向こう見ずな爆撃機機長と理性に従い行動する副操縦士らの複雑な人間関係を描く、主演スティーヴ・マックィーン、ロバート・ワグナー、シャーリー・アン・フィールド他共演、監督フィリップ・リーコックによる戦争ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:フィリップ・リーコック
製作:アーサー・ホーンブロウJr.
原作:ジョン・ハーシー”The War Lover”
脚本:ハワード・E・コッチ
編集:ゴードン・ヘイルズ
撮影:ボブ・ヒューク
音楽:リチャード・アディンセル
出演
バズ・リクソン大尉:スティーヴ・マックィーン
エド・ボーランド中尉:ロバート・ワグナー
ダフネ・コールドウェル:シャーリー・アン・フィールド
マーティ・リンチ少尉:ゲイリー・クックレル
ジュニア・サイレン軍曹:マイケル・クロフォード
エメット大佐:ジェリー・ストヴィン
ヴォクト大佐:エド・ビショップ
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1962年製作 105分
公開
北米:1962年10月25日
日本:1963年5月1日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1943年、第二次世界大戦下、イングランド、アメリカ陸軍航空軍・第8空軍基地。
爆撃機B-17”ザ・ボディ”の機長バズ・リクソン大尉(スティーヴ・マックィーン)と副操縦士のエド・ボーランド中尉(ロバート・ワグナー)は、その日も爆撃命令を受けてクルー達と共に出撃する。
編隊はドイツのキールに向かうが、厚い雲に覆われていたため、編隊長エメット大佐(ジェリー・ストヴィン)は作戦中止を命ずる。
しかし、それを無視したリクソンは標的を爆撃する。
間もなく敵戦闘機が現れ、自軍機が一機撃墜される。
帰還したリクソンは、標的を爆撃できたかが確認できず、反抗的な態度と指示に従わなかったことをエメット大佐から非難される。 バーに向かったリクソンとボーランドは、イギリス人女性ダフネ・コールドウェル(シャーリー・アン・フィールド)と席を共にする。 ダフネは、待ち合わせた兵士が出撃から戻らなかったために気落ちしていたが、女遊びが盛んなリクソンは構わず彼女に話しかける。 そこにキールの偵察隊の写真が届き、爆撃が成功したことを知ったリクソンは喜び騒ぎ始める。 ダフネの気持ちを察するボーランドは彼女に惹かれ、数日後ケンブリッジに住む彼女と待ち合わせの約束をする。 ケンブリッジ大学構内でダフネと会ったボーランドは、再会を喜び散歩をする。 バーにいたリクソンは、その場にいた女性をからかい、馬が合わないクルーのマーティ・リンチ少尉(ゲイリー・クックレル)にそれを非難される。 空襲が始まり、リクソンはそれを恐れることなく夜空を見上げ敵機に向かって叫ぶ。 ボーランドは街角に避難し、リクソンが気になる雰囲気のダフネが、かつて似た男性に惹かれていたことを知る。 出撃時にダフネのことばかり考えていたボーランドは、それを伝えて彼女の部屋に向かい愛し合う。 翌日、リクソンは爆弾ではなくビラをばら撒く任務が気に入らず、基地上空をわざと低空飛行して皆を驚かせる。 エメット大佐は副操縦士のボーランドを呼び、司令官ヴォクト大佐(エド・ビショップ)は、リクソンの資質リンチとの関係などを聞いた上で同席した軍医に見解を尋ねる。 危険人物でもあるリクソンだったが、戦争には必要な兵士だと判断される。 リクソンの元に向かったボーランドは、彼のリンチに対する態度などを非難する。 ダフネのことを持ち出したリクソンが、彼女を奪うような発言をしたため、ボーランドは気分を害してその場を去る。 ボーランドは、他の機に移るリンチを気遣う。 その後、ボーランドとダフネは愛を深める。 次の任務で、リンチの機は損傷しながら帰還して胴体着陸し、彼の戦死を知ったボーランドはショックを受ける。 リンチに妻子がいるため心を痛めるボーランドは、リンチの部屋にいたリクソンが平然としていたため彼をその場から追い出す。 ロンドン。 ダフネとクラブに向かったボーランドは、酒を取りに行った間にリクソンが席に着いていることに気づく。 リクソンを警戒しながらダフネをタクシーで送ったボーランドは、自分が直に帰国することで悲しむ彼女が動揺したため戸惑う。 ボーランドはリクソンが偶然現れたのではないことを知らせ、ダフネに自分も目的は同じだと言われた彼は傷つく。 