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太陽は光り輝く The Sun Shines Bright (1953)

再選を目指しながら町の問題を解決する判事の人間性を描く、製作、監督ジョン・フォード、主演チャールズ・ウィニンジャーアーリーン・ウィランジョン・ラッセルステピン・フェチットラッセル・シンプソン他共演のヒューマン・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)

ジョン・フォード / John Ford 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:ジョン・フォード
製作
メリアン・C・クーパー
ジョン・フォード
原作:アーヴィン・S・コップ
The Sun Shines Bright”, “The Mob from Massac” and “The Lord Provides”
脚本:ローレンス・ストーリングス
撮影:アーチー・スタウト
編集:ジャック・マレイ
音楽:ヴィクター・ヤング

出演
ウィリアム・ピットマン・プリースト判事:チャールズ・ウィニンジャー
ルーシー・リー・レイク:アーリーン・ウィラン
アシュビー・コーウィン:ジョン・ラッセル
ジェフ・ポインデクスター:ステピン・フェチット
ルート・レイク医師:ラッセル・シンプソン
ハーマン・フェルスバーグ:ルドウィヒ・ストッセル
フィーニー:フランシス・フォード
スターリング:スリム・ピケンズ
ジミー・バグビー軍曹:ポール・ハースト
アンディ・レドクリフ保安官:ミッチェル・ルイス
バック・ラムジー:グラント・ウィザース
ホーレス・K・メイデュー:ミルバーン・ストーン
ルーシー・リーの母親:ドロシー・ジョーダン
U・S・グラント”ユー・エス”ウッドフォード:エルジー・エマニュエル
ジョー・D・ハバーシャム:ヘンリー・オニール
フェアフィールド将軍:ジェームズ・カークウッド
プレザント”アンクル・プレズ”ウッドフォード:アーネスト・ウィットマン
マリー・クランプ:エヴァ・マーチ
ルーフ・ラムズール:トレヴァー・バーデット
ルーフ・ラムズールJr.:ハル・ベイラー
オーロラ・ラチット:ジェーン・ダーウェル
ザック:クラレンス・ミューズ
G・A・Rの女性:メエ・マーシュ
ビーカー:ジャック・ペニック
保安官補:クリフ・ライオンズ
士官候補生:パトリック・ウェイン

アメリカ 映画
配給 リパブリック・ピクチャーズ
1953年製作 92分(ディレクターズ・カット100分)
公開
北米:1953年5月2日
日本:1966年3月11日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ケンタッキー州。
川で釣りをしたいた、ウィリアム・ピットマン・プリースト判事(チャールズ・ウィニンジャー)の使用人である黒人のジェフ・ポインデクスター(ステピン・フェチット)は、蒸気船の到着を確認する。

目覚めたプリースト判事はジェフを捜し、戻ってきた彼の前で、心臓を動かす薬だと言って酒を飲む。

裁判所に向かおうとしたプリースト判事は、蒸気船が到着したために船着き場に向かい、声をかけてきたオーロラ・ラチット(ジェーン・ダーウェル)に挨拶する。

再選を目指すプリースト判事は愛想よく振る舞い、選挙宣伝用のカードの配布をオーロラに依頼する。
...全てを見る(結末あり)

良家の子息にも拘わらず厄介者のアシュビー・コーウィン(ジョン・ラッセル)が蒸気船を降りたことを知ったプリースト判事は、彼が問題を起こさないか心配する。

アシュビーが戻ったことを知ったルーシー・リー・レイク(アーリーン・ウィラン)は驚き、養父で医師のルート・レイク(ラッセル・シンプソン)は、それをよく思わない。

レイクに挨拶したアシュビーは、美しく成長したルーシー・リーにも声をかける。

御者のザック(クラレンス・ミューズ)に馬を任せたアシュビーは、通りを歩くルーシー・リーに近づき、教科書を持っていた彼女が、黒人学校の教師であることを知る。

ジェフと共に裁判所に向かったプリースト判事は、選挙に勝ち判事の狙う弁護士のホーレス・K・メイデュー(ミルバーン・ストーン)が、娼館の経営者マリー・クランプ(エヴァ・マーチ)の弁護を渋るため、次の審理に移るよう指示する。

プリースト判事は、甥が仕事をしようとしないと訴えるプレザント”アンクル・プレズ”ウッドフォード(アーネスト・ウィットマン)が、南北戦争時代にアシュビーの父の死体を故郷まで運んだ男だということに気づく。

