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大西部への道 The Way West (1967)

ミズーリから未開の地オレゴンに向かう幌馬車隊の苦難の旅を描く、監督アンドリュー・V・マクラグレン、主演カーク・ダグラスロバート・ミッチャムリチャード・ウィドマークサリー・フィールド他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト ■
監督:アンドリュー・V・マクラグレン

製作:ハロルド・ヘクト
原作:A・B・ガスリーJr.The Way West
脚本
ベン・マドー

ミッチ・リンデマン
撮影:ウィリアム・H・クローシア
編集:オットー・ラヴリング
音楽:ブロニスラウ・ケイパー

出演
ウィリアム・J・タドロック上院議員:カーク・ダグラス

ディック・サマーズ:ロバート・ミッチャム
ライジ・エヴァンス:リチャード・ウィドマーク
レベッカ・エヴァンス:ローラ・オルブライト
マーシー・マクビー:サリー・フィールド
マクビー:ハリー・ケリーJr.
ウェザビー:ジャック・イーラム
ブラウニー・エヴァンス:マイケル・マクグリーヴィ
ジョニー・マック:マイケル・ウィトニー
アマンダ・マック:キャサリン・ジャスティス
グラント大尉:パトリック・ノウルズ

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1967年製作 122分
公開
北米:1967年5月24日
日本:1967年8月12日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1843年、ミズーリインディペンデンス
上院議員ウィリアム・J・タドロック(カーク・ダグラス)は、未開の地オレゴンに向かうガイドとしてディック・サマーズ(ロバート・ミッチャム)を雇おうとする。

妻の死のショックから立ち直れないサマーズはそれを断り、自分も同じ立場のタドロックは、いつまでもそのことを引きずる彼を非難して立ち去る。

農場主のライジ・エヴァンス(リチャード・ウィドマーク)は、妻のレベッカ(ローラ・オルブライト)を説得して、息子のブラウニー(マイケル・マクグリーヴィ)と共に旅立つ。

4月。
タドロックをリーダーとした幌馬車隊は西を目指して出発し、その中にはサマーズもいた。
...全てを見る(結末あり)

ブラウニーは、マクビー(ハリー・ケリーJr.)の娘マーシー(サリー・フィールド)が気になる存在だったが、彼女にからかわれる。

暫くして、別の幌馬車隊らしきものが近づくのを知ったタドロックは、先を越されないように対抗心を燃やす。

タドロックは現れた男達と争いになり、サマーズとエヴァンスも加わり、彼らは川を先に渡る権利を得る。

川を渡ろうとしたエヴァンスは、牧師のウェザビー(ジャック・イーラム)がついてきたことに気づき、彼を仲間に加えるようタドロックに頼む。

タドロックはそれを認めなかったが、サマーズが面倒を見ると言ってウェザビーは仲間になる。

幌馬車隊は川を渡り始めるが、ある馬車が横転して一人が溺れ死ぬ。

タドロックは、死んだ男を埋葬して先を急ごうとするのだが、エヴァンスらは祈りを捧げようとする。

エヴァンスは、川を渡るには流れが速すぎたことを指摘するのだが、タドロックは、男が金貨を所持していたために、その重さで沈んでしまったことを伝えそれを川に投げ捨ててしまう。

6月。
キャンプを張ったタドロックは、エヴァンスの妻レベッカを呼び、自分の妻が自殺したことなどを話す。

町を作る計画なども語ったタドロックは、レベッカに好意を抱いていることを伝える。

幌馬車隊は出発するが、ブラウニーが先住民のスー族に捕えられてしまう。

サマーズがそれに気づき先住民の子供を捕え、ブラウニーと交換して彼を助ける。

亡くなった妻が先住民だったサマーズは、彼らのことを理解しているため、仲間達の元に連れていき、タドロックは先住民を一応歓迎して酒を与える。

新婚のジョニー・マック(マイケル・ウィトニー)は、妻アマンダ(キャサリン・ジャスティス)が今後に不安を感じて心を閉ざしているため、マーシーと親密になり愛し合ってしまう。

