家族や周囲の人々に支えられながら35歳でメジャーリーガーとなった高校教師ジム・モリスの夢を追う姿を描く実録のドラマ。 主演デニス・クエイド、ブライアン・コックス、レイチェル・グリフィス他共演、監督ジョン・リー・ハンコック。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・リー・ハンコック
製作
マーク・シアーディー
ゴードン・グレイ
マーク・ジョンソン
製作総指揮:フィリップ・ステュアー
脚本:マイク・リッチ
撮影:ジョン・シュワルツマン
編集:エリック・L・ビアソン
音楽:カーター・バーウェル
出演
ジム・モリス:デニス・クエイド
ローリー・モリス:レイチェル・グリフィス
ジム・モリス・シニア:ブライアン・コックス
ホアキン”ワック”カンポス:ジェイ・ヘルナンデス
オリーン・モリス:ベス・グラント
ハンター・モリス:アンガス・T・ジョーンズ
ルディ・ボニーラ:リック・ゴンザレス
ジョー・デヴィッド・ウェスト:チャド・リンドバーグ
ヘンリー・サンプソン:ロイス・D・アップルゲイト
ジョエル・デ・ラ・ガルザ:アンジェロ・スピッツィリ
フランク:レイノール・シェイン
アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2002年製作 127分
公開
北米:2012年3月29日
日本:2003年1月18日
製作費 $22,000,000
北米興行収入 $75,600,070
世界 $80,693,540
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
コネチカット州、グロトン。
ジム・モリスは、海軍の軍人の父(ブライアン・コックス)から、転勤することを知らされて気落ちする。
その後も父の転勤は続き、野球が得意のモリスは、それに無関心な父から、再び引っ越すことを告げられる。
シーズン半ばでもあり、今の土地を離れたくないモリスは、テキサスの次の転勤先には、野球リーグもないことを知りショックを受ける。
テキサス州、ビッグ・レイク。
野球が盛んでない町で、ある伝説があることを知ったモリスは、それだけが励みとなり成長する。
1999年。 大学野球からマイナーリーグの選手となったモリスだったが、肩の怪我で野球人生を諦めたのだった。 高校の野球チームのコーチもしていたモリスは、キャッチャーのジョエル・デ・ラ・ガルザ(アンジェロ・スピッツィリ)に促されてマウンドに立ち、かつての速球が健在であることを知る。 それを見ていた息子のハンター(アンガス・T・ジョーンズ)は驚く。 帰宅したモリスは、妻のローリー(レイチェル・グリフィス)にそれを話すが、夫の体を案ずる彼女は喜ぶ気になれない。 翌日も選手達を相手に速球を見せて驚かせたモリスは、連敗する彼らに、目標や夢を持った行動を促す。 しかしジョエルは、モリスこそ夢に向けて再挑戦するべきだと意見する。 選手達もそれに同調し、自分達が州大会に出場することを条件に、モリスがプロのテストを受けることを約束させる。 帰宅する途中、街道の車速計測器で球速が測れることを知ったモリスは、76マイル(122km)だったために気落ちする。 しかし、計測器のランプの故障で、実際の球速は96マイル(154km)だった。 モリスが町に来た時から可愛がってきた雑貨店店主ヘンリー・サンプソン(ロイス・D・アップルゲイト)らは、彼や選手達のために、グラウンドに芝を生えさせるための協力をする。 今でもしっくりこない父との関係だったが、モリスは、離婚はしたものの、夫の考えも理解しすべきだと母オリーン(ベス・グラント)に言われる。 グラウンドが使えないため他の場所で練習したチームは、モリスのバッティング・ピッチャーでレベル・アップに成功し、その後の試合で勝利する。 チームは連勝して活気づくが、他校から高額報酬のオファーを受けたモリスは迷う。 グラウンドの芝生も生え、地区優勝決定戦を迎えたチームだったが、ホアキン”ワック”カンポス(ジェイ・ヘルナンデス)は、モリスが来年も指導してくれるか心配する。 モリスは、この試合だけに集中するようにと選手達に伝え戦いに挑む。 チームは接戦を制し、歓喜する選手達は、モリスに約束を果たすようにと言って励ます。 三人の子供を連れて”タンパベイ・デビルレイズ”(現レイズ)のテスト会場に向かったモリスは、スカウトに投球をチェックされて一目置かれる。 モリスは、現役時代を凌ぐ156kmの球速だったことを知らされて驚き、後日、連絡があるだろうと言われる。 それを妻ローリーに秘密にしていたモリスは、既にスカウトからの電話メッセージを聞いていた彼女に話をして、今後のことは迷っていることを伝える。 数日後、スカウトに再度テストされたモリスは、肩が衰えていないことを確認される。 父の家に向かい助言を求めたモリスだったが、夢を追う前に男としての責任を果たせと言われる。 