バンジョーばかり弾いて仕事をしないU・S・グラント”ユー・エス”ウッドフォード(エルジー・エマニュエル)に、プリースト判事は、その場で”ディキシー”を演奏させる。

それが聴こえたレイクらは裁判所に向かい、昔を懐かしく思う。

静粛にさせたプリースト判事は、タバコ農場の仕事を紹介することをユー・エスに約束し、仕事を覚えて将来のために役立てるようにと伝える。

プリースト判事は、自分の口利きだと言うようにと伝えて、選挙用の宣伝カードをユー・エスに渡す。

評判を気にするメイデューがマリーの弁護を再び拒んだため、プリースト判事は彼女の抗弁を聞く。

その夜、フェアフィールド将軍(ジェームズ・カークウッド)の屋敷を訪ねたラッパ手だったプリースト判事は、退役南軍連合人会を代表して将軍に忠誠を誓う。

感謝の気持ちを直接、部下に述べていただきたいと伝えたプリースト判事だったが、将軍は、18年前にレイクがルーシー・リーを連れてきて以来、会には出席していないためそれを断る。

自堕落な息子とふしだらな女の間に産まれたルーシー・リーを、将軍は孫娘と認めるつもりはなかったが、最高の部下であるプリーストには感謝する。

退役軍人会の集会場に向かったプリースト判事は、星条旗に敬意を表しラッパを吹いて会合を始めて、フェアフィールド将軍の出席は叶わなかったことを皆に伝える。

そこに、酒を持ったフィーニー(フランシス・フォード)とスターリング(スリム・ピケンズ)が現れ、プリースト判事らに歓迎される。

プリースト判事から将軍の肖像画に近づくようにと言われたレイクは、養女のルーシー・リーを連れてくれば、将軍と共に描かれている夫人が自分の祖母だと気づくはずだと話す。

将軍はルーシー・リーを孫娘だとは認めないため、皆で彼女を守ってきたのだった。

絵を外すことをレイクから提案されたプリースト判事は、アンディ・レドクリフ保安官(ミッチェル・ルイス)の意見を聞き入れ、肖像画を自宅に運ぶことにする。

次の案件で、メイでューが新聞に投書した話を始めたプリースト判事は、商人のハーマン・フェルスバーグ(ルドウィヒ・ストッセル)から、退役軍人会には政治を持ち込まないというルールを指摘されるものの、これは誹謗中傷だと伝える。

自分達を批判するその内容を読んだプリースト判事は、その場に現れた北軍のジョー・D・ハバーシャム(ヘンリー・オニール)から、何者かに星条旗を盗まれたと言われる。

そこにあった星条旗がそうだと分かり、ジミー・バグビー軍曹(ポール・ハースト)が北軍のために運ぶことを拒んだため、プリースト判事がそれを手にして集会場を出る。

同じ建物内の北軍の集会所に星条旗を運んだプリースト判事は、ハバーシャムから演説を許され、選挙宣伝用のカードを退役軍人達に配る。

メイデューを推すポスターが貼られていることを気にしないプリースト判事は、自分への支持を訴えてその場を去る。

馬車でアシュビーの屋敷の近くを通ったルーシー・リーは、わざと手綱を外して困っているように見せかける。

それに気づいたアシュビーは、酔っていたにも拘らず外に出てルーシー・リーを気遣う。

自分でできると言うルーシー・リーはその場を去り、使用人のアンクル・プレズから、酔って人前に出るべきではないと言われたアシュビーは、彼女には悪い噂があることを知らされる。

バック・ラムジー(グラント・ウィザース)がルーシー・リーに度々絡むことを知ったアシュビーは、彼の元に向かう。

ラムジーにからかわれたルーシー・リーは、彼を相手にせずに去ろうとする。

その場に現れたアシュビーは、ラムジーを用具室に連れて行き、鞭を手にして戦いを始める。

劣勢のラムジーは、その場に現れたプリースト判事から、5分以内に町から出なければ逮捕すると言われる。

プリースト判事から、名家の面汚しだと言われ、私的制裁を加えたことを非難されたたアシュビーは謝罪する。

ラムジーのような男を相手にすれば、余計に悪い噂が広がることを考えなかったのかと言われたアシュビーは、ルーシー・リーを心配したと伝えるものの、噂は事実だと知らされる。

