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ショウほど素敵な商売はない There’s No Business Like Show Business (1954)

激動の時代を生き抜いた芸能一家の家族愛を描く、監督ウォルター・ラング、主演エセル・マーマンドナルド・オコナーマリリン・モンローダン・デイリーミッツィ・ゲイナー他共演によるヒューマン・ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ミュージカル)

マリリン・モンロー / Marilyn Monro / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ウォルター・ラング

製作:ソル・C・シーゲル
原作:ラマー・トロッティ
脚本
ヘンリー・エフロン

フィービー・エフロン
撮影:レオン・シャムロイ
編集:ロバート・L・シンプソン
衣装デザイン
チャールズ・ルメア

ウィリアム・トラヴィラ
マイルズ・ホワイト
音楽
アーヴィング・バーリン

アルフレッド・ニューマン
ライオネル・ニューマン

出演
モリー・ドナヒュー:エセル・マーマン

ティム・ドナヒュー:ドナルド・オコナー
ヴィッキー:マリリン・モンロー
テレンス・ドナヒュー:ダン・デイリー
スティーヴ・ドナヒュー:ジョニー・レイ
ケイティ・ドナヒュー:ミッツィ・ゲイナー
ルー・ハリス:リチャード・イースタム
チャールズ・ビッグス:ヒュー・オブライアン
エディー・ドゥーガン:フランク・マクヒュー
ダイニーン神父:リス・ウィリアムス
ダンサー:ジョージ・チャキリス

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1954年製作 117分
公開
北米:1954年12月16日
日本:1955年4月10日


アカデミー賞 ■
第27回アカデミー賞

・ノミネート
原案・衣装デザイン
ミュージカル音楽賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1919年。
ヴォードヴィリアンのテレンス・ドナヒュー(ダン・デイリー)とモリー(エセル・マーマン)のショウが終わり、二人は観客に一座の一員として長男のスティーヴを紹介する。

1923年。
ドナヒュー一家は、長女ケイティと次男ティムを加えて巡業を続ける。

モリーは、子供達の成長と共に、彼らの教育についての考えをテレンスに相談し、セント・マイケルズ寄宿学校に子供達を預けることにする。

その間ドナヒュー夫妻のステージは、大人のムードが漂うものに変貌していく。

その頃、学校を抜け出そうとしたスティーヴとティムが見つかってしまい、ドナヒュー夫妻はダイニーン神父(リス・ウィリアムス)に呼び出されてしまう。

子供達が、両親と過ごすことを願っているということを知ったテレンスとモリーは、家を買い家族で暮らす決心をする。

その後の大恐慌で、人々は劇場から遠ざかり、テレンスとモリーは職を失ってしまう。
...全てを見る(結末あり)

食べるために、寄せ芸人にまで成り下がったテレンスと、ラジオのコマーシャル・ソングなどの下働きをするモリーらは、懸命に働き、やがて再び運が回ってくる。

1937年。
ティム(ドナルド・オコナー)が高校を卒業し、歌の才能を開花させたスティーヴ(ジョニー・レイ)と、ダンスに磨きをかけたケイティ(ミッツィ・ゲイナー)も加わり、”ドナヒュー一家”のステージが復活する。

子供達は、ステージは一緒にこなすものの、両親の手を離れ、それぞれが人生を楽しみ始める。

ティムは、あるナイトクラブで帽子係をしているヴィッキー(マリリン・モンロー)に出会い、彼女が気になる存在になる。

舞台歌手を目指すヴィッキーは、代理人エディー・ドゥーガン(フランク・マクヒュー)の働きで、興行主ルー・ハリス(リチャード・イースタム)の前で歌を披露することになる。

