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引退時期を迎えたボクサーが新たな人生を築くために八百長試合を無視して闘う姿を描く、監督ロバート・ワイズ、主演ロバート・ライアン、オードリー・トッター、ジョージ・トビアス、アラン・バクスター、ウォーレス・フォード他共演のフィルム・ノワール。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督：ロバート・ワイズ
製作：リチャード・ゴールドストーン
原作：ジョゼフ・モンキュア・マーチ”The Set-Up”
脚本：アート・コーン
撮影：ミルトン・R・クラスナー
編集：ローランド・グロス
音楽：コンスタンチン・バカライニコフ
出演
ビル”ストーカー”トンプソン：ロバート・ライアン
ジュリー・トンプソン：オードリー・トッター
タイニー：ジョージ・トビアス
リトル・ボーイ：アラン・バクスター
ガス：ウォーレス・フォード
レッド：パーシー・ヘルトン
”タイガー”ネルソン：ハル・ベイラー
シャンリー：ダリル・ヒックマン
ムーア：ケニー・オモリソン
ルーサー・ホーキンス：ジェームズ・エドワーズ
”ガンボート”ジョンソン：デヴィッド・クラーク
トニー・ソウザ：フィリップ・パイン
ダニー：エドウィン・マックス
ニューヨークの写真家：アーサー”ウィージー”フェリグ
アメリカ 映画
配給 RKO
1949年製作 72分
公開
北米：1949年4月2日
日本：1951年2月10日
■ ストーリー ■
ボクサーとして引退時期を迎えている35歳のビル”ストーカー”トンプソン（ロバート・ライアン）は、妻ジュリー（オードリー・トッター）と共にアリーナに向かおうとする。
23歳の”タイガー”ネルソン（ハル・ベイラー）との対戦を控えるストーカーのことが心配なジュリーは、彼に引退を勧める。
連勝中のタイガーに勝ち500ドルを手に入れ、それを資金として若手を育てる夢もあるストーカーは、闘うことをジュリーに伝えて、会場に行く気のない彼女を残して出かける。
ギャングのリトル・ボーイ（アラン・バクスター）から八百長試合を指示された、タイガーのマネージャーのダニー（エドウィン・マックス）は、ストーカーのマネージャー、タイニー（ジョージ・トビアス）と話し、負けることを約束させて50ドルを渡す。
セコンドのレッド（パーシー・ヘルトン）から、ストーカーに話すべきだと言われたタイニーだったが、タイガーに勝てるはずがないと思っていた。
控室でトレーナーのガス（ウォーレス・フォード）らと共に準備をするストーカーは、連敗を続ける”ガンボート”ジョンソン（デヴィッド・クラーク）や新人のシャンリー（ダリル・ヒックマン）、有望選手のルーサー・ホーキンス（ジェームズ・エドワーズ）らの様子を見守りながら、窓から見えるジュリーがいるはずの部屋を気にする。
落ち着かないジュリーは、チケットを持ち部屋を出てアリーナに向かうものの、中には入らずに街を徘徊する。
部屋の灯りが消えたために、ジュリーが来てくれると考えたストーカーは、タイニーとレッドと共にリングに向かうのだが・・・。
1928年に発表された、ジョゼフ・モンキュア・マーチの詩”The Set-Up”を基に製作された作品。
編集の下積み生活から1940年代半ばに監督に転向したロバート・ワイズが監督し、ロバート・ライアンとオードリー・トッターが共演した作品。
引退時期を迎えたボクサーが、妻と新たな人生を築くために、八百長試合を無視して闘う姿を描くフィルム・ノワールの秀作。
ロバート・ワイズにとっては、RKOで撮った最後の作品で、彼自身がキャリアの中でトップ10に入れている作品である。
主人公が、将来に向けてラストチャンスと考える闘いに挑む、終盤のリング上の激闘も大いに盛り上がる。
また、主人公を心配する妻の苦悩を並行して描く、ロバート・ワイズの繊細な演出が見どころの作品。
主演のロバート・ライアンは、大学時代にボクシングのチャンピオンだった経験を活かし、人生を懸けて闘うボクサーを見事に演じている。
将来に不安を感じながら主人公の身を案ずる妻を好演するオードリー・トッター、主人公のマネージャー兼セコンドのジョージ・トビアス、同じくパーシー・ヘルトン、八百長試合を仕掛けるギャングのアラン・バクスター、ボクサーたちを管理するトレーナーのウォーレス・フォード、主人公と対決するハル・ベイラー、彼のマネージャー、エドウィン・マックス、新人ボクサーのダリル・ヒックマン、ボクサーのジェームズ・エドワーズ、デヴィッド・クラーク、フィリップ・パイン、タイムキーパー役で写真家のアーサー”ウィージー”フェリグなどが共演している。