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ショーシャンクの空に The Shawshank Redemption (1994)

1982年に発表された、スティーヴン・キングの中編集「恐怖の四季」の春の物語として収められている「刑務所のリタ・ヘイワース」を基に製作された作品。
無実の罪で投獄されたエリート銀行員が囚人仲間に喜びを与えながら権力に立ち向かう姿を描く、監督、脚本フランク・ダラボン、主演ティム・ロビンスモーガン・フリーマンウィリアム・サドラー他共演による感動のヒューマン・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)

モーガン・フリーマン / Morgan Freeman 作品一覧
モーガン・フリーマン / Morgan Freeman / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:フランク・ダラボン

製作総指揮
リズ・グロッツァー
デイヴィッド・レスター
製作:ニキ・マーヴィン

原作:スティーヴン・キング刑務所のリタ・ヘイワース
脚本:フランク・ダラボン

撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:リチャード・フランシス=ブルース
音楽:トーマス・ニューマン

出演
ティム・ロビンス:アンディ・デュフレーン
モーガン・フリーマン:エリス・ボイド”レッド”レディング
ウィリアム・サドラー:ヘイウッド
ボブ・ガントン:サミュエル・ノートン刑務所長
ジェームズ・ホイットモア:ブルックス・ヘイトレン
クランシー・ブラウン:バイロン・ハドレー
ギル・ベローズ:トミー・ウィリアムズ
マーク・ロルストン:ボッグス・ダイアモンド
ジェフリー・デマン:検事(1947年)

アメリカ 映画
配給
コロンビア・ピクチャーズ(1994-1999)
ワーナー・ブラザーズ(1999-)
1994年製作 142分
公開
北米:1994年9月23日
日本:1995年6月3日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $28,341,470
世界 $58,500,000


アカデミー賞 ■
第67回アカデミー賞

・ノミネート
作品
主演男優(モーガン・フリーマン
脚色・撮影・編集・作曲・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1947年。
大銀行の副頭取アンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)は、妻と浮気相手を殺した罪を着せられてしまう。

アンディは、無実を訴えるものの終身刑となり、ショーシャンク刑務所に服役することになる。

アンディは、他の服役囚との接触を避けたが、20年間服役して模範囚ではあるものの、仮保釈が許可されない”調達屋”エリス・ボイド”レッド”レディング(モーガン・フリーマン)に、鉱物マニアだと言ってロック・ハンマーの調達を依頼する。

所内の囚人達とは物腰が違うアンディを、人間的に気に入ったレッドは、彼の要望通りロック・ハンマーを調達する。

その後アンディは、ゲイの囚人ボッグス・ダイアモンド(マーク・ロルストン)らに痛めつけられながら、悪夢の2年間を過ごす。
...全てを見る(結末あり)

そんなある日、刑務所の屋上補修の作業員が囚人から選ばれることになり、レッドは看守を買収し、仲間達と快適な作業につくことになる。

作業中、アンディは看守主任バイロン・ハドレー(クランシー・ブラウン)が、遺産相続で悩んでいるのを知る。

アンディは、ハドレーに非課税になる方法を伝授し、鬼主任から囚人達に、ビールが贈られるという珍事が起きる。

その頃、囚人達は「ギルダ」の主演女優”リタ・ヘイワース”にのぼせ上がっていたが、アンディもレッドに、彼女の特大ポスターの調達を頼む。

そんな時アンディは、ボッグスに徹底的に痛めつけられてしまい、診療所行きになってしまう。

ハドレーは、ボッグスを痛めつけ病院送りにして、相続税で世話になっていたアンディの安全を確保する。

囚人達もアンディのために鉱石を見つけ、レッドは特大の”リタ・ヘイワース”のポスターを彼にプレゼントする。

その頃、サミュエル・ノートン所長(ボブ・ガントン)もアンディの才能を知り、洗濯係だった彼を、50年近く服役しているブルックス・ヘイトレン(ジェームズ・ホイットモア)のいる図書室に移す。

