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アメリカ上陸作戦 The Russians Are Coming, the Russians Are Coming (1966)

1961年に発表された、ナサニエル・ベンチリーの小説”The Off-Islanders ”を基にウィリアム・ローズが脚色した作品。
座礁したソ連の潜水艦の出現で混乱する人々を描く、製作、監督ノーマン・ジュイソン、主演カール・ライナーエヴァ・マリー・セイアラン・アーキンブライアン・キース他共演による抱腹絶倒の爆笑傑作コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:ノーマン・ジュイソン

製作:ノーマン・ジュイソン
原作:ナサニエル・ベンチリー
脚本:ウィリアム・ローズ
撮影:ジョセフ・F・バイロック
編集
ハル・アシュビー

J・テリー・ウィリアムス
音楽:ジョニー・マンデル

出演
ウォルト・ホイッテカー:カール・ライナー

エルスペス・ホイッテカー:エヴァ・マリー・セイント
ユーリ・ロザノフ:アラン・アーキン
リンク・マトックス:ブライアン・キース
艦長:セオドア・ビケル
フェンドール・ホーキンス:ポール・フォード
ノーマン・ジョナス:ジョナサン・ウィンターズ
アレクセイ・コルチン:ジョン・フィリップ・ロー
アリス・フォス:テシー・オシア
アリソン・パーマー:アンドレア・ドロム
スタンリー:マイケル・J・ポラード
ミュリエル・エヴェレット:ドーロ・メランデ

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1966年製作 125分
公開
北米:1966年5月25日
日本:1966年11月26日


アカデミー賞 ■
第39回アカデミー賞

・ノミネート
作品
主演男優(アラン・アーキン
脚色・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
マサチューセッツ湾アン岬
ソ連の潜水艦が誤って座礁してしまい、乗組員のユーリ・ロザノフ(アラン・アーキン)らが浜辺に上陸する。

休暇で、その地に滞在していたブロードウェイの脚本家ウォルト・ホイッテカー(カール・ライナー)と妻エルスペス(エヴァ・マリー・セイント)の家のガレージを、ロザノフらは探り始める。

ホイッテカーは、それに気づいた息子の話に聞く耳を持ず、そこに、ロザノフとアレクセイ・コルチン(ジョン・フィリップ・ロー)が訪ねて来る。

ボートを借りるために、車を貸して欲しいというロザノフらに不信感を抱いたホイッテカーは、彼らがロシア人でないかと思い始める。
...全てを見る(結末あり)

仕方なくロザノフは銃を取り出し、ホイッテカーらを黙らせ車の鍵を借り港に向かう。

見張りに残ったコルチンは、ホイッテカーらに同情してしまう。

そしてコルチンは、潜水艦が座礁し、それをボートで沖に戻そうとしていることをホイッテカーに話す。

車で港に向かったロザノフらだったが、ガス欠になってしまい徒歩で先を急ぐ。

知人のアリソン・パーマー(アンドレア・ドロム)が現れたのをチャンスに、コルチンから銃を奪ったホイッテカーは、彼を追い払ってしまう。

その頃ロザノフらは、自宅が郵便局になっているミュリエル・エヴェレット(ドーロ・メランデ)の車を奪う。

ミュリエルは、その寸前に電話交換手のアリス・フォス(テシー・オシア)に連絡したため、それが、眠っていた警察署長リンク・マトックス(ブライアン・キース)に伝わる。

ミュリエルから”ロシア人が上陸した”と言われたアリスだったが、それを聞いたマトックスは、誤報の常習犯である彼の言葉を信用しない。

ホイッテカーは家族を残し、自転車で町に向かう。

再び、アリスから様子がおかしいとの連絡が入り、仕方なくマトックスは、部下のノーマン・ジョナス(ジョナサン・ウィンターズ)らを署に呼び出す。

ジョナスは、出かけ際にロシア人が上陸したことを妻や隣人に話してしまい、それがパラシュート部隊の襲撃やら大袈裟に町中に伝わり始める。

町に到着したホイッテカーだったが、ロシア人の襲撃を恐れて逃げ出そうとする者や、退役軍人であるフェンドール・ホーキンス(ポール・フォード)らの、勇敢に立ち向かおうとする者達も現れる。

