困難な使命を受けた傭兵軍団の戦いを描く、監督アンドリュー・V・マクラグレン、主演リチャード・バートン、ロジャー・ムーア、リチャード・ハリス、ハーディ・クリューガー、スチュワート・グレンジャー豪華スター競演のアクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アンドリュー・V・マクラグレン
脚本:レジナルド・ローズ
製作:ユアン・ロイド
撮影:ジャック・ヒルデヤード
原作:ダニエル・カーニー”The Wild Geese”
編集:ジョン・グレン
音楽:ロイ・バッド
出演
アレン・フォークナー大佐:リチャード・バートン
ショーン・フィン:ロジャー・ムーア
レイファー・ヤンダース:リチャード・ハリス
ピーター・カーツィー:ハーディ・クリューガー
エドワード・マターソン:スチュワート・グレンジャー
サンディ・ヤング:ジャック・ワトソン
ジュリアス・リンバニ:ウィンストン・ヌショナ
ジョーガーガン神父:フランク・フィンレイ
トーマス・バルフォア:バリー・フォスター
アーサー・ウィッティ:ケネス・グリフィス
ジョック・マクタガート:ロナルド・フレイザー
ジェシー・ ブレイク:ジョン・カニ
サニー・マルティネリ:デイビッド・ラッド
イギリス 映画
配給 Rank
1978年製作 134分
公開
イギリス:1978年7月7日
北米:1978年11月11日
日本:1978年8月5日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $1,423,100
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロンドン。
イギリス人の傭兵で元陸軍士官アレン・フォークナー大佐(リチャード・バートン)は、銀行家のエドワード・マターソン(スチュワート・グレンジャー)の屋敷に向かう。
空港から直行し疲労のため苛立つフォークナーは、本題に入るマターソンを警戒しながら話を聞く。
アフリカ某国の大統領ジュリアス・リンバニ(ウィンストン・ヌショナ)が、軍の指導者ヌドフ将軍に地位を奪われたために、マターソンは、同国の銅山の国有化を恐れそれを阻止しようと考えていた。
マターソンは、リンバニを救出して国境を越える作戦をフォークナーに依頼する。
フォークナーは、計画が可能かを詳細に調べて返答することを伝えて、連絡係であるトーマス・バルフォア(バリー・フォスター)にホテルへと案内される。
資料を要求したフォークナーは、信頼できるショーン・フィン(ロジャー・ムーア)とレイファー・ヤンダース(リチャード・ハリス)が仲間に加わらなければ話は受けないことをバルフォアに伝える。 ヤンダースを訪ねたフォークナーは、10年振りの再会を喜び合う。 フォークナーは協力を要請するものの、平穏な生活を望むようになっていたヤンダースはそれを断る。 ヤンダースが、リンバニの件には関心があることを知っていたフォークナーは、年明けに訓練が始まることだけを伝える。 フォークナーは、戦略家のヤンダースに計画書を見せて、彼が興味を抱いていることを確認する。 組織とトラブルを起こして、殺されそうなフィンは諦めるようバルフォアに言われたフォークナーは、パイロットの彼がいなければ計画は成功しないことを伝える。 フォークナーとヤンダースは、隠れていたフィンを殺し屋から救い、マターソンは組織に手を引かせる。 50名の傭兵を使うヤンダースの計画は、政府の軍事顧問に承認されて、フォークナーは高額の報酬をバルフォアに要求する。 計画は早まったため、ヤンダースは楽しみにしていた息子との休暇旅行を諦めることになる。 フォークナーは、元部下の退役軍人サンディ・ヤング(ジャック・ワトソン)の元に向かい、彼は快く計画に加わる。 フィンは、元南アフリカ国防軍特殊部隊員ピーター・カーツィー(ハーディ・クリューガー)を誘い、フォークナーは多くの志願者と面接する。 ヤンダースは、寄宿学校の息子の元に向かうが、休暇を共に過ごせない理由などを理解してもらえない。 アーサー・ウィッティ(ケネス・グリフィス)、ジョック・マクタガート(ロナルド・フレイザー)、ジェシー・ ブレイク(ジョン・カニ)らを加えた傭兵部隊は、曹長ヤングの下で厳しい訓練を始める。 それに耐えながら、フォークナー、フィン、ヤンダース、カーツィーは、リンバニ救出の綿密な計画を立てる。 フォークナーは、単に国に戻り農場を買うための資金稼ぎとしか思わないカーツィーを、警戒して同志とは考えないことにする。 その後も厳しい訓練は続くが、予定が繰り上げられたためにフォークナーは準備を急ぐ。 老兵のヤングを気遣うフォークナーは、十分役目を果たした彼に、妻の元に戻るよう指示する。 しかし、報酬のためではなく仲間達が好きだというヤングは、フォークナーの言葉を聞き入れずに訓練に戻る。 ヤンダースは、自分が死んだ場合に息子のことを任せることを、後見人にしたフォークナーに伝える。 そして、傭兵部隊”ワイルド・ギース”は現地へと向かう。 目標地点にパラシュート降下した部隊は、リンバニが収容されている施設に到着する。 カーツィーがボウガンで監視兵を殺害し、部隊は鉄条網を破り敷地内に侵入する。 ヤンダースが、眠っている兵士を毒ガスで殺し、拘束されている、衰弱したリンバニをフォークナーとカーツィーらが救い出す。 連絡を受けたフィンは、空港を占拠してフォークナーらを待つ。 輸送機は到着するが、部隊を見捨てるようにという無線連絡が入り、それをフォークナーらは聞いてしまう。 