サイトアイコン That's Movie Talk!

レッド・ムーン The Stalking Moon (1968)

軍のスカウトを引退した男が保護された白人女性と息子をその夫であるアパッチの戦士の襲撃から護る姿を描く、製作アラン・J・パクラ、監督ロバート・マリガン、主演グレゴリー・ペックエヴァ・マリー・セイントロバート・フォスター他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇

グレゴリー・ペック / Gregory Peck / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ロバート・マリガン

製作:アラン・J・パクラ
原作:T・V・オルセン”The Stalking Moon”
脚本
ウェンデル・マイヤーズ
アルヴィン・サージェント
撮影:チャールズ・ラング
編集:アーロン・ステル
音楽:フレッド・カーリン

出演
サム・ヴァーナー:グレゴリー・ペック
サラ・カーヴァー:エヴァ・マリー・セイント
ニック・タナ:ロバート・フォスター
少年:ノーランド・クレイ
ネッド:ラッセル・ソーソン
サルヴァヘ:ナサニエル・ナルシスコ
フリオ:ホアキン・マルティネス
少佐:フランク・シルヴェラ
パデュー:ロニー・チャップマン
軍医:リチャード・ブル
駅長:ルー・フリッゼル
ラダボー軍曹:ヘンリー・ベックマン
デイス:チャールズ・タイナー
レイチェル:サンディ・ブラウン・ワイエス

アメリカ 映画
配給 National General Pictures
1968年製作 109分
公開
北米:1968年12月25日
日本:1969年6月21日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1881年、アリゾナ準州
陸軍のスカウトであるサム・ヴァーナー(グレゴリー・ペック)は、引退してニュー・メキシコの牧場で余生を過ごすことを考えていた。

ある先住民の部族を捕えた部隊は、その中に白人の女性サラ・カーヴァー(エヴァ・マリー・セイント)がいたために驚く。

サラと息子(ノーランド・クレイ)は保護され、サムは、彼女が10年前に襲撃に遭い全滅した部隊長の娘であると考える。

その後、アパッチの襲撃現場を調べたサムは、それが戦士サルヴァヘ(ナサニエル・ナルシスコ)の仕業だと確信する。

軍の駐屯地に着いたサラは、その場が危険であるために直ぐにでも離れたいと指揮官の少佐(フランク・シルヴェラ)に伝える。
...全てを見る(結末あり)

