1990年に発表された、ディック・キング=スミスの同名小説の映画化。 出征した父をひたすら待ち続ける少年と正体不明の動物との交流を描く、監督ジェイ・ラッセル、主演エミリー・ワトソン、アレックス・エテル、ベン・チャップリン、ブライアン・コックス他共演による心温まる感動のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェイ・ラッセル
製作総指揮
チャールズ・ニューワース
ジェイ・ラッセル
製作
ロバート・バーンスタイン
ダグラス・レイ
バリー・M・オズボーン
チャーリー・ライオンズ
原作:ディック・キング=スミス
脚本:ロバート・ネルソン・ジェイコブス
撮影: オリヴァー・ステイプルトン
編集:マーク・ワーナー
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演
アン・マクマロウ:エミリー・ワトソン
アンガス・マクマロウ:アレックス・エテル
ルイス・モーブリー:ベン・チャップリン
トーマス・ハミルトン大尉:デヴィッド・モリッシー
チャーリー・マクマロウ:クレイグ・ホール
カースティ・マクマロウ:プリアンカ・キー
ストランク軍曹:マーシャル・ネイピア
アンガス老人:ブライアン・コックス
アメリカ/イギリス 映画
配給
ユニバーサル・ピクチャーズ(北米)
コロンビア・ピクチャーズ
Revolution Studios
Walden Media
ビーコン・コミュニケーションズ
2007年製作 111分
公開
北米:2007年12月25日
日本:2008年2月1日
製作費 $45,000,000
北米興行収入 $40,412,820
世界 $103,071,440
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
スコットランド、ネス湖。
謎の恐竜を全く信じない若者達に、アンガス・マクマロウ(ブライアン・コックス)は語り始める。
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第二次大戦下、ネス湖。
ナチス・ドイツはヨーロッパを制圧しこの地にも迫っていた。
湖畔の村に住む、少年アンガス・マクマロウ(アレックス・エテル)少年は、母アン(エミリー・ワトソン)と姉カースティ(プリアンカ・キー)と三人で暮らしていた。
戦地に赴いた、父チャーリー(クレイグ・ホール)の除隊の日を心待ちにしていたアンガスは、ある日、湖で楕円形の石のようなものを見つけて持ち帰る。
それの殻をはがしたアンガスは、内部に青白い物体があるのを確認するが、母に呼ばれてその場を離れる。 夜になり、父の仕事部屋の物音に気づいたアンガスは、そこで小動物を見つけて食べ物を与える。 翌日、イギリス陸軍のトーマス・ハミルトン大尉(デヴィッド・モリッシー)率いる砲兵隊が現れ、屋敷を将校の宿舎にするとアンに告げる。 しかし、住み込みの使用人であるアンは、家主不在のために戸惑ってしまうが、家主の許可を手紙で知った彼女は軍隊を歓迎する。 その後、食欲旺盛な小動物の食べ物を確保するために、アンガスは苦労してしまう。 アンガスは、突然現れた小動物に”ロビンソン・クルーソー”からとった”クルーソー”という名前をつける。 次に、クルーソーの体が乾いてしまっていることに気づいたアンガスは、クルーソーを水の中で遊ばせる。 ハミルトン大尉は、輸送船が進入できる水深のあるネス湖に敵が攻め込んでくる可能性を考慮し、防衛線を張る準備を始める。 そんなある日、屋敷に下働きのルイス・モーブリー(ベン・チャップリン)がやってくる。 アンは早速、アンガスが、ペットを飼っている様子の仕事部屋を片付けるようルイスに指示する。 アンガスは、仕事部屋を片付けて自分が使うという、無愛想なルイスに驚き、いなくなったクルーソーを捜し始める。 成長したクルーソーは屋敷に侵入し、入浴しようとしていたカースティに見つかってしまう。 しかし、クルーソーのことを秘密にするというカースティに、アンガスは感謝する。 ルイスはアンには優しく接し、実はアンの夫チャーリーが、1年前に、沈没した船で戦死したことを知らされ同情する。 クルーソーを浴槽で遊ばせていたアンガスとカースティだったが、それがルイスに見つかってしまう。 ルイスはクルーソーを見て、ケルト人の古い伝説に伝わる架空の動物”ウォーター・ホース”ではないかと言い出す。 アンに見つかりそうになったクルーソーだが、ルイスの機転で難を逃れる。 ルイスは、クルーソーをネス湖に返すべきだとアンガスを説得するが、彼は納得しなかった。 軍の夕食会が催された夜、クルーソーが浴室から抜け出してしまい、軍のマスコット犬と屋敷内を暴れ回り大騒動になる。 さらに巨大化してしまったクルーソーを、屋敷で飼うのは不可能になり、ルイスとアンガスは、クルーソーをネス湖に戻す。 夕食会で恥をかかされたハミルトン大尉は、以後アンガスに近寄らないようルイスに警告する。 