裏切られたことを知ったフォークナーは、それを部下に伝えて脱出する方法を考える。 ヤンダースは、リンバニの祖国に向かい、民衆を蜂起させることを主張する。 その頃、ヌドフ将軍への資金援助の見返りに、銅山を手に入れていたマターソンは祝杯を挙げる。 橋で立ち往生した部隊は敵に襲われ、多くの死傷者を出し、フォークナーは、ヤンダースに二手に分かれることを指示し、リンバニを連れてその場を離れようとする。 フォークナーは、重傷を負った部下を敵に渡すわけにはいかず、仕方なく射殺する。 衰弱しているリンバニを背負ったカーツィーは、差別主義者のため黒人の彼を嫌う。 しかし、故郷に住みたいのなら、人種や南北を問わず将来を考えるべきだと言われる。 カリマに着いたフィンとヤンダースらは、周辺の様子を調べる。 尚もリンバニに反発するカーツィーだったが、愛を知ることの大切さを説かれ納得する。 村を調べたヤンダースは、その場にいた知人ジョーガーガン神父(フランク・フィンレイ)に再会して協力を要請する。 川で敵に襲われたフォークナーらは、ウィッティが犠牲になりながらその場を逃れるが、カーツィーがリンバニを守りながら命を落とす。 ヤングと合流したフォークナーはカリマに向かうものの、現状では勝ち目のないことをヤンダースから知らされる。 死んだと言われていたリンバニが生きていたことを知り驚くジョーガーガン神父は、彼と村の長老の話し合いをさせる。 神父は、国民を蜂起させて内戦を起こそうとするフォークナーを非難する。 戦う意志はある村人だったが、それを強要することはできないリンバニは、脱出して今は時を待つことをフォークナーに伝える。 フィンは、神父に飛行場に案内されてフォークナーらを待つ。 ヤングらが敵を迎え撃ち、フォークナーらはリンバニを飛行場に運ぶ。 フィンは機体のエンジンを始動させ、リンバニを乗せたことを確認する。 フォークナーらも飛行機に向かうが、ヤングは命を落とし、ヤンダースは乗ることができない。 ヤンダースは自分を撃つようフォークナーに指示して、息子のことを彼に任せる。 フォークナーは仕方なくヤンダースを銃撃して、機体は離陸する。 フィンは足に銃弾を受けながら操縦を続け、フォークナーから行き先がローデシアだと言われ、燃料が持たないことを知らせる。 それでも向かうしかないことを伝えたフォークナーは、自分がヤンダースを撃ったことを話す。 銃弾を受けていたリンバニの具合が悪化し、フォークナーは、機体を軽くするために、ジョックら死亡者を含めた不要な物を捨てるよう指示する。 その後、着陸を拒否されたフォークナーは、リンバニが乗っているという証拠を管制塔に伝える。 リンバニは亡くなるが、フィンは、着陸の許可が下りた飛行場に、燃料切れ寸前で機体を着陸させる。 ロンドン。 容赦なくマターソンを殺したフォークナーは、車で待つフィンの元に戻りその場を離れる。 その後、ヤンダースの息子に会ったフォークナーは、父親の話をしようと伝える。
...全てを見る(結末あり)
マターソンの屋敷に忍び込んだフォークナーは、彼に銃を向けて現金50万ドルを奪う。
*(簡略ストー リー)
ロンドン。
イギリス人の傭兵で元陸軍士官であるアレン・フォークナー大佐は、銀行家マターソンの屋敷に向かう。
アフリカ某国の大統領リンバニが軍部に政権を奪われたため、マターソンは同国の銅山の国有化を恐れ、拘束されている大統領の救出作戦をフォークナーに要請する。
フォークナーは、信頼できる二人、パイロットのフィンと戦略家のヤンダースの協力を条件にそれを受ける。
50名の傭兵軍団”ワイルド・ギース”を組織したフォークナーは作戦に備える。
厳しい訓練が始まり、予定が早まったため部隊は現地に向かい、予定通りリンバニを救出する。
しかしマターソンは、利益を優先しフォークナーらを見捨てようとする・・・。
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1977年に発表された、ダニエル・カーニーの小説”The Wild Geese”を基に製作された作品。
1985年に、スコット・グレン、エドワード・フォックス他共演で「ワイルド・ギース2」が公開された。
1970年代後半の当時のイギリスを代表するスターが、男臭い演技で活躍する派手な戦争アクションということで話題になった作品。
アンドリュー・V・マクラグレンらしい迫力のある演出ではあるが、「十二人の怒れる男」(1957)の脚本家レジナルド・ローズの脚本も含めて、ややメリハリに欠けるところが気になる。
戦争のプロ集団が準備を整え訓練に耐え激しい戦いを繰り広げるまでは楽しめるるのだが、クライマックスにかけて、犠牲者が出るまでの過程を、無理矢理にお膳立てするような展開もよろしくない。
リチャード・バートンが主演なので、思わず、戦争サスペンスの秀作「荒鷲の要塞」(1968)のような内容を期待したが・・・。
50代前半にしてはやつれが気になるが、傭兵軍団を指揮する百戦錬磨の軍人を貫録で演ずるリチャード・バートン、彼を支えるパイロットのロジャー・ムーア、知能派の戦略家リチャード・ハリス、人種偏見を持つハーディ・クリューガー、強かな銀行家スチュワート・グレンジャー、老兵を人間味豊かに演ずる曹長役ジャック・ワトソン、アフリカ某国大統領ウィンストン・ヌショナ、神父フランク・フィンレイ、主人公の連絡係役バリー・フォスター、部隊員ケネス・グリフィス、ロナルド・フレイザー、ジョン・カニ、麻薬の売人デイビッド・ラッドなどが共演している。