1991年に発表された鈴木 光司のホラー小説”リング”を基に製作された日本映画「リング」のハリウッド版リメイク作品。 見た者は7日後に死ぬという謎のビデオを調べる女性記者に襲い掛かる恐怖を描く、監督ゴア・ヴァービンスキー、主演ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダーソン、ブライアン・コックス他共演のホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作
ウォルター・F・パークス
ローリー・マクドナルド
製作総指揮
マイク・マッカリ
ロイ・リー
ミシェル・ウェイスラー
原作:鈴木 光司”リング”
脚本
スコット・フランク
アーレン・クルーガー
撮影:ボージャン・バゼリ
編集:クレイグ・ウッド
音楽:ハンス・ジマー
出演
レイチェル・ケラー:ナオミ・ワッツ
ノア・クレイ:マーティン・ヘンダーソン
エイダン・ケラー:デヴィッド・ドーフマン
リチャード・モーガン:ブライアン・コックス
サマラ・モーガン:ダヴェイ・チェイス
ルース・エンブリー:リンゼイ・フロスト
グラズニック:ジェーン・アレクサンダー
キャサリン”ケイティ”エンブリー:アンバー・タンブリン
レベッカ”ベッカ”コトラー:レイチェル・ベラ
アメリカ 映画
配給 ドリームワークス
2002年製作 115分
公開
北米:2002年10月18日
日本:2002年11月2日
製作費 $48,000,000
北米興行収入 $128,579,700
世界 $249,348,930
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
シアトル。
キャサリン”ケイティ”エンブリー(アンバー・タンブリン)は、あるビデオを見た後に電話があり”7日後に死ぬ”と言われると言う話を友人レベッカ”ベッカ”コトラー(レイチェル・ベラ)から聞く。
ケイティは動揺し始め、あるビデを見て電話が鳴ったことを話し、発作を起こす振りをしてベッカをからかう。
直後に電話が鳴り、それは母親からだったのだが、突然、テレビの電源が入る。
テレビのコンセントを抜き、表に異変に気づき、開いた冷蔵庫のドアを閉めたケイティは、二階に行ったベッカの元に向かう。
廊下の水に気づき、部屋のドアを開けたケイティは、映っていたテレビの映像を見て叫ぶ。
新聞記者レイチェル・ケラー(ナオミ・ワッツ)は、学校に息子エイダン(デヴィッド・ドーフマン)を迎えに行き、彼が、3日前に亡くなった、従姉ケイティの死を意味する絵を1週間前に描いたことを担任教師から知らされる。 帰宅したレイチェルは、ベッドに寝かせたエイダンから、ケイティと話して死を予告していたと言われる。 翌日、レイチェルとエイダンはケイティの葬儀に参列する。 レイチェルは姉ルース(リンゼイ・フロスト)から、死因が不明のまま亡くなったケイティのことを調べて欲しいと言われる。 その死に顔が異常であったことなどを知らされたレイチェルは、ケイティの友人から、あるビデオが死の原因で、ケイティのボーイフレンドも同じ日に自殺したという話を聞く。 レイチェルは、エイダンがケイティの部屋にいることに気づき注意するが、もう彼女の部屋ではないと言われる。 ケイティの撮った写真があることを知ったレイチェルは、それを確認するのだが、その中の一枚に写っている4人の顔が歪んでいた。 死んだ若者の新聞記事を調べたレイチェルは、全員が午後10時に死んでいることを疑問に思う。 ケイティも10時に死んだことを確認したレイチェルは、彼女らが泊まった山荘を訪ねる。 レイチェルは、ケイティが12号室に泊まりビデオを見たことを知り、フロントにあった気になるビデオを持って、歪んだ顔の写真のコテージに向かう。 ビデオを見始めたレイチェルは、”リング”の映像から始まる、異様でおぞましい内容に驚く。 映像を止めたレイチェルは、鳴った電話の受話器を取り、”あと7日”という声を聞いて恐ろしくなり部屋を飛び出す。 木曜日、1日目。 ノアは学生映画だと言い、夜見れば怖いだろうと意見するが、直後に電話が鳴る。 レイチェルは受話器を取れず、怖くないかをノアに尋ねるが、彼は4人が同時に死んだことも気にせず、ビデオを調べることを約束してその場を去る。 メッセージが残っていることに気づいたレイチェルは、それを聞かずに消してしまう。 新聞社でビデオをコピーしていたレイチェルは、画像のハエを気にする。 金曜日、2日目。 しかし、真剣に取り組む姿勢が見られないノアに愛想を尽かしたレイチェルはその場を去る。 