プリースト判事から、ルーシー・リーの父親は母親を巡った争いでならず者に殺されたと言われたアシュビーは、言葉を失う。

船で到着した女性(ドロシー・ジョーダン)を馬車に乗せようとしたザックは、彼女が誰か分かり驚く。

ふらつきながら通りを歩く女性に声をかけたアシュビーは、マリー・クランプの店に向かうと言いながら倒れた彼女をレイクの元に連れて行く。

患者を居間に運ばせたレイクは、アシュビーに診察鞄を取りに行かせて、彼女が誰であるか気づく。

アシュビーから事情を聞いたレイクは、薬を飲ませるが長くは持たないだろうと話す。

娘のルーシー・リーに会いたいと言う女性の言葉を聞いたアシュビーは、何も知らずに連れて来たことをレイクに謝罪する。

誰かが自分を呼んだ気がすると言って現れたルーシー・リーを、アシュビーは部屋の外に連れ出す。

満足した母親は、マリーの店に行くとレイクに伝える。

訪ねて来たレイクから、”女”が町に戻りマリーの店に向かう途中で倒れたと言われたプリースト判事は、アシュビーが”女”を自分の診療上に運び、今はマリーの店で危篤状態であることを知らされる。

プリースト判事から、マリーの店に行けば自分達は終わりだと言われたレイクだったが、病人を見捨てるわけにはいかないと伝える。

レイクはマリーの店に向かい、運ばれていた肖像画を見つめていたプリースト判事は、訪ねて来たルーシー・リーから、何が起きているのか教えてほしいと言われる。

自分を愛してくれているレイクの養女だということ以外の事実を知りたいルーシー・リーは、プリースト判事から、将軍の下で戦った者全ての娘でもあると言われながら肖像画に気づく。

それに描かれている、自分と似ている女性の横の男性がフェアフィールド将軍であることを確認したルーシー・リーは、プリースト判事に感謝し、自分が何者か分かったことを伝えてその場を去る。

手錠をかけられたユー・エスを連行するレドクリフ保安官に事情を聞いたプリースト判事は、ユー・エスが、トルネード地区で縛り首にされるところだったことを知る。

少女を襲ったと言われて、何もしていないのに犬に追われ、白人達に責められたと泣きながら話すユー・エスを、清潔な留置場に入れるようレドクリフに指示したプリースト判事は、様子を見に来たアンクル・プレズに、甥に食事を運ぶようにと伝える。

人種偏見のない自分の法廷で正しく裁くとユー・エスに伝えたプリースト判事は、部下を連れて真犯人を捜すこともレドクリフに指示する。

翌朝、トルネード地区の男達がラムジーらと共に大挙して現れ、ユー・エスをリンチにしようとする。

留置場で待ち構えたプリースト判事は、甥のユー・エスを案じて現れたアンクル・プレズがその場にいたいと言うために、それを許可する。

ユー・エスを渡せと言うラムジーらを説得するプリースト判事は、傘で地面に線を引く。

猟犬が追ったことが犯人の証拠だと言うラムジーらに、犬など信用できないと伝える。

選挙のために自制していると伝えたプリースト判事は、どけば投票すると言われ、それが条件なら票はいらないと答える。

強硬手段に出ようとしたラムジーに銃を向けたプリースト判事は銃を構えて、線を越えたら兄弟であっても射殺すると言って警告する。

ラムジーらは引き下がり、プリースト判事は、心臓を動かすためだと言って、自分の部屋から茶色い瓶(酒)を持ってきてほしいとアンクル・プレズに伝える。

プリースト判事は、アンクル・プレズとユー・エスに感謝される。

その夜、フェルスバーグから、昼間の騒ぎで選挙の勝ち目はなくなったと言われたプリースト判事は、訪ねて来たマリーを迎える。

ルーシー・リーの母親が亡くなったことを知らされたプリースト判事は、彼女を家に招き入れて用件を訊く。

故郷であるこの地に埋葬されるのがルーシー・リーの母親の望みであり、それを伝えに来たと言われたプリースト判事は、必ずその望みを叶えるつもりだというマリーの話を聞く。