それについてローリーに不満をぶつけるモリスだったが、彼女は、尚も迷う夫に家族を優先させるべきだと伝える。 しかし、息子ハンターが、父親が夢を叶えることを願っていることを知ったローリーは、モリスに謝罪して理解を示す。 モリスは眠っている子供達に別れを告げ、ローリーに励まされながら旅立つ。 フロリダ州、オーランド、2A、サザンリーグ。 その後、3Aに昇格したモリスは、家族のことを想いながら遠征を続ける。 生活に苦しむ家族とも会えないことに限界を感じ始めたモリスは、家に戻ることも考える。 しかし、テレビのインタビューを受けた自分が、夢を追うことの大切さを説く姿を見たモリスは、支えてくれる人々を想いながらプレーを続ける。 そしてモリスは、若手打者と共にメジャーに昇格し、テキサスに遠征中の”デビルレイズ”に合流することになる。 それを知らされたローリーは喜び、ハンターは父モリスがメジャー・リーガーになったことで興奮する。 生徒達やヘンリーも感激して、町は一気に盛り上がる。 テキサス。”ザ・ボールパーク・イン・アーリントン”(当時)。 ブルペンでウォーミングアップをしていたモリスは、ローリーと子供達が現れたことに気づく。 家族との再会を喜んだモリスは、”レンジャース”との試合に備える。 ジョエル、ワック、ルディ・ボニーラ(リック・ゴンザレス)、ジョー・デヴィッド・ウェスト(チャド・リンドバーグ)ら生徒達、ヘンリーらもモリスの応援に駆け付ける。 ”レンジャース”リードで迎えた後半、モリスは準備を始めるよう指示され、ローリーや子供達、町の人々や生徒、そして母オリーンもそれに気づく。 登板を指示されたモリスはマウンドに向かい、156kmの速球でバッターを三球三振にとる。 試合後、記者に囲まれてインタビューを受けていたモリスは、父の姿を確認する。 息子のメジャーの晴れ姿を見逃すわけにはいかないとモリスに伝えた父は、それだけ語り帰ろうとする。 モリスに呼び止められた父は、投球ボールを渡してくれた息子に感謝もされ、涙をこらえながら満足そうな笑顔を見せて立ち去る。 その場に現れたローリーと抱き合ったモリスは、観戦に来た町の人々に称えられる。
結婚して3人の子供もいた35歳のモリスは、高校の科学の教師として平凡な毎日を送っていた。
...全てを見る(結末あり)
チームに加わったモリスは、年配者だとヤジられながら、リリーフとして登板する。
広くて何もかもが整えられたロッカールームを見ただけで驚くモリスは、自分のロッカーを見つけて、ローリーが届けてくれた上着とお守りのペンダントを確認する。
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*(簡略ストー リー)
1999年、テキサス州、ビッグ・レイク。
高校の化学の教師ジム・モリスは、野球選手になる夢があったが、マイナーリーグで肩を痛めそれを諦めていた。
そんなモリスは、自分の速球が未だに衰えていないことを知り、再び野球への情熱が甦る。
野球のコーチも務めるモリスは、弱小チームの選手達に、夢に向かい努力することの大切さを説く。
選手達に、自分の夢も叶えるべきだと言われたモリスは、地区大会優勝を条件にプロ・テストに挑戦することを約束する。
生活が苦しいことを考えると、夫モリスの夢の実現を手放しで喜べない妻ローリーだった。
その後、チームは奮起して連勝を続けて地区優勝を果たし、モリスは、選手達との約束通りプロ・テストを受ける。
そして、モリスの速球は注目され、夢の第一歩、マイナーリーグに誘われるのだが・・・。
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実録ドラマとして無難である内容は、いかにもディズニー作品らしい心温まる物語としてまずまず楽しめる。
上記の通り濃淡を抑える傾向にあるディズニー映画であるため、ジョン・リー・ハンコックの演出も意識的におとなしくしているようにも感じる。
プロ経験があるとは言え、35歳のアマチュア投手が160km近い速球を投げるというのは奇跡でもあり、その才能をなんとか活かそうとする主人公や周囲の気持ちは、野球ファンなら頷けるところだろう。
音楽はコーエン兄弟作品でお馴染みのカーター・バーウェルが担当している。
撮影当時47歳のデニス・クエイドが老け過ぎているという意見はナンセンスで、ドラマの内容からして、年齢が高く見えた方がよいのは当然のことだ。
アマチュアの速球投手ジム・モリスを、渋みも加えながら好演するデニス・クエイドを、私は適役だと考える。
不安を抱えながらも、夫を支え続ける主人公の妻レイチェル・グリフィス、最後には和解するものの、息子の夢を理解できない父親ブライアン・コックス、その妻ベス・グラント、主人公の教え子達ジェイ・ヘルナンデス、リック・ゴンザレス、チャド・リンドバーグ、アンジェロ・スピッツィリ、主人公の息子アンガス・T・ジョーンズ、町民のロイス・D・アップルゲイト、レイノール・シェインなどが共演し、ジム・モリス自身も2Aの試合のアンパイア役で登場している。