そしてアンディは、看守達の子供の信託資金や所得申告の相談などを始める。

その後、図書館の蔵書を増やそうと考えたアンディは、州議会に週一度のペースで手紙を書き始めるが、返事はなかった。

アンディへの相談で、看守達が押し寄せるようになり、それが他の刑務所にも知れ渡り、各地の刑務官による野球大会も、納税時期に合わせて開かれるようになる。

そんな時、ブルックスが保釈されることになり、50年ぶりにシャバに出ることを恐れた彼は、ヘイウッド(ウィリアム・サドラー)にナイフを突きつけ抵抗しようとする。

仲間達になだめられ、ブルックスは仕方なくそれを受け入れるが、社会復帰が思うようにできず、悩んだ彼は、自ら命を絶ってしまう。

ブルックスの死後、刑務所の仲間達には、怪我をさせたヘイウッドへの詫びも綴られた、彼の絶望的な手紙が届く。

その後、アンディの図書係としての6年間の努力が実り、州議会への予算申請が叶う日が来る。

200ドルの予算と中古図書を手に入れたアンディは、その中から”フィガロの結婚”のレコードをみつけ、マイクで所内に流す。

それを聴いたアンディと囚人達は、この上ない癒しの時を味わう。

しかしレッドは、刑務所の中では希望を持つことは危険だと、アンディに忠告する。

刑務所入りして30年、レッドの仮保釈は再び見送られてしまう。

アンディは慰める気持ちで、かつてレッドがよく吹いていたというハーモニカを贈る。

刑務所の生活も10年が過ぎたアンディに、レッドは”マリリン・モンロー”のポスターを贈る。

州議会に、週に2回の手紙を送っていたアンディの意見で、200ドルの予算では不足だと認識される。

”ブルックス・ヘイトレン図書館”と名付けられた図書室は、大改造されて見違える設備になる。

やがて、ノートン所長は、囚人達に所外活動をさせて社会奉仕をさせる名目で、業者や人件費に流れる金をピンハネして賄賂も受け取り、その裏金をごまかす手助けをアンディにさせる。

