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古城の亡霊 The Terror (1963)

呪われた城の亡霊に翻弄される男爵と青年兵に襲いかかる恐怖を描く、製作、監督ロジャー・コーマン、主演ボリス・カーロフジャック・ニコルソンディック・ミラーサンドラ・ナイト他共演のホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー

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スタッフ キャスト
監督

ロジャー・コーマン
・以下クレジットなし
フランシス・フォード・コッポラ
デニス・ジェイコブ
モンテ・ヘルマン
ジャック・ヒル
ジャック・ニコルソン
製作:ロジャー・コーマン
脚本
レオ・ゴードン
ジャック・ヒル
撮影:ジョン・M・ニコラウスJr.
編集:スチュアート・オブライエン
音楽:ロナルド・スタイン

出演
ヴィクター・フレデリック・フォン・レッペ男爵/エリック:ボリス・カーロフ
アンドレ・デュヴァリエ:ジャック・ニコルソン
ステファン:ディック・ミラー
ヘレネ/イルサ:サンドラ・ナイト
魔女カトリーナ:ドロテア・ノイマン
グスタフ:ジョナサン・ヘイズ

アメリカ 映画
配給 アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ
1963年製作 81分
公開
北米:1963年6月17日
日本:1964年5月17日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1806年。
行方不明となったフランス兵アンドレ・デュヴァリエ(ジャック・ニコルソン)は、海岸で意識を失う。

目覚めたアンドレは、美しい女性ヘレネ(サンドラ・ナイト)を目撃し、声をかけて水場に案内される。

ヘレネと楽しい時間を過ごしたアンドレだったが、彼女は海岸で姿を消す。

現れた鳥に襲われたアンドレは再び意識を失い、ある場所で目覚める。

目覚めたアンドレは、その場にいたカトリーナ(ドロテア・ノイマン)に介抱される。

自分を襲った鳥に気づいたアンドレは、現れたグスタフ(ジョナサン・ヘイズ)が自分を運んでくれたことを知る。

アンドレは、ヘレネのことをカトリーナに尋ねるものの、そんな女性は付近にはいないということだった。

夜になり、小屋を出たアンドレは、森の中でヘレネに出くわし、キスをして彼女の後を追う。

現れたグスタフに引き留められたアンドレは、流砂があることを知らされ、ヘレネが自分を殺そうとしたと考える。

アンドレは、自分の意思で行動していないヘレネが、ヴィクター・フレデリック・フォン・レッペ男爵(ボリス・カーロフ)の城にいることを知る。
...全てを見る(結末あり)

