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星の旅人たち The Way (2011)

聖地巡礼で命を落とした息子の遺灰を手にした父親のその意味を知るための旅と出会った人々との交流を描く、製作、監督、原案、脚本、出演エミリオ・エステヴェス、主演は彼の実父マーティン・シーンデボラ・カーラ・アンガージェームズ・ネスビットヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:エミリオ・エステヴェス

製作総指揮
フリオ・フェルナンデス

アルベルト・マリーニ
スチュワート・ティル
ラモン・ジェラルド・アントニオ・エステヴェス(マーティン・シーン)
トレヴァー・ドリンクウォーター
ジョン・スロス
製作
エミリオ・エステヴェス

フリオ・フェルナンデス
デヴィッド・アレクザニアン
原案
エミリオ・エステヴェス

ジャック・ヒット
脚本:エミリオ・エステヴェス
撮影:フアンミ・ミゲル・アスピロス
編集
ラウル・ダヴァロス

リチャード・チュウ
音楽:タイラー・ベイツ

出演
トーマス”トム”エイヴリー:マーティン・シーン

サラ・マリー・シンクレア:デボラ・カーラ・アンガー
ジャック・スタントン:ジェームズ・ネスビット
ヨスト:ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン
ダニエル・エイヴリー:エミリオ・エステヴェス

アメリカ/スペイン 映画
配給
Icon Entertainment International

Producers Distribution Agency
2011年製作 121分
公開
スペイン:2010年11月19日
北米:2011年10月7日
日本:2012年6月2日
北米興行収入 $4,430,770


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
2010年、カリフォルニア州、ヴェンチュラ
眼科医トム・エイヴリー(マーティン・シーン)は、ある日、一人息子のダニエル(エミリオ・エステヴェス)の訃報を知る。

ダニエルは、“世界を見たい”と行って、行先も知らせず旅立ったピレネー山脈で、事故に遭い命を落としたのだった。

フランスサン=ジャン=ピエ=ド=ポル
旅立つ前のダニエルとの会話を思い出しながら、トムは現地に向かう。

地元の警官の出迎えを受けたトムは遺体安置所に案内され、ダニエルの死を確認する。
...全てを見る(結末あり)

ダニエルが、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅に出たことを知らされたトムは、巡礼手帳を渡される。

その後、カフェで休んでいたトムは、巨体のオランダ人男性ヨスト(ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン)に合席を求められ、体重を減らすために巡礼にチャレンジするという彼と、簡単な会話を交わす。

ホテルに戻ったトムは、世界を旅したダニエルの遺品を確認し、妻の死以後、疎遠ではあったが、息子を想い涙する。

ダニエルとの日々を取り戻すために、トムは彼の遺体を火葬にして、遺灰と共に巡礼に出ることを決意する。

60歳を過ぎているトムには、無謀な800キロの旅だったが、ダニエルの装備を持参し、自分も息子を失ったという、世話になった警官からお守りを受取り、励まされながら出発する。

歩き始めたトムは、ダニエルも通ったと思われる場所に遺灰を一握り撒き、その夜ある村に到着する。

宿を見つけ、ヨストに再会したトムは、翌朝、彼と行動を共にして歩き始める。

ヨストは、トムが息子の遺灰を持参して、それを撒いていることを知り驚いてしまう。

次の宿泊所に泊まることにしたトムだったが、ヨストは、それを遠慮して彼と別れる。

宿の主人や巡礼者に歓迎されたトムは、その夜、世間のあらゆることに怒りをぶつける、禁煙をしようとしていると言うヘビー・スモーカーで、カナダ人女性のサラ・マリー・シンクレア(デボラ・カーラ・アンガー)の話に付き合いきれずに席を立つ。