費用ならいくらでも払うと言うマリーに、それなら話は決まったと伝えたプリースト判事は、彼女を見送る。

その様子を見ていた女性(メエ・マーシュ)は驚く。

禁酒協会が主催するレモネードとイチゴ祭りが開催され、会場に向かおうとしたプリースト判事は、レイクを送ってきたルーシー・リーが、それに出席する気がないことを知る。

バグビーから、アシュビーをけしかけるしかないと言われたプリースト判事は、皆と共にそれに賛成する。

パーティ会場では、士官候補生(パトリック・ウェイン)らも参加してダンスが始まる。

その後、アシュビーがルーシー・リーを伴って現れ、人々の注目を集める。

オーロラから今夜の主役だと言われて挨拶したルーシー・リーは、アシュビーと踊る。

それを知ったプリースト判事らはレモネードで乾杯しようとするが、フィーニーとスターリングが酒を持ち込んでいることに気づき分けてもらう。

外に出たルーシー・リーは誘ってくれたアシュビーに感謝し、昨夜、母親を亡くしたことを涙しながら話す。

誘いを受けたため、楽しんでいた振りをしていたことをアシュビーに伝えたルーシー・リーは、レイクと共にその場を去ろうとする。

そこに逮捕されたラムジーが連行され、レドクリフ保安官は、彼が真犯人であることをプリースト判事らに知らせる。

被害者の少女ミンディの父親ルーフ・ラムズール(トレヴァー・バーデット)と息子のジュニア(ハル・ベイラー)が現れる。

ラムズールは、犯人がラムジーであることをミンディに確認させる。

銃を抜いて発砲したラムズールは制止され、ラムジーは、ルーシー・リーが乗っている馬車を奪い逃走する。

保安官補(クリフ・ライオンズ)らは馬車で、アシュビーが馬でそれ多い、フィーニーが放った弾丸がラムジーを捉える。

ルーシー・リーは馬車を止めることができず、気を失ってしまう。

馬車を止めたアシュビーは、ルーシー・リーの無事を確認して抱き寄せる。

見事な射撃だったと言うプリースト判事は、裁判の手間が省けると呟く。

翌日、投票日を迎えた町では、最後の選挙戦が繰り広げられる。

勝利を確信するメイデューは通りで演説するが、プリースト判事は、ルーシー・リーの母親の葬儀に参列する。

マリーの知人の葬儀だと知った人々はプリースト判事を軽蔑するが、オーロラはその気になれなかった。

人々は、葬儀の参列者を見て笑い始めるが、ハバーシャム、バグビー、フェルスバーグ、レイク、バッジを捨てたレドクリフ、フィーニーとスターリング、オーロラらがその列に加わる。

