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第七のヴェール The Seventh Veil (1945)

催眠治療を施される妄想に悩む女性と後見人そして2人の男性の関係を描く、監督コンプトン・ベネット、主演ジェームズ・メイソンアン・トッドハーバート・ロム他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:コンプトン・ベネット
製作:シドニー・ボックス
脚本
ミュリエル・ボックス
シドニー・ボックス
撮影:レジナルド・ワイヤー
編集:ゴードン・ヘイルズ
音楽:ベンジャミン・フランケル

出演
ニコラス・カニンガム:ジェームズ・メイソン
フランチェスカ・カニンガム:アン・トッド
ラーセン医師:ハーバート・ロム
ピーター・ゲイ:ヒュー・マクダーモット
マックスウェル・レイデン:アルバート・リーヴェン
スーザン・ブルック:イヴォンヌ・オーウェン
ケンドール医師:デヴィッド・ホーン
アーヴィング医師:マニング・ワイリー
看護師:グレース・アラダイス
パーカー:アーネスト・デイヴィス
ジェームズ:ジョン・スレーター

イギリス 映画
配給
General Film Distributors(イギリス)
ユニバーサル・ピクチャーズ(北米)
1945年製作 94分
公開
イギリス:1945年10月22日
北米:1946年2月15日
日本:1947年12月2日
製作費 £67,000


アカデミー賞
第19回アカデミー賞
・受賞
脚本賞


ストーリー
イングランド
手が不自由だという妄想に悩まされるフランチェスカ・カニンガム(アン・トッド)は、著名なピアニストとして知られていたが、ある日、施設を抜け出して川に飛び込む。
一命を取り留めたフランチェスカを診断した精神科医のラーセン(ハーバート・ロム)は、催眠術療法を試みる。
薬を投与されたフランチェスカは催眠状態になり、ラーセンは彼女から話しを聞く。
14歳のフランチェスカは、友人のスーザン・ブルック(イヴォンヌ・オーウェン)と共に学校に遅刻したため、罰として教師に手のひらを叩かれる。
それによりピアノが思うように弾けないフランチェスカは、コンクールで良い成績を残せずに落胆する。
その後フランチェスカは、父の急死によりいとこである富豪ニコラス・カニンガム(ジェームズ・メイソン)に預けられる。
杖をつく足が不自由なニコラスは女性を嫌い、フランチェスカは、使用人もすべて男性だけの屋敷で暮らすことになる。
フランチェスカが学業優秀でピアノの才能もあることを認めたニコラスは、彼女と共に厳いレッスンを始める。
王立音楽院に通い始めたフランチェスカは、学生生活を楽しむものの、ニコラスは、そんな彼女の自由を奪うような行動をする。
そんな時フランチェスカは、音楽家のピーター・ゲイ(ヒュー・マクダーモット)と出会い、2人は愛し合うようになる。
やがて、フランチェスカはピーターにプロポーズし、そのことをニコラスに話す。
ニコラスは、後見人として17歳のフランチェスカの結婚を許すはずはなく、彼女にパリで本格的なピアノの勉強を始めさせようとする。
その後、ニコラスはフランチェスカを監視しながら、コンサートピアニストになるための準備を始め、プロとして手を大切にすることを徹底させるのだが・・・。


解説 評価 感想

シドニー・ボックスが設立した”Ortus Films”の作品であり、妻のミュリエル・ボックスと共に彼は脚本も兼ねている。
2人は、第19回アカデミー賞で脚本賞を受賞した。

監督コンプトン・ベネットジェームズ・メイソンアン・トッドハーバート・ロムらが共演した作品。

催眠治療を施される妄想に悩む女性と、後見人と2人の男性の関係を描くドラマ。

手が不自由だと思い込む女性が、睡眠状態で語る物語が、フラッシュバックとして彼女の心理状態と共にスリラー・タッチで描かれている。

タイトルは、サロメヘロデの前で踊った”7つのヴェールの踊り”を比喩的に引用している。
人は、秘密を隠すために7枚目の最後のヴェールを脱ごうとしない・・・。
物語のヒロインは口を閉ざし、催眠状態でしか自分の真意を語らない・・・。

ピアニストの物語であるため、クラシックの名曲が効果的に挿入された格式ある雰囲気を漂わせる作品でもあり、好評価を得た本作は、低予算ながら世界で200万ポンドを超すヒットとなった。

ヒロインの後見人を謎めいた雰囲気で演ずるジェームズ・メイソンと、彼に預けられてピアニストとして成功する女性を、アン・トッドが魅力的に演じている。
実際にはアン・トッドジェームズ・メイソンよりも2歳上であり、40歳手前にも拘らず、10代の少女も演じるのも注目だ。

ヒロインに催眠治療を施し妄想の原因を探る精神科医ハーバート・ロム、ヒロインと恋に落ちる音楽家ヒュー・マクダーモット、ヒロインと惹かれ合う画家のアルバート・リーヴェン、ヒロインの友人イヴォンヌ・オーウェン、療養施設の医師デヴィッド・ホーンマニング・ワイリー、看護師のグレース・アラダイス、カニンガム家の執事アーネスト・デイヴィス、使用人のジョン・スレーターなどが共演している。


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