翌朝、サラは昨夜のことをトムに謝罪して、自分自身は、あることから逃れるための巡礼だと言って歩き始める。

トムも出発するが、橋の上で荷物を落としてしまい、彼は川に入りそれを何んとか引き上げる。

服を乾かして、その日は野宿をしたトムは、翌日、次の町でヨストに呼び掛けられ、その後サラに追いつき、彼女も同行することになる。

その後、三人はアイルランド人の作家ジャック・スタントン(ジェームズ・ネスビット)に出会い、彼がスランプに陥っているために巡礼に出たことを知る。

トムは、巡礼の理由を聞くジャックの質問に答える気もなく、黙々と歩き始める。

ジャックは、巡礼に出た直後ピレネーで亡くなった、息子の遺灰を持参しながら歩くトムについてをヨストから聞き、それに興味を持ち小説のネタにしようと考える。

サラが話しかけても、多くを語ろうとしないトムは次の町に向かい、独り先を急ぐ。

ヨストとジャックがサラに追いつくが、トムが、なぜ不機嫌なのか理解できない彼女は、二人が何かを隠していることを追求する。

ある村の宿に着いた4人だったが、そこの主人が精神異常者だと分かりその場を離れる。

日が暮れたため、野宿をすることになった4人は、巡礼についてを語り合うが、トムはそれに加わらずに眠ってしまう。

翌朝、トムの巡礼の理由を聞くサラは、彼が遺灰を持参していることを知り衝撃を受ける。

息子のことを知ったサラは、トムを気遣い、彼女は破綻した結婚の末に娘とも引き離された辛さを語る。

それを聞いたトムはサラを気の毒に思い、二人はようやく心触れ合うようになる。

次の町で、ワインを飲んで酔ったトムは、真の巡礼者について大袈裟に語るジャックの話に嫌気が差し、悪態をついて騒ぎ警察に連行されてしまう。

酔いが醒めたトムは、保釈金を払ってくれたジャックに謝罪し、それを許す代わりに、ダニエルの話をすることになる。

ブルゴス
エル・シド”も眠る、ブルゴス大聖堂を見て圧倒された4人は、巡礼仲間達に再会して、バーで大いに盛り上がる。

その時、ジプシーの少年がトムの荷物を盗み、彼らはそれを追うものの見失ってしまう。

動揺するトムは、箱だけでも返してくれとその場で叫ぶが、無駄だと分かり仲間達とバーに向かう。

失意のトムだったが、事情知った少年の父親が、息子を連れて荷物を返しに現れる。

一族の恥だと言って謝罪する父親は、トムらを、その夜の宴に招待する。

それを受け入れたトムは、仲間達と宴を楽しみ、父親に、遺灰はムシーアの海に撒くよう助言される。

翌朝、息子に荷物を町境まで運ばせた父親は、トムらの旅の無事を祈り別れを告げる。

その後は親交を深めながら巡礼を続けた4人は、レオンでトムが宿泊代を払い、かつては修道院だったホテル”サン・マルコス”に泊まることにする。

4人は各部屋を取るのだが、その夜、結局はトムの部屋に集まり、楽しい時を過ごす。

その後も4人は巡礼を続け、トムはムシーアに向かうことを告げるが、三人は、サンティアゴ・デ・コンポステーラで旅を終えることを伝える。

そして、4人はついにサンティアゴ・デ・コンポステーラに到着し、”大聖堂”に足を踏み入れる。

サラはタバコ・ケースを入り口に置き、トムは聖ヤコブの遺骸の石棺を前にして、ダニエルの遺灰と共に祈りを捧げる。

その後、4人は巡礼手帳に最後のスタンプを押してもらい、巡礼修了書を受取る。

トムは、その名前を間違えたと言って、ダニエルに書き直してもらう。

目的を達成したサラ、ジャック、ヨストだったが、3人は、無言のままトムの旅に同行することを決めて、一行はムシーアに向かう。

4人は海岸に到着し、ジャックは、作家はいつも諦めの言葉を探しているが何も言えないと語り、サラは、巡礼と禁煙は無関係だと言ってタバコを吸い、全く痩せなかったヨストは、服も心も一新すると言ってその場を去る。

トムは、現れたダニエルに、捜しに来たが持ち帰るものはないと伝え、遺灰を海岸線の岩場に撒く。

そして、三人と別れたトムは、再び旅を続ける。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
アメリカ人眼科医トーマス”トム”エイヴリーの元に、ひとり息子ダニエルの訃報が届く。
フランスサン=ジャンを訪れたトムは、ダニエルの遺体と対面して、彼が巡礼に出た直後に命を落としたことを知らされる。
疎遠だった息子が、何を思い巡礼にでたのか、トムはその意味を知るために、遺体を火葬にして遺灰を手に、自らも巡礼路を歩く決心をする。
60歳を過ぎ800キロの道のりを踏破することの困難を知りつつ、トムは巡礼を始める。
途中トムは、減量のために巡礼をするという巨体のオランダ人ヨストと行動を共にする。
その後ヨストは、所々で遺灰を撒くトムの姿に驚いてしまう。
旅は続き、禁煙が目的だと言いながら、あることからの逃避のため巡礼に出たカナダ人サラや、スランプに陥ったアイルランド人作家ジャックが、トムらに同行することになるのだが・・・。
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俳優、そして映画作家として活躍を続けるエミリオ・エステヴェスの、製作、監督、原案、脚本、出演を兼ねた意欲作で、エンド・クレジット前に表記される、スペイン人であった彼の祖父フランシスコ・エステヴェス・マルティネスに捧げられた作品。

そして、エステヴェスの父親マーティン・シーンを主演に、自身も、巡礼に付き添う幻覚として出演している。

エルサレムバチカンと並ぶキリスト教三大巡礼地(聖地)の一つ、世界遺産でもあるサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの”巡礼路”の旅を描く、異色のロード・ムービーとして、心癒される感動の一編に仕上がっている。

ヨーロッパ映画などを見慣れていないと、何の変哲もないスペイン北部の田園地帯や山道、寒村などの描写が、実に新鮮に見える。

また、主人公の亡くなった息子が、世界を旅していたことを強調したいためか、リュックサックの横に張り付けてあった”旭日旗”が、周囲の風景とはミスマッチなのだが非常に印象的であった。

息子の考えを探る旅が、結局は自分自身の人生観を変えることになるという主人公を、ベテランらしく深みのある演技で好演するマーティン・シーン、黙々と目的に向かい歩き続ける彼とは対照的な、個性豊かな旅の同行者、結婚の失敗や、娘から引き離された辛さから逃避するために歩くデボラ・カーラ・アンガー、主人公の巡礼の目的を小説化しようとするスランプに陥った作家ジェームズ・ネスビット、減量のために巡礼に出る、大らかさと繊細さ両面を持つ巨体のヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲンなどが共演している。


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