その場の建物の壁にかけてあった梯子が、ビデオの映像を連想させたためレイチェルはそれが気になる。 土曜日、3日目。 乱れた映像を高性能の機材で再確認したレイチェルは、灯台が映っていることを確認し、静止画像にも拘らずハエの羽根が動くのにも気づく。 レイチェルは映像の中のハエを掴み、鼻血が出ていることに驚く。 日曜日、4日目。 モエスコ島の灯台をネットで調べたレイチェルは、ある写真を見つけて、それに写っているアンナ・モーガンが、映像の女性だと気づく。 ホース・ショーを主催するアンナの牧場の馬が、謎の病気で死亡した写真を見つけたレイチェルは、それも映像に現れたことを確認する。 アンナの自殺後に馬は回復したことも分かり、崖から飛び降りたという彼女の映像もその死と一致していた。 エオラ郡の精神科病院に入院していた、アンナに何があったのか、レイチェルは考える。 月曜日、5日目。 防犯カメラの自分の顔が歪んでいることに気づいたノアは、動揺しながら店を出る。 口の中から何かを吐き出し、長い髪の少女に腕を掴まれる悪夢を見たレイチェルは、目覚めて腕のあざに気づく。 レイチェルは、エイダンがビデオを見ていたためそれを止めさせて、その直後に電話が鳴る。 電話を切ろうとしたレイチェルは相手がノアだと分かり、自分を信じると言われる。 レイチェルは、自分達の息子エイダンがビデオを見てしまったことを泣きながらノアに伝える。 火曜日、6日目。 ノアからエイダンが描いた絵を渡され、モエスコ島に向かったレイチェルは、アンナの夫リチャード(ブライアン・コックス)と娘について調べるつもりだった。 フェリーで運ばれていた馬に近づいたレイチェルは、突然、暴れだした馬に襲われそうになる。 馬は海に落下して、スクリューに巻き込まれて死亡する。 精神科病院の資料室に忍び込んだノアは、ドアのハエを気にしながらアンナのカルテを探す。 モーガン牧場を訪ねたレイチェルは、映像の窓などに気づきながら、リチャードに会い記者だと言って話を聞く。 映像に出てくる部屋の鏡に気づいたレイチェルは、リチャードにビデオを見てもらおうとする。 リチャードは動揺し、ビデオをどこで手に入れたかを聞いただけで、忙しいと言ってレイチェルに帰ってもらおうとする。 娘はいないというリチャードは、レイチェルを追い払う。 レイチェルは、エイダンが描いた絵が、リチャードの家であり、女の子の顔が塗りつぶされていることを気にする。 ノアはアンナの資料を見つけて、彼女が何度も流産を繰り返し、サマラという娘の存在と、リチャードの要請で治療が中止されたことを知りながら鼻血が出たことに気づく。 エイダンに電話をしたレイチェルは、女の子に言われて絵を描き、納屋の馬がうるさいと言う彼女が、暗い所にいるということを知らされる。 地元の医師グラズニック(ジェーン・アレクサンダー)に会ったレイチェルは、モーガン家の娘が、自分と息子にイメージとして頭から離れないことを伝える。 グラズニックは、子供を欲しがったモーガン夫妻が、ある日サマラという養子を家に連れて来るが、その後アンナが恐ろしい幻覚を見るようになったことを話す。 サマラはエオラ郡の精神科病院に入れられ、その後、島は平穏に戻ったこともグラズニックは付け加える。 更に調べたノアは、サマラに関してのビデオがあることを知るが、それはリチャードによって持ち出されていた。 再びモーガンを訪ねたレイチェルは、サマラ(ダヴェイ・チェイス)を診察する記録ビデオを見る。 サマラが、父に嫌われていると医師に答える映像を見ていたレイチェルは、現れたリチャードに殴り倒される。 リチャードは浴室で感電して自殺し、レイチェルは取り乱すものの、その場にノアが現れる。 サマラの、納屋の馬がうるさいというエイダンの言葉を思い出したレイチェルは、ノアと共にその場を調べる。 高い梯子の上の空間にサマラの部屋があり、そこに彼女が閉じ込められていたことをレイチェルとノアは知る。 壁紙の裏に描かれた木に見覚えがあったレイチェルは、それを山のコテージで見たことを思い出す。 水曜日、7日目。 ノアは何か手がかりがあるはずだと言って、鉄球が集まる場所の床を調べた二人は、その下に井戸を発見する。 井戸の蓋をあけて中を覗いた二人は、深さを調べようとして石を落とす。 部屋のテレビが反応して異変が起きる中、井戸からの大量のハエに驚いたレイチェルは落下してしまう。 レイチェルは、壁にあったサマラのものと思われる指の爪をみつける。 ノアは消火栓ホースを使いレイチェルを助けようとするが、井戸の蓋は閉まり、彼女は水中から現れた少女に腕を掴まれる。 レイチェルは、サマラが生きたまま井戸に突き落されたことを知り、腕のあざが消えたことに気づく。 