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恋のページェント The Scarlet Empress (1934)

18世紀のロシア皇帝として啓蒙専制君主の代表的女帝となり領土を拡大した伝説的な存在のエカチェリーナ2世の日記をマヌエル・コムロフが脚色した作品。
プロイセンの領邦君主の娘ゾフィー・アウグスタ・フレデリーケが女帝エカチェリーナ2世となるまでを描く、監督、編集ジョセフ・フォン・スタンバーグ、主演マレーネ・ディートリッヒジョン・ロッジサム・ジャッフェルイーズ・ドレッサーC・オーブリー・スミス共演による歴史ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

マレーネ・ディートリッヒ / Marlene Dietrich / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督/製作:ジョセフ・フォン・スタンバーグ
製作総指揮:エマヌエル・コーエン

原作
エカチェリーナ2世(日記)
マヌエル・コムロフ(日記の編集)
脚本:マヌエル・コムロフ

撮影:バート・グレノン
編集
ジョセフ・フォン・スタンバーグ

サム・ウィンストン
音楽:W・フランク・ハーリング

出演
ゾフィー・アウグスタ・フレデリーケ/エカチェリーナ2世マレーネ・ディートリッヒ

アレクセイ伯爵:ジョン・ロッジ
ピョートル3世サム・ジャッフェ
エリザヴェータルイーズ・ドレッサー
クリスティアン・アウグストC・オーブリー・スミス
ヨハンナ・エリーザベトオリーヴ・テル
グリゴリー・オルロフギャヴィン・ゴードン
カーデル:ジェーン・ダーウェル

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

1934年製作 105分
公開
北米:1934年9月15日
日本:1935年5月
製作費 $900,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
18世紀、プロイセン
小領邦君主のクリスティアン・アウグスト(C・オーブリー・スミス)と妻ヨハンナ・エリーザベト(オリーヴ・テル)の間に、娘ゾフィー・アウグスタ・フレデリーケがいた。

ゾフィー(マレーネ・ディートリッヒ)は、母ヨハンナに王室に嫁ぐよう育てられ、美しく成長する。

そんなゾフィーは、ロシア皇帝の継承権を持つ、皇太子ピョートルの妻として迎えられることになる。

やがて、ロシアから使節が到着し、ゾフィーは、近衛長官アレクセイ伯爵(ジョン・ロッジ)と対面する。

アレクセイはゾフィーの美しさに驚き、彼女は、皇太子の容姿をまず気にして、全てが完璧なことを知らされて安心する。
...全てを見る(結末あり)

しかしゾフィーは、皇太子のことよりも、素っ気無い態度ではあったが、アレクセイに心惹かれてしまう。

1744年3月15日。
将来への夢を膨らませて、ゾフィーは、母ヨハンナと共にロシアに出発するため、これが最後となるかもしれない父クリスティアンに、人生の心得を教えられながら別れを告げる。

最初の夜、ある宿泊施設に着いた一行だったが、ゾフィーと同じ気持のアレクセイが、彼女に愛を告げてキスしてしまう。

その後も長い旅は続き、一行はロシア領内に入り、ソリ付きの馬車に乗り替えて雪原を急ぐ。

サンクトペテルブルグ
一行はようやく宮殿に到着し、ロシア皇帝エリザヴェータ(ルイーズ・ドレッサー)に迎えられたゾフィーは、皇太子妃らしくない名前をエカチェリーナと改名させられ、世継を産むことが出来る体かなどを調べられる。

そしてゾフィーは、会うことを心待ちにしていた皇太子のピョートル(サム・ジャッフェ)が、理想とかけ離れた人物だったために驚いてしまうが、同時に、まず男子を産むよう念を押される。

