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激流 The River Wild (1994)

家族間に溝ができていた一家が休暇の川下りで強盗犯の逃亡に巻き込まれながら危機に立ち向かう姿を描く、監督カーティス・ハンソン、主演メリル・ストリープケビン・ベーコンデヴィッド・ストラザーンジョン・C・ライリージョゼフ・マゼロ他共演のサスペンス・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:カーティス・ハンソン

製作
デヴィッド・フォスター
ローレンス・ターマン

脚本:デニス・オニール
撮影:ロバート・エルスウィット

編集
デヴィッド・ブレナー

ジョー・ハッシング
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

出演
ゲイル・ハートマン:メリル・ストリープ

ウェイド:ケビン・ベーコン
トム・ハートマン:デヴィッド・ストラザーン
テリー:ジョン・C・ライリー
ローク・ハートマン:ジョゼフ・マゼロ
ジョニー:ベンジャミン・ブラット
ウィラ・ハートマン:ステファニー・ソーヤー

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1994年製作 111分
公開
北米:1994年9月30日
日本:1995年4月
製作費 $45,000,000
北米興行収入 $46,816,340
世界 $94,216,340


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ボストンに住むゲイル・ハートマン(メリル・ストリープ)は、息子ローク(ジョゼフ・マゼロ)の誕生祝に、アイダホの故郷で休暇を過ごす計画を立てる。

しかし、建築家の夫トム(デヴィッド・ストラザーン)は、仕事の都合で同行できず、ゲイルは仕事重視の夫との離婚を考え始める。

ゲイルは汚れる前の川をロークに見せるために、川下りを体験させようと、サルモン川に向かう。

ゲイルとロークは、同じ川下りをする好感の持てる青年ウェイド(ケビン・ベーコン)に出会う。

そこに夫トムが現れ、娘ウィラ(ステファニー・ソーヤー)を祖父母に預け、ゲイルら3人は愛犬マギーを連れボートを出し出発する。
...全てを見る(結末あり)

