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ユージュアル・サスペクツ The Usual Suspects (1995)

謎の麻薬取引事件の容疑者たちの関係を描く、製作、監督ブライアン・シンガー、主演ガブリエル・バーンケヴィン・スペイシーチャズ・パルミンテリスティーヴン・ボールドウィンケヴィン・ポラックベニチオ・デル・トロピート・ポスルスウェイト共演によるサスペンスの傑作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ケヴィン・スペイシー / Kevin Spacey / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ブライアン・シンガー

製作総指揮:ハンス・ブロックマン他
製作
マイケル・マクドネル

ブライアン・シンガー
脚本:クリストファー・マッカリー
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
編集:ジョン・オットマン
音楽:ジョン・オットマン

出演
ディーン・キートン:ガブリエル・バーン

ロジャー”ヴァーバル”キント:ケヴィン・スペイシー
デヴィット・クイヤン:チャズ・パルミンテリ
マイケル・マクマナス:スティーヴン・ボールドウィン
トッド・ホックニー:ケヴィン・ポラック
フレッド・フェンスター:ベニチオ・デル・トロ
イーディ・フィネラン:スージー・エイミス
コバヤシ:ピート・ポスルスウェイト
ジャック・ベア:ジャンカルロ・エスポジート
ジェフリー・レイビン巡査部長:ダン・ヘダヤ
レッドフット:ピーター・グリーン

アメリカ 映画
配給
Gramercy Pictures(北米)
MGM(世界)
1995年製作 106分
公開
北米:1995年8月16日
日本:1996年4月13日
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $23,272,310


アカデミー賞 ■
第68回アカデミー賞

・受賞
助演男優(ケヴィン・スペイシー
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
カリフォルニアサン・ペドロ
港に停泊中の船で、重傷を負った元汚職警官ディーン・キートン(ガブリエル・バーン)は、何者かに射殺される。

その後、港で船が爆発し、麻薬取引が絡む事件で多数の死者を出し、9100万ドル分の麻薬が消える。

事件で2人が生き残り1人は火傷で重傷を負い、関税局特別捜査官のデヴィット・クイヤン(チャズ・パルミンテリ)は、生き残った男、ロジャー”ヴァーバル”キント(ケヴィン・スペイシー)を尋問する。
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ニューヨーク、6週間前。
クイヤンは、ニューヨーク市警と協力して、 大量の銃を積んだトラック強奪に関与したと思われる5人を連行する。

キートンは、現在は刑事弁護士の恋人イーディ・フィネラン(スージー・エイミス)と組み、ひ弱な障害者ヴァーバルは策略家、忍び込みのプロ、マイケル・マクマナス(スティーヴン・ボールドウィン)と彼とチームを組むフレッド・ フェンスター(ベニチオ・デル・トロ)、爆破爆薬のプロ、トッド・ホックニー(ケヴィン・ポラック)の5人は、関税局と警察にでっち上げの罪で連行されたが、曲者の彼らの口を割るのは容易ではなかった。
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...全てを見る(結末あり)

サン・ペドロ
ニューヨークから駆けつけたクイヤンは、地元警察の巡査部長ジェフリー・ レイビン(ダン・ヘダヤ)に、生存者であるヴァーバルへの尋問の許可を得ようとする。

重傷を負った、ハンガリー人の生存者を尋問したFBIのジャック・ベア(ジャンカルロ・エスポジート)は、瀕死の男が、”カイザー・ソゼ”と叫ぶのを聞く。

クイヤンは、ヴァーバルの尋問を始めるが、彼は巧みに質問をかわして何も語ろうとしない。
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ニューヨーク、6週間前。
イーディの助力でキートンは釈放されるが、堅気の生活に暗雲が立ち込めた彼は、同じく釈放された4人の容疑者と、この機会に手を組むことも考える。

そしてキートンは、マクナマスが警察で聞いた、南米からのエメラルド原石の情報を基に、ヴァーバルが練った強奪計画に加担する。

エメラルドの密売屋をパトカーで護送して賄賂を受け取るという、 汚職警官の儲けの手口を知ったヴァーバルが、綿密な計画を立て、5人は、エメラルドと賄賂を奪うことに成功する。
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サン・ペドロ
筋金入りの悪党キートンが、イーディのお陰で改心したというヴァーバルの話を、クイヤンは信じることが出来ず、キートンがまだ生存しているのではないかと疑う。

それを、クイヤンに追求されたヴァーバルは、全てを仕組んだのは、弁護士コバヤシ(ピート・ポスルスウェイト)だということを語る。

一方、ハンガリー語の通訳を呼び、重傷の男を尋問したFBIのベアは、悪魔のような男”カイザー・ソゼ” に命を狙われているということを聞き出し、その男の人相を知ろうとする。
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密売人レッドフッド(ピーター・グリーン)と、奪ったエメラルドの取引をするために、キートンら5人はロサンゼルスに向かう。

取引を終えたレッドフットは、市内に滞在中のテキサスの宝石商の襲撃を持ちかけ、キートンはそれを渋るものの、結局、犯行は実行される。

5人は、宝石商とボディガードを皆殺しにするが、奪った物は宝石ではなくヘロインだった。

レッドフッドを問い詰めた5人は、闇の大物”カイザー・ソゼ”の右腕、イギリス人弁護士コバヤシが、彼らに会いたがっていることを知らされる。
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サン・ペドロ
事件現場を調べ、生存者に会ったベアはクイヤンを訪ね、麻薬は見つからないままで、ヴァーバルが”カイザー・ソゼ”の名を知っているはずだと伝える。
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コバヤシは5人に会い、過去にそれとは知らずソゼの物を盗んだ彼らに、償いをさせようとしていることを伝える。

