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大列車強盗 The Train Robbers (1973)

金塊探しを引き受けた男達がそれを狙う追っ手から逃れながら目的を果たそうとする、主演ジョン・ウェイン、監督、脚本バート・ケネディアン=マーグレットロッド・テイラーベン・ジョンソン他共演によるユーモアも盛り込んだアドベンチャー・タッチの痛快西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇

ジョン・ウェイン / John Wayne 作品一覧
ジョン・ウェイン / John Wayne/Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:バート・ケネディ

製作:マイケル・ウェイン
脚本:バート・ケネディ
撮影:ウィリアム・H・クローシア
編集:フランク・サンティロ
音楽:ドミニク・フロンティア

出演
レイン:ジョン・ウェイン
ロウ夫人/リリー:アン=マーグレット
グレイディ:ロッド・テイラー

ジェシー:ベン・ジョンソン
ベン・ヤング:ボビー・ヴィントン
カルフーン:クリストファー・ジョージ
サム・ターナー:ジェリー・ガットリン
ピンカトーン探偵社の職員:リカルド・モンタルバン

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1973年製作 92分
公開
北米:1973年2月7日
日本:1973年3月


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
テキサス、リバティ。
旧友レイン(ジョン・ウェイン)に呼ばれていたジェシー(ベン・ジョンソン)は、ベン・ヤング(ボビー・ヴィントン)と共に、駅で列車の到着を待つ。

そこに軍隊からの仲間グレイディ(ロッド・テイラー)が、ガンマンのカルフーン(クリストファー・ジョージ)とサム・ターナー(ジェリー・ガットリン)を連れて現われる。

列車は到着し、若くて美しいロウ夫人(アン=マーグレット)を伴ってレインが現われる。

カルフーンに仕事の内容を聞かれたレインは、ベンに夫人をホテルに案内させ、グレイディを殴り倒す。

余計な口をきくカルフーンをお払い箱にしたレインは、食い下がる彼に、一応、夫人の仕事で、50万ドルの金塊が目当てだということを語る。
...全てを見る(結末あり)

その夜。
5年前に10人の男が列車を襲い、金塊を持って逃走し、首謀者ロウは二人を連れて、それをメキシコに運んで隠した。

ロウだけが戻るが殺されてしまい、夫人が金塊の在り処を知っていることをレインは語る。

仲間の7人がそれを狙っているはずだが、夫人は息子のために、夫の犯した罪を許してもらおうと、金塊を鉄道会社に戻す気だという。

レインは、夫人の手助けをして、懸賞金の5万ドルを手に入れようとしていたのだった。

夫人には信用されず、金塊の場所を知らされていないレインは、在り処を知っている唯一者(夫人)の命を守るために、細心の注意を払う。

相手は二流のガンマンを多数雇っている可能性もあり、諦めた方がいいことも伝えたレインだったが、ロウ夫人は、計画通りに実行することを彼に告げる。

翌日、ダイナマイトなどを持参したレインらは、メキシコに向けて出発する。

暫くして、リバティには、レインらを追う約20人の男達も到着して、ある”男”(リカルド・モンタルバン)が、双方を前日から監視していた。

野営をした一行だったが、ロウ夫人は、レインの身の上や妻が亡くなった話などをジェシーから聞く。

翌朝、ラバと荷物が盗まれたことが分かり、見張りをしていたカルフーンがレインに殴られる。

その後、ある村に着いた一行は、ダイナマイトを積んだラバを見つけて取り戻し、同じ頃、追っ手は、レインらの野営地を確認して先を急ぐ。

2日目の夜、嵐の中で、レインは金塊が人を変えて惑わすことなどをロウ夫人と語り合う。

その直後、落雷で倒れた木の下敷きになった、カルフーンの馬を皆で助ける。

レインは、ラバを盗まれたのは、自分の責任でもあることを素直に認めてカルフーンに謝罪し、わだかまりが消えた彼は潔いレインを見直す。
翌日、川で溺れたロウ夫人を助けたレインは、彼女に酒を飲ませて金塊の在り処を探ろうとする。