暫く休むことをサラに勧めた少佐は、サムだけが明朝この場を去ることを彼女に知らせる。

少佐に引き止められたサムは、自分が育てた先住民との混血青年ニック・タナ(ロバート・フォスター)に後を任せると伝えて、引退する考えを変えようとしない。

その夜、自分達もこの場を離れたいと言うサラは、一緒に連れて行ってほしいことをサムに伝える。

しかし、目的地がニュー・メキシコであることを伝えたサムは、それを断る。

翌朝、旅立とうとしたサムは、サラと息子が自分を待っていたため、仕方なく途中まで同行させることにする。

駅馬車の中継所に着いたサムは休むことにするが、その場にいた先住民を嫌うパデュー(ロニー・チャップマン)に因縁をつけられる。

その夜、少年はパデューに襲い掛かり、サムが制止する。

翌朝、少年は姿を消してしまい、それに気づいたサラは、サムと共に息子を捜す。

砂嵐が激しくなる中、少年を見つけたサムとサラは、岩陰に身を隠して天候の回復を待つ。

嵐は去り、中継所に戻ったサムは馬車がなくなっていることに気づき、その場が襲撃され、パデューらが殺されていることを知る。

傷を負って現れた主人のデイス(チャールズ・タイナー)は、姿が見えない相手に襲われたとサムに伝えて息絶える。

サルヴァヘの仕業だとサラに伝えたサムは、周辺を調べた後に死体を埋葬する。

直ぐにこの場を離れるべきだと考えるサラに、サルヴァヘはもう戻らないと伝えたサムだったが、息子を連れ戻しに来ると彼女から言われて驚く。

サルヴァヘから逃れるために利用されたサムは憤慨し、5日待てば軍の護衛が来たとサラに伝えて彼女を責める。

あくまで駅馬車に乗ると言うサラと息子を、到着した駅馬車に乗せたサムは、許可証を彼女に渡して、その後について行く。

次の中継所に着いたサムは、駅馬車を降りたサラと息子に、駅に向かい汽車を待つよう指示する。

古郷であるオハイオコロンバスに、サラを向かわせようとして切符を買おうとしたサムは、見せた許可証ではカンザストピカまでしか行けないと駅長(ルー・フリッゼル)から言われる。