ニューヨークで、5人を警察に集めた面通しも、ソゼ側が彼らと接触を試みるために仕組まれたものだった。

5人は、ソゼの天敵である、アルゼンチンの麻薬組織を壊滅させるため、サン・ペドロの港の船の麻薬取引現場を襲うことを強要する。

船を爆破し、現場にいる者達を抹殺することが目的であり、取引に使われる9100万ドルは、5人のものにしていい条件だった。

5人は、ソゼ側が調べ上げた、各自の過去の犯罪歴などを突きつけられ、嫌とはいえない状況に追い込まれる。
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サン・ペドロ
ヴァーバルは、伝説的な”カイザー・ソゼ”の恐ろしさや、その存在を謎にする見事な手口をクイヤン話し、警察の手に負える相手でないことを伝える。
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コバヤシに会った後、怖気づいたフェンスターは金を持ち逃げして殺される。

ソゼの存在を信じないキートンは、コバヤシを殺そうと考えるが、イーディに見張りをつけられて、それを断念する。

そして襲撃の日、キートンが船に向かい、爆発と共に4人と外国人らしき男達は激しい撃ち合いになり、何者かにトッドが射殺される。
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サン・ペドロ
イーディが、本国送還の手続きをしていた麻薬密売人の男の遺体が港の現場で見つかり、クイヤンは、コバヤシ、そして”カイザー・ソゼ”とのつながりを確認する。
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次々と船員を殺し船を調べたキートンは、取引の麻薬がないことに気づく。

その後、ヴァーバルが逃亡の準備を始めるが、マクナマスが殺され、キートンも撃たれてしまう。
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サン・ペドロ
”カイザー・ソゼ”がキートンも殺して、船に火を放つのを目撃したが、怖くて反撃など出来なかったと、ヴァーバルはクイヤンに告げる。

キートンがカイザー・ソゼだという見解に達したクイヤンは、イーディも殺されたことをヴァーバルに伝える。

ヴァーバルは利用されただけだと言われ、泣きながらキートンをかばい、彼が死んだと主張する。

そしてクイヤンは、能力もない臆病者のヴァーバルを解放する。

クイヤンは、キートンの消息が不明のまま、彼を捕まえる意欲は残し、一旦、事件捜査を終わらせようとしてレイビンと語り合っていた。

その時、クイヤンは、ふと目をやったホワイトボードを見て愕然とする。

ヴァーバルは、ボードに貼り付けてある様々な事件の資料を基に、作り話をしていたのでは・・・。

ショックを受けたクイヤンは、落としたコーヒーカップの底の”コバヤシ陶器”の文字に気づく。

ヴァーバルを追うクイヤンだったが、その頃、重傷を負ったハンガリー人の証言で描かれた似顔絵のファックスが署に届く。

悠然と街を歩き出したカイザー・ソゼ(ヴァーバル)は、迎えに来た男(コバヤシ)の車に乗り立ち去る。

ヴァーバルを追い、署から駆け出していたクイヤンは、呆然と立ち尽くす。

そしてクイヤンは、存在を謎にする”カイザー・ソゼ”の正体は、全てがヴァーバルの話に含まれていたことを知る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
麻薬取引現場での、謎の爆破大量殺傷事件の捜査を始めた関税局捜査官クイヤンは、6週間前に銃強奪関与で連行した、5人の容疑者の内の一人で、今回の事件の、無傷の生存者ヴァーバルの尋問を始める。
もう一人の重傷を負った男は、”カイザー・ソゼ”という闇の大物の恐怖に怯えていた。
やがて、鍵を握る”カイザー・ソゼ”と5人のつながりが、ヴァーバルの話で次第に明らかになっていく。
その後、完全解明といかぬままに、事件捜査は一旦その終焉を迎えてしまう。
しかし、クイヤンは、その裏に隠されていた、衝撃の事実に気づく・・・。
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弱冠29歳のブライアン・シンガーを、一躍有名にしたサスペンス映画の秀作。

主人公達が殺害された後に、一人の生存者が事件を回想していく展開で、不可解な事件を順序立てて”解説”し、全ての謎が解けるラストのどんでん返しで観客の度肝を抜くという、綿密な脚本は秀逸だ。

複雑な構成でありながら、謎解きという感覚でなく、各シーンが解説書のような分かり易さで展開するという、20代後半のブライアン・シンガークリストファー・マッカリー(脚本)の才能には驚くばかりだ。

第68アカデミー賞では、その脚本は脚本賞を、ケヴィン・スペイシーが助演男優賞を受賞した。

”カイザー・ソゼ”という謎の男の存在がポイントの本作で、黒幕としての正体が明らかになった犯人が、今後どのように”存在を謎にする”のか、大いに興味を持たせるラストは圧巻だ。

ケヴィン・スペイシーは、冒頭からラストまで満遍なく登場し、障害を持つひ弱な容疑者を、繊細な演技で演じているが、誰が主演か言い難い配役の中で一際存在感を示し、アカデミー賞では、主演賞候補でも納得できたほどだ。

堅気に成りきれない元汚職警官のガブリエル・バーン、事件捜査に執念を燃やすものの、謎の黒幕”カイザー・ソゼ”に翻弄される、関税局特別捜査官チャズ・パルミンテリ、血の気が多い悪党スティーヴン・ボールドウィン、爆薬のプロ、ケヴィン・ポラック、怖気づいて暗殺されるベニチオ・デル・トロ、キートン(G・バーン)の恋人で利用されて殺される刑事弁護士役スージー・エイミス、”カイザー・ソゼ”の右腕ピート・ポスルスウェイト、市警の巡査部長ダン・ヘダヤFBI捜査官ジャンカルロ・エスポジート、宝石の密売人ピーター・グリーンなどが共演している。


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