ホーキンスらが騒ぎ始め、それを沈めたマトックスは、ロシア人に占拠されたという飛行場に向かう。

町を監視するため残ったジョナスは、現れたホイッテカーからロシア人の水兵と接触した事を聞き、パラシュート部隊だけでないと思い込み一層混乱を招く。

ホイッテカーは、ロシアの潜水艦が座礁しただけだと説明するが、ジョナスはそれを理解せずに対抗策を考え始め大事になってしまう。

電話局の下の階に潜んでいたロザノフが、ホイッテカーを捕らえ、コルチンから逃れた経緯などを聞き、ボートが手に入らなければ第三次大戦勃発だと脅しをかける。

ロザノフらは電話局のアリスを襲い、電話線を遮断して外部との連絡を断つ。

騒ぎが大きくならない方法として、ロザノフらがロシア人と気づかれないように、洋服を着替えることをホイッテカーは提案する。

飛行場に着いたマトックスやホーキンスは、メカニックのスタンリー(マイケル・J・ポラード)にソ連のパラシュート部隊の所在を尋ねる。

コルチンは、エルスペスが町に向かったことを知り家に侵入し銃を奪うが、アリソンに危害を加える気はなかった。

飛行場では、何も問題のないことを知ったマトックスは、ホーキンスを笑い飛ばし、町に引き上げることを命ずる。

その頃、ホイッテカーとアリスは縛られ、ロザノフは二人に別れを告げてボートを奪いに向かう。

コルチンは、アリソンに争った時の傷を手当てされ食事を貰い、やがて二人は惹かれ合うようになる。

一方、潜水艦は満潮により自力で沖合いに逃れ、艦長(セオドア・ビケル)は、ロザノフら上陸した部下らを捜しに向かう。

ロザノフの仲間が海岸で銃を乱射し、人々を引き付けている隙に他の者達が ボートを奪い、途中で仲間を拾う。

ホイッテカーとアリスは、縛られたまま電話局から脱出しようとするが、階段から転げ落ちてしまう。

残ったロザノフは車を奪い逃走し、コルチンを捜しに戻る。

エルスペスが町に到着し、ホイッテカーとアリスを発見する。

コルチンは、アリスンとホイッテカーの娘とで浜辺を散歩し、彼はアメリカ人を憎んでいないことをアリスンに伝え、その後、彼女に好意を持っていることを伝える。

助けられたホイッテカーは、娘の危険を察しエルスペスを連れ家に戻る。

警察のノーマンらは人々とボートを追跡し、町に戻ったマトックスらもそれを追う。

ホイッテカーの家に戻ったロザノフはコルチンを捜すが、そこにホイッテカーらも到着する。

ロザノフを見つけたホイッテカーは発砲するものの、お互いを気遣い仲直りする。

追跡が無駄だと分かったジョナスはマトックスと合流するが、ホーキンスがロシア人を取り逃がした責任を、彼に負わせようとして乱闘になる。

その頃、潜水艦は港に寄港し、艦長は仲間が人質に取られたと思い込み、現れたホイッテカーとロザノフに3分後に攻撃を始めると伝える。

ロザノフは、ホイッテカーと必死にそれを阻止しようとするが、艦長には受け入れられず、人々は港から避難する。

そこにマトックスが現れ、艦長を逮捕すると言い出し、双方は銃を構え一触即発状態になる。

その時、それを見物していた子供が教会の塔から滑り落ちてしまう。

途中でベルトが引っ掛かった子供を、住民とソ連兵とで救出しようとする。

人々は人間ピラミッドを作り、長身のコルチンが屋根を伝って子供を無事に助ける。

住民とソ連兵はお互いを称えあい喜ぶが、ホーキンスが空軍に連絡してしまい、沿岸警備隊海軍が到着することになる。

ホイッテカーはロザノフに逃げるよう伝えるが、ボートで逃げた仲間達を見捨てるわけには行かなかった。

エルスペスが、港にある船で潜水艦を囲み護衛することを提案し、人々はそれを実行しようとする。

コルチンは、再会を約束しアリソンに別れを告げ潜水艦に戻る。

港の船に護衛されながら沖に出た潜水艦は、仲間達の乗るボートを見つけ彼らを乗艦させる。

アメリカ空軍の”F-101B Voodoo”が飛来するが、ソ連の潜水艦は護衛されていたため、何もせずに帰還する。

人々は歓喜し、ロザノフと艦長は、ホイッテカーや家族に別れの挨拶をして大海に戻っていく。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ソ連の潜水艦が、アメリカ北東部の海岸で誤って座礁してしまう。
休暇でその地を訪れていた、ブロードウェイの脚本家のウォルト・ホイッテカーは、上陸した水兵ロザノフらに車を貸すことになる。
ロザノフらは、港のボートを拝借して潜水艦を救おうと考えるが、ひょんなことから、ロシアの侵略者にされてしまい、噂が町中に広まってしまう。
怯えて逃げ出す者や立ち向かって戦おうとする者達が騒ぎ始め、町は警察を含め混乱を極める。
座礁した潜水艦を救おうとしているだけだと言う、ホイッテカーの説明は受け入れられず、やがて、満潮で難を逃れた潜水艦が港に現れる。
そして、艦長は部下が人質に取られたものと思い込み、住民に向け攻撃を開始しようとするのだが・・・。
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原作者ナサニエル・ベンチリーの父はユーモアリストのロバート・ベンチリーで、息子のピーター・ベンチリーは映画「ジョーズ」(1975)の原作者である。

多くの事件現場を、短いカットで入れ替わり映し出す手法が実に小気味好く、個性溢れる登場人物を生かした、ノーマン・ジュイソンの無駄のない演出も光る快心作だ。

第39回アカデミー賞では、作品、主演男優(アラン・アーキン)、脚色、編集賞にノミネートされた。

のどかな港町の素朴な人々が、ロシア人上陸を宇宙人襲来のように大袈裟に捉え、うろたえる姿が実に可笑しい。

オープニングからラストまで、ほとんど慌てふためいているカール・ライナーの、生真面目さも漂わせる役柄は、主役というより、要所を締めるインパクトのある存在としていい味を出している。

ロシア語と英語の混合セリフも見事な、10年ほど前にデビューはしていたものの、本作が彼のキャリアを決定付けたとも言える、カール・ライナーと同じく、現在でも活躍し続けているアラン・アーキンの、生きのいい演技がみものだ。

クライマックスで抜群のアイデアを出し、少ない出番を一気にカバーする主人公の妻エヴァ・マリー・セイント、警察署長ブライアン・キース、潜水艦艦長セオドア・ビケルロシア人撃滅を掲げ住民を扇動する退役軍人ポール・フォード、警官ジョナサン・ウィンターズ、気の好いロシア人水兵ジョン・フィリップ・ロー、彼と恋仲になるアンドレア・ドロム、電話交換手テシー・オシア、飛行場のメカニックマイケル・J・ポラード、騒ぎの種を蒔く郵便局のドーロ・メランデなどが共演している。


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