”ロサンゼルス・タイムズ”のコラムニスト、スティーヴ・ロペスが2005年にホームレスのナサニエル・エアーズと出会い連載したコラムを基に製作された作品。 ホームレスの天才音楽家と人生に疑問を感じ始めていたコラムニストの複雑な友情を描く、監督ジョー・ライト、主演ジェイミー・フォックス、ロバート・ダウニーJr.、キャサリン・キーナー他共演のヒューマン・ドラマ。 |
・ロバート・ダウニーJr. / Robert Downey Jr. 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョー・ライト
製作総指揮
ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
ジェフ・スコール
パトリシア・ウィッチャー
製作
ゲイリー・フォスター
ラス・クラスノフ
原作:スティーヴ・ロペス
脚本:スザンナ・グラント
撮影:シーマス・マッガーヴェイ
編集:ポール・トシル
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演
ナサニエル・エアーズ:ジェイミー・フォックス
スティーヴ・ロペス:ロバート・ダウニーJr.
メアリー・ウェストン:キャサリン・キーナー
グラハム・クレイドン:トム・ホランダー
ジェニファー・エアーズ・ムーア:リサ・ゲイ・ハミルトン
デヴィッド・カーター:ネルサン・エリス
カート・レイノルズ:スティーヴン・ルート
レスリー・ブルーム:レイチェル・ハリス
通勤者:アンジェラ・フェザーストーン
ナサニエル・エアーズ(少年期):ジャスティン・マーティン
アメリカ 映画
配給
ユニバーサル・ピクチャーズ
ドリームワークス
2009年製作 117分
公開
北米:2009年4月24日
日本:2009年5月30日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $31,670,930
世界 $37,633,180
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
”ロサンゼルス・タイムズ”のコラムニスト、スティーヴ・ロペス(ロバート・ダウニーJr.)は、自転車で走行中に転倒して救急車で病院に運ばれ、検査後に退院して自宅に戻る。
仕事に復帰したロペスは、ランチタイムに、バイオリンを2本の弦で弾く、ホームレスのナサニエル・エアーズ(ジェイミー・フォックス)に出会う。
意味不明な言葉を話し続けるナサニエルが、ジュリアード音楽院に通っていたと聞いたロペスは彼に興味を持つ。
ナサニエルのことを、コラム”ポイント・ウエスト”の記事にしようとしたロペスは、ジュリアードに彼の在籍記録を問い合わせるが、それは見つからず記事を諦める。
翌日、ジュリアードからの連絡で、ナサニエルが在籍していた事実を知ったロペスは彼を捜す。 ハイウェイのトンネルで、ナサニエルを見つけたロペスは、彼から叔母の電話番号を聞き、その後、姉ジェニファー(リサ・ゲイ・ハミルトン)の連絡先を知る。 ジェニファーに連絡したロペスは、ナサニエルのことを記事にしたいことを伝え、彼女は弟の過去を話し始める。 14歳のナサニエル(ジャスティン・マーティン)はチェロを弾き、その才能を発揮し始める。 ナサニエルは他のことには興味を示さず、音楽に打ち込む毎日を送る。 ロペスは、ナサニエルのことをコラムに載せ、それを読んで感激した読者から、彼のためにとチェロが届く。 それをナサニエルに渡したロペスは、興奮する彼にその場で数分演奏させ、その後、ナサニエルを支援センターに入れようとする。 センターのデヴィッド・カーター(ネルサン・エリス)にチェロを預けたロペスは、ひたすらナサニエルを待ち続けるが彼は現れない。 諦めたロペスは帰宅し、翌日の締め切りのため他の取材を始めるが、センターのデヴィッドからの電話でナサニエルのチェロの音を聴かされる。 成長したナサニエルは、ジュリアードに通うことになるが、ある日、神経に異常を来たして、演奏ができなくなってしまう。 再び姿を消したナサニエルだったが、彼は図書館に楽譜を探しに行っただけで、センターに戻るものの、路上に寝床を作り眠ってしまう。 