B級映画の帝王ロジャー・コーマンが、1960年代半ばの混沌とする社会を背景に無法者バイカー集団の反体制的行動を描く、主演ピーター・フォンダ、ナンシー・シナトラ、ブルース・ダーン、マイケル・J・ポラード、ダイアン・ラッド他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロジャー・コーマン
製作:ロジャー・コーマン
脚本
チャールズ・B・グリフィス
ピーター・ボグダノヴィッチ(クレジットなし)
撮影:リチャード・ムーア
編集:モンテ・ヘルマン
音楽:マイケル・カーブ
出演
ヘヴンリー・ブルース:ピーター・フォンダ
マイク“モンキー”:ナンシー・シナトラ
ジョー“ルーザー”カーンズ:ブルース・ダーン
ピグミー:マイケル・J・ポラード
ゲイシュ:ダイアン・ラッド
マンマ・モナハン:ジョーン・ショウリー
牧師:フランク・マクスウェル
アメリカ 映画
配給 アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ
1966年製作 86分
公開
北米:1966年7月20日
日本:1970年6月12日
製作費 $360,000
北米興行収入 $14,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
カリフォルニア。
無法バイカー集団”エンジェルス”のリーダー、ヘヴンリー・ブルース(ピーター・フォンダ)は、仲間のジョー“ルーザー”カーンズ(ブルース・ダーン)の職場に向かう。
ブルースは、ルーザーの盗まれたバイクがメッカで見つかったことを知らせる。
職場をクビになったルーザーと共に、彼の恋人ゲイシュ(ダイアン・ラッド)の元に戻ったブルースは、恋人マイク“モンキー”(ナンシー・シナトラ)や仲間達を集めてメッカに向かう。
途中マイクらと別れ、現地に着いたブルースらは、メキシコ人のグループがバイクを盗んだ証拠を見つけ、彼らと乱闘になる。 そこに警官が現れ、ブルースらはその場を離れるが、警官のバイクを奪って逃走したルーザーが撃たれて逮捕されてしまう。 仲間達の元に戻ったブルースは、ゲイシュにルーザーのことを知らせる。 その後、騒ぎ始めた集団を、監視していた警官がその場から追い払う。 病院に搬送されたルーザーは、手術を受ける。 救急病棟にいることが分かったルーザーを、救い出すことを考えたブルースは、マイクを妹だと偽って、面会に行かせる。 監視する警官の許可を得て、何んとかルーザーの病室に入ることができたマイクは、彼の病状を気にして動揺したように見せかけ、窓の鍵を開ける。 マイクが病室から出た後、ブルースが、ピグミー(マイケル・J・ポラード)らと部屋に入りブルースを運び出す。 看護師がそれに気づき襲われるが、ブルースがそれを制止してその場を逃れる。 警官も騒ぎを知り病室に向かい、マイクはその隙に逃走する車に向かう。 ブルースは、ルーザーを仲間達の元に連れて行くが、彼は意識を取り戻すものの、容態が悪化して、ゲイシュの前で死亡する。 ルーザーの遺体は葬儀社に運ばれ、同じ頃、看護師は、警察の聴取で犯罪者の写真を見せられ、ブルースが病室にいたことを証言する。 親友であったルーザーの死にショックを受けながら、ブルースは警察の動きを警戒する。 マンマ・モナハン(ジョーン・ショウリー)が牧師(フランク・マクスウェル)を手配し、ルーザーの棺はナチの党旗に覆わて教会に運び込まれる。 ブルースとマイクも到着し、牧師はルーザーの葬儀を始める。 しかし、牧師の話にブルースが意見して彼を叩きのめし、教会は狂乱の場と化してしまう。 ピグミーらは、棺からルーザーの遺体を出して、牧師を入れてしまう。 ブルースは、嫌っていたドラッグを吸い、マンマ・モナハンとその場で愛し合う。 ゲイシュもドラッグを吸わされて暴行を受け、ルーザーの遺体に寄り添い泣き崩れる。 ブルースはルーザーを棺に戻し、見物人が見守る中、街道を行進して墓地に向かう。 ルーザーを埋葬しようとしたブルースらだったが、少年に石を投げつけられ、その場で乱闘が始まってしまう。 やがて、牧師の通報で警察が来ることが分かり、仲間達は逃げるものの、ブルースは、マイクの説得も聞かずにその場に残る。 そして、ブルースは、一人でルーザーの埋葬をする。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
カリフォルニア。
バイカーの暴走集団”エンジェルス”のリーダー、ヘヴンリー・ブルースは、盗まれたバイクが見つかったことを、仲間のルーザーに知らせる。
恋人マイクらと共に、ルーザーのバイクを取り戻しにメッカに向かったブルースらは、メキシコ人グループと乱闘を始める。
警官に気づかれ、その場を離れたブルースらだったが、ルーザーが警官のバイクで逃走し、銃弾を受けて逮捕されてしまう。
重傷を負ったルーザーを、病院から連れ出そうとしたブルースらは、何とかそれに成功する。
しかし、連れ戻したルーザーは、様態が悪化して死亡し、ブルースらは、彼の葬儀をすることを考える。
警察の捜査が始まる中、教会と牧師を手配して、葬儀を始めたブルースらだったが・・・。
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既に20年近い歴史のあったバイカー・ギャングの”ヘルズ・エンジェルズ”をモデルにした、無法者バイカー集団の暴挙は、荒廃したアメリカ社会の象徴とも言える。
暴力や犯罪はエスカレートし、神への冒涜や死者を粗末に扱う描写など、この時代としてはかなり過激ではなかっただろうか。
刺激的な内容の本作は、36万ドルの低予算作品にも拘らず北米のみで約1400万ドルのヒットとなった。
*「イージー・ライダー」(1969)は、それを遥かに上回る。
製作費 $340,000
北米 $41,728,600
世界 $60,000,000
”ヴェネツィア国際映画祭”で、ロジャー・コーマンが金獅子賞にノミネートされた。
また、ピーター・ボグダノヴィッチがクレジットなしで脚本に参加している。
今観ると、どうしても3年後の「イージー・ライダー」(1969)のイメージを拭い去れないバイカー集団のリーダー、ピーター・フォンダ、その恋人、フランク・シナトラの娘ナンシー・シナトラ、仲間のブルース・ダーン、その恋人で当時の彼の妻ダイアン・ラッド、仲間のマイケル・J・ポラード、ビリー・ワイルダー作品などでもお馴染みのジョーン・ショウリー、牧師のフランク・マクスウェルなどが共演している。