タクシーを降りたダフネは謝罪し、ボーランドが誰とも違うと伝えて別れる。 ボーランドは駅に向かい、リクソンは同じ汽車に乗らずにダフネの部屋を訪ねる。 汽車に飛び乗ったボーランドは、リクソンが乗っていないことを知り、彼がダフネの元に向かったと考える。 リクソンは、ダフネのボーランドに対する愛を知り彼女に迫るものの、自分の心を見抜かれて動揺する。 兵舎に戻ったリクソンは、待ち構えていたボーランドにダフネと会ったことを話す。 憤慨したボーランドはリクソンを殴るが、二人は出撃命令を受けてライプチヒへと飛び立つことになる。 ボーランドはロンドンのダフネと連絡を取る許可を得ようとするが、厳戒態勢下であったためそれを認めてもらえない。 総数1000機の大編隊は、オランダ上空で敵機の攻撃を受ける。 ”ザ・ボディー”は被弾して第一エンジンが停止し、編隊長機が撃墜されたためにリクソンがそれを受け継ぐ。 目標地点に到着した編隊は爆撃を開始するが、”ザ・ボディー”の爆弾一基が引っかかってしまう。 その頃、ヴォクト大佐には爆撃が遂行されたことが報告される。 爆弾を外すことができないまま、”ザ・ボディ”は敵機の攻撃で損傷する。 クルーのジュニア・サイレン軍曹(マイケル・クロフォード)が被弾して死亡する。 何とか機体を立て直して基地に戻ろうとするリクソンだったが、限界を感じた彼はボーランドに救助を要請させる。 救助船を確認したボーランドはクルーを避難させる。 ボーランドは、自動操縦に切り替えて避難するようリクソンに伝える。 リクソンがパラシュートをつけていないことに気づいたボーランドは、次の瞬間、彼に突き落とされる。 リクソンは操縦席に戻り、上昇してドーバー海峡の岸壁(White Cliffs of Dover)を越えようとする。 しかし、機体は岸壁に激突して大破し、ボーランドは海面からその様子を見守る。 その後、ダフネに会ったボーランドはリクソンの最後の時を話す。 ダフネは、操縦席に戻ったのはリクソンの望みだったことを伝え、ボーランドが無事だったことを喜び二人は固く抱き合う。
...全てを見る(結末あり)
休暇でダフネと会ったボーランドは、彼女の叔母の家で愛し合う。
*(簡略ストー リー)
1943年、第二次世界大戦下、イングランド。
アメリカ陸軍航空軍・第8軍基地所属、爆撃機B-17”ザ・ボディ”の機長バズ・リクソン大尉と副操縦士ボーランド中尉は、死に直面しながら任務を遂行していた。
向こう見ずな勇気でパイロットしては優秀なリクソンだったが、利己主義で女好きの自分の世界だけで生きる男だった。
一方、理性に従い行動するボーランドは、リクソンとバーにいた際、イギリス人女性ダフネに出会い惹かれてしまう。
ダフネは、リクソンがかつての恋人に似ていることから彼が気になりつつ、ボーランドとの愛を深めていく。
意見の合わない同僚を嫌い、彼の戦死に対する態度でボーランドとも仲違いしたリクソンはダフネに近づくのだが・・・。
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1959年に発表された、ジョン・ハーシーの小説”The War Lover”を基に製作された作品。
戦闘でしか人間としての生き方を見出すことができず自分の世界に閉じこもる男を、期待の若手スターとして注目されていたスティーヴ・マックィーンが見事に演じた、彼の初期主演作。
スティーヴ・マックィーンは典型的な美男ではないが、その整った顔立ちと表情、仕草、無駄のない身のこなしなど、今観ると全てが魅力的だ。
次回作「大脱走」(1963)で、それが更に生かされたキャラクターを演じてファンの心を掴み、約10年でハリウッドの頂点に上り詰める彼の才能を確認できる作品として、ファンには見逃せない一作だ。
冒頭に登場するが、アメリカ空軍全面協力による爆撃機B-17などを実際に使った映像や、実録フィルムなどを駆使した戦闘場面なども見応えある。
スティーヴ・マックィーンとは1930年生まれで同じ年齢であるロバート・ワグナーが、主人公とは相反する性格の副操縦士を、その恋人となるシャーリー・アン・フィールドが二人の関係に絡む現地の女性を演じている。
主人公と意見の合わない同僚ゲイリー・クックレル、爆撃機のクルー、マイケル・クロフォード、指揮官ジェリー・ストヴィン、そして、後にイギリスのテレビ・ドラマ”謎の円盤UFO”のストレイカー最高司令官役で有名になったエド・ビショップが司令官役で出演している。