アレクセイに別室に案内されたゾフィーは、貴族出身の女官達を紹介され、ピョートルについて嘘をついたことを謝罪され、呆然としたまま言葉を失う。

恋の夢破れ、改名したエカチェリーナは、ロシア正教徒となり、雌馬のように扱われ、無能なピョートルとの結婚の日を迎える。

式は厳かに行われ、満悦のエリザヴェータは、何よりも後継男子誕生を望んだ。

心も落ち着いた気丈なエカチェリーナは、宮廷での生活を楽しみ、アレクセイの求愛も受け入れようとする。

一方ピョートルは、新婚早々エカチェリーナが嫌いだということをエリザヴェータに告げるが、彼女はふがいない世継に呆れるばかりだった。

エカチェリーナは、母ヨハンナを帰国させたエリザヴェータに抗議するが、世継を産む努力をしないことで逆に非難され、陛下の側で監視されることになる。

女官に、エリザヴェータにまで愛人がいることを知らされたエカチェリーナは、アレクセイの待つ厩舎に向かい、彼に身を任せようとするが、馬の鳴き声で我に返り宮殿に戻る。

その後、エリザヴェータは、エカチェリーナがアレクセイと密会していることを知り、彼女を側に置き召使のような扱いをして躾を始める。

アレクセイもエリザヴェータの愛人だったことを、見せ付けられながら知ったエカチェリーナは憤慨し、彼の写真入りのペンダントを窓から投げ捨ててしまう。

しかし、それを捜しに行ったエカチェリーナは、警護士官に不審者と疑われる。

皇太子妃だということを信じてもらえないエカチェリーナだったが、寄り添ってきた士官に、思わず抱きつきキスしてしまう。

1754年10月1日。
エカチェリーナは、ついに世継ぎとなる男の子を出産し、国民は喜びに沸き、病の床にあったエリザヴェータは興奮する。

将来の皇帝を産むという、役目を果たしたエカチェリーナは、若い日の理想を捨てて、権力欲のみを満たそうとする日々を送り始める。

エリザヴェータの命が短いことを知ったエカチェリーナは、ピョートルが即位した場合には、追放か処刑される危険性もあったが、彼女はそれを気にもせず、自分の思い通りの行動をとる。

1762年1月。
エリザヴェータは崩御し、ピョートル3世が即位するが、国民は圧制に苦しめられる。

その頃、皇后エカチェリーナは、密かに軍の掌握を始めていた。

エカチェリーナは、裏切ったアレクセイと寄りを戻すように見せかけて、兵舎隊長グリゴリー・オルロフ(ギャヴィン・ゴードン)との密会を彼に見せ付ける。

1762年6月28日。
近衛部隊を率いたエカチェリーナグリゴリーは、ついに行動を開始してクーデターを起す。

そして、ピョートル3世グリゴリーの手によって殺害され、エカチェリーナ2世が即位する。

実際は、ピョートル3世は逮捕、幽閉後に殺害される。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
18世紀、プロイセン
小領邦君主の娘ゾフィー・アウグスタ・フレデリーケは、王家に嫁ぐよう教育され、美しく成長する。
やがてゾフィーは、ロシア皇帝の継承者、皇太子ピョートルの妻として迎えられることになる。
ロシア皇帝の使者で、近衛長官のアレクセイと共に、サンクトペテルブルグに着いたゾフィーは、女帝エリザヴェータに迎えられる。
希望を胸に、完璧な容姿で、人々の憧れでもある言われたピョートルと対面したゾフィーは、彼が、理想とかけ離れた人物だと知りショックを受ける。
エリザヴェータには、何を置いても男子の世継ぎを産むよう強要され、結婚式を終えたゾフィーは、無能なピョートルとの空虚な時間も忘れ、宮廷内の生活を楽しむ。
さらにゾフィーは、当初から気になる存在であったアレクセイに言い寄られ、それを受け入れようともするのだが・・・。
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プロイセンの領邦君主の娘ゾフィー・アウグスタ・フレデリーケが後のロシア皇帝である皇太子時代のピョートル3世に嫁ぎクーデターを起して夫を廃帝させて女帝エカチェリーナ2世となるまでを描く。

名コンビとなったジョセフ・フォン・スタンバーグマレーネ・ディートリッヒが組んだ快心作。

王家に嫁ぐための、英才教育を受けた少女の恋心や、陰謀渦巻くロシア皇帝周辺の秘話など、時にユーモアも交え、絢爛豪華な映像美に加えた、クライマックスに向けてのスタンバーグの力強い演出も光る見応えある作品。

10代半ばのあどけなさが残る少女から、終盤は魔性の女のように変貌する、様々な美しさを表現して楽しませてくれる、30代前半にして、既に貫禄の粋に達している、マレーネ・ディートリッヒの変幻自在の演技は見ものだ。

個人的に注目したのは、温厚な学者や賢者役の似あうサム・ジャッフェが、ピョートル3世を滑稽に演じ、40歳過ぎにしてスクリーン・デビューしていることだ。

ピョートル3世が、無能な人物だったというのは、エカチェリーナ2世側の策略だったという意見が多い。

主人公を誘惑する近衛長官ジョン・ロッジ、女帝エリザヴェータルイーズ・ドレッサー、主人公の両親クリスティアン・アウグストC・オーブリー・スミスヨハンナ・エリーザベトオリーヴ・テル、兵舎隊長グリゴリー・オルロフギャヴィン・ゴードン、そしてジェーン・ダーウェルが、主人公の看護師兼乳母役で出演している。


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