スティーブ・マックイーン主演作「華麗なる賭け」(1968)のリメイク作品。 絵画収集家の大富豪の名画強奪と調査員との関係を描く、監督ジョン・マクティアナン、主演ピアース・ブロスナン、レネ・ルッソ、デニス・リアリー、ベン・ギャザラ、フェイ・ダナウェイ他共演のラブ・ロマンス・タッチのサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・マクティアナン
製作総指揮:マイケル・タドロス
製作
ピアース・ブロスナン
ボー・セント・クレア
脚本
アラン・トラストマン(オリジナル脚本)
レスリー・ディクソン
カート・ウィマー
撮影:トム・プリーストリーJr.
編集:ジョン・ライト
音楽:ビル・コンティ
主題歌:スティング ”Windmills of Your Mind”
出演
トーマス・クラウン:ピアース・ブロスナン
キャサリン・バニング:レネ・ルッソ
マイケル・マッキャン:デニス・リアリー
ハインリッヒ:マーク・マーゴリス
アンナ:エスター・カニャーダス
アンドリュー・ウォレス:ベン・ギャザラ
精神分析医:フェイ・ダナウェイ
アメリカ 映画
配給 MGM
1999年製作 113分
公開
北米:1999年8月6日
日本:1999年11月13日
製作費 $48,000,000
北米興行収入 $69,304,260
世界 $124,305,180
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
投資会社を経営する大富豪のトーマス・クラウン(ピアース・ブロスナン)は、一日の仕事を済ませ、趣味の絵画鑑賞へとメトロポリタン美術館に向かう。
同じ頃、あるグループが美術館に侵入し、警備員を装い”印象派ギャラリー”を閉鎖しようとしていた。
しかし、主任警備員が異状に気づき警報を鳴らし、ギャラリーは閉鎖される。
その時クラウンは、ギャラリーの非常扉に隙間が開くよう、事前にアタッシュケースを置き、そこからギャラリーに侵入し、モネの作品(San Giorgio Maggiore at dusk)を手際よく盗み出す。
帰宅したクラウンは、時価1億ドルの絵を書斎に飾り、満足気に眺める。
ニューヨーク市警のマイケル・マッキャン刑事(デニス・リアリー)は、早速、捜査に乗り出し美術館を調べ始める。
マッキャンは、保険会社から派遣された調査員キャサリン・バニング(レネ・ルッソ)に、絵画の盗難方法の疑問を指摘される。 賞金稼ぎのような、強引な調査で知られるキャサリンを警戒するマッキャンだったが、監視カメラに映っていたベンチの足が、彼女の指摘で盗難用のカバンであった可能性がでてくる。 さらにキャサリンは、現場の目撃者クラウンに目をつけ、 犯人のルーマニア人を尋問し、彼らが何者かに雇われていたことも突き止める。 真犯人は、金目的でないと考えるキャサリンは、モネのコレクターの線で調査を進め、クラウンの名前が浮かび上がる。 マッキャンはそれを見当違いだと否定するが、キャサリンは、クラウンの身辺調査を始める。 クラウンは、モネの代わりになる絵画を美術館に貸し出し、犯人逮捕にも協力することを約束する。 キャサリンはクラウンに接触し、彼に、モネを盗んだ犯人であると確信していることを彼に伝える。 クラウンはキャサリンに興味を持ち、精神科医(フェイ・ダナウェイ)に、”手玉に取られた”ことを見破られる。 キャサリンに出し抜かれたマッキャンは、令状をとりクラウンの自宅に押し入る。 しかし、クラウンの顧問弁護士アンドリュー・ウォレス(ベン・ギャザラ)に追い返されてしまう。 マッキャンらの行動を尻目に、キャサリンはクラウンと会い、美術館やレストランで時を過ごすが、彼に自分のことも調べ尽くされていることを知る。 クラウンの鍵を盗んだキャサリンは、食事中に合鍵を作らせて彼と別れる。 清掃サービスを装いクラウンの家に侵入したキャサリンは、盗まれた絵を発見し警察に持ち帰るが、それは贋作だった。 クラウンが、自分に挑戦していると気づいたキャサリンは、彼の元に向かい情熱的に彼を誘い、そして二人は結ばれる。 二人は互いに牽制し合いながら、共に行動してヴァカンスを楽しみ、キャサリンは、クラウンが不動産を処分して高飛びしようとしていることを察知する。 その間もクラウンは、アンナ(エスター・カニャーダス)という 女性と密会を重ねていることを、キャサリンはマッキャンから聞かされる。 それに嫉妬したキャサリンは、自分の気持ちを確かめるための手段だったとクラウンから聞かされ、一緒に逃亡する意思があるかを問われる。 クラウンの家にあった絵の縁と、保険会社が控えてあった縁の写真が一致し、贋作者ハインリッヒ(マーク・マーゴリス)に会ったキャサリンとマッキャンは、何かが裏に隠されていることに気づく。 キャサリンの勘は当たり、クラウンとハインリッヒが、1990年に、ベルリンなどで画廊を共同で経営していたことと、二人が親子だという可能性もでてくる。 クラウンの元に向かったキャサリンは、”明日、美術館に絵を返し高飛びしよう”と言われるが、彼の言葉を信ずることができず、その場を立ち去る。 クラウンの予告を受け,メトロポリタン美術館は、厳戒態勢となる。 そして、アンナが、贋作者ハインツの娘だと知ったキャサリンの、クラウンへの疑いが晴れる。 クラウンは。警戒の中の美術館に堂々と姿を現し、行動を開始する。 クラウンと同じ服装の人物が多数現れ、警察は混乱して彼を見失ってしまう。 姿を変えたクラウンは、印象派ギャラリーに煙幕を張り、警報もを鳴らし、スプリンクラーを作動させる。 警察がギャラリーに到着した時には、クラウンが美術館に貸し出した絵の絵の具が洗い流され、盗まれたモネの絵が浮かび上がり、他の絵が盗まれていた。 マッキャンはキャサリンの気持ちを察し、彼女をクラウンの元に向かわせる。 キャサリンはクラウンの待つヘリポートに向かうが、彼の姿はなく、美術館から盗んだ絵を渡される。 失意のキャサリンは、絵をマッキャンに送る手配をして、ニューヨークを去ろうとする。 しかし、すべて計画済みだったクラウンは、キャサリンの搭乗する便に姿を現し2人は高飛びする。
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*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
投資会社を経営する大富豪で、絵画の収集家でもあるのトーマス・クラウンは、メトロポリタン美術館から、手際よくモネの名画を盗み出す。
ニューヨーク市警のマッキャン刑事は捜査を始め、保険会社調査員キャサリン・バニングは、絵画の盗難方法に疑問を感じる。
キャサリンは、犯人が金目的ではないと考え、モネのコレクターの線で調査を進め、クラウンの名前が浮かび上がる。
そんなクラウンは、代わりになる絵画を美術館に貸し出し、捜査への協力も約束する。
その後、キャサリンはクラウンに接触し、大胆にも、彼がモネを盗んだ犯人であると確信していることをに伝える。
二人は親交を深め、キャサリンは探りを入れながら、クラウンの屋敷から盗まれた絵を発見するが、それは贋作だった。
全ての物事を、思い通りに運ぶ自信のあるキャサリンは、クラウンが自分に挑戦していることに気づき、そんな彼に、次第に惹かれていくのだが・・・。
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旧作公開当時、スーパースターへの道を邁進して、野生児的キャラクターで通っていたマックイーンが、あえてダンディーな大富豪、超エリートを演じたことで話題になり、同じく、前年の「俺たちに明日はない」(1967)で人気がブレイクしたフェイ・ダナウェイとの、熱いラブシーンなども印象に残る。
どちらかというと、今回の主人公役のピアース・ブロスナンの方が、その洗練されたニュー・リッチが似合っている気はするのだが、やはり、サスペンスのドラマ構成や、知性と野性味を兼ね備えた役柄を演じた、主演者の格が、前作のマックイーンには遠く及ばない感じがする。
アクション派ジョン・マクティアナンの演出も、やや地味にならざるを得なかったのは、致し方ないところか・・・。
北米興行収入は約7000万ドル、全世界では約1億2400万ドルのヒットとなった。
今回も使われていた主題曲”Windmills of Your Mind”も、前作でアカデミー賞を受賞し、映画史に残る名曲として作品を盛り上げた、ミシェル・ルグランの楽曲の素晴らしさばかりが懐かしく思える。
007のボンド役が定着し、それが好評だったピアース・ブロスナンは、このような役だと、余計ボンドのイメージが重なり新鮮味がない。
レネ・ルッソも、どうしてもオリジナルのフェイ・ダナウェイと比較してしまい、さすがの彼女も見劣りしてしまう感じは否めないが、男勝りの強引な調査員が、次第に弱さも浮き彫りにしていく女性を好演している。
彼女と対立もするが、最後には友情を示す、人間味のある刑事デニス・リアリー、オリジナルキャストで、ゲスト出演の、精神分析医役フェイ・ダナウェイ、主人公の弁護士ベン・ギャザラが出演するが、端役のような扱いが残念だ。