同じクラブにいたケイティは、しつこい相手から逃れて、その場を立ち去る。

ヴィッキーのステージが始まり、ハリスは彼女が気に入り、エディーは胸をなでおろす。

楽屋では、ヴィッキーがハリスの出迎えを待っていたが、そこに現れたのはティムで、彼女は迷惑そうに彼を追い払おうとする。

そこにハリスとエディーが現れて、ヴィッキーが、有名な”ドナヒュー一家”の一員と知り合いだったのかと驚いてしまう。

ヴィッキーもそれを知り驚きはするが、単独で芸を磨きたい彼女は、やはりティムを楽屋から追い出してしまう。

テレンスとモリーは、帰りの遅い子供達にやきもきするが、ケイティは夜遊び、教会から帰ったスティーヴは聖職者になると言い出し、ティムは酔って帰宅する始末だった。

テレンスは、スティーヴの考えを理解できずにいたが、モリーは彼の意見を尊重して誇りに思う。

神学校に通うスティーヴは修行の身となるため、彼を送り出すパーティーが開かれ、テレンスとモリーは息子の旅立ちに涙する。

フロリダ興行に向かったドナヒュー一家は、多くのステージをこなし、ティムは舞台歌手になっていたヴィッキーに再会する。

自分達と同じ曲を歌う予定のヴィッキーに、ティムはその曲を譲り彼女に感謝される。

その後ティムは、ブロードウェイを目指すというヴィッキーと急接近する。

しかし、モリーはティムとヴィッキーの仲を良しとせず、二人が結婚したもと思い込む。

ブロードウェイの出演が決まったヴィッキーと共に、ティムとケイティにも同じオファーが入り、二人は、それを両親に伝えて祝福される。

やがて、ヴィッキー、ティム、ケイティが組んだ舞台が迫り、リハーサルが最終段階まで進む。

そしてケイティは、作詞家のチャールズ・ギブス(ヒュー・オブライアン)との結婚を決意し、ヴィッキーは興行主ハリスが独占し、ティムは一人寂しい日々を送る。

スティーヴが神父となる日、ケイティは婚約者のチャールズを彼に紹介して祝福される。

一応は付き合ってはいたものの、舞台優先のヴィッキーとティムはすれ違いの日々が続いていた。

ヴィッキーは、家族の援助があったティムとは違い、自分が一人で掴んだチャンスに賭けていることを彼に伝えるのだが、ティムはそれを理解しない。

そして、ヴィッキー主演の舞台当日、共演のティムが事故を起してしまい、ケイティを含めた舞台裏は混乱してしまう。

仕方なく、モリーが代役としてステージに上がることになり、幕が上げられる。

モリーは見事に代役を務めるが、病院に向かったテレンスは、息子ティムの責任感のなさに失望し、彼を平手打ちしてその場を立ち去る。

ティムは、両親に手紙を残して姿を消してしまい、テレンスとモリーは、彼を捜すものの消息は掴めずにいた。

やがて、戦争(第二次大戦)が近づいた頃、スティーヴは従軍神父となる。

その間、ヴィッキーのショウは大ヒットしてロングランを続けていたが、モリーの彼女を嫌う態度は変わらなかった。

ティムがいなくなった原因は自分にあると、それを悔やむテレンスは、息子を捜す旅に出る。

ヒポドローム劇場”の最終興行で、俳優基金の慈善公演が催され、楽屋では、ケイティが母モリーにヴィッキーを理解するよう説得しようとする。

頑固なモリーは、ヴィッキーが姿を消したティムを愛しているということを信じられなかった。

しかし、真摯なヴィッキーの態度に接したモリーは、考えを改め、彼女の気持ちを受け入れる。

外出命令が出たスティーヴが、モリーの楽屋に顔を出し、ティムのことで心を痛める母を慰める。

そして、涙をこらえ、満場の拍手を受けてモリーはステージに上がる。

スティーヴとケイティは、ステージの脇で、母モリーの熱唱する”ショウほど素敵な商売はない”を聴いていた。

そこに水兵になっていたティムが現れ、彼に気づいた二人は、それを母モリーに知らせる。

ティムが戻ったことを知ったモリーは、歌い終わると同時に息子を抱き寄せ、そこにテレンスも姿を現す。

テレンスとティムも抱き合い、家族は喜びをかみしめる。

会場内ではアンコールの拍手が鳴り止まずに、テレンスがステージに向かい、ドナヒュー一家が最後の公演を行った記念の舞台で、再び家族が揃ったことを観客に知らせる。

そして”ドナヒュー5人組”は、”アレクザンダーズ・ラグタイム・バンド”を熱唱し、ヴィッキーも加わり、”ショウほど素敵な商売はない”でステージを締めくくる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ヴォードヴィリアンのテレンスとモリー夫妻、スティーヴとティム、そしてケイティのドナヒュー一家は、ファミリー一座として各地で巡業を続けていた。
モリーは、子供達の成長と共に教育についてを考え、彼らを寄宿学校に預ける。
その後、ドナヒュー夫妻の芸は、大人の雰囲気が漂うものに変貌していく。
そんな時、両親と暮らしたい子供達は学校を抜け出してしまい、家族は家を買い一緒に暮らすことになる。
しかし、世の中は大恐慌の時代となり不況が続き、ドナヒュー家はその影響を受けて、家族は職を失ってしまう。
食べていくために、テレンスは寄席芸人にまで成り下がり、モリーはCMソングの下働きで家族を支える。
そして一家は、子供達の成長を機に、それぞれの才能を生かしたドナヒュー一座として復活する。
やがて、子供達は独立し、人生を歩み始めるのだが・・・。
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ラマー・トロッティの原作を基に、アーヴィング・バーリンが1946年のミュージカル”アニーよ銃をとれ”のために作った曲”There’s No Business Like Show Business”をタイトルにした作品。

第27回アカデミー賞では、原案、衣装デザイン、ミュージカル音楽賞にノミネートされた。

とにかく、ファンではなくても馴染みのある、アーヴィング・バーリンの名曲の数々は圧巻で、戦勝国でありながらも、疲弊した人々の心に勇気を与えた彼の音楽を堪能できると共に、家族の絆と人間の逞しさを力強く描いた、ウォルター・ラングの演出も見ものだ。

ミュージカル”アニーよ銃をとれ”のオリジナル・キャストでもある、エセル・マーマン最初のワイドスクリーン映画であり、”シネマスコープ”の大スクリーンに映し出される、絢爛豪華な映像と、自分のペースで熱唱する彼女の迫力ある歌には圧倒される。

エセル・マーマンよりも7歳も年下ということもあり、長身のダン・デイリーだが、彼女の存在感に、一家の長としての威厳を見せてもかなわないところなども、正にエセル・マーマンらしい役どころと言える。

アメリカの舞台芸術の素晴らしさを、見事に映像化した撮影はレオン・シャムロイアーヴィング・バーリンとは旧知の仲である、アルフレッドライオネル・ニューマン兄弟が、音楽を担当している。

マリリン・モンローとはやや釣り合わない感じだが、やんちゃな末っ子を好演して、見事な独演なども披露するドナルド・オコナー、妖艶な舞台歌手の場面は魅力はあるが、シリアスな演技には物足りなさを感じてしまう、やや”飾り物”的な存在の歌手マリリン・モンロー、家長として一家を支えるダン・デイリー、歌手として全盛であり、その歌声も十分聞かせてくれるジョニー・レイ、快活な長女でダンサーとして花開くミッツィ・ゲイナー、その婚約者のヒュー・オブライアン、興行主リチャード・イースタム、ヴィッキー(M・モンロー)の最初の代理人フランク・マクヒュー、寄宿学校の神父リス・ウィリアムス、そして、モンローのバック・ダンサー役でジョージ・チャキリスが端役出演している。


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