その様子を見たルーシー・リーはマリーの馬車に乗り、アシュビーがそれを見つめる。

フェアフィールド将軍は、屋敷の前に出て参列者を見守る。

釈放されたユー・エスもそれに敬意を表し、ジェフは、プリースト判事の再選は亡くなったと言って嘆く。

アシュビーもルーシー・リーの乗る馬車と共に歩き、教会に着く。

棺を担ぐよう指示したプリースト判事は、マリーら女性達の手を取り教会の中に向かう。

ルーシー・リーもアシュビーと共にそれに続き、マリーの横に座る。

プリースト判事は、聖書から引用して、姦通罪を問われる女に対するイエスのとった行動の話を始める。

現れたフェアフィールド将軍は、ルーシー・リーの横に座っているアシュビーに、そこは自分が座るべき席だと伝える。

アシュビーは席を立ち、そこに座った将軍は、孫娘ルーシー・リーの手を握る。

プリースト判事は話を続ける。

”罪を犯したことのない者が、まずこの女に石を投げなさい”と言うイエスの言葉を聞いた者は、一人ずつ去り、罪のない者は誰もいなかったことが分かった。

女とイエスだけがその場に残り、”あなたを非難し罰した者達はどこへ行った”というイエスの問いに対し、女は”誰もいません”と答えた。

イエスは、私もあなたを罰しないと女に伝えた。

プリースト判事から、祈りを唱えられるかと訊かれたアシュビーは、前に出て跪き祈りを捧げる。

その後、投票の結果、小差でメイデューが当選し、プリースト判事は敗北を認めず、レドクリフ保安官は、トルネード地区の有権者が投票していないことをメイデューに伝える。

そこに、ラムズール親子をはじめとしたトルネード地区の男達が現れて、投票所に入る。

トルネード地区の男達が自分に投票すると思っているメイデューは、そうは思わないフェルスバーグらと賭けをする。

マリーらが蒸気船に乗って去ったことを知ったプリースト判事は、ジェフから、自分が投票していないと言われて慌てる。

トルネード地区の62票はプリースト判事に投票され、1700票で並ぶ。

誇らしげに自分に投票することをメイデューに伝えたプリースト判事は、投票所に向かう。

レドクリフ保安官はバッジを胸に戻し、バンドに”ディキシー”を演奏させる。

夜になり、当選したプリースト判事は、通りで行われているパレードを家の前で見つめる。

トルネード地区の男達は、”判事はユー・エスを自分達から守った”という幕を抱えながら行進し、それに続く士官候補生の隊列を見守るプリースト判事は涙する。

フェアフィールド将軍も隊列に敬意を表し、その場にいたルーシー・リーはアシュビーの手を取りプリースト判事の家に向かう。

退役南軍連合人会、オーロラ、婦人達の列に手を振るプリースト判事は、アンクル・プレズや黒人達が歌う”ケンタッキーの我が家”を聴きながらジェフに話しかける。

心臓を動かすために”薬”(酒)を飲むぞとジェフに伝えたプリースト判事は、家に入る。

その場に現れたルーシー・リーとアシュビーは、プリースト判事の後ろ姿を見つめながら屋敷に向かう。


解説 評価 感想
*(簡略ストー リー)
ケンタッキー州。
再選を目指すウィリアム・ピットマン・プリースト判事は、対立候補の弁護士メイデューと激しい選挙戦を繰り広げていた。
プリースト判事は、良家の名を汚す厄介者のアシュビーが町に戻ったことを気にする。
レイク医師の養女であるルーシー・リーは、子供時代から憧れていたアシュビーに惹かれてしまう。
南軍の退役軍人だったプリースト判事は、自堕落な息子とふしだらな女の間に産まれたルーシー・リーを孫娘と認めないフェアフィールド将軍の考えを配慮しながら、同志と共に彼女を娘のように可愛がっていたのだが・・・。
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アーヴィン・S・コップの短編”The Sun Shines Bright”、”The Mob from Massac”、”The Lord Provides”を基に製作された作品。

かつて、ウィル・ロジャース主演による南部三部作として公開された「プリースト判事」(1934)のリメイクではないが、それを題材にしてジョン・フォードが製作、監督したヒューマン・コメディの秀作。

南軍のラッパ主として従軍した軍人としての誇りを胸に、南部魂を貫く人間味溢れれる主人公”プリースト判事”の人間性を、南部の名曲を随所に挿入しながら詩情豊かに描く、ジョン・フォードの演出が光る、”フォード一家”総出演によるファンにはたまらない作品でもある。

判事の選挙戦を描く内容で始まり、ヒロインの出生の秘密がサスペンス・タッチで展開し、また、人種偏見や南北の対立や友好関係なども描かれた、見どころ満載の物語となっている。

上記のように、”ディキシー”や”ケンタッキーの我が家”など、ジョン・フォード作品ではお馴染みの名曲を効果的に使った、ヴィクター・ヤングの音楽も印象に残る。

人間味溢れる愛すべき主人公”プリースト判事”を好演するチャールズ・ウィニンジャー、出生の秘密を知らないヒロインのアーリーン・ウィラン、彼女と惹かれ合う名家の御曹司であり、厄介者と思われながら町に戻る青年ジョン・ラッセル、ヒロインの養父である医師のラッセル・シンプソン、プリースト判事の使用人ステピン・フェチット、プリースト判事の退役軍人会の同志ルドウィヒ・ストッセルポール・ハースト、保安官のミッチェル・ルイス、飲んだくれのフランシス・フォードと相棒のスリム・ピケンズ、ヒロインに絡む悪党のグラント・ウィザース、判事の座を狙う弁護士ミルバーン・ストーン、ヒロインの母親ドロシー・ジョーダン、彼女を気遣う娼館の女主人エヴァ・マーチ、アシュビー(ジョン・ラッセル)の使用人アーネスト・ウィットマン、その甥エルジー・エマニュエル、北軍の退役軍人ヘンリー・オニール、ヒロインの祖父である南軍の将軍ジェームズ・カークウッド、娘に乱暴しようとした犯人を捜す親子トレヴァー・バーデットハル・ベイラー、その知人ジャック・ペニック、町の婦人ジェーン・ダーウェル、その友人メエ・マーシュ、保安官補のクリフ・ライオンズ、そして、ジョン・ウェインの次男パトリック・ウェインが士官候補生として出演している。


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