B級映画の帝王ロジャー・コーマンが当時の世相を反映し、社会や若者達に蔓延するドラッグの世界を描く、脚本ジャック・ニコルソン、主演ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ブルース・ダーン、スーザン・ストラスバーグ、ピーター・ボグダノヴィッチ、ブランドン・デ・ウィルド共演のドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ロジャー・コーマン
製作:ロジャー・コーマン
脚本:ジャック・ニコルソン
撮影:アーチー・R・ダルゼル
編集:ロナルド・シンクレア
音楽
マイク・ブルームフィールド
The American Music Band
出演
ポール・グローヴス:ピーター・フォンダ
マックス:デニス・ホッパー
ジョン:ブルース・ダーン
サリー・グローヴス:スーザン・ストラスバーグ
グレン:サリー・サックス
キャッシュ:ディック・ミラー
ピーター・ボグダノヴィッチ
ブランドン・デ・ウィルド
アメリカ 映画
配給 アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ
1967年製作 79分
公開
北米:1967年8月23日
日本:1968年5月18日
製作費 $450,000
北米興行収入 $10,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス。
CMディレクターのポール・グローヴス(ピーター・フォンダ)は、妻のサリー(スーザン・ストラスバーグ)から離婚を迫られていた。
それに真剣に対応しないポールは、親友ジョン(ブルース・ダーン)と共にサイケデリック・クラブのドラッグ・トリップの”ガイド”マックス(デニス・ホッパー)の元に向かう。
その場にいた女性グレン(サリー・サックス)に声をかけられて、自分を見つめ直す目的で、”LSD”を試そうとしたポールは、ジョンの忠告を受けてそのカプセルを飲む。
直ぐに効き目が表れたポールは”トリップ”(幻覚)が始り、海岸にいる様子に生命そのものを感じる。 一旦目覚めたポールは、興奮してそれをジョンに伝えて再びトリップする。 浜辺にはサリーがいて、その後、二人は激しく愛し合う。 サリーを愛し、欲望の象徴だということをジョンに伝えたポールは、馬に乗った黒衣の男達に追われる。 怪しげな屋敷、砂漠を逃げる自分、首を吊って埋葬される儀式の最中に、ポールは現実のプールの中で、元に戻りたいと言って取り乱すが、ジョンになだめられる。 全てが恐怖が原因の幻覚だと言って、ジョンはポールに目覚めたことを知らせて安心させる。 落ち着いたポールは、再びトリップして森の中をさ迷い、その後、サリーが他の男と愛し合っている姿が見える。 マックスが現れて、自分のCM映像などを見せられたポールは、サリーとの離婚のことを尋ねられる。 ポールは、自分本位の考えを、マックスに責められてしまう。 目覚めたポールは、自分が理解できずに動揺し、ジョンは、何んとか彼を落ち着かせようとする。 席を外したジョンだったが、ポールのトリップの中で彼は殺されていた。 ポールはその場を離れて、現実と幻覚の間をさ迷い、ある家に忍び込み少女と語り、森の中を逃げ続ける。 街に出たポールは、コインランドリーで洗濯機に驚き、その場にいた女性に興味を持ち話しかける。 洗濯機の中にサリーがいるように思えたポールは、彼女を助けようとして女性の洗濯物を取り出す。 女性が警察を呼ぶと叫び始めたため、ポールはその場を逃れる。 ポールは、あるクラブに入りグレンを見かけるが、警察が現れたために姿を消す。 マックスの元に向かったポールは、自分を捜しているというジョンが無事だと知り、そこに来るまでの経緯を話す。 それが、現実かトリップなのか区別がつかないポールは、再び街に出てグレンを見つける。 グレンの車に乗ったポールは、ドラッグが切れかけていることを感じて、トリップを思い出す。 ポールはグレンの家で、トリップを感じながら彼女と愛し合う。 目覚めたポールは、サリー、そして全ての者を愛していることに気づく。 今だけのことかもしれないが、明日になればどうなのだろうか・・・。 ポールは、その時にまた考えればいいことだと思うのだった。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
CMディレクターのポール・グローヴスは、妻のサリーから離婚を迫られていた。
ポールは、親友のジョンと共にドラッグ・トリップの”ガイド”マックスの元を訪ねる。
自分を見つめ直す目的で、ポールは、ジョンから渡されたLSDを飲み、やがてトリップ(幻覚)が始まる。
ポールはジョンに見守られながら、現実と幻覚の世界をさ迷うことになる・・・。
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既に映画出演などのキャリアはあったジャック・ニコルソンが脚本を担当しているところが注目で、ロジャー・コーマンが、サイケデリックな映像で描き切り話題になった問題作でもある。
幻覚の旅”トリップ”(原題)を、画面上でうまく表現した映像や、その後に活躍するスターの若かりし日の姿はなかなか新鮮に思える。
ジャック・ニコルソンと共に、2年後の「イージー・ライダー」(1969)で、社会に衝撃を与えることになるピーター・フォンダとデニス・ホッパーの出演による、その布石とも言える作品でもある。
離婚や人生への不安を抱え、ドラッグの世界を体験する主人公ピーター・フォンダ、彼を幻覚の旅に導くガイドのデニス・ホッパー、主人公の親友ブルース・ダーン、主人公の妻役のスーザン・ストラスバーグ、サイケ・クラブの女性役サリー・サックス、バーテンダーのディック・ミラー、そして、エキストラ及び端役でピーター・ボグダノヴィッチとブランドン・デ・ウィルドなどが共演している。