴を奪えないイヴリーンは、カカシの胴体をバラバラにしてブリキ男の体をプレスし、ライオンを尻尾で吊るす。 トトを焼き殺されそうになったドロシーは、靴を渡そうとするものの、カカシの指示で火災報知機のスイッチを入れて、スプリンクラーを作動させる。 氷でできていたイヴリーンは水を浴びて溶けてしまい、それにより彼女の呪文は効力を失い、労働者のウィンキーたちは、ドロシーと共にカカシらを助ける。 解放されたウィンキーは衣装を脱ぎ、美しく姿を変えてドロシーを讃える。 フライング・モンキーズは、ドロシーと仲間たちをエメラルド・シティへと送り届ける。 ウィズの元に向かったドロシーらは、彼が普通の人間だったことを知りショックを受け、詐欺師呼ばわりする。 それを認めたウィズは、ニュージャージー州のアトランティック・シティの落ち目の政治家ハーマン・スミスであることをドロシーらに伝える。 野犬狩りに志願したハーマンは、飛ばしていた気球が嵐に遭い、オズの国に飛ばされたことを話す。 到着した際、皆が気球に驚いたために大魔王に扮したというハーマンの話を聞き、ドロシーは彼を責める。 知恵、心、勇気が手に入れられないカカシ、ブリキ男、ライオンは悲しむが、ドロシーは、最初からそれを持っていたことを彼らに気づかせて、信じるようにと伝える。 帰れないと思ったドロシーは、現れた南の良い魔女グリンダから、自分を知ればそこが家であり、信じて銀の靴のかかとを3度ならせば帰れることを知らされる。 ハーマンから助けてほしいと言われたドロシーは、自分や皆のように自らその方法を探すよう彼に伝える。 カカシ、ブリキ男、ライオンにに別れを告げたドロシーは、グリンダから家を思うようにと言われる。 ドロシーはかかとを3回鳴らし、トトを抱いて街に戻っていることに気づいた彼女は、アパートに向かう。
...全てを見る(結末あり)
どうしても家に帰りたいドロシーは、1人でもイヴリーンの元に向かおうとする。
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク、ハーレム。
内気な小学校教師のドロシー・ゲイルは、おじのヘンリーとおばエムと共に暮らしていた。
エムから、仕事を変えて独立することを勧められたドロシーは、愛犬のトトが外に出てしまったために追いかける。
吹雪の中でドロシーとトトは、南の良い魔女グリンダの魔法でオズの国に飛ばされる。
ドロシーは、着地の衝撃で東の悪い魔女エヴァミーンを殺してしまい、彼女の銀の靴が自分の足に移動する。
現れた北の良い魔女ミス・ワンから、家に帰りたければ、エメラルド・シティのウィズに頼むようにと言われたドロシーは、知恵がほしいカカシ、心がほしいブリキ男、勇気がほしいライオンと出会い、黄色いレンガの道を通りエメラルド・シティを目指すのだが・・・。
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ライマン・フランク・ボームの児童文学”オズの魔法使い”を基にした、アフリカ系アメリカ人だけの出演によるウィリアム・F・ブラウンのミュージカル”ザ・ウィズ”の映画化。
そのミュージカルで主人公のドロシーを演じたステファニー・ミルズを起用するべきだったところを、”モータウン”のスターであり女優としても成功していたダイアナ・ロスが強引に役を得た経緯がある。
10代のステファニー・ミルズに対してダイアナ・ロスは撮影当時33歳で、いかに大スターの彼女であっても、誰の目から見てもミスキャストであり、批評家から酷評され、興行的にも失敗した作品。
製作費に当時としては巨額の2400万ドルかけてあるだけであり、スケール感のあるセットや衣裳、ダンスなども見応えある。
第51回アカデミー賞では、衣裳デザイン、作曲、撮影賞にノミネートされた。
カカシを演ずる若きマイケル・ジャクソンや、南の良い魔女グリンダを演ずる往年のスター、レナ・ホーンのパフォーマンス、クインシー・ジョーンズの楽曲などはファンを楽しませてくれる。
心を欲しがるブリキ男のニプシー・ラッセル、勇気を欲しがる臆病ライオンのテッド・ロス、落ち目の政治家だったオズの魔法使いウィズを演ずるリチャード・プライヤー、西の悪い魔女メイベル・キング、北の良い魔女テルマ・カーペンター、エムおばさんのテレサ・メリット、ヘンリーおじさんのスタンリー・グリーンなどが共演している。
*テッド・ロスとメイベル・キングはブロードウェイのオリジナルキャスト。