時空を超える能力を身につけた男性が過去で会った女性との愛を選ぶ人生を描く、製作総指揮ブラッド・ピット、監督ロベルト・シュヴェンケ、主演エリック・バナ、レイチェル・マクアダムス、アーリス・ハワード、ロン・リヴィングストン、スティーヴン・トボロウスキー他共演のラブ・ファンタジー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロベルト・シュヴェンケ
製作総指揮
ブラッド・ピット
リチャード・ブレナー他
製作
ニック・ウェクスラー
デデ・ガードナー
原作:オードリー・ニッフェネガー
脚本:ブルース・ジョエル・ルービン
撮影:フロリアン・バルハウス
編集:トム・ノーブル
音楽:マイケル・ダナ
出演
ヘンリー・デタンブル:エリック・バナ
クレア・アブシャー:レイチェル・マクアダムス
リチャード・デタンブル:アーリス・ハワード
ゴモリンスキー/ゴメス: ロン・リヴィングストン
デヴィッド・ケンドリック博士:スティーヴン・トボロウスキー
チャリス:ジェーン・マクリーン
クレア・アブシャー(少女期):ブルックリン・プルー
ヘンリー・デタンブル(少年期):アレックス・フェリス
アネット・デタンブル:ミシェル・ノルデン
アリシア・アブシャー:マギー・キャッスル
ルシール・アブシャー:フィオナ・リード
フィリップ・アブシャー:フィリップ・クレイグ
アルバ・デタンブル(9-10歳):ヘイリー・マッキャン
アルバ・デタンブル(4-5歳):テイタム・マッキャン
アメリカ 映画
配給 ニュー・ライン・シネマ
2009年製作 107分
公開
北米:2009年8月14日
日本:2009年10月24日
製作費 $39,000,000
北米興行収入 $63,414,850
世界 $101,344,410
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1970年代。
母アネット(ミシェル・ノルデン)を、車の事故で亡くした少年ヘンリー・デタンブル(アレックス・フェリス)は、遺伝子に異変が起きタイムトラベルする能力を得たことを、 現れた成長したヘンリー(エリック・バナ)から知らされる。
1995年。
ある日、司書のヘンリーは、図書館に現れた、自分を知っているという女性クレア・アブシャイア(レイチェル・マクアダムス)と出会い、彼女にディナーに誘われる。
その夜、未来のヘンリーに会ったというクレアは、彼を6歳の時から知り恋していることを伝える。
その後、ヘンリーの自宅に向った二人は愛し合い、クレアは彼と出会った時のことを話し始める。 1978年。 ヘンリーと一夜を共にしたクレアは、中年でない彼に違和感を感じながら、消える(タイムトラベル)時の気分などを尋ねる。 クレアのアパートに招かれたヘンリーは、ルームメイトのチャリス(ジェーン・マクリーン)とその恋人ゴモリンスキー/ゴメス(ロン・リヴィングストン)を紹介される。 数日後ゴメスは、半裸のヘンリーが街角で殴り合いをしているのを見かける。 ヘンリーは、自分が2003年から来たことを伝え、6歳の時からタイムトラベルが出来ることをゴメスに告げる。 当然それを信じないゴメスだったが、ヘンリーは彼の目の前で姿を消してしまう。 クレアにそれを伝えたゴメスは、ヘンリーを諦めるよう説得するが、彼女の気持ちは変わらなかった。 1970年代。 その後、父リチャード(アーリス・ハワード)を訪ねたヘンリーは、結婚することを告げ、 妻の死で心に傷を負い、それを引きずる父を励まし、クレアに贈る母の指輪を譲り受ける。 そして、ヘンリーはクレアにプロポーズし、彼女もそれを受け入れる。 結婚式も決まり、父リチャードの出席を喜ぶヘンリーだったが、式の当日、ゴメスの前で姿を消してしまう。 ようやく未来から戻ったヘンリーを見て、老けてしまったことに驚く新婦の父フィリップ(フィリップ・クレイグ)だったが、クレアは全く気にしていなかった。 滞りなく式も終わり、夜のパーティーには現在のヘンリーが戻る。 ヘンリーは、クレアに式に出られなかったことを謝るが、寝室に向った彼は再び姿を消してしまう。 6歳のクレアの元に向ったヘンリーは、用意されていた衣服に着替え彼女に再会する。 クレアは、ヘンリーが結婚したことを知り気分を害するが、現在に戻った彼は、それを花嫁のクレアに伝えて苦笑いする。 新生活が始まった二人は、ヘンリーのタイムトラベルが予期せぬ時に起きるために、彼との時間が過ごせないクレアは次第に苛立ち始める。 ヘンリーは、クレアへの謝罪のつもりで、未来で当たり番号を知った宝くじで、500万ドルを手に入れてしまい、芸術家である彼女にアトリエ付きの家をプレゼントする。 ある日、傷を負ったヘンリーが未来から現れ、彼は自分の死期について考え始める。 ある年齢より上のヘンリーが現れたことがないことから、クレアは、未来で、タイムトラベルにならない治療法が見つかったのかもしれないことを彼に伝える。 その後クレアは、子供が生まれることをヘンリーに告げるが、彼はそれを不安に思う。 ヘンリーは、遺伝子学者のデヴィッド・ケンドリック博士(スティーヴン・トボロウスキー)を訪ねて相談するのだが、博士に笑い飛ばされてしまう。 しかし、クレアは流産してしまい、彼女とヘンリーは悲しみに暮れる。 そして、再びケンドリック博士を訪ねたヘンリーは、検査中に消えてしまい、その瞬間てんかんに似た症状がでていることが分かる。 