マーシーが家族の元に戻った後、ジョニーは物陰にいたスー族の少年を射殺してしまう。

サマーズとタドロックはそれに気づき、子供をそのままにして時間を稼ごうとする。

出発したタドロックらは、バッファローの群の中を進み、その間にサマーズとエヴァンスがスー族を誘い込み幌馬車隊を前進させる。

その後、マーシーはジョニーから、この前のことだけで終わりにすると言われる。

直後にスー族が追いつき、現れた族長が息子を殺されたことを伝え、復讐はしないものの犯人の処刑を要求する。

タドロックは、犯人に自白をさせて絞首刑にすることを族長に伝え、それができない場合は、スー族が現れる原因を作ったブラウニーを処刑する決断をする。

子供を撃ったのは猟銃を持ったもので、それを所持する数人の中には、犯人と自白するものはいなかった。

タドロックはブラウニーを処刑することを伝え、それに納得しないエヴァンスに銃を向ける。

その時、ジョニーが猟銃を投げ捨てて犯人だと自白し、彼は皆の前で処刑される。

族長は納得し、部族の者達に向かって合図を送り、彼らはその場を去る。

その後、マーシーが馬車から飛び降りてしまい、ブラウニーが彼女を助けて愛を伝える。

ブラウニーは結婚を望み、マーシーは愛がないまま、一応それを受け入れるものの、彼女はジョニーの子供を身篭っていることを話す。

悩むブラウニーは、サマーズに励まされて気が楽になる。

砂漠地帯に到達し、幌馬車隊は覚悟を決めて広大な土地に挑む。

長い道のりの末に、幌馬車隊はようやく水場に到着しするが、馬車が暴走してタドロックの息子が死亡する。

息子を埋葬したタドロックは悲しみを堪え、奴隷に自分を鞭打つよう命ずる。

砂漠を渡りきり、ホール砦に着いたタドロックらはグラント大尉(パトリック・ノウルズ)らに歓迎される。

翌日には出発する予定だったが、ブラウニーとマーシーの結婚式が行われる。

ところが、マーシーが妊娠していることをアマンダが話してしまう。

マーシーはそれを認め、ブラウニーは自分の子供だと言って、ウェザビーの誓いの言葉で二人は夫婦となる。

その後、天然痘患者がいることをグラント大尉に伝えたタドロックらは、砦を追い出されそうになる。

砦の先住民は天然痘で被害を受けたことがあり、危害を加えられそうになったタドロックらはその場を去る。

山岳地帯に入り、サマーズは病気の婦人が回復したことを知り、天然痘はタドロックの策略だったことに気づく。

必要な物以外は捨てるようタドロックに指示されたエヴァンスは、妻レベッカの時計を捨てる気になれずに担いで前進する。

それを知ったタドロックは、憤慨して時計を奪い投げ捨ててしまい、エヴァンスと殴り合いになる。

サマーズがそれを制止し、タドロックの今迄の行動を批判する者達は怒りを爆発させて彼を処刑しようとするが、エヴァンスは十分だと言ってタドロックを解放する。

タドロックは、逞しい精神を植え付けるためにとった行動だと考えるが、奴隷は、鞭では何も得られないと答える。

エヴァンスらは峡谷に辿り着き、雪が降る季節を前にして迂回もできないため、彼らは馬車をロープで下ろそうとする。

しかし、最初の試みでそれに失敗し、エヴァンスはこれ以上危険を犯す気になれなかった。

そこにタドロックが現れ、下ろしてほしいと頼むものの、誰も首を縦に振らない。

男達は、金脈が発見されたカリフォルニアか砦に向かうことを考えるが、レベッカは、タドロックが考えた自分達の町の計画書を見せる。

計画書を渡されたタドロックは、一人では持っていても意味がないと答える。

タドロックは、カリフォルニアか砦に向かうものがいれば幌馬車隊は解散だと言って、皆で力を合わせればこそ、目的地に向かう意味があると語る。

エヴァンスは、目的地まで50キロだということをサマーズに確かめ、共に行動することをタドロックに伝え計画書を渡す。

皆もそれに同意して渓谷を下り、最後に残ったタドロックだったが、姿を消していたアマンダがロープを切り彼は落下死する。

タドロックを埋葬したエヴァンスらは、良き友に祈りを捧げて出発する。

頼もしく成長したブラウニーを見て、マーシーは、彼への愛を感じるようになったことを伝える。

エヴァンスは、目の悪いサマーズに一緒に暮らすことを提案するが、彼はそれを断る。

サマーズは、幸運の首飾りを眠っているマーシーに渡して、筏で川を下る幌馬車隊に別れを告げる。

エヴァンスはサマーズの気持ちを察し、幌馬車隊を目的地に導こうとする。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1843
年、ミズーリインディペンデンス
上院議員ウィリアム・J・タドロックは、幌馬車隊を率いて、未開の地オレゴンに向かう。
一旦は同行を断ったガイドのサマーズや農場主のエヴァンス一家らも加わり、幌馬車隊は西へと進む。
妻を自殺で亡くしたタドロックは、旅の仲間達に厳しく接し、不満を抱かれながらも彼らを目的地に導こうとする。
途中、先住民のスー族とのトラブルの末に追われた幌馬車隊は、何とかそれを切り抜けて砂漠を渡り砦に到着するのだが・・・。
__________

1949年に発表された、A・B・ガスリーJr.の小説”The Way West”を基に製作された作品。

西部開拓時代、夢と希望を抱きながら開拓民達が通った”オレゴン・トレイル”の幌馬車隊の旅を描いたドラマで、ジョン・フォードの秘蔵っ子アンドリュー・V・マクラグレンによるスケール感のある西部劇には仕上がっている。

主要男優陣の豪華競演は注目なのだが、期待して観ると、その個性が今一活かされていないようで、ファンとしてはどうも物足りない感じがする。

ジョン・ウェイン作品なども手掛けるアンドリュー・V・マクラグレンなのだが、見せ場はあるものの、本作の演出はやや平凡だ。

しかし、困難な旅を成功させようとする主人公が、厳しさだけでは人の心は動かせないと悟る、終盤に向けての、人間性の追及に視点を置く展開は、開拓者魂や伝統的なアメリカ人気質を感じさせる内容で、ラストも爽やかに幕を閉じる。

幌馬車隊を率い厳しい態度で苦難に耐えるカーク・ダグラス、ガイドとして的確に役目を果たす頼もしい男を好演するロバート・ミッチャム、新天地での生活に希望を抱く農場主リチャード・ウィドマーク、その妻役ローラ・オルブライト、息子役のマイケル・マクグリーヴィ、彼と結婚する若き日のサリー・フィールド、その父ハリー・ケリーJr.、牧師ジャック・イーラム、新婚夫婦役のマイケル・ウィトニーキャサリン・ジャスティス、砦の大尉役パトリック・ノウルズなどが共演している。


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