しかし、アンディは、所長に知られないところで、その金を架空の人物の口座に隠していることをレッドに話す。

1965年。
トミー・ウィリアムズ(ギル・ベローズ)という威勢のいい青年が、2年の刑で入所する。

高校卒業の資格を取ろうとしたトミーは、アンディに読み書きを教わる。

1966年。
アンディの房のポスターが”ラクエル・ウェルチ”に変わった頃、トミーは試験を受ける。

トミーは試験の出来に満足できず、アンディに当り散らすのだが、レッドから、アンディが、妻と愛人のプロゴルファーを殺したと聞き驚いてしまう。

その件でトミーは、別の刑務所で、アンディの妻と愛人を殺した犯人らしき男に会ったことを、アンディとレッドに話す。

アンディは、自分の無実をノートン所長に訴えるが、彼を手放すわけにいかない所長は聞く耳を持たない。

さらにアンディは、1ヶ月間、独房に入れられてしまい、仲間達を心配させる。

その後、トミーは高校の卒業資格に合格するのだが、所長は彼を脱獄者に見せかけ、ハドレーに射殺させる。

所長は、アンディに会計係を続けさせるために、彼を脅す目的で独房生活を2ヶ月に延長する。

ようやく解放されたアンディは、自分が行きたい場所が、メキシコジワタネホだということをレッドに伝える。

そこに行っても、調達屋が必要だと言うアンディはレッドも誘うが、彼はブルックス同様シャバを恐れていた。

アンディは、仮保釈が近いレッドに、シャバに出でたら自分が妻に求婚した場所に行くよう指示し、そこに隠してある物を掘り出すよう告げる。

そして、アンディの様子を心配するレッドの感は的中して、いつものようにノートン所長の仕事を終えた彼は、その夜、姿を消してしまう。

激怒した所長はアンディの独居房で、ラクエル・ウェルチの特大ポスターの裏の壁の穴を見つける。

ロック・ハンマーを手に入れた時、房の壁が意外にもろいことに気づいたアンディは、19年かけて壁を貫き、脱獄の準備をしていたのだ。

所長がアンディの脱獄に気づいた頃、計画通り刑務所を脱出した彼は銀行に向かっていた。

アンディは、所長が貯めた40万ドル近い預金を全て引き出し、不正を示す証拠を新聞社に送り、彼と看守主任のハドレーを破滅させる。

ハドレーは逮捕されるが、ノートン所長は自ら命を絶つ。

その後、レッドに葉書が届き、彼はアンディの無事を知るものの、空虚な日々が続く。

そしてレッドは、40年目にしてついに仮釈放が認められる。

シャバに出たレッドは、ブルックスと同じアパートに住み、その気持ちを味わい、気が滅入る毎日を送る。

ある日、アンディとの約束を思い出したレッドは、彼に言われていた、妻にプロポーズした場所に向かう。

そこには、現金とアンディの居場所が記された手紙が隠されて いた。

レッドは現実に別れを告げて生き抜くことを決め、テキサスメキシコの国境の町フォートハンコックに向かう。

そしてレッドは、アンディが求めていた希望の地ジワタネホで彼と再会する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストーリー)
エリート銀行員アンディ・デュフレーンは、妻と浮気相手を殺した罪を着せられ、終身刑となり刑務所入りとなる。
服役囚らとの接触を避けていたアンディは、模範囚ながら、仮釈放が認められない調達屋のレッドに気に入られ、次第にその仲間達とも交流を深めていく。
ゲイの囚人に、痛い目に遭わされながらも、アンディは、看守達の貯蓄や節税相談に乗り、銀行家としての才能を生かしていく。
それに目を付けたノートン所長は、私腹を肥やすためにアンディを利用する。
そんな時、刑務所入りした囚人トミーの情報で、アンディは、彼が妻らを殺した真犯人の存在を知る。
そしてアンディは、自分の無実が証明できることを所長に伝えるのだが・・・。
__________

批評家、一般の評価は非常に高かったにも拘らず、興行的には振るわず、公開後、時を経て、徐々に人気が高まった作品。

その理由には、本作が公開(9/23)される直前の6月に「スピード」、7月に「フォレスト・ガンプ」、そして直後の10月には「パルプ・フィクション」など、超話題作が相次いで公開されたことも影響している。

第67回アカデミー賞では、作品賞以下7部門にノミネートされるものの受賞は逃した。
・ノミネート
作品
主演男優(モーガン・フリーマン
脚色・撮影・編集・作曲・録音賞

フランク・ダラボンスティーヴン・キングのコンビは、5年後にも刑務所ものの「グリーンマイル」(1999)、2007年に「ミスト」を発表し、本作に出演するウィリアム・サドラージェフリー・デマンが両作にも出演している。

フランク・ダラボンは、絶望的な刑務所内の生活から、希望の光を見つけようとする者と、数十年をそこで過ごし、外の世界に順応できなくなった人間の哀れで孤独な姿を対比しながら、囚人達を人間扱いしない権力への批判、そして些細な事がきっかけで、希望が持てる人間の逞しさなどを見事に描いている。

主人公の夢や希望をイメージさせる、清らかで美しいトーマス・ニューマンの音楽も素晴しい。

原作の小柄な主人公とは対照的な、長身(196cm)のティム・ロビンスは、知的な元エリート銀行員を好演している。

やんちゃな若者のようなイメージだった彼は、本作で一気に演技派としても認められることになる。

クレジットでは2番目だが、好演したティム・ロビンスを上回る存在のモーガン・フリーマンは、その落ち着ちついた物腰と安定感で、キャリア最高とも言っていい見事な演技を見せてくれる。

また、本作で「ドライビング Miss デイジー」(1989)に続き、2度目のアカデミー主演賞候補となった。

・助演男優賞受賞
ミリオンダラー・ベイビー」(2004)
・主演男優賞ノミネート
インビクタス」(2009)

嫌味な男の雰囲気で登場するものの、人間味のある囚人を好演するウィリアム・サドラー、権力を利用し私腹を肥やす悪徳刑務所長ボブ・ガントン、刑務所外の社会に順応できず自ら死を選ぶ囚人ジェームズ・ホイットモア、どちらが悪党かわからない、暴力看守クランシー・ブラウン、所長のエゴの犠牲になる若い囚人ギル・ベローズ、ゲイの囚人集団のボス、マーク・ロルストン、そしてフランク・ダラボン作品の常連ジェフリー・デマン(検事)など、ベテラン実力派が脇を固めている。


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