水中に沈むサマラの死体を確認したレイチェルは、太陽が沈んだというノアに、無事だと答える。 救い出されたレイチェルは、欲しがっていた子供にアンナはなぜ酷いことをしたのかを考え、サマラは寂しがっていたのだとノアに話す。 井戸に落とされたサマラを憐れむノアは、何日生きていたのかを考え、レイチェルは7日だろうと答える。 ノアは、レイチェルとエイダンをアパートに送りその場を去る。 翌朝レイチェルは、女の子サマラを自由にしてあげたことをエイダンに伝えるが、なぜ助けたのかと言われる。 エイダンの手のあざに気づいたレイチェルは、サマラは眠らないという彼の言葉に驚く。 ノアは、突然、電源の入ったテレビを消すが、それが再びついて映像が流れる。 井戸から這い上がったサマラは、テレビから姿を現しノアに襲い掛かる。 電話をかけても出ないために、レイチェルはノアのアパートに向かう。 水浸しの床の上の椅子に座っていた、ノアのおぞましい死体を見て叫び声を上げたレイチェルはその場を離れる。 ノアの部屋に向かう恋人の姿を確認しながら、家に戻ったレイチェルはオリジナルのビデオ・テープを焼いてしまう。 なぜ自分だけが助かったのかを考えるレイチェルは、ビデオのコピーがあることに気づく。 レイチェルは、コピーしたビデオを人に見せることが、死から逃れる方法だと気づく。 人は次々と死んでいき、サマラはそれを止めないというエイダンは、レイチェルと共にビデオを見る。 エイダンには大丈夫だと伝えたレイチェルは、これを見るとどうなるかを問われる。 レイチェルは、答えを返さずに映像を見る。
...全てを見る(結末あり)
ビデオを持ち帰ったレイチェルは、翌日、元恋人ノア・クレイ(マーティン・ヘンダーソン)にビデオを見せる。
ビデオを調べたノアは、記録信号がないことや映像の疑問を指摘する。
精神に異常をきたし施設に入ったベッカに会ったレイチェルは、ケイティのことなどを聞くのだが、”何かが来る、待てば分かる、あと4日”とだけ言われる。
図書館で灯台を調べたレイチェルは、それがモエスコ島のものだと分かる。
雑貨店で買い物をしていたノアは、店員にタバコを吸い過ぎると”死ぬ”と言われる。
レイチェルは、アンナについてと、全てを知ったケイティが、死の直前に”リング”を見たはずだとノアに話す。
コテージに向かったレイチェルは、時間がないことをノアに伝えて、エイダンを守ってほしいと頼む。
参考:
・「ザ・リング」(2002)
・「ザ・リング2」(2005)
・「ザ・リング/リバース」(2017)
*(簡略ストー リー)
新聞記者レイチェル・ケラーは、姪ケイティの不審死の原因を探ることを姉から頼まれる。
見た者は7日後に死ぬというビデオが原因とも姪の友人から言われたレイチェルは、息子エイダンが従姉の死を予知していたことを気にする。
ケイティのボーイフレンド他4人が同じ時刻に死んだことを知ったレイチェルは、彼女らが宿泊した山のコテージに向かい、問題のビデオを見る。
異常でおぞましい内容に驚くレイチェルは、直後の電話で”あと7日・・”と言われて驚く。
レイチェルは、元恋人のノアに相談するものの、彼は関心を示さない。
調査を続け映像の灯台に気づいたレイチェルは、牧場を所有するモーガンという家族が関係することを知り、その場所の島に向かうのだが・・・。
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日本で大ヒットしたホラー映画のハリウッド版のリメイクということで大いに話題になった作品。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」(2003)を翌年に控えたゴア・ヴァービンスキーは、一歩一歩、謎を解明していく、大袈裟過ぎない恐怖感を無駄のない演出で描き切り、単なる絶叫ホラーではなく、物語そのものを重視しているところに注目。
北米興行収入は約1億2900万ドル、全世界では約2億4900万ドルの大ヒットとなり、2005年に続編も公開された。
既にキャリアはあったものの、本作の大ヒットで日本での知名度を上げるナオミ・ワッツは、謎のビデオの解明に奔走する、記者、そして母親を熱演している。
主人公の元恋人マーティン・ヘンダーソン、彼と主人公の息子であり霊視能力を持つデヴィッド・ドーフマン、ビデオの少女(ダヴェイ・チェイス)の父親ブライアン・コックス、主人公の姉リンゼイ・フロスト、島の医師役ジェーン・アレクサンダー、主人公の姪役のアンバー・タンブリン、その友人レイチェル・ベラなどが共演している。