トラベルが、流産の原因ではないかというヘンリーの意見に、ケンドリック博士は、てんかんの薬などを胎児に使うことの危険性を指摘する。 クレアは再び流産してしまい、ヘンリーは養子を取ることを考えるが、自分の子を産みたい彼女はそれを拒絶する。 これ以上、生まれることの出来ない子供を死なせたくないヘンリーは、避妊手術を受けてしまう。 しかし、クレアは、手術前の過去のヘンリーに会い愛し合い、そして再び妊娠する。 仕方なくヘンリーもそれを認め、胎児は順調に育ち女の子だということが分かる。 ある日、ヘンリーは未来にトラベルし、自分の10歳の娘アルバ(ヘイリー・マッキャン)に会う。 ヘンリーは、アルバもトラベルの能力も持ち、さらにそれをコントロールできることと、自分が5年前に死んだことを知らされる。 現在に戻ったヘンリーは、クレアにアルバが無事生まれることを告げ、そして、安心した彼女は元気な女の子を出産する。 アルバは家族に見守られながら成長し、やがて5歳の誕生日を迎える。 5歳のアルバ(テイタム・マッキャン)は、トラベルしてきた10歳のアルバから、父ヘンリーの死が近づいていることを知らされる。 それに気づいたヘンリーは、そのことをクレアには話さないようアルバに伝える。 しかし、アルバの様子がおかしいことを心配したクレアは、彼女からヘンリーが死ぬことを知らされる。 ヘンリーにそれを話したクレアは、自分の死に怯える彼を慰める。 ある日、雪の中を追われていたというヘンリーが、トラベルから戻り病院に運ばれる。 その後、数ヶ月の車椅子生活となったヘンリーは、アルバの前でトラベルしてしまう。 そしてヘンリーは、雪の降る夜、自分が撃たれてしまう未来を見てしまう。 クリスマスの夜、何かが起きることを予感したヘンリーは、ゴメスに感謝し、クレアに別れを告げる。 雪山にトラベルしたヘンリーは、狩をしていたクレアの父フィリップと自分の父リチャードの猟銃の弾を受けてしまう。 現在に戻ったヘンリーは、クレアらに見守られながら息を引き取る。 その後、過去のヘンリーが、クレアと出会った野原に現れ、9歳のアルバと再会する。 そこに現れたクレアとも、束の間の再会を果たしたヘンリーは姿を消す。 そしてクレアは、ヘンリーの残した衣服を拾い、アルバと共に再び彼に会える日を願いながら立ち去る。
...全てを見る(結末あり)
6歳のクレアは、野原で独りで遊んでいる時に、未来から現れた中年のヘンリーと出会ったのだった。
地下鉄で母アネットに偶然出くわしたヘンリーは、彼女に声をかけ、少ない時間ではあったが安らぎの時間を得る。
*(簡略ストー リー)
母の交通事故死をきっかけにして、時空を旅する能力を身につけたヘンリー・デタンブルは、タイムトラベルの途中で出会った6歳の少女クレアと17年後に再会する。
クレアは、6歳の時からヘンリーに惹かれて、やがて二人は結婚するが、突発的に起きる彼のトラベルのせいで結婚生活に亀裂も入る。
更に、妊娠したクレアが流産を繰り返すため、ヘンリーは、胎児とトラベルが関係するのではないかとも考える。
そんな時、未来に旅したヘンリーは、10歳に成長していた娘アルバと会い、無事に生まれてくる娘のことをクレアに話す。
しかし、ヘンリーは同時に、アルバの誕生から5年後の自分が、事故で死亡する事実も知ってしまう・・・。
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2003年に発表された、オードリー・ニッフェネガーのベストセラー同名小説を基に製作された作品。
監督は、「フライトプラン」(2005)でハリウッドに進出したドイツ人のロベルト・シュヴェンケで、「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990)の脚本を担当したブルース・ジョエル・ルービンだからだろうか、同じような雰囲気で展開するストーリー。
また、ブラッド・ピットが製作に参加している。
北米興行収入は約6300万ドル、全世界では1億ドルを超すヒットとなった。
主人公とヒロインが初めて出会う場面で、既に彼女の恋は決定しているなど、入り組んだ時系列により、難解になりがちなストーリーを、非常にうまくまとめ上げている。
過去や未来から旅をしてくる主人公や、終盤登場する、その能力を引き継いだ娘達との交流などが実に微笑ましく描かれ、また、間近に迫る別れに至る描写なども涙を誘う。
各時代の主人公は、過去で存在していることになり、彼が再び家族の元に現れることを暗示するラストは、夢や希望を抱かせる爽やかな締めくくりとなっている。
肉体派アクションスターのような雰囲気も漂わせながら、時空をさ迷う主人公を熱演ずるエリック・バナの、どことなく悲しげな表情が印象的だ。
少女の恋が実現するという物語であり、実は30歳を過ぎているレイチェル・マクアダムスは、幼さも残る可愛らしい感じの彼女のイメージが役柄にマッチしている。
主人公の父アーリス・ハワード、母親ミシェル・ノルデン、親友となるロン・リヴィングストン、その恋人ジェーン・マクリーン、主人公に協力する遺伝子学者スティーヴン・トボロウスキー、娘達ヘイリー・マッキャン、テイタム・マッキャン姉妹、クレア(R・マクアダムス)の少女期ブルックリン・プルー、ヘンリー(E・バナ)の少年期役アレックス・フェリス、クレアの父親フィリップ・クレイグなどが共演している。