ゲイル達は大自然を満喫しながら、初日のキャンプ地を見つける。

その場にも仕事を持ち込んだトムに、ゲイルは不満を抱き、相変わらず2人の溝は埋まらない。

最初の急流で、ウェイドがガイドに逃げられたと言って、川に詳しいゲイルを呼び止めて助言を受ける。

ウェイドは、相棒のテリー(ジョン・C・ライリー)とゲイルの後を追うが、ボートが転覆してしまう。

トムが溺れかけているウェイドを助けるが、ゲイルと親しげに話すウェイドをトムは毛嫌いするようになる。

その夜のキャンプで、ロークの誕生日を祝ったゲイル達だったが、ウェイドは、ロークに現金200ドルをプレゼントする。

トムは子供には大金過ぎると、それを返すようにロークに強制し、彼はそれを不満に思う。

しかし、それがきっかけで、ゲイルとトムは話し合い、お互いの心が通じ合うようになる。

水浴びをしていた自分を見つめるウェイドの眼差しが、不気味だったことを気にしたゲイルは、トムの言う通りに、彼らとは別行動をとろうとする。

翌日、出発時にロークがウェイドのボートに乗ってしまい、ゲイルは不安を感じる。

ウェイドはロークに拳銃を見せ、彼はそれに興味を示す。

昼食時に、ウェイドとテリーをまこうとしたゲイルとトムだったが、ロークをボートに乗せようとした時、ウェイドとテリーにそれを阻まれてしまう。

トムは抵抗しようとするが、ウェイドに銃で脅され、彼を信頼していたロークは、銃のことを話したため、ウェイドに殴られてしまう。

飼い犬のマギーは、ウェイドの銃撃をかわして逃げ去る。

ショックを受けたロークは、ウェイドらの写真を撮り、カメラを川に捨ててしまう。

ウェイドとテリーは、ゲイル達のボートを壊わして、3人を人質にして出発する。

ゲイルは、ウェイドとテリーが、牛の競売場から売上金を強奪した犯人で、ガイドと言っていた仲間も殺していたことに気づく。

昼食のために、ボートを岸につけた一行の前に、監視員のジョニー(ベンジャミン・ブラット)が現れる。

ゲイルはウェイドに銃を突きつけられ、トムはジョニーに危機を知らせようとするが、テリーに阻まれる。

ジョニーは、拾ったカメラをウェイドに渡して引き上げる。

ウェイドは、危険を承知で、誰も向かおうとしない激流”のガントレット”を通ろうとする。

しかし、18歳の時に幸運にもそこを通過することに成功したゲイルは、その恐ろしさをウェイドに知らせて脅す。

その夜、誕生日にロークにプレゼントしたナイフで、縛られたロープを切ったトムは、見張りのテリーから銃を奪おうとするが、気がつかれてしまう。

その場から逃げ去ったトムは、追ってきたウェイドに撃たれて川に転落する。

しかし、トムは川に落ちただけで命拾いし、翌朝、愛犬のマギーと再会し、川伝いにボートを追い越そうとする。

”リトル・ナイアガラ”という小さな滝に着いたトムは、のろしを上げてゲイルとロークに合図をする。

その場を何とか切り抜けたゲイルは、先を越したトムの待つ”ガントレット”に向かいオールを漕ぐ。

”ガントレット”を下見していたゲイルらの元に、再び監視員のジョニーが現れ、引き返すよう説得する。

しかし、ウェイドはジョニーを銃撃して、激流に向かう川に彼を放り込んでしまう。

2キロで90mの落差がある激流に突入した一行は、悪戦苦闘しながら”ガントレット”を制覇する。

トムの仕掛けた罠に気づいたゲイルはボートを止め、そのタイミングで彼がボートを転覆させようとする。

川に落ちたウェイドにトムは襲い掛かり、ゲイルはテリーをオールで殴る。

銃を奪ったゲイルは、現金のバッグを持ったウェイドを銃撃し、彼は川の流れに飲み込まれ、テリーは観念する。

そしてロークは、勇敢に戦い、自分を守ってくれた両親を誇りに思い、愛を取り戻した彼らに寄り添う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ボストンに住むゲイル・ハートマンは、仕事の都合で同行できない建築家の夫トムを残して、息子ロークの誕生祝にアイダホの故郷で休暇を過ごすことにする。
ゲイルは、仕事重視のトムとの離婚を考え始めていた。
現地に着いたゲイルは、ロークと川下りを体験するためサルモン川に向かう。
やがて、同じ川下りを楽しもうとする、好感の持てる青年ウェイドに出会ったゲイルとロークの前に、トムが現れる。
娘ウィラを祖父母に預けた三人は、愛犬を連れてボートで出発する。
ウェイドも相棒のテリーと川下りを始め、二人は何かとゲイルらに接近してくる。
トムがウェイドの行動を気にし始め、ゲイルと共に若者二人を警戒し始める。
そして、実は強盗殺人犯であった、好青年から変貌したウェイドらは、川に詳しいゲイらを人質に川を下り始める・・・。
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逃亡のため、あえて通過困難と言われる激流に挑まされる主人公の恐怖、壊れかけた家族の信頼関係と絆が再び固く結ばれて、犯人に立ち向かおうとする勇気、そして、それを容赦なく踏みにじる犯人達の非情さなどを、前作の「ゆりかごを揺らす手」(1992)で高い評価を得たカーティス・ハンソンが、アクションでありながらも繊細なタッチで、見事に描き切っている。

サスペンスとしての緊迫感を、さらに効果的に盛り上げる激流下りのシーンは圧巻で、CGでない生身の人間が演ずる迫力あるアクションは、下手な特撮映画などより遥かに見応えがある。

美しい大自然をバックに、音楽を担当するのは巨匠ジェリー・ゴールドスミス

実力、演技共にハリウッドを代表する名女優のメリル・ストリープは、本作のためにトレーニングを重ねて役柄に挑み、細かな感情表現も合わせて彼女の役者魂を見せ付けてくれる。

好青年から凶悪犯に変貌するケビン・ベーコンの熱演も光る。

逞しさはないが、妻子のために命を懸けて悪に立ち向かうデヴィッド・ストラザーン、風貌や体格に似合わず気弱でやや頼りない犯人ジョン・C・ライリー、主人公の息子ジョゼフ・マゼロ、監視員ベンジャミン・ブラットなどが共演している。


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