トピカに向かう気があるとサラから言われたサムは、複雑な乗り換えについてを駅長から知らされ、切符を靴の箱に入れて彼女に渡す。

日が暮れる前に発ちたいと言うサムは、サラに別れを告げてその場を去る。

中継所に戻ったサムは、サラと息子が気になり、牧場で家事を手伝う者が必要だと言って、二人をニュー・メキシコに誘う。

馬を売ったサムは、サラと息子と共に汽車に乗ってニュー・メキシコに向かい、牧場に到着する。

その場を管理していたネッド(ラッセル・ソーソン)から情況を聞いたサムは、火を起こして食事を作ってくれたサラと息子に、自由な暮らしをしていいと伝える。

話もしない息子の名前を尋ねたサムは、まだ名前はないとサラから言われ、様々な体験したので、今はまだ心を開くことができないことを知らされる。

とにかく遠慮なく話しをするようにと言われたサラは、長い間、白人の言葉を話していないので直ぐには対応できないが、感謝しているとサムに伝える。

翌日から、サムは家の修復を始めて、サラと息子は周辺を散策する。

数日後、現れたニックは、サルヴァヘが暴れ回っていることをサムに伝え、必ずこの場に現れると警告する。

それをサラに伝えたサムは、怯える彼女から、明日、息子を連れて出て行くと言われる。

手遅れだと言うサムは、行く先々で白人を皆殺ししているサルヴァヘを止めるしかないことをサラに伝える。

ここにいてほしいとサラに伝えたサムは、自分を頼る彼女を抱きしめる。

翌日、サムが偵察に行った後で、ニックは少年にカードを教える。

家事をしていたサラは、家に侵入したサルヴァヘに襲われる。

麓の家が襲われ家族が殺されていることを確認したサムは、牧場に戻る。

サラが連れ去られたことを知ったサムは、ネッドからニックが捜し行ったと言われる。

川でニックと出くわしたサムは、傷つけられたサラを見つけて家に運ぶ。

無事だったサラの手当てをしたサムは、ニックとネッドと共に警戒する。

意識が戻りベッドから起きたサラに、サムは、夜明けにサルヴァヘを追うことを伝える。

ニックと共に偵察に出たサムは、途中で誘き出されたことに気づき、サルヴァヘが戻ったと考えて家に向かう。

山に潜むサルヴァヘと銃撃戦になったサムは、その場に向かおうとする少年を追い、銃弾を受けながらも連れ戻す。

サラとニックは、サムの傷の手当てをする。

夜になり、エサを持って外に出たネッドは、愛犬が矢で殺されていることに気づき、怒りを抑えきれずに山に向かう。

それを追ったサムだったが、ネッドの叫び声が聴こえて、殺された彼の死体を見つける。

家に戻ったサムはネッドが殺されたことをニックに伝え、サラから、サルヴァヘはアパッチの言葉で”ゴースト”であり、音もなく忍び寄ると言われる。

自分は気づくと言うサムは、警戒しながら夜を過ごし日の出と共に行動を開始する。

牧場北側の林に向かうことをニックに伝えたサムは、裏口から出るよう指示して、二人でサルヴァヘを倒そうと考える。

サムが林に向かた後で、裏から家を出たニックが彼を追う。

サルヴァヘを目撃したニックは撃つことができず叫び声をあげるが、銃撃されてしまう。

反撃したサムはサルヴァヘを追うものの馬で逃げられ、ニックの元に戻る。

ニックは、サムの名前を口にして息を引き取る。

サムが一人で戻ったため、サラはニックが死んだこと悟る。

その後サムは、ニックがいつも手にしていたカードを少年に渡す。

物音に気づいたサムは、侵入してきたサルヴァヘを銃撃するものの逃げられる。

弾が当たったことを確認したサムは、血痕をたどりながら山に向かう。

狙い撃ちされたサムは反撃して、銃を落して逃げるサルヴァヘを追う。

仕掛けられた罠で脚に傷を負ったサムは、襲い掛かって来たサルヴァヘと格闘になる。

サルヴァヘが土手を転げ落ちた隙に銃を手にしたサムは、彼を銃撃して倒す。

何んとか牧場に戻ったサムは、サラに抱きかかえられながら家に入る。


解説 評価 感想
*(簡略ストー リー)
1881年、アリゾナ準州
陸軍のスカウトであるサム・ヴァーナーは、引退してニュー・メキシコの牧場で余生を過ごすことを考えていた。
部隊は先住民の部族を保護し、10年前に捕らえられた白人女性サラと息子がいることに驚く。
直ぐにでもこの場を離れたいことを指揮官に伝えるサラだったが、それは許されなかった。
旅立つサムに同行を許され駅馬車の中継所に向かったサラは、姿を消した息子を捜す間に、その場が襲撃されために怯える。
それがアパッチの戦士サルヴァヘの仕業だと確信したサムは、サラがその妻であることを知り驚く。
息子を必ず連れ戻すためにサルヴァヘが現れると言うサラを見捨てられないサムは、仕方なく彼女と息子を連れてニュー・メキシコに向かうのだが・・・。
__________

1965年に発表された、T・V・オルセンの小説”The Stalking Moon”を基に製作された作品。

製作のアラン・J・パクラと盟友でもある監督のロバート・マリガン、二人の作品「アラバマ物語」(1962)でアカデミー主演賞を受賞したグレゴリー・ペックが主演、更にはエヴァ・マリー・セイントが共演という豪華な顔ぶれの作品。

アパッチの言葉で”ゴースト”を意味する、殆ど姿を現さない”サルヴァヘ”という戦士が、まるでホラー映画のモンスターのような存在で主人公らに襲い掛かるという異色の西部劇。

主人公がベテランのスカウトであることがポイントであり、山間の牧場を後半の舞台にして、その地形を生かしたガン・アクションなども見所の作品。

また、弱い立場の母子を命懸けで守ろうとする男達の勇気などをストレートに描く、ロバート・マリガンの軽快で力強い演出も冴える。

主演のグレゴリー・ペックは、50歳を過ぎて、引退するベテランのスカウトを貫禄ある熱演で見事に演じきっている。

注目したいのは、主人公にスカウトとして仕込まれた先住民との混血青年を演ずるまだ20代のロバート・フォスターで、初老の彼しか知らないファンには驚きの、初々しい演技を見せてくれる。

地味な役柄だが、彼女の出演だけでドラマに厚みが加わる、先住民に捕らえられていた白人女性エヴァ・マリー・セイント、その息子のノーランド・クレイ、主人公の牧場を管理する老人ラッセル・ソーソン、妻子を追うアパッチの戦士ナサニエル・ナルシスコ、先住民のホアキン・マルティネス、陸軍の指揮官である少佐フランク・シルヴェラ、駅馬車中継所で殺されるロニー・チャップマンチャールズ・タイナーサンディ・ブラウン・ワイエス、軍医のリチャード・ブル、駅長のルー・フリッゼル、軍曹のヘンリー・ベックマンなどが共演している。


モバイルバージョンを終了