そして、ロペスは記事を書き、ナサニエルには、”ウォルト・ディズニー・コンサートホール”での、”ロサンジェルス・フィルハーモニック”とのコンサートの誘いが届く。 怖気づいたナサニエルは、リハーサルなら行くと言い出すが、荷物を盗まれるのを嫌がり、仕方なくロペスはそれを二人で押して、ディズニー・ホールに向かう。 会場内でリハーサルを聴き終えたナサニエルは、その場に”ベートーヴェン”がいることを感じ取る。 そんなナサニエルを見た体験を、ロペスは興奮して、同僚である元妻のメアリー・ウェストン(キャサリン・キーナー)に語る。 その後ロペスは、”LAフィル”の主席チェリスト、グラハム・クレイドン(トム・ホランダー)のレッスンを、ナサニエルに受けさせようと、彼のためにアパートを借りる。 ナサニエルはロペスを神だと思い、愛しているとまで言い出したため、ロペスは、彼に医師の診察を受けさせようとする。 情緒不安定なナサニエルに、クレイドンはリサイタルを開かせるべきだとロペスに提案する。 リサイタル当日、演奏直前で取り乱したナサニエルは、会場から姿を消してしまう。 ナサニエルを捜し回ったロペスだったが、彼を見つけることが出来ずに苛立つ。 しかし、デヴィッドからの連絡で、ナサニエルがアパートで夜を過ごし、センターで朝食を取っていることを知らされたロペスは安堵する。 翌日ロペスは、ナサニエルの管理者を、姉ジェニファーにするための書類を彼に見せる。 ナサニエルは、自分が”統合失調症”だという書類を渡され興奮して取り乱し、ロペスを殴り追い出してしまう。 ロペスはメアリーの元に向かうが、彼女はナサニエルは救えないと語り、ロペスは無言で去っていく。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)人生に行き詰まっていた、”ロサンゼルス・タイムズ”のコラムニスト、スティーヴ・ロペスは、ある日、たった2本の弦のバイオリン奏でるホームレス、ナサニエル・エアーズと出会う。
ナサニエルが、名門ジュリアード音楽院に通っていたことを知ったロペスは、彼の人生に興味を持ち取材を始める。
二人は親交を深め、少しずつではあるがナサニエルは心を開き、ロペスは、彼の生い立ちなどをコラムにする。
そのコラムは大きな反響を呼び、ロペスはそれを連載するために取材を続ける。
その後ロペスは、ナサニエル自身を救いたいと考え始めるのだが、反面、緒不安定な相手を混乱させていくことに気づき始める・・・。
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記事ネタの対象から友情が芽生え、親切心が、精神的に不安定な相手の感情に刺激を与え過ぎたため、かえってお互いの混乱を招いてしまうという、主人公達の苦悩などを、「プライドと偏見」(2005)や「つぐない」(2007)のジョー・ライトが、事実に基ずいたリアルな人間描写と、アメリカの抱える社会問題も含めて、繊細なタッチで描いている。
製作他、撮影のシーマス・マッガーヴェイ、編集のポール・トシル、音楽のダリオ・マリアネッリなども、ジョー・ライト作品でお馴染みの顔ぶれだ。
そのスタッフ陣に加え、演技実力共に一級のジェイミー・フォックスと、ヒット作が続いているロバート・ダウニーJr.の共演も話題になり、地味ではあるが6000万ドルの製作費をかけた作品。
しかし、商業的には成功はしなかった。
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北米興行収入 $31,670,930
世界 $37,633,180
なんと言っても、実在の人物ナサニエル・エアーズとスティーヴ・ロペスを演じた二人、ジェイミー・フォックスとロバート・ダウニーJr.の、演技のぶつかり合いが見もので、両者共々抱える心の葛藤を、体当たりの演技で演じ切っている。
ロペス(R・ダウニーJr.)の同僚で元妻のキャサリン・キーナー、LA・フィルの主席チェリストのトム・ホランダー、ナサニエル(J・フォックス)の姉リサ・ゲイ・ハミルトン、ホームレス支援センター職員のネルサン・エリス、その他、スティーヴン・ルート、アンジェラ・フェザーストーン、レイチェル・ハリス、ナサニエルの少年期ジャスティン・マーティンなどが共演している。