酔いながら、それを話したら、自分や仲間達と別れなければならないと言うロウ夫人の話を聞き、レインは自分のしたことを後悔する。

翌朝、酔わされたロウ夫人はレインに噛み付くが、計画を諦めて引き返そうとするレインは追っ手に気づき、一旦、撤退する。

仲間達は引き揚げることに反対し、仕方なくレインは金塊探しを続け、追っ手も動き始め、さらに”男”もその様子を窺う。

ロウ夫人によると、盗んだ金塊を、脱線した列車に隠したと言うのだが、グレイディはそれを疑い始める。

ようやく、砂漠の中で、廃線になった線路を見つけた一行は、砂嵐の中で一夜を過ごす。

翌朝、追っ手が近づき、撃つはずもないロウ夫人を、敵は容赦なく銃撃しようとする。

予想が外れたレインは、夫人を助けてその場を逃れるが、銃撃したのは”男”だった。

そして一行は、ついに、朽ち果てた列車を発見する。

一行は金塊を見つけ、レインは敵の人数を減らすために、その場で追っ手を迎え撃つ準備を始めさせる。

ジェシーとグレイディは、お互いの老いを確認して覚悟を決め、レインは、戦う自信がないベンを励ます。

レインらは、攻め込んできた敵を10人倒し、その夜、ダイナマイトを使い、彼らの馬を放ち撃退する。

引き返すことになったレインらは、尚も警戒しながら先を急ぐが、馬を取り戻したはずの敵が、現われる気配がないことを疑問に思う。

最後の夜、レインと心触れ合うようにもなっていたロウ夫人は、彼に感謝して誘おうとする。

しかし、流れ者が性に合い、若い女性の相手が出来る年でもないレインは、それ以上、語ろうとしない。

リバティに戻った一行は、新たな敵の攻撃を受けて銃撃戦になる。

レインらは、到着した列車を利用し、ダイナマイトを使って敵を撃退する。

翌日、ロウ夫人に金塊を渡したレインらは、自分達の懸賞金5万ドルも、彼女と息子に提供することを伝える。

ロウ夫人は、レインらの厚意に感謝して列車に乗る。

レインらは、夫人との話を聞いていた、列車の最後尾に乗る、”ピンカトーン社”の探偵だった”男”に、懸賞金まで提供してしまったことなどを皮肉られながら声をかけられる。

探偵は、5年前からロウを追っていて、彼が殺された買春宿にもいたということだった。

列車は動き始め、探偵は、”ロウ夫人”が、その買春宿で働いていた娼婦リリーだと知らせ、ロウは独身だったと付け加え、車両に消えていく。

完全に騙されたレインは馬に乗り、列車強盗をすると言って列車を追い、仲間達もそれに続く。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
50万ドルの金塊を奪った亡きの汚名が、残された息子には辛いことだと判断したロウ夫人は、ガンマンのレインに依頼して金塊を探し、盗んだ鉄道会社に返そうと考える。
レインは金塊を手に入れる気はなく、懸賞金の5万ドルを得ようと、軍隊仲間のジェシーやグレイディらと共に夫人に手を貸そうとする。
夫人が自分を信用しきっていないため、レインは彼女を連れて、仲間達と共に金塊が隠されているというメキシコに向う。
金塊強盗の生き残りがいるため、彼らがガンマンを雇い追ってくるのを察知していたレインは、警戒しながら先を急ぐ。
予想通り、20人の男達がレインらを追うのだが、その他ににも、謎の男が一行の行動を監視していた・・・。
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大スター、ジョン・ウェインを中心に、最終的には、ヒロイン、アン=マーグレットの巧みな罠にはまる男達を描いた娯楽作で、ラストのどんでん返しは大いに話題になった。

戦う幌馬車」(1967)でもジョン・ウェインと組み、同じようにコミカルな雰囲気のアクション西部劇に仕上げた、バート・ケネディの無駄のない軽快な演出が光る。

1970年代に初めてテレビで観た時の、ラストの衝撃は忘れられない。

そして、数十年ぶりに観直しても、完璧に記憶に残っている、ドミニク・フロンティアの、勇ましく小気味よい主題曲もいい。

ジョン・ウェインの、他を寄せ付けない圧倒的な存在感は言うまでもなく、親子以上に年の差があるものの、妖艶なアン=マーグレットとは、画面上でも違和感がない。

もう少し派手だったかなとも思いながら、淡々と進むドラマなのだが、今観ると、どう考えても、やはりアン=マーグレットは怪しげな存在だ。

名優リカルド・モンタルバンが、クライマックスまで全くセリフがないという心憎い演出、ウェインの盟友ベン・ジョンソン、ベテランの域に達していたロッド・テイラー、「エル・ドラド」(1966)や「チザム」(1970)でもウェインと共演していた、クリストファー・ジョージ共に言い味を出している。

また、ウェイン作品「100万ドルの血斗」(1971)にも出演した、歌手でもあるボビー・ヴィントン、ジェリー・ガットリンなどが共演している。


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