グスタフは、”エリック”を探すようにとアンドレに伝えてその場を去る。

小屋に戻りヘレネの絵を描いたアンドレは、グスタフの案内で城に行きたいことをカトリーナに伝える。

城は無人で、グスタフは数日、戻らないと言えわれたアンドレは、代わりに案内してほしいとカトリーナに伝える。

ヘレネのことを気にするアンドレに、そんな娘はいないと伝えたカトリーナは、自分で城を探すと言って出て行った彼の後を追う。

カトリーナから城には行ってはいけないと言われたアンドレは、それを無視して馬で出発する。

城に到着したアンドレは、窓際に立つ女性に気づく。

フォン・レッペ男爵と話したアンドレは、一晩泊めてほしいと頼み、迎え入れられる。

アンドレを一応、歓迎した男爵は、使用人のステファン(ディック・ミラー)を呼ぶ。

窓際にいた女性のことについてアンドレに訊かれた男爵は、見間違いだと言って、肖像画を見せる。

それがヘレネの絵であることを確認したアンドレは、20年前に描かれたことを知る。

女性は20年前に亡くなった自分の妻だと言う男爵は、城の住人は自分とステファンだけであり、19世紀になり初めて迎えた客だとアンドレに伝えて、泊ることを許可する。

その夜、落雷で興奮した馬が逃げる。

外を歩く女性を目撃したアンドレは、その場に向かおうとするものの、ドアの外の騒ぎに気づき警戒する。

銃を手にして部屋を出たアンドレは、外に向かい女性を捜す。

男爵夫人イルサが埋葬されている聖堂の入口を見つけたアンドレは、城に戻り肖像画がなくなっていることに気づく。

部屋に入ろうとしたアンドレはヘレネが現れたために驚き、彼女は姿を消す。

アンドレは、自分が描いたヘレネの絵が破られていることに気づく。

翌朝、男爵は、アンドレを追い払うようステファンに指示する。

アンドレを見つけたステファンは、怪しい彼を牽制しながら、中に聖堂があることを話す。

ヘレネを見たと言えわれたステファンは、女性はいないことを伝えて、馬を見に行こうとするアンドレに、逃げたことを知らせる。

別の馬を用意すると言うステファンは、エリックの名を口にしたアンドレに、死者に関わるべきではなく、男爵を苦しめないでほしいと伝える。

いなくなった馬の件で男爵と話をしたアンドレは、他にも不可解なことがあると言って、夫人の肖像画を外した理由を尋ねる。

修復のためだと答えた男爵は、昨夜、目撃した女性のことを尋ねるアンドレに、イルサだと伝えて動揺する。

20年前に、妻を亡くしていた男爵は、村で母と暮らす農民の娘イルサに出会い、貴族は農民の娘を囲うことを許されていたため、彼女を愛し妻に迎えたのだった。

その後、ナポレオン軍に召集された男爵は、1年後に城に戻るものの、イルサには愛人がいた。

イルサを殺したと言う男爵は、相手の男はステファンが始末し、妻は病死したことにしたと言う話をアンドレにする。

20年間、城から出ていないと言う男爵は、イルサの亡霊が自分を救うと信じていることをアンドレに伝える。

亡霊は2年前から現れ、最初は恐れたが、今は愛おしいと言う男爵は、信じることができないアンドレに、彼女を見たはずだと伝える。

海岸にいたイルサに話しかけたグスタフは、海に戻るべきだと彼女に伝える。

聖堂が海に沈めばエリックと共に眠りにつくと言うイルサは、老女の命令だとグスタフに伝えて海を見つめる。

イルサは、アンドレが助けてくれると言うグスタフに、邪魔するなと老女が警告していることを伝える。

小屋に向かったステファンは、魔女だったカトリーナが、ヘレネにイルサの魂を宿し復讐しようとしていることを知る。

カトリーナと話したステファンは、小屋は男爵の所有物であり、村人の出入りは禁止だと伝える。

ステファンは、2年前からここにいるのは承知で、魔女と噂されていることは分かっているとカトリーナに伝える。

この場にいた女のことを追及したステファンは、今夜中に立ち去らねば焼き殺すと言ってカトリーナを脅す。

カトリーナは、前の住人エリックの名を口にして、ステファンを動揺させる。

城に戻ったステファンは、去ろうとしないアンドレを殺害することを男爵に提案するものの、反対される。

城の中を調べたアンドレは、女の声を聞く。

部屋に向かった男爵は、いきなり入ってきたアンドレに驚き、すぐに城を去るよう指示する。

アンドレはそれに従うと言ってその場を去り、男爵はイルサに話しかける。

城を去るアンドレは、馬を用意してくれたステファンにエリックのことを尋ねる。

イルサの浮気相手だと知ったアンドレは、その場を去る。

海岸を進むアンドレは、崖の上で合図をするグスタフが、鳥に襲われて両目を潰され、転落するのを目撃する。

アンドレは瀕死のグスタフの元に向かい、”彼女は見ている、あなたを愛している、彼女の魂を今夜、救ってほしい・・・”と言い残し、グスタフは息を引き取る。

その夜アンドレは、現れたイルサに近づいてキスし、助けたいと伝える。