そしてネス湖では、釣り人が”怪物”(クルーソー)を目撃してしまう。 ハミルトン大尉は、アンガスに軍隊の心得を教え込むため、一通り軍の仕事をさせるが、彼は隙を見てネス湖に向かい、さらに成長したクルーソーと水中で戯れる。 水の恐怖に怯え、泳ぐこともできなかったアンガスは感激し、帰宅してルイスとカースティに、そのことを話して聞かせる。 アンガスの、楽しそうな笑顔を久しぶりに見たアンは、ルイスに感謝し、彼から戦争で生死の狭間をさ迷ったことを知らされる。 急速に惹かれあう二人を見たハミルトン大尉は、ルイスの素性を調べ、名誉除隊した英雄だということを知る。 村では”怪物”論議が始まり、証拠写真を撮ろうとする者なども現れる。 訓練を見せようとして、アンと子供達をネス湖に連れて行ったハミルトン大尉は、湖に向かい無差別に砲撃訓練を始める。 クルーソーが傷つくことを恐れたアンガスは、それを制止しようとして取り乱してしまい、強引なハミルトン大尉の行為に、アンの敬意は消え去ってしまう。 金に目のくらんだ村人は”怪物”の偽装写真を撮り、それが新聞に掲載される。 クルーソーを目撃してしまったストランク軍曹(マーシャル・ネイピア)は”怪物”狩りを始める。 母アンの、厳しい躾を受けていたアンガスは、ある日の夜、ルイスに連れられて屋敷を抜け出しネス湖に向かうが、軍の砲撃を受けたクルーソーは凶暴化してしまっていた。 湖に軍用ボートを出したストランクは、現れたクルーソーを攻撃するが、ボートはクルーソーに転覆させられてしまう。 ハミルトン大尉は、ネス湖からの連絡を敵襲と思い、警戒態勢をとり湖に急行する。 アンも湖に到着し、正直にクルーソーのことを話すアンガスとルイスを制止し、戦争のせいで、皆が正気を失っているのだと訴える。 しかし、目の前に現れたクルーソーを見たアンは、アンガスに優しく接するクルーソーを見て驚いてしまう。 その時、軍隊の砲撃が始まり、アンガスはクルーソーの背に乗り防御ネットの方角に向かう。 砲撃を掻い潜り防御ネットに着いたアンガスは、クルーソーを逃がすために別れを告げ、追って来たルイスらのボートに向かう。 クルーソーは、ネットを飛び越え海峡に向かい姿を消す。 翌朝アンガスは、父が戻ってこないことを母アンから知らされ、再び姿を現して別れを告げるクルーソーを見送る。 そして老人は、若者達に自分がアンガスで、全てが実話だということを告げる。 アンガスは、二度とクルーソーの姿を見なかったが、岸辺ではあの時と同じ卵を少年が発見する。
...全てを見る(結末あり)
クルーソーはストランクに襲い掛かるが、アンガスがそれを止めようと水中に飛び込み、クルーソーは彼を助けて陸に戻す。
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*(簡略ストー リー)
スコットランド。
第二次大戦下、ナチス・ドイツがヨーロッパを制圧し始めていた頃、少年アンガス・マクマロウは、ネス湖のほとりの村で、母アンと姉カースティとで暮らしていた。
ある日、父チャーリーの除隊を心待ちにしていたアンガスは、湖で楕円形の石のようなもの見つける。
その石を家に持ち帰ったアンガスは、夜になり、その中から現れた小動物に気づく。
アンガスは、小動物に”クルーソー”という名前を付けて、ペットのようにして可愛がる。
下働きとして現れたルイスは、そのクルーソーが、ケルト人の伝説に伝わる架空動物”ウォーター・ホース”ではないかと思うのだが・・・。
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実際に、世界中で論争を引き起こすネス湖に生息すると言われているネッシー(未確認動物)と、古くから伝わる伝説をミックスしたファンタジー。
誰もが知る、神秘的なネッシー騒動だが、現在では懐疑的な見方が多い中、心温まる物語は感動を呼ぶ。
ネッシーは作り話だと思ってこの作品を観るとファンタジックに思えるし、その存在を信じても納得できるという、巧みな作りになっている。
少年の母親を演じた実力派エミリー・ワトソンと、年老いた主人公を演じたブライアン・コックスの出演で、作品に重みは加わっているものの、小動物からモンスターに変貌する”クルーソー”のキャラクターに新鮮味もなく、話題性に欠けたのも確かだ。
それでも、世界の興行収入は、全世界トータルで1億ドルを超すヒットとなった。
ニュージーランドのワカティプ湖で撮影されたロケや、ジェームズ・ニュートン・ハワードの美しい音楽は、ミステリアスな湖の雰囲気を描写するのに効果をあげている。
夫の戦死を知りながら、家庭を守る母親エミリー・ワトソン、その息子で主人公の少年アレックス・エテル、姉プリアンカ・キー、戦争で受けた心の傷を隠しながら生きる下働きのベン・チャップリン、嫌味な軍人デヴィッド・モリッシー、少年の父親役クレイグ・ホール、強面の軍曹マーシャル・ネイピア、主人公の老年期役のブライアン・コックスなどが共演している。