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三銃士 The Three Musketeers (1948)

1844年に発表されたアレクサンドル・デュマ・ペールの小説”三銃士”を基に製作された作品。
銃士となることを心に誓った青年が最高の銃士と言われるアトス、ポルトス、アラミスと共に宰相の陰謀に立ち向かう姿を描く、監督ジョージ・シドニー、主演ラナ・ターナージーン・ケリージューン・アリソンヴァン・ヘフリンヴィンセント・プライス他豪華スター競演のMGMによるアクション大作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー
ジーン・ケリー / Gene Kelly / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・シドニー

製作:パンドロ・S・バーマン
原作:アレクサンドル・デュマ・ペール三銃士
脚本:ロバート・アードリー
撮影:ロバート・H・プランク
音楽:ハーバート・ストサート

出演
ミレディ/ウィンター伯爵夫人:ラナ・ターナー
ダルタニアン:ジーン・ケリー
コンスタンス・ボナシュー:ジューン・アリソン
アトス:ヴァン・ヘフリン
ルイ13世フランク・モーガン
アンヌ・ドートリッシュアンジェラ・ランズベリー
リシュリューヴィンセント・プライス
ポルトス:ギグ・ヤング
アラミス:ロバート・クート
プランシェ:キーナン・ウィン
バッキンガム公ジョン・サットン
トレヴィル:レジナルド・オーウェン
キティ:パトリシア・メディナ
ジュサック:ソル・ゴース
王妃の侍女:マリー・ウィンザー

アメリカ 映画
配給 MGM
1948年製作 125分
公開
北米:1948年10月20日
日本:1952年1月17日
製作費 $4,474,000
北米興行収入 $8,412,000


アカデミー賞 ■
第21回アカデミー賞
・ノミネート
撮影賞(カラー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1625年、フランス王国
イングランドではウィリアム・シェイクスピアが活躍し、アメリカが未開拓だった時代、ガスコーニュの村ではある若者が旅立とうとしていた。

青年ダルタニアン(ジーン・ケリー)は、銃士になるためにパリに向かう。

途中ダルタニアンは、ミレディ/ウィンター伯爵夫人(ラナ・ターナー)の従者に侮辱され、父から渡された剣を抜こうとする。

貴婦人は、ダルタニアンが王のスパイであるかを確かめさせる。

痛めつけられたダルタニアンは剣を奪われ、その後、銃士隊の本部に到着する。

最高の銃士アトス(ヴァン・ヘフリン)、ポルトス(ギグ・ヤング)、アラミス(ロバート・クート)の報告を受けていた隊長トレヴィル(レジナルド・オーウェン)と面会したダルタニアンは、銃士に志願するものの相手にされない。

トレヴィルは、ダルタニアンがウィンター伯爵夫人を目撃したことを知り、彼を候補生にすることを伝えて国王の元に向かう。
...全てを見る(結末あり)

自分を痛めつけた男を目撃したダルタニアンは、その場に向かおうとしてアトス、ポルトス、アラミスと諍いを起こし、それぞれと決闘することになる。

約束の場所に向かったダルタニアンは、他の二人とも決闘することを待っていたアトスに知らせて驚かせる。

そこに決闘の相手ポルトスとアラミスが現れ、ダルタニアンは、まずアトスと剣を交える。

その時、宰相でもある枢機卿リシュリュー(ヴィンセント・プライス)の家臣ジュサック(ソル・ゴース)らが現れ、ダルタニアンら4人は、決闘を禁ずるという5人を相手に勇敢に戦う。

ダルタニアンは、剣客ジュサックを圧倒して自分の名を名乗り、主人に伝えるよう言って彼に恥をかかせて逃がす。

アトス、ポルトス、アラミスはダルタニアンが気に入り、本部に戻りそれをトレヴィルに伝える。

国王ルイ13世(フランク・モーガン)に呼ばれたトレヴィルと銃士4人は、リシュリューの件で意見されるものの褒美の500フランずつを受け取る。

ダルタニアンは、家主の娘で王妃アンヌ・ドートリッシュ(アンジェラ・ランズベリー)の侍女コンスタンス・ボナシュー(ジューン・アリソン)が家に帰った際、二階の床板を外して覗き見して彼女に惹かれてしまう。

コンスタンスが現れた者達に襲われたため、ダルタニアンは召使のプランシェ(キーナン・ウィン)と共に彼女を救う。

ダルタニアンはコンスタンスに愛を伝え、それを受け入れられるものの、彼女は鐘の音を聴いて出かけてしまう。

コンスタンスを尾行したダルタニアンは、彼女が男性と待ち合わせをしていたことを知る。

ショックを受けたダルタニアンは男性に剣を向けるが、彼はイングランド国王の重臣バッキンガム公(ジョン・サットン)だった。

ダルタニアンは剣を下げ、コンスタンスはバッキンガム公を連れて王妃の元に向かう。

バッキンガム公と愛し合う王妃は、リシュリューの陰謀を知り怯えながら、彼に国王から贈られた12個のダイヤモンドを渡す。

その頃、リシュリューは現れたミレディに、王妃がバッキンガム公に渡したダイヤモンドを奪うよう指示する。

リシュリューは、銃士に痛めつけられた家臣が当てにならないことを伝える。

イングランドとの戦争に反対している国王の考えを変えさせるため、王妃とバッキンガム公の関係を知るリシュリューは、それを利用しようとしていたのだった。

家に戻ったダルタニアンは、リシュリューが祝宴を開き国王から贈られた王妃のダイヤを披露させようとしていることをコンスタンスから知らされる。

ダイヤはバッキンガム公の手元にあり、それを国王に気づかせるのがリシュリューの狙いだった。

ダルタニアンは、9日後に迫る祝宴までにダイヤをバッキンガム公から受け取り戻ることをコンスタンスに伝え、アトス、ポルトス、アラミス、プランシェと共に港に急ぐ。

妨害に遭いながら、ダルタニアンは追ってきたジュサックを倒し、敵を三人の銃士に任せてプランシェと船に乗りイングランドに向かう。

バッキンガム公に会ったダルタニアンは、ダイヤの入った箱を受け取るが、その中の2個がなくなっていた。

同じ頃ミレディは、手に入れたダイヤ2個をリシュリューに渡す。

フランスに戻ったダルタニアンは、無事だったポルトスと出くわし、盗まれたダイヤの代わりに新しいものを作ったことを話す。

ポルトスが負傷していることを知ったダルタニアンは、アラミスが僧院に向かったと聞きく。

かつて友人から聞いたと言う、愛した女性の話をして酔い潰れそうなアトスと共にパリに戻ったダルタニアンは、襲われるものの難を逃れる。

リシュリューは、国王に盗まれた2個のダイヤを見せて動揺させる。

ダルタニアンは王宮に侵入してコンスタンスにダイヤを渡し、国王の元に向かった王妃はそれを受け取る。

箱の中のダイヤを確認した国王は、疑っていた王妃を信用して、彼女はリシュリューから2個のダイヤも受け取りその場を去る。

コンスタンスと愛を確かめ合っていたダルタニアンは、現れた王妃に感謝される。

その様子を、リシュリューのスパイである王妃の侍女(マリー・ウィンザー)が目撃していた。

翌日、コンスタンスが連れ去られたことを知ったダルタニアンは、リシュリューの元に向かい彼女を解放するよう迫る。

リシュリューはダルタニアンを敵に回す考えはなく、護衛隊長として雇いたいことを伝える。

それに従えばコンスタンスのことは考えると言うリシュリューは、現れたミレディにダルタニアンの相手をさせる。

数日後、アトス、ポルトス、アラミスはダルタニアンの元に向かい、彼がミレディと親交を深めていることを知る。

コンスタンスの情報を手に入れるためだと言うダルタニアンを三人はからかう。

ダルタニアンは、現れたミレディのメイド、キティ(パトリシア・メディナ)の持参していた手紙を読む。

ミレディがある伯爵と愛し合っていることを知ったダルタニアンは、伯爵に成り済まして情報を得ようとする。

部屋の明かりを消して伯爵を待っていたミレディは、現れたダルタニアンを伯爵だと思い込む。

翌朝、戻ったダルタニアンは、ミレディから愛の証として指輪を渡されたことをアトスに伝える。

驚いたアトスは、それが代々受け継がれた自分の指輪であり、ミレディがかつて愛した妻だったことを知り、以前話したのは友人のことではなかったことをダルタニアンに伝える。

ミレディに会ったダルタニアンは、愛を語り、そして伯爵が自分だったことを伝え指輪を見せる。

憤慨したミレディと揉み合ったダルタニアンが、彼女の肩に刻まれた罪人の刻印がアトスの話と一致したため、その場を離れ現れたアトスらと共に脱出する。

ダルタニアンは、ミレディが必ず自分を殺すとアトスに警告される。

その後、コンスタンスが解放されたことを知ったダルタニアンは、彼女と結婚して迫る危険に備える。

バッキンガム公の元に向かったコンスタンスは、彼が兵を従えフランスに攻め入ることを知り、先行きを思い悲しむ。

迎え撃つリシュリューは劣勢となり、アトス、ポルトス、アラミスに話し合いを要求する。

民家に向かったリシュリューは、バッキンガム公に近づくようミレディに指示し、三人にその話をわざと聞かせる。

ミレディは、リシュリューに領地を要求してそれを書面にさせて、ダルタニアン殺害を諦めていないことを伝える。

ポルトス、アラミスをダルタニアンの元に向かわせたアトスは、ミレディと再会し契約の書面を奪い立ち去る。

ミレディを連れに来た者に殴られ気を失ったアトスは、現れたダルタニアンに書面のことを話す。

ダルタニアンは、バッキンガム公の元に向かいリシュリューの企みを知らせるようプランシェに命ずる。

プランシェはその件をバッキンガム公に伝え、身分を証明するため王妃のダイヤを見せる。

バッキンガム公は、その場にいたミレディにそれを確かめさせるが、彼女はプランシェがダイヤを盗んだと語る。

そこにコンスタンスが現れプランシェに寄り添ったため、バッキンガム公は彼を信じてミレディを拘束する。

バッキンガム公は、ダルタニアンの命を守るために、ミレディを見張るのはコンスタンスが適任だと判断し、彼女はそれに従う。

戻ったプランシェからそれを知らされたダルタニアンは、コンスタンスの身を案じてアトスと共に彼女の元に向かう。

強かなミレディは仮病を使い、思い悩み死にたいと言ってコンスタンスを困惑させる。

コンスタンスはミレディにナイフを渡してしまい、看守を殺害したミレディは、バッキンガム公の部屋に侵入する。

到着したダルタニアンは、傷ついたコンスタンスを抱き寄せるが、彼女は息を引き取る。

アトスは悲しむダルタニアンを励まして本部に戻り、リシュリューが逮捕状を出したことを知る。

ミレディが、要求した領地にいると考えたダルタニアンとポルトスは、彼女を捕らえアトスらの元に戻る。

アトスは、現れたミレディに罪を償うことと別れを告げ、処刑される彼女を見守りながら涙する。

その後、ダルタニアンとアトス、ポルトス、アラミスは、リシュリューの部下に襲われて捕えられる。

国王の言葉を遮り、リシュリューは自分こそがフランスだと言って4人を処罰しようとする。

しかしダルタニアンは、リシュリューがミレディと交わした契約書を読み上げる。

それを確認した国王は、リシュリューが自分に従うことを確認する。

リシュリューは、アトス、ポルトス、アラミスに望み通りの処遇を与え、ダルタニアンをイングランドの特命大使に任命し4人を解放する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1625年、フランス王国
ガスコーニュの村から旅立った青年ダルタニアンは、銃士になるためにパリに向かう。
銃士隊の本部に着いたダルタニアンは候補生になり、最高の銃士アトス、ポルトス、アラミスと諍いを起こすものの、剣の腕を認められ銃士となる。
その後ダルタニアンは、家主の娘で、国王ルイ13世の后アンヌの侍女コンスタンスに恋してしまう。
その頃、宰相でもある枢機卿リシュリューは、権力を手中にするため、謎の伯爵夫人ミレディを使い陰謀を企てていた・・・。
__________

有名な物語の映画化で、国王の護衛銃士隊の活躍を描く内容は、美しいテクニカラーの映像と共に活劇映画として十分に楽しめる。

第21回アカデミー賞では、撮影賞(カラー)にノミネートされた。

ジョージ・シドニーの演出はやや単調だが、銃士の活躍を単純に描いているのではなく、権力を手中にようとする悪魔のような宰相が、これまた魔女のような妖艶な美女を使い繰り広げる展開は盛り上がり、スパイ劇を見ているような面白さがある。

タイトルは”三銃士”だが、ファースト・クレジットは謎の伯爵夫人である悪女を妖艶に演ずるラナ・ターナーで、当時のトップスターである彼女の魅力を十分に生かしている。

主人公を演ずるジーン・ケリーの、歌わない体を張ったパフォーマンスは圧巻で、ユーモアを交えた愛嬌のある表情、曲芸のようなアクロバチックな身のこなし、そして見事な剣術など、正に最高のエンタティナーとして大活躍する。

主人公ダルタニアンと愛を深める王妃の侍女ジューン・アリソン、三銃士アトスのヴァン・ヘフリン、ポルトスのギグ・ヤング、アラミスのロバート・クート、国王ルイ13世フランク・モーガン、王妃アンヌ・ドートリッシュアンジェラ・ランズベリー、宰相である枢機卿リシュリューヴィンセント・プライス、主人公の召使キーナン・ウィンバッキンガム公ジョン・サットン、銃士隊隊長レジナルド・オーウェン、伯爵夫人のメイド役パトリシア・メディナ、宰相の家臣で剣客のソル・ゴース、王妃の侍女である宰相のスパイ、マリー・ウィンザーなど、豪華スター競演も注目だ。


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