今はまだ自由になれないと言うイルサは、聖堂を壊して死者を葬らねばならないとアンドレに伝える。

死者にとり憑かれていると言うイルサに、救いたいと伝えたアンドレは、彼女に再びキスし、自分を愛せば不安も消えると伝える。

雷鳴と共にイルサは姿を消し、城に戻ったアンドレは、ある場所に向かう男爵を追う。

聖堂に向かった男爵はイルサの棺に話しかけ、ステファンがこの場を海水で満たし、自分たちの肉体と愛を封印すると伝える。

男爵は、現れたイルサから、今がやるチャンスだと言われ、そこに現れたアンドレが彼女を追うものの姿を消す。

アンドレは倒れた男爵を寝室に運び、ステファンから、数日で回復すると言われ、彼と共に聖堂に向かう。

入り口の金具がさびているために道具を取りに行こうとした2人は、イルサの部屋に向かう光が見えたために、それを確かめに行く。

鍵がかかっている部屋に押し入ったアンドレは、現れた男爵に銃を向けられる。

銃をステファンに渡した男爵は、アンドレを城の外に連れて行かせる。

男爵は、その場に現れたイルサから、自ら命を絶てば永遠に一緒になれると共に、苦しみから解放されると言われて納得する。

イルサを目撃したアンドレは、隙を見てステファンに襲いかかり、殴り倒して銃を奪う。

その場にいたカトリーナを問い詰めたアンドレは、今夜、男爵が自ら命を絶つことを知らされる。

恨みを晴らすと言うカトリーナは、息子のエリックを殺した男爵に罪を償わせるとアンドレに伝える。

イルサが聖堂を壊すことを知っていたアンドレは、カトリーナと共に城に向かう。

男爵は、引き止めようとするステファンを殴り倒して聖堂に向かう。

城に戻ったアンドレは、ステファンから、男爵が聖堂に向かったことを知らされ、カトリーナが彼を自殺に追い込む気だと伝える。

エリックを殺したのはステファンだと知ったカトリーナは、彼に襲いかかろうとする。

ステファンは、男爵はエリックを殺す気だったが、揉み合ううちに、自分が誤って男爵を殺したことをアンドレとカトリーナに伝える。

エリックは男爵に成り代わり、精神的にも本人になったというステファンの話を聞いたカトリーナは、聖堂を海水で満たすように命じたために焦る。

聖堂に向かったアンドレは、入口を開けようとするステファンにその場を任せて、別の入口に向かおうとする。

アンドレはカトリーナを連れて行こうとするが、神の居場所を嫌う彼女はそれを拒み、落雷を受けて燃え尽きる。

エリックは、イルサの言葉に従い水門を開ける。

腐りかけているイルサの遺体を見て驚いたエリックは、彼女の魂から、犯した罪で安らかに眠れないが、自分の魂を葬れば自由になれると言われ、それに従う。

エリックとイルサは揉み合いになり、その場に海水が流れ込む。

ドアをこじ開けたステファンは、エリックとイルサの元に向かう。

その場に向かったアンドレは、イルサの魂が去り溺れかけるヘレネを救い出す。

城から離れたアンドレは、ヘレネにキスするものの、彼女の体は朽ち果てる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1806年。
行方不明になっていたフランス兵アンドレは、海岸で美しい女性ヘレネに出会い、彼女を捜すためにヴィクター・フレデリック・フォン・レッペ男爵の城に向かう。
使用人のステファンと2人で暮らす男爵は、女性を捜しに来たアンドレを一応、歓迎するが、城の内部を探り詮索する彼を警戒する。
女性を目撃したアンドレは、それが、ヘレネと瓜二つの男爵夫人イルサで20年前に亡くなったことを知り、その件を調べようとするのだが・・・。
__________

ロジャー・コーマンが製作を兼ねた監督作品であり、クレジットなしの共同監督として、フランシス・フォード・コッポラ、デニス・ジェイコブ、モンテ・ヘルマンジャック・ヒル、そして、重要人物として出演するジャック・ニコルソンが名を連ねている。

そのため、明らかに演出にバラツキがり、まとまりに欠ける結果になったのは残念だ。

「忍者と悪女」(1963)の撮影を終えたロジャー・コーマンが、翌月に同じセットを利用して、ボリス・カーロフジャック・ニコルソンを引き続き出演させ、2日間で撮影するという離れ業で完成させた作品。

上記のようにやや雑な面はあるが、往年の怪奇スターとしてのプライドを感じさせる、城主である男爵を演ずるボリス・カーロフの名演や、演出も担当する主人公と言っていい、亡霊に惑わされる青年兵士を演ずるジャック・ニコルソンの熱演は見逃せない。

男爵の使用人役で、お馴染み、ロジャー・コーマン作品の常連ディック・ミラー、主人公らを混乱させる亡霊を演ずる、当時のジャック・ニコルソン夫人である美しいサンドラ・ナイト、彼女を操る魔女ドロテア・ノイマン、城の秘密を知る農民で、ロジャー・コーマン作品の常連